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2007/08/18

マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向>

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●            マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向>           ●
●        =旧名: ISO、世界は今 <ISOとその関連の海外動向>=        ●
●                     2007年(H19年)8月1日号                 ●
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             MS 実務の視点 (旧名: ISO 実務の視点)
             サニーヒルズ コンサルタント事務所
           http://www.ms-jitsumu.com
             ms02@ms-jitsumu.com
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用語“ISO”の紛らわしい使用を知的財産権侵害とするISO(国際標準化機構)の聞
発表(本誌2006.1.31号 No.3)の趣旨に則って、いち早く本誌の標題を初め関連す
るウェブサイトのURL、表記、記述を修正しました。
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  ■■■■■■■■■■■■      目    次      ■■■■■■■■■■■■
  ■ 
  ■ 1.食品供給連鎖における追跡性に関する規格 ISO22005 発行
  ■ 2.IT使用者のためのアイコン及び標識に関する調査結果の規格 発行
 ■ 3.欧州の団体が ISO規格と適合性評価制度への不信を公に表明
 ■ 4.欧州の規格作成機関の2団体が欧州規格の価値強化で協力
 ■ 5.中国製品品質不祥事で勇気づけられている人々
  ■ 6. 地球温暖化自然説を否定する新しい科学的発見
  ■
  ■ そして
 ■  [連載] ISO規格関連 -ちょっとひとこと! <その55>   
  ■  ★ (続)登録取得組織が品質、環境不祥事を発生させる理由
  ■            ―誤った登録制度統制が根本原因― 
  ■
 ■ [ウェブサイト “MS 実務の視点” 新着情報(7月)]
  ■
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1. 食品供給連鎖における追跡性に関する規格 ISO22005 発行−ISO
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   ISO中央事務局は7/12、消費者の食品安全を確実にする新たな規格が発行され
たことを新聞発表した。このこの概要は次の通り。

◆ 新規格はISO22000シリーズのひとつで、ISO22005:2007 「飼料及び食品連鎖
における追跡性−システム設計と実行に関する一般原則及び要求事項」である。
◆ 規格は食品供給連鎖のいずれの段階の組織にも適用され、組織が次が可能と
なるようにすることが目的。
□使用した飼料、食品、食品添加物、包装材料を追跡する
□製造の各段階での必要な追跡と文書化を特定する
□異なる関連組織間の適切な協働行為を確実なものとする
□少なくとも直接の供給者と顧客について知らされることを要求できる
◆ 規格はFAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)の下部組織の政府間
機関、コーデックス委員会と同じ「追跡性」の定義を採用している。
(ISO中央事務局:Press releases, Ref.:1063, 12 July 2007)
<http://www.iso.ch/iso/en/commcentre/pressreleases/2007/Ref1063.html>
 [関連情報] H19(2007).7.1号 No.2


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2. IT使用者のためのアイコン及び標識に関する調査結果の規格 発行−ISO
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  ISO中央事務局は7/18の新聞発表で、ISO/IECがIT製品に使用されているアイ
コン及び標識について調査した結果を技術報告書として発行したことを明らかに
した。この概要は次の通り。

◆ 標題は「情報技術−老人及び身障者の使用を容易にするIT技術製品の機能と
付属機器への接続にためのアイコン及び標識の調査結果」で技術報告書 
ISO/IEC TR 19765:2007として発行された。
◆ IT製品の使い勝手は、世界の老人人口比率が上昇する中益々大切となってい
る。老人がすべて障害をもっている訳ではないが、障害や動作制約はこれら年
代に多い。
◆ アイコン及び標識は他の規格やソフトウェア製品など広い範囲から収集し
た。
◆ ISO/IECには、この技術標準書に掲載したどのアイコン又は標識についても、
使用を奨励し、或いは、諫める意図はない。

(ISO中央事務局:Press releases, Ref.:1065, 18 July 2007)
<http://www.iso.ch/iso/en/commcentre/pressreleases/2007/Ref1065.html>
[関連情報] H16(2004).5.31号 No.4  


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3. 欧州の団体が ISO規格と適合性評価制度への不信を表明−FERMA
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  英国のウェブサイト設計会社 Portal Publishing系のウェブサイト 
Continuity Central は、FERMA(欧州リスクマネジメント協会連合*)が、第三者
による適合性評価制度を伴うリスクマネジメント規格を制定しようとするISOの
動きに反対する立場を示す声明書を発表したことを報じている。この中でFERMA
は反対理由として、現行のISOマネジメントシステム規格の適合性評価制度の実
態の問題点を挙げている。記事は、ISO9001、14001とその審査登録制度が欧州で
も不信を呼んでいることを窺わせている。記事の反対理由に関する概要は次の通
り。

◆ リスクマネジメントのように極めて複雑で、かつ、適用範囲が種々に異なる
広範囲な概念の規範のISO規格は、余りにも柔軟性を欠いたものとなる恐れがあ
る。
◆ 組織が規格を適用するには、甚大な外部資源と内部資源を必要となることが
予想され、相応の利益のないまま市場競争力への深刻な影響、大量の文書化作業
の必要などの不利益を被ることになる。

◆ 産業界は既に、品質、環境、労働安全に関して規格に対する適合性評価を受
け入れてきた。
◆ しかし、経験はそれら規格が満足いく成果を保証するものでないことを示し
ている。事故は引き続き発生し、製品賠償要求は引き続き起きている。
◆ ISO規格に対する適合性は従って、規制当局、顧客、株主及び第三者に対して
誤った安心感を与えているに過ぎない。
◆ この状態は、常には客観的でない、また、国によって大きく異なる認証活動
によってしばしば助長される。

(Continuity Central, News Direct, 13th July 2007)
<http://continuitycentral.com/news03369.htm>


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4. 欧州の規格作成機関の2団体が欧州規格の価値強化で協力−ANSI報道
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   ANSI(米国国家規格*)は7/3付けで欧州の規格作成機関の団体、CEN(欧州規格
化委員会*)とCENELEC(欧州電気技術規格化委員会*)が、キプロスでの第三回年
次会議で、欧州規格の価値と原則の強化のための共同行動について合意したこと
を、2005年12月にANSIが制定した米国規格戦略を引用して報じている。CENと
CENELECの共同行為の狙いに関する概要は次の通り。

◆ この合意は、かつてないまでにグローバル化した世界という難局に先手を打
ち、また、対応する、より公開され、柔軟で、機能的な規格化システムの創造を
図ろうとするものである。
◆ 最初の行動は、欧州規格及びその他の欧州の規格の製品をより効率的に市場
に広めること、適合性評価に対する新しい考え方を決めること、広報と
ブランド化を通じて欧州規格化システムの存在感を欧州内外で高めることに焦点
をあてたものとなる。
◆ CENとCENELECは、一連の共同行動によって、欧州規格化システムの効率を向
上させ、国際規格化機関との協力を強め、グローバル化市場での欧州製品の競争
力を強化することを期待している。

(ANSI:News Articles, July 3, 2007)
<http://www.ansi.org
/news_publications/news_story.aspx?menuid=7&articleid=1539>


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5. 中国製品品質不祥事で勇気づけられている人々−新聞記事
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   ASQ(米国品質協会*)のウェブサイトのQuality News Today では、様々な中国
製品の品質不良事故に係わるニュースが毎日のように引用されているが、この中
で、事故の騒動の背景にある関係者の政治的思惑を皮肉に描いた世界的新聞International Herald Tribune紙の7/10付け記事が引用されている。この概要は
次の通り。

◆ 中国製が直ちに“まがいもの”を想起させた時代があったが、現在では多く
の米国人は“危険”と考えている。
◆ しかし、ある人々には“夢の実現”である。それは、政治家、なまず養殖業
者、消費者運動家等々である。
◆ 何年もの間、これらの人々は自分たちの言い分を通すために中国製品の衛生
上の問題について警鐘を鳴らし続けてきた。
◆ なまず、えび養殖業者は抗生物質と汚染物質で泡立つアジアの養殖池のイメ
ージを訴えてきた。
◆ 牧場主とそれに支持される政治家は、農産物に原産地国名を表示するよう運
動してきた。
◆ ワシントンでは消費者運動家や中国のWTO加盟に反対した議員達を“やはり”
と元気づけている。当時の反対論拠は人権、労働、環境問題だったが今や“
安全性”である。
◆  食品安全の法律強化を主張してきた政治家も利益を得た人々である。不良
中国製品は法の監視が失敗した場合にどうなるかの例を示している。
◆ 1年間中国製品を使用しないで過ごした経験を本「グローバル経済下の真の
生活冒険」を1週間半前に出したばかりのSara Bongiorniさんも利益を得た一人
である。
◆ 一連の不祥事の長期的影響は、あとどれだけの不良製品が表面化し、あと何
人、何匹のペットが傷つき、発病し、死亡するかによる。
◆ しかし、中国製品の輸入が伸び続けるというのも否定できない事実である。
とにかくあまりにも安い。

(ASQ: Quality News Today,  July 10, 2007)
<http://www.asq.org/qualitynews/qnt/execute/displaySetup?newsID=1735>
[関連情報] 2007(H19).5.1号 No.3

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6. 地球温暖化自然説を否定する新しい科学的発見−WBCDウェブサイト
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   WBCSD(持続可能な発展に関する世界経済人会議*)のウェブサイトが、
Greenwire website の、地球温暖化が人類活動を原因とするものではなく、太
陽からの日射の変化に起因するという異説を否定する最新の科学的発見について
報道を引用している。この概要は次の通り。

◆ 英国の太陽物理学者 Lockwood氏(Rutherford Appleton 研究所)は、過去の日
射量の記録を検討して、地球に降り注ぐ全日射量は1985年が最大であり、以降の
20年は減少していることを発見した。しかし、この間の温暖化は進んでいる。
◆ この発見は、近年の温暖化が人類の活動によるものではなく、日射量の変化
によるとする考え方を明確に否定するものである。
◆ また、この発見により、くしくも今年初めに英国のテレビ“4チャンネル”が
放映した「地球温暖化の偉大なうそ」という反温暖化説を取り扱った番組の仮面
が剥がれた。

(WBCSD; News)
http://www.wbcsd.org/plugins/DocSearch/details.asp?type=DocDet&ObjectID=MjUONzU>
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果
にも責任を負いません。      − *印の固有名詞は編集者の和訳 −
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   ■■■   [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと!  <その55> ■■■
   ★ (続) ISO9001/14001 登録取得組織が品質、環境不祥事を発生させる理由
                     ―誤った登録制度統制が根本原因― 

  ISO9001,14001登録取得組織の品質、環境の事故や不祥事の発生に対して、審
査登録制度を司る日本適合性認定協会(JAB)は問題意識は持っても、発生に対す
る責任を完全否定している。このJABの主張は果たして、規格とその適合性評価
制度の国際的枠組みに照らして正当なものかどうかを、ISO9001を例に検証したい。

  品質保証規格と二者監査の始まりは1959年制定の米国の軍事規格MIL-Q-9858と
言われるが、やがて1970年代、欧州諸国では顧客企業が独自に品質保証活動の規
範を定めて供給者に順守を求める二者監査が拡がり、各国ではこれの統一のため
に品質保証規格がそれぞれに制定された。これら品質保証規格の中身は供給者が
これを順守すれば不良品が納入されないと顧客企業が考える供給者の業務方法を
定めたものであり、顧客企業は供給者が規格を順守することを物品購入の条件と
し、これを監査で確認して供給者を選定し、以降も業務遂行を監視した。

  1982年、英国政府は企業の品質競争力の向上の手段としてこのような性格の品
質保証規格のひとつBS5750の適用を企業に求めた。同時に規格への適合を確認

し、当該企業が不良品を出さないという業務能力を有することを未知の顧客に保
証する第三者監査制度を推進した。国際貿易促進の観点から1987年に国際規格化
されたISO9001シリーズ規格は、契約当事者間の二者監査への適用が主眼であっ
たが、1989年のISO適合性評価委員会年次総会の決議によるISOマネジメントシ
ステム規格の審査登録制度の国際的枠組みの確立を経て、1994年改訂で第三者監
査への適用が明確にされた。

  MIL-Q-9858に遡る不良品の出荷防止に関する考え方と手法は、欧州各国規格、
BS5750からISO9001の各版へと追加、強化されてきたが、2000年版は1980年代の
成功企業の体験を反映した現時点における最も効果的な品質保証マネジメントの
規範であると考えられている。このISO9001の審査登録制度の国際的枠組みは、
知らない企業同士の取引において組織が「必要な品質の製品を供給できる」とい
う「安心感」を顧客に提供することが狙いである。登録証は国際的サプライチェ
ーンの
中で「組織が異なる国に存在する供給者を選択する」指標として使用されるもの
であるが、そのような指標たり得るのはこの安心感の故である。従ってこの安心
感とは、顧客がこんな不良品を受取らされるのなら取引したくないと考える水準
や程度、種類或いは頻度の不良品は出荷されることはないという安心感であると
言える。

  一般に、事故や不祥事と言われるのは、“組織”たる企業の製品品質又は品質
関連業務に関して顧客ないし消費者が強い不安や不満を抱く事柄の曝露であり、
過去の多くの事例では実際に顧客離れが起きている。取引開始の段階でこのよう
なことが予測できれば、顧客はそのような企業や製品を選定しなかったはずであ
る。顧客は普通、不良品絶無は期待しないまでも、著しい品質不良なかんずく新
聞種になるような品質事故や不祥事の発生の恐れのないことは期待して企業や製
品を選択している。この顧客の淡い、しかし、切実な期待を正当な安心感までに
高めるのがISO9001と審査登録制度の本来の趣旨である。

  JABは、審査登録は不祥事発生のないことの保証ではなく、不祥事を発生させ
た組織に再発防止処置をとらせることが審査登録の趣旨であるという立場であ
る。この程度の安心感で顧客が初めての取引、とりわけ国際取引の決断をすると
JABが考えているとは思えないが、その主張が国際的枠組みの意図する「安心
感」との関連で語られ、正当であることが根拠をもって説明されることはない。
これに関連するISO9001は“顧客の要求”であり、審査登録制度は“社会制度”
であるとするJABの説明も、それなら顧客が何のために要求しているのか、社会
を何から守るのかの説明を欠き、そもそも、このような考えが規格と審査登録制
度の国際的枠組みの論理のどこから出てくるのかの説明もない。業界権威層の論
理性を欠く説明を何事も鵜呑みにし、自在の断片的論理の見解を以て権威主義で
JABが司る国際合意に悖る誤った審査登録制度統制が、登録取得組織も事故や不
祥事を発生させる根本原因である。
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■■■■■   [ウェブサイト:MS 実務の視点]  新着情報 (7月) ■■■■■
http://www.ms-jitsumu.com 
★ ISOマネジメントシステム 時事寸評
   <No.130; H19.7.6>  −航空管制官に英語試験−
   <No.131; H19.7.12> −日本製紙 煤煙排出データ改ざん−
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