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2006/12/15

マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向>

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            マネジメントと規格 <ISO規格と関連の海外動向>   
        =旧名  ISO、世界は今 <ISOとその関連の海外動向>=
                     2006年(H18年)11月30日号
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             MS 実務の視点 (旧名: ISO 実務の視点)
             サニーヒルズ コンサルタント事務所
        http://www.ms-jitsumu.com (再変更)
            ms01@ms-jitsumu.com
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用語“ISO”の紛らわしい使用を知的財産権侵害とするISO(国際標準化機構)の新
聞発表(本誌2006.1.31号 No.3)の趣旨に則って、いち早く本誌の標題を初め関連
するウェブサイトのURL、表記、記述を修正しました。
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  ■■■■■■■■■■■■      目    次      ■■■■■■■■■■■■
  ■ 
  ■ 1.米国主導で非常事態対応の国際規格IWA5:2006が発行
  ■ 2.BSI ISO14001規格10周年記念式典で優秀組織を表彰
 ■ 3.米国の審査登録機関と適合性認定機関の係争
 ■ 4.米国のISO各TC国内対策委員会に対する管理 
  ■ 5.中国の炭酸ガス排出量は2010年までに米国を凌駕し世界一に 
  ■ 6.生物多様性条約事務局 アフリカへの植林で環境NPOと合意
  ■
  ■ そして
 ■  [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと! <その47>   
  ■   ★ ISO専門誌“アイソムズ”休刊宣言 −業界広報誌への読者の反乱?
  ■
 ■ [ウェブサイト "MS 実務の視点"  新着情報(11月)]
  ■
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1. 米国主導で非常事態対応の国際規格IWA5:2006が発行  −ANSI発表
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   米国規格協会*(ANSI)は11/15、ニューヨーク大学企業の非常事態対応性セン
ター*(InterCEP)の支援を受けANSIが主導する作業部会が今年の4月から取り組ん
できたテロ攻撃や災害に対する企業の備えに関する国際標準を、ISOがIWA(国際
作業部会合意)として発行したことを新聞発表した。発表の概要は次の通り。

◆ この分野での早急な国際標準を求める声に応えてANSIとInterCEPにより組織
された作業部会の討議の結果、IWA5:2006, 非常事態準備 が発行された。
◆ このIWAは正式なISO規格が作成されるまでの暫定的なものとして作成された
もので、規格化担当のTC223(社会安全保障)に対する推奨事項を定めている。
◆ IWAはTC223の規格化作業の基礎となる必須要素を網羅しており、それらは、
危機分析、緩和と予防策、及び、事故処理マネジメント、危機情報開示と資源マ
ネジメントなどである。
◆ IWAはまた、将来の規格が米国のNFPA1600初め日本、イスラエル、英国、オー
ストラリアの各国任意規格又は指針を適切に採り入れるよう推奨している。

(ANSI:News Articles, November 15, 2006)
<http://www.ansi.org
/news_publications/news_story.aspx?menuid=7&articleid=1371>
[関連情報] 2005(H17).8.31号;No.2, 2004(H16).9.30号;No.3

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2. BSI ISO14001規格10周年記念式典で優秀組織を表彰 −BSI発表
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  英国規格協会*(BSI)は11/28、ISO14001規格10周年記念式典を開催して、優秀
組織を表彰したと発表した。概要は次の通り。

◆ 式典は通商産業省*(DTI)の支援を受け、気候変動及び環境担当国務大臣 
I.Pearson氏の基調講演があった。
◆ 優秀大企業賞は、ISO14001を全社のマネジメントと一体化し、供給連鎖の管
理と排出削減の定量的効果の顕著なInvista Textiles社に授与された。
◆ 優秀中小企業賞は、持続可能な消費と生産の優れた例であるIntercolor社に
贈られた。同社では、ISO14001認証取得後の6年間で製品Kg当たり廃棄物、燃
料、電気、紙、溶媒使用量が減少する一方で生産量は50%増加した。
◆ EMS実行の規模と複雑さにもかかわらず困難に挑戦したことで、Aggregate industries UK Ltd.社に革新的取組み賞が贈られた。同社は材料の回収とリサイ
クル及び環境配慮設計を通じて全製品に環境問題を織込み、生物多様性問題にま
で踏み込み、幅広い利害関係者の関心に対応した。
◆ BSI理事 M.Low氏は、「企業の環境実績は顧客と株主の満足に大きな影響を及
ぼす。ISO14001でこの10年に大きな利益を得た企業を見て、他の企業が同様の利
益を追求するようになることを期待する。ISO14001とその使用組織の成功は、規
格の基礎を築き、規格作成を主導した英国においては殊更に誇らしいことで
ある。

(BSI: Press Release, 29 November 2006)
<http://www.bsi-global.com/News/Releases/2006/November/n456a1f0bd256.
xalter>
 [関連情報] 2006.9.30号 No.4


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3. 米国の審査登録機関と適合性認定機関の係争−Qualitydigest 記事
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  米国の品質情報誌 Qualitydigest は12月号で、適合性認定機関ANABがそのマ
ーク使用中止を求めてISO9001審査登録機関 American Global Standards(AGS)を
訴えた裁判が2003年以来連邦地裁で続いていることについて報じている。
問題の発端は、日本の企業95社にISO9001登録証を発行していたAGSが、ANAB(当
時はRAB)の認定審査で不合格となりAGSの審査登録機関としての認定が取り消さ
れたこと。記事の概略は次の通り。

◆ ANABはAGSの監査でいくつかの不適を発見したが、AGSの S.Keneally氏は、A
NAB指摘は妥当でなく“全く非現実的”な要求であるとして受け入れを拒否し、
ANABは2003年2月にAGSの認定を取消した。
◆ ANAB認定を失って同年4月、AGSは登録証発行済みの日本企業に対する処置と
して、ANAB認定の他の審査登録機関 AIQRと協定を結び、“AGSに代わってAIQRが
発行する”というANABマーク付きの新しい登録証を発行し交付した。
◆ そこでANSIは登録証へANABマークを使用して登録組織を誤解させたこと及び
認定取り消しによりANABマーク使用権を失ったとしてAGSとS.Keneally氏を訴え
た。
◆ S.Keneally氏は、「ANABに気に入らないことをすれば、事業をやめろ」とい
うのはおかしい。「認定システムには苦情解決の公正な機関が存在せず、すべて
がANAB専決となっている」として、ANAB申立の調停移行を拒否して、損失回復ま
で戦う意向である。
◆ 同氏は、ANABと同認定部長 D.Dougherty氏、AIQR及びAGSの元同僚2人を逆提
訴している。
◆ なお、AIQRはANABから自身の認定をね取消すとの警告を受けてAGSとの協定を
破棄し、AGS顧客の各社はANABの指導で他のANAB認定審査登録機関に登録替えし
た。

Quality Digest: News Digest, 13 Dec. 2006
http://www.qualitydigest.com/currentmag/news.shtml#8


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4. 米国のISO各TC国内対策委員会に対する管理−手順遵守確認と報告書提出
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  米国規格協会*(ANSI)は11/16声明を発表して、米国のISO各TC国内対策委員会
が、課せられた年次手続きの実行期限を遵守するよう要請している。この声明
は、米国では各国内対策委員会の活動がANSIの定める手順に従って実行され、
ANSIにより管理されていることをうかがわせる。声明の概略和訳は次の通り。

◆ ANSIの手順及び標準監理部*(PSA)は、すべてのANSI認定の米国ISO技術専門委
員会*(US TAG to the ISO)が2006年の規則遵守報告の提出期限が過ぎていること
に注意を喚起するよう求める。
◆ ANSIの最高標準理事会*(ExSC)は、年次の規則遵守報告書とその検討作業を重
要なTAG活動監理の仕組み(oversight mechanism)と考えている。
◆ すべてのTAGは、米国のISO規格活動参画に関するANSI手順を遵守することを
確実にするために、ANSIが認定している各TAGの手順が2005年版のISO規格活動参
画に関するANSI手順を満たしているかどうかを検討して、書式に則って年次規則
遵守報告書を提出しなければならない。
◆ 各TAGはまた、前年活動に関する年次報告書を提出しなければならない。

(ANSI:News Articles, November 16, 2006)
<http://www.ansi.org
/news_publications/news_story.aspx?menuid=7&articleid=1373>


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5. 中国の炭酸ガス排出量は2010年までに米国を凌駕し世界一に−IEA予測
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  英国の新聞 Independent は11/8の記事で、炭酸ガス排出量に関するIEA(国際
エネルギー機関)の予測を報じている。概要は次の通り。

◆ 緊急の対策をとらない限り、今日から2030年までに世界の炭酸ガス排出量は
55%増加する。
◆ 排出量増加の3/4は途上国によるものである。
◆ 途上国の排出量は2012年までにOECD26ケ国を上回ることになり、今日の世界
の排出量の39%から2030年には52%を占めるようになる。
◆ 中国は排出量増加の39%を占め、2030年には現在の2倍の炭酸ガスを排出する。
大方の予想より早く、2010年までには世界最大排出国として米国に取って代わ
る。
◆ 中国を含み途上国では石炭使用など炭素依存が強いため、排出量増加はエネ
ルギー消費増加以上の速度となる。
◆ 中国やインドは排出量削減は先進国の問題であり、途上国に経済成長を犠牲
にしたり、高価なエネルギーの使用を強制したりするべきでないと主張してき
た。

(The Independent online Edition; News/Environment、08 November 2006)
<http://news.independent.co.uk/world/asia/article1962439.ece>


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6. 生物多様性条約事務局 アフリカへの植林で環境NPOと合意−新聞発表
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   生物多様性条約事務局は11/16、同事務局長 A.Djoghlaf氏と環境NPOのGreen 
Belt 創設者でノーベル賞受賞者 Wangari Maathai教授とがアフリカに植林する
同意書に署名したと新聞発表した。これは同事務局のこの2年間の活動が“炭素
中立”であり、活動の環境影響を相殺する適切な処置がとられることを確実にす
るためである。発表の概要は次の通り。

◆ 合意書によると、多様な生物の生息を維持し、地方住民の生活を支えるため
に地方固有の樹木が植えられる。
◆ 資金は寄付により賄われるが、寄付は直接Green Beltに納付 される。合意の
実行のために寄付者は複数年継続する財政的支援を要請される。
◆ A.Djoghlaf氏は、「国連の環境取組みに携わる我々は、その活動が新たな環
境破壊をもたらすものでないことを確実にする必要がある」、「189ケ国の条約
締約国と67人から成る事務局員は、将来の国際的環境会議に対する規範を示し
た」と語った。

(Convention on Biological Diversity:PRESS RELEASE,16 November 2006)
<http://www.biodiv.org/doc/press/2006/pr-2006-11-16-greenbelt-mou-en.
pdf>
[関連情報] 2006(H18).4.30号 No.2
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記事は情報を編集者の視点で読み解いたものです。情報の詳細、発信者の意図
は原情報をお読み下さい。編集者は、読者の本記事の使用による如何なる結果
にも責任を負いません。      − *印の固有名詞は編集者の和訳 −
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   ■■■   [連載] ISO規格 -ちょっとひとこと!  <その48> ■■■
   ★ ISO専門誌“アイソムズ”休刊宣言 −業界広報誌への読者の反乱?

<“アイソムズ”休刊宣言> 
  ISOマネジメントシステム規格専門の月刊雑誌“アイソムズ”がこの12月号を
もって休刊することが明らかになった。理由の説明はないが、情報伝達手段とし
てのインターネットの発展に触れたウェブサイトの休刊の弁から、読者数の減少
が主因であることがうかがわれる。筆者は、この雑誌の発行元であるISO研修機
関の研修を受けて審査員資格を得て以来、同誌の読者であり、2002年には投稿論
文がその5,6月号を飾ったこともある。筆者の目には、日本の主要ISO専門誌3誌
の中では質、格調の観点で最も優れたものに写っていた。しかしながら、実は今
年の3月で6年間続けた定期購読を打ち切った。理由は同誌の記事に読むべきもの
がなくなって久しくなったからである。打切りの通知に永年の読者としてのお礼
の言葉を添えたが、なしのつぶてであったことが気になっていた。その1年も経
たない休刊宣言だから、既に当時読者離れが深刻化していたものと推定される。
筆者は随分我慢強い読者であったということである。

<ISO専門誌の実態>
  “アイソムズ”に限らず、ISOマネジメントや月間アイソスなど日本のISO専門
誌には、ジャーナリズムとしての主張が希薄である。内容は一般に、規格解釈や
規格の適用或いは規格作成動向など関連する事項に関するインタビューか解説や
説明の記事と組織の規格適用体験の発表記事の2種類が中心である。前者で採り
上げられるのは決まって、業界指導層かそれにつながる著名層及び審査機関の責
任者や”ベテラン審査員”の見解であり、内容はどれも業界権威につながる金太
郎飴の切り口を思わせる同一かつ同質振りである。記事は普通、これをひたすら
ありがたく拝聴する形でまとめられている。後者は例外なく、首尾よく実行した
こを指導教官に褒めて貰うための生徒の発表の如くの文面で、組織のシステム構
築や運用に関する成功体験の報告という業界権威に忠実な内容である。

   記事には問題提起や現状批判の視点は存在せず、今や常識となったISO取組み
の問題ある実態に切込むこともなく、国外に目を転じることもない。特集や連載
記事としてとり上げられる時代を反映した時々の話題やテーマ も業界指導層の
受け売りであり、業界利益を代表する人々の見解を無批判に伝えるだけである。
日本のISO取組みには、ISOへの日本代表を務める層を頂点として、それにつなが
る指導層とJABやその支配下の審査登録機関、研修機関、審査員が登録組織の上
に君臨するという業界秩序が確立しているが、ジャーナリズムもこの中に身も心
もどっぷりと浸かって、業界広報機関に成り下がっているかの状況である。

<読者の関心の変化>
   日本でISO取組みが始まって15年も経って、ISOマネジメントシステムとはど
んなものかという初歩的な興味から、規格適用の効用への深まる疑問や登録組織
の相次ぐ不祥事或いはこれらへのJABや審査機関の対応など自らのISO取組みに資
し、疑問に応える情報へと読者の関心は大きく変化している。読者が体験し見聞
きする現実に目を塞ぎ、相変わらず業界権威の意向と業界利益を擁護する情報し
か報じないISO専門誌から読者が離れていくのは当然である。

<空疎なISO9001取組み>
   顧客に依存する組織は、顧客のニーズと期待を満たすことではじめて、その
事業を継続させ発展させることが可能となる(ISO9000 2.1)。組織は製品に関す
る顧客満足度を監視、測定し(ISO9001 8.2.1)、分析して(同 8.4 a) )、変化す
る顧客のニーズと期待を把握し、これに対応するよう製品を改善しなければなら
ない(5.6.3 b))。  これを、ISO9001の啓蒙を事業とする“アイソムズ”発行組
織が知らず、また、実行を怠ったとは考えられない。JIS規格付属文書では、顧
客要求を辛うじて達成すれば顧客満足となる(3.2 e)とし、製品の改善は必ずし
も必要でない(4 p))とされているが、実際にはこんな甘い顧客は存在しない。こ
のような業界権威の解釈に沿う見解を記事にしてきた雑誌の発行元が、そのよう
な品質マネジメントを行い、その結末が雑誌の休刊宣言だとすると、日本の問題
あるISO取組みを身をもって証明したことになる。
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■■■■■   [ウェブサイト:MS 実務の視点]  新着情報 (11月) ■■■■■
              http://www.ms-jitsumu.com (2/12 URL再変更)
★ ISOマネジメントシステム 時事寸評
  時事寸評 <No.104; H18.11.12>−相次ぐ不具合で揺らぐ「品質神話」−
  時事寸評 <No.105; H18.11.20>−松下電器など3社がプラズマパネル無鉛化−
  時事寸評 <No.106; H18.11.30>−旅行大手が新予約サイトを相次ぎ開設−
★ ISO9001 解説 −実務の視点
  (その22) 5.4.1項 品質目標(H18.11.25)
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