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夢はTSUTAYA大型店舗の住み込み店員。映画と名がつきゃ観ずにはおれぬ。そんなシネマジャンキー“GON所長”と、闇ラバ居候の気ままな男“でれすけ” が贈る、映画愛あふれるマガジン(のつもり)

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2009/11/15

◆『闇鍋LOVERs』◆

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   ◇◆◇ エンタメ言いたい放題 『闇鍋LOVERs』 ◇◆◇

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   あらゆるジャンルと角度でエンタメ界を弄びます(笑)

《 INDEX 》…………………2009年11月15日第167号

1)『劔岳 点の記』木村大作監督作品、それだけで見る価値がある
                           byでれすけ

2)母親から噴き出した狂気『母なる証明』 byGON所長

3)怖すぎて面白い『スペル』 byGON所長

4)編集後記

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【1】『劔岳 点の記』木村大作監督作品、それだけで見る価値がある

明治40年、日本地図に残った最後の空白を埋める為、
前人未到の劔岳に挑んだ男達がいた。
そして、そんな男達を木村大作が映画にした。

木村大作は有名なキャメラマンである。
これまで、数多くの映画の現場でキャメラを回し、
価値ある仕事を残して来た。
本物の映像にこだわり、キャメラマンの仕事に誇りを持ち、
その気難しげな風貌が、生涯いちキャメラマンを貫く人物を
象徴する様な人だった。
しかし、70歳にして彼は映画監督になった。
この業界に身を置く者は、自分の映画を残さぬうちは
死に切れないということなのか。
理由はどうあれ、これだけでも、この映画には一見の価値がある。

もちろん、妥協を許さぬ木村スタイルは、ほぼ全編に渡り貫かれている。
なにしろ、古来より針の山と呼ばれるほどに険しい劔岳に、
監督・木村は出演者を毎日、片道数時間をかけて登らせて、
足場の悪い岩場や猛烈な吹雪の中での演技を要求しているのだ。
CGなし、空撮さえも一切使わないという方針に徹して生み出された
映像の迫力は期待を裏切らない。

話は単純明解だ。
国防上の理由から日本地図完成を急いでいた陸軍が、
測量部の柴崎芳太郎(浅野忠信)に、劔岳登頂を命じる。
それまでに何度も登頂を試みては断念を余儀なくされていた陸軍だが、
日本山岳会が劔岳初登頂を目指している、という話を聞いて
いよいよ尻に火がついた。
遊びで山に登る連中に先を越されてはメンツが立たない、というわけだ。
こうして軍のメンツを背負わされた柴崎は、地元の山を知り尽くす
宇治長次郎(香川照之)のサポートを得て山に入る。
陸軍vs山岳会の初登頂争いは、新聞にも取り上げられて
世間の注目を集めた。

しかしこの勝負は、フェアではなかった。
というのも、当時は三角測量という方式が主流であったが、
これには山頂に観測点を設け櫓を組まねばならない為、
測量部はその荷物も自ら運搬せねばならなかったからだ。
この物量が半端じゃない。まるで何かの拷問だ。
それに比べて山岳会は身軽。
ライバルにビスケットを振る舞うほどスマートで余裕綽々。
方や柴崎と宇治は髭ぼうぼう。

しかし、そんな2人に若手技師・生田信(松田龍平)と
土地の人足達を加えた測量部一行の立派なこと。
荷物のハンデを言い訳にせず、宗教上のタブーを侵す葛藤、
家族との対立などややこしい問題を抱えつつ、黙々と進んで行く。
その光景が、とんでもなく感動的な一本。
木村大作、これで思い残すこともあるまい。

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【2】母親から噴き出した狂気『母なる証明』

冒頭、広い野原にふらふらと現れ、奇妙な様子で踊り出す母。
日本の里山に似た秋の気配の中で無心に踊る母の姿に、
いったいどういう意味があるのか。

軽い知的障害があるトジュン(ウォンビン)と
漢方薬店で働く母(キム・ヘジャ)は小さな町で暮らしていた。
仕事もせずブラブラしているトジュンは、身体は大人だが、
心は子供のままで、無邪気そのもの。
そんな息子が可愛くて可愛くて仕方がない母は、
目に余るほど溺愛している。

ある日、道端でふざけていて車にはねられたトジュンは、
一緒にいた友人と車を追いかけて仕返しに行く。
ゴルフ場で乱闘になり、警察の厄介になったトジュンだったが、
相手のベンツのサイドミラーを壊した弁償をさせられてしまう。
壊したのは友人なのに、トジュンが蹴って壊したと言われると、
思い出せずに認めてしまう素直さが伏線となる。
刑事たちもトジュンの性格や環境をよく知っていて、
迎えに現れた母に同情的だった。

翌朝、高台にあるビルの屋上で女子高生の遺体が発見された。
そばにはトジュンの名前が書かれたゴルフボールが落ちていた。
それは前日、トジュンがゴルフ場の池から拾ったボールで、
自ら名前を書いたモノだった。
連行されたトジュンは、いつの間にか罪を認める書類に拇印を押し、
犯人にされてしまう。

息子の無実を晴らそうと、母は顔見知りの刑事や凄腕の弁護士に
かけ合うが、相手にされない。
それならばと、真犯人を探そうと母は無謀な素人捜査を始める。
この母の暴走ぶりが正義なのか狂気なのか。
誰にも止められない必死さが暴いた衝撃の真実に、
母親の狂気がマグマのように噴き出す。

不穏な幕開けに隠された母の行動の結末と、
誰も予想できなかったラストへの繋がりは、絶対に忘れられない。
ポン・ジュノ監督があえて役名をつけなかった母は、
子供を守る本能を極限まで証明したのだった。
10月31日(土)より全国公開中。

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【3】怖すぎて面白い『スペル』

ホラー映画好きだが、前評判のわりにはガッカリすることが多い。
終わったとき、劇場の椅子からすっくと立ち上がれたら残念だ。
本当に恐怖を味わうと、なかなか立ち上がれないものだ。
今までに3度はあったと思う。
ではサム・ライミ監督の本作『スペル』の恐怖度は
どの程度であったかというと、怖いんだけど笑っちゃう面白さなのだ。
でも邦題をなぜ“スペル”にしたのか、懲りすぎて分かりにくい。
“綴り”ではなく“呪文”という意味なのだが、原題は「Drag Me To Hell」。

農村出身のクリスティン(アリソン・ローマン)は、
都会に出て銀行の融資係をしている。
通勤の自動車内で標準語の英会話を練習する努力家だ。
仕事は順調で、恋人のクレイ(ジャスティン・ロング)とも上手くいっている。
彼は心理学の教授で、彼の両親から初めて食事の招待も受けている。
両親には彼に相応しい女性だと認められたいと願っている。
そこで昇進を目指すクリスティンが狙うのは空いている次長のポジション。
支店長はクリスティンに、彼女と(ライバルの)スチュのどちらかを
次長にするつもりだが、“厳しい決断”が出来る方を選ぶと話す。

出世に欲を出したクリスティンは、
たまたまやってきたガーナッシュ夫人(ローナ・レイヴァー)の
3度目の住宅ローン返済延長を断わり、夫人から呪いをかけられる。
これまで2度延長を認めた親切な彼女なのに、
スチュが支店長に取り入っている様子に、
つい心を鬼にして“厳しい決断”を支店長にアピールしようとしたのだった。
クリスティンの前で土下座して頼み込んでいた老婆を無視すると、
「私は誇り高い女だよ。ここまでさせてよくも恥をかかせたね。
今度はお前が私に頼みに来る番だ」と捨てゼリフを吐いて出て行く。

出世欲に負けて不親切にした結果が、
クリスティンを恐怖のどん底に陥れる。
呪いは3日間続き、最後は地獄へ連れ去られるものだった。
想像を絶する恐怖の連続、金髪お嬢さんの運命は?
エスカレートする恐怖は、怖すぎて笑ってしまうがそこが面白い。
史上最も恐ろしい老婆は一見の価値あり。
11月6日(金)より全国公開中。

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【4】編集後記
《でれすけ》
お茶の間映画の最高のお供といえば、やはりピザですよね。
くつろいだ姿勢や字幕を読みながらでも食べられる手軽さに加え、
とにかくおいしいしね。
特にドミノ・ピザはお届け30分以内。
この間合いが、劇場で上映を待つ時のワクワク感を思い出させて絶妙。
そうは思いませんか?

《GON》
予算の無駄を洗い出す「事業仕分け」作業が一般公開され、
問答無用の仕分け人vs予算の必要性を訴える担当者の攻防がすごい。
痛快に切り込む仕分け人に、担当者がオロオロすればするほど
矢継ぎ早に質問攻めとなり、厳しい判定が下されていく。
まさに時代が激変している最中なんだと注目している。

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