2009/09/13
週刊 お奨め本 第359号『風の中のマリア』
*********************************************** 週刊 お奨め本 2009年9月13日発行 第359号 *********************************************** 『風の中のマリア』 百田尚樹 ¥1,500+税 講談社 2009/3/3発行 ISBN978-4-06-215364-5 *********************************************** ヴェスパ・マンダリニア――オオスズメバチは戦うために生まれた。 すべては帝国のために。 帝国興亡史。 一大叙事詩。 手に汗握る盛り上がり。ただし蜂。 びっくりです。 百田尚樹、ナニ考えてこんな小説書いたんでしょう。ナニ考えてたんだか知らな いけど、書いてくれてありがとう! です。すげー面白いですよ! 偉大なる母アストリッドの帝国は、秋、繁殖期を迎えた。ワーカーたちの数は何 百頭にもなり、育房室は幼虫であふれる。 マリアは秋の初めに羽化した。生命あふれる夏の草原を知らない。獲物は少なく なってきている。マリアは日夜狩りに明け暮れる。 マリアたちハンターが巣に持ち帰る餌―昆虫の肉を団子に丸めたもの―それは妹 たち幼虫に与えられる。成虫は肉を含め固形物は一切食べない。成虫が口にする のは樹液や花蜜、そして幼虫の出す唾液。特殊なアミノ酸化合物が含まれていて、 体内の脂肪を直接燃やしてエネルギーに変換することができる。 …というようなオオスズメバチ雑学知識もてんこ盛り。 > 「あたしたちアリもあんたたちスズメバチも、巣全体でひとつの生き物なんだよ」 > 「どういう意味?」 > 「女王バチは卵巣で、ワーカーは手足だ。一頭一頭はばらばらに見えるが、実 > は全部合わさって一つの生き物なんだ」(93頁) メスでありながら子供を生むことのない自らの境遇へ、かすかな疑問を抱きつつ それを振り払い、ひたすら帝国のために尽くすマリア。 偉大なる母への尊敬、姉たちへの感謝、妹たちへの慈しみ…。 動物を擬人化する小説は、たいていどこかしら無理があって、読んでて白々しく なるものだけど、ここまで徹底してると却って清清しいですな。 2009年7月12日発行のメルマガ、第350号『ハチはなぜ大量死したのか』でも ミツバチの一生を簡単に小説仕立てにしていて、それがやけに面白かったのだけ ど、ハチの社会性というのが、人の関心を呼ぶのかもしれませんねえ。 イノシシと戦い、オオカマキリと戦い、セイヨウミツバチを巣ごと殲滅し、けれ どニホンミツバチには蜂球によって撃退され、ときには寄生虫に幼虫を食い荒ら され、キイロスズメバチとは帝国の存亡をかけた激闘となった。 手に汗握るというか、そんじょそこらの格闘モノより臨場感あふれる戦闘シーン の連続です。ハチだからといって馬鹿にしたもんじゃありません。 > 「そのオスバチは私たちワーカーの息子たちよ。私やマリアが産まなくても、 > フローラたちが産む子は私たちの子よ」(197頁) マリア、アストリッド、ヴェーヴァルトといったキャラが立っていて(ハチだけ ど・笑)、約束された帝国の未来へと突き進むそのストーリーテリング、オオスズ メバチの生態への興味を含んだ生命の在り方の多様性と魅力、etc… 百田尚樹の代表作なんじゃないかと勝手に思います。 面白いですよ、ぜひ読んでみてください! ☆★☆★☆★☆★☆ Amazon ☆ 購入はこちらから ☆★☆★☆★☆★☆ 『風の中のマリア』 百田尚樹 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062153645?ie=UTF8&tag=sivabookpage-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4062153645 *********************************************** ほぼ週刊 お奨め本(ID:0000099780) 発行者:siva:ksivasiva@yahoo.co.jp 読書とかいろいろ日記: http://blog.goo.ne.jp/ksivasiva/c/ae2c0c3c85c365822876c18e384024c9 ご意見お聞かせください♪ ---------------------------------------------------------------------- このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用して 発行しています。 解除は http://www.mag2.com/m/0000099780.htmからできます。 ----------------------------------------------------------------------


