2009/12/21
経営のパートナー
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 2009年12月21日発行 第1・3週月曜日発行 メールマガジン:経営のパートナー VOL4 <経営学で企業を再生する> 【E-mail】tate@agate.plala.or.jp 【HP】http://www9.plala.or.jp/keiei-techno/ ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ ■CONTENTS■ VOL4.コスト・ダウン ●開発・設計段階でのコスト・ダウン その2・部品機能の追求を無視するロス ●閑話休題「スタグフレーションの心配はないか」 ●書籍出版 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ ●開発・設計段階でのコスト・ダウン その2・部品機能の追求を無視するロス 製品コストは、その80%以上が設計段階で決まってしまいます。材料費 については材質、形状、寸法が決まり、外注部品、購入部品も仕様が決めら れ、また、図面でも形状、精度を指定すれば、材質別に加工方法も自然に決 まってしまいます。 製品構造についても、プレス構造にするか、鋳物構造にするかは設計段階 で決められます。とすれば、あとは購買でいかに安く買うか、製造では、歩 留と能率をいかに上げるか、という点にしかコスト・ダウンの余地ないこと になります。 これは、若干オーバーな表現ですが、現場改善をやった者なら設計変更し なければ大きなコスト・ダウンができにくいことはみんな経験していること です。また、改善に伴う費用という面からしても、設計段階での改善がいち ばん安上がりです。 一度、量産に入ってからでは、設計変更に伴って発生す旧式化損失、型・ 治具などの埋没コスト損失、手配費用、標準などの変更費用、試作・テスト 費用、さらにカタログ変更日、部品品種が増えることによる損失など、事後 設計変更費用はバカにならない額にのぼります。 1.VEの特色 このような事情がV(Value Engineering=価値工学)志向へ転換させた 大きな要因となったのです。VEの特色は、徹底した機能(働き)追求を志 向する改善技法であるということです。 VEとは、 (1)求める水準の機能(働き)を、最低の資源コストで達成するために、 (2)単にコストそのものの引下げとか、品質そのものの向上とかを一方的 に考えるのではなく、 目的状況評価 (3)考えられる各種水準の機能(働き)×満足性評価=―――――――― 手段経済評価 という形で得られる二つ以上の「価値」を、まず算出し、 (4)これを相互に比較検討することにより、 (5)より高い製品価値(プロダクト・バリュー)を求める、 (6)機能(働き)追求志向の科学的改善技法であり、 (7)しかもこれを1部門だけの観点からではなく、全社的に、ときには外 注工場・資材納入業者・その他の関係会社をも含めた総合的組織活動の展開 を通じて行うトータル管理技法である。 2.徹底して基本機能の追及を行う VEの上で最もひんぱんに出てくる機能分類を示すと、まず、使用目的区 分からみて、ワークファンクションとセルファンクションとに分けられます。 ある製品を作るための部品などのVEでは、まず、ワークファンクション を追求することが大切になります。ぜい肉は不要というわけです。 (1)ワークファンクション ●基本機能……………………………………一次機能 ●補足機能……………………………………二次機能 (2)セルファンクション(魅力付加機能)……二次機能 ワークファンクションには、基本機能と補足機能とに分けられます。たと えば、ガスライターの場合の基本機能は「あるガスを、ある発火温度で、あ る一定量の炎を出す」という働きです。 基本機能は、絶対に必要な機能であり、もし、その機能をなくしてしまう と、製品としての存在がなくなりますので、その機能を満足させながら、か つ最低コストで実現させることが肝要です。 ところが、ガスライターを構成する部品の中には、その他いろいろな必要 部品があります。たとえば、「ライターの操作を容易にする」「予備石を蓄 える」「炎が強風に耐える」といった働きをつけ加えることがあります。こ れを補足機能機能と言います。これは、基本機能のためにあるのではなく、 基本機能を満足させるための機能なのです。 さらに、「外観を美しくする」とか「もっと格好のよいものにする」「フ ィーリングがよい」といった働きを、セルファンクション(魅力付加機能) と言います。 なぜ、VEでこのような区分を行うかというと、最小のコストを追求する 際には、基本機能のみがあればいいということを、常に忘れないようにした いからです。そして、基本機能と同じ働きをし、より高い満足性をもたらす 他の代替材料、部品があればそれを使用します。 そして、補足機能とセルファンクション(魅力付加機能)をなくしてもよ いか、どうかの検討を加えていくようにします。 このように基本機能だけを満足させたガスライターで、消費者に受入れら れたとしたら、どれだけ安くなるか理解できたことと思います。 3.情報の収集と部品機能の追求 特に、設計段階において部品の機能を徹底的に追及することによって材料 面、加工面での最適方法をみいだそうとするものです。 生産財製品に使う材料・部品などはワークファンクションを追求し、消費 財製品に使う材料・部品は、消費者の購買意欲に影響を与えないような箇所 については、基本機能に絞るべきです。 そのためには、設計者は次のような情報を収集し、部品機能をはっきりさ せます。 (1)基本機能をはっきりさせるとともに、その顧客層を把握する。 (2)補足機能とワークファンクションに対する必要性とその程度を明確に する。 (3)販売価格と販売数量をつかむ。 (4)他メーカーとの比較をする。 確かに新たな製品を作り出すときには、機能を決めていますが、具体性に 欠けていたり、仕様変更が行われたりするつど機能が不明確になってきます。 機能を明確に定めないで、よい設計ができるわけありません。 よい設計ができないと、設計にムダがでたり、あるいムリが起きてクレー ムが発生するようになります。さらに、悪いことにはクレームをなくそうと すると、品質はよくなりますが、反面ムダも多くなり、働きは、ますます不 明瞭なものになってきます。 そこで、設計時においては、次に掲げた部品機能の追及チェック項目を参 考にしながら、設計を行っていく必要があります。 (1)その部品は必要か、なくす手段はないか (2)表面粗さと公差はきびしすぎないか (3)もう少し安上がりな仕上げですまされないか (4)指定した仕上記号はなくせないか (5)その部品のもつ性能が全部必要か (6)代用品は考えられないか (7)加工はやりやすいか、形状は簡単か (8)材料の固有のメンで仕上面にかえられないか (9)同時切削ができないか (10)プレス化ができないか (11)材質、粗形状の変更で加工を簡単にできないか (12)標準品、規格品、市販品で間にあわないか (13)生産数量に対し製造方法は適切か (14)自製と購入とどちらが安いか (15)そのメーカーより安いところはないか ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ ●閑話休題「スタグフレーションの心配はないか」 デフレーションの対策として、「調整インフレーション論」があります。 これは、拡張型の金融・財務政策をとり、緩やかに インフレーションを強 めようとする考え方です。 インフレーションとは、物価が上昇し、所得も上がりますがお金の価値が 下がってしまう現象をいいます。 日本では、本格的なインフレを引き起こす心配や、量的金融緩和策はその まま海外の資本流失につながるなどの理由から、無効とする考え方が強いよ うです。 超インフレになると、物価が高騰しすぎて通貨の価値が下がるようになる と、デノミネーションが行なわれるようになります。 デノミとは、貨幣の価値を読み換えるで、通貨単位の切下げをいいます。 デノミによるメリットとして、紙幣や伝票などの印刷の需要、各種ハードウ ェア(金融機関のソフトウェア、自動販売機など)の交換需要が増えたり、 単位が小さくなることで安くなったという錯覚を起し、消費が増加する可能 性もあります。 安売り競争には限界がくれば、企業は利益を獲得するために価格を上げざ るを得なくなります。景気が悪いのにインフレの状態のことを、スタグフレ ーションといいます。 スタグフレーションは、物価の上昇と失業が共存するものです。「景気後 退」を意味するスタグフレーションと、「物価上昇」を意味するインフレー ションからできた造語です。 スタグフレーションは、1970年後半より先進国にとっての共通問題で あり、脱却が課題となっています。 その原因に、石油輸出機構による独占的な原油価格の上昇や、賃金上昇の 鈍化と生産性減少の関係などが挙げられています。 生産量が増大したとき、それに比べて実質的減少となっている賃金を上昇 させると、企業の人件費がかさんで雇用調整が行われます。そのため失業者 が出て、企業は生産量が落ちてくるので、利益を上げるために人件費を価格 に転嫁して物価が上昇します。 どうやら、今までの経済理論が通用しない時代がやってくるのではないで しょうか。 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ ●書籍出版 11月24日政経研究所から下記の書籍を出版しました。価格は、税込で 9,800円です。 業績向上・人材開発をめざす 人事・総務部門のための 「すぐに役立つ目標管理」 購入ご希望の方は、送先を明記のうえ、下記へお申込みください。 【E-mail】tate@agate.plala.or.jp ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ◆生産方式・セル生産方式へ移行したい ◆在庫品を削減したい ◆製品開発業務の期間を短縮したい ◆人的セールス活動を強化したい ◆事業の再構築を図りたい ◆目標管理の導入・定着を図りたい ◆人事評価制度をつくりあげたい ◆コスト・ダウンを図りたい 「経営テクノ研究所」にご相談ください。 【HP】http://www9.plala.or.jp/keiei-techno/ 【お問合せ】tate@agate.plala.or.jp ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 【発行元】経営テクノ研究所 〒110-0008東京都台東区池之端1-4-29 ライオンズマンション池之端305 TEL&FAX:03-5913-9197 【発行責任者】経営テクノ研究所 所長 舘 義之 【事業内容】コンサルティング・企業内研修・講演会・執筆 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


