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改革が進まないのは、国民の「不安と甘え」を解決する理念と方策が見つからないからです。民主主義と資本主義の折り合いという観点からこの理念と方策(TontonSystem)を提案します。

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2005/10/18

民主主義と資本主義の折り合いを目指す理念と方策

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――TontonSystemのメールマガジン 第128号―――――――――――――――
   
       ★ 民主主義と資本主義の折り合いを目指す理念と方策
           日本発のグローバルスタンダードへ!

        2005年10月18日号(不定期発行)

---------------------第128号の目次-------------------------------------

 1 今回のコラム「2005衆議院選挙」
   ■「結果と考察」
   ■「公明票の威力」
   ■「民主党への提言」
   ■「共産党・社民党への提言」
 2 次号(第129号)の予告
  3 TontonSystemとは
  4 TontonSystemのホームページ
  5 利用配信システム
 6 登録・解除・アドレス変更
  7  バックナンバー
 8 注意事項

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1 今回のコラム「2005衆議院選挙」

■「結果と考察」

小泉自民党が圧勝してから約1カ月が経った。しかしこの間、テレビ局を始めと
するマスメディアは、小泉自民党の勝因は分析しても票の中身はほとんど分析し
なかった。言い換えれば自分達に都合の悪い事実は触れたくないのである。

むしろ票の中身を分析した自民党の方が内心危機感を持ったと思われる。
では具体的に票の中身を筆者なりに考察していこう。

投票率は今回かなり高く、小選挙区が67.51%、比例が67.46%である。いずれも
前回衆議院選挙を7.65%上回っている。これは小泉劇場と言われるように小泉首相
の戦略とマスコミのタイアップがうまく機能したためである。

●小選挙区での各党別の獲得議員数と得票率をみると次のようなものである。

自民党     219名  47.8%  (前回  168名  43.8%)
民主党      52名  36.4%    (前回  105名  36.7%)
公明党       8名   1.4%    (前回    9名   1.5%)
共産党       0名   7.3%    (前回    0名   8.1%)
社民党        1名   1.5%    (前回    1名   2.9%)
無所属       18名   4.8%    (前回   12名   4.6%)

国民新党      2名   0.6%
新党日本      0名   0.2%
大地          0名   0.0%

たしかに投票率は上がったが、それでも民主党は前回とほとんど同じ得票率を得
ている。つまり民主党が「惨敗」というのは小選挙区の得票率からは言えないの
である。

また、与党の得票率は49.2%で過半数に達していない。しかし与党議員の割合は
75.7%を占める。なお、前回は得票率45.3%で議員割合は59.0%だった。

以上のことから、小選挙区の票を「郵政反対票」と「郵政賛成票」に分けた場合、
実は郵政反対票が勝っていたという分析も成り立つ。

しかし小選挙区の結果は小泉自民党の圧勝である。この原因は明白である。前回
より4%しか得票率が増えていない自民党が異常に議席を獲得したからである。
そして自民党が増えた議席数と民主党が減った議席数がほぼ同じである。

これが小選挙区制の「特徴」だが、わずか4%の「浮動票」でこれだけ議席が変
動するのは危険だと筆者は考える。何故なら、マスコミとタイアップすれば4%
の「浮動票」などイメージ選挙でどうにでも変わると考えるからである。

●次に比例区での各党別の獲得議員数と得票率をみると次のようなものである。

ただし、以前のコラム(当メールマガジン第58号「新しい「一票の格差」」等)
でも書いたように比例区は「分割統治」されていて実際は比例ではない。有権者
の意思に境界はないので各ブロックを総合して示す。

自民党  77名  38.2%  (前回  69名     35.0%)
民主党  61名  31.0%    (前回  72名     37.4%)
公明党   23名   13.3%    (前回  25名     14.8%)
共産党   9名   7.3%    (前回   9名      7.8%)
社民党    6名   5.5%    (前回   5名      5.1%)

国民新党 2名   1.7%
新党日本 1名   2.4%
大地   1名   0.6%

こちらは与党で51.5%と過半数を獲得している。与党議員の割合は55.6%である。
なお、前回は得票率49.8%で議員割合は52.2%だった。

たしかに比例区のデータは民主党が今回自民党に負けたことを明白に示している。
自民党が得票率を3%増やしているのに対して民主党は6%も減らしている。
この差は小選挙区より大きい。

ただし、全体としてみれば与党の得票率は51.5%しかなく、圧勝と言える状況で
はない。

なお、得票数を正しく比例配分すると獲得すべき議員数は次のようになる。
()内は実際との差を示す。

自民党  69名  (-8)   
民主党  56名   (-5)
公明党   24名    (+1)     
共産党   13名  (+4)   
社民党   10名  (+4)    

国民新党 3名  (+1)
新党日本 4名   (+3)
大地   1名   ( 0)

要するに自民党は8議席水増しなのに新党日本は4議席のところ1議席しか取れ
ていない。まさに比例区という言葉のマジックに騙されているが、民主主義がい
かに公平とか正義とか言う言葉と離れているかがわかる。

●今回の選挙は投票率が前回より約7.7%も高かったことが小泉自民党の大勝利に
つながったと考える。つまり増えた投票の多くが自民党に回ったのである。逆に
みると、投票率が前回並かそれより低かったら結果は大きく違ったかもしれない。

選挙前の世論調査では郵政民営化は多くの国民にとって大きな関心事ではなかっ
た。それが刺客、マドンナ、ホリエモン等と常に話題を提供し「投票率アップ」
に成功した。もちろん、その背景には小泉自民党を応援するマスメディアがいた
のである。

これからは4%の浮動票を掘り起こし、それを取り込むことができた政党が勝つ
ことになる。中身よりイメージ戦略の優劣が勝敗を大きく左右するだろう。

今後マスメディアと連係した政党がますます有利になるが、野党にとっては厳し
い状況と言わざるをえない。

自民党とマスメディアはポスト小泉を目指して「スター作り」を始めるだろうが、
人気だけで実力も実績もないプロ野球選手も多い。結局サプライズ人事でまたま
た国民の関心をつなごうとするだろう。

民主主義が成熟していない国では小選挙区制は独裁政治の維持に利用される。今
後も、アリさん達はキリギリスさん達にマスメディアを使って操縦されるだろう。

●今回の選挙は、政官業の鉄のトライアングルに宗教票が溶接され、そこに浮動
票まで動員されて張り付いた選挙だった。しかしそれでも半分しか票は取れない
のである。しかも浮動票の役割は選挙で終わりである。

郵政民営化は実は大きな痛みを伴わないから選挙で勝てたのである。本当に構造
改革するならこれからが本番である。

しかし自分達に都合良く「構造改革」することが本当の構造改革になるのかどう
かは大いに疑問である。

●今回の選挙で圧勝したため、逆に解散総選挙がしずらくなった。このため郵政
民営化法案同様中身のない改革ばかり議論されるだろう。

小泉首相はこれを打開するために小泉チルドレンを有効活用するかもしれないが
効果は不透明である。

また、元々大蔵族の小泉首相が宿敵の郵政族を潰したとも言える郵政民営化なの
で、肝心の財務官僚の利権を削減できるか疑問である。

恐らくこれからの改革は道路公団改革と同様の形だけの改革になるだろう。しか
し今は改革がどう進むか見守るしかない。

■公明票の威力

今回の小泉自民党の圧勝は小泉戦略の勝利だが、テレビが伝えない別の理由も存
在する。それは表に出ない公明票の存在である。これについては与党もテレビ局
も触れたくないのである。

2003年の衆議院選挙 投票率 59.9% 公明党比例区得票率 14.8%
2005年の衆議院選挙 投票率 67.5% 公明党比例区得票率 13.3%

以上のデータでは、公明党の「基礎票」はそれぞれ有権者の8.87%、8.98%とな
り、この程度の投票率の変動幅では公明票の割合はほぼ一定とみなせる。

多くの小選挙区では公明票が自民党に流れたと思われるがその具体的な数字は不
透明である。公明票と言っても組織的な票だけでなく浮動票も含まれるがその内
訳は分からない。しかし自民党や民主党より浮動票の割合はかなり少ないと思わ
れる。

また、小選挙区の自民党候補は、比例区は公明党と叫んでいたから自民党支持者
の一部が公明党に入れたかもしれない。ただしそれは僅かだと推測する。

いずれにしても公明票は浮動票も含め安定した勢力を有していることがわかる。
そして誰よりも詳しいデータを持っているのは公明党自身である。

これからの日本の政党政治を考える上で公明党は大きな存在である。自民党と民
主党の二大政党制を考えても今の小選挙区制度と議員定数では事実上公明党がど
ちらと組むかで政権党が決まってしまう。公明党の議員が少ないにもかかわらず、
選挙結果は公明党が握るのである。

小泉自民党と公明党は多くの点で政策が異なる。小泉首相は郵政反対派議員を追
い出したが今後は公明党とどうつきあっていくかが課題である。圧勝したと言っ
てもその多くは公明票のおかげだからである。

しかし今後、自民党が自力で圧勝したと勘違いすれば、そうは思っていない公明
党との軋轢は高まるだろう。また逆に、公明党が自民党に妥協した場合、組織票
を保てるか疑問である。宗教票だからと言って幹部が右向けば下部組織も右向く
かは不透明である。

公明党はいつでも民主党というカードを切れるので自民党も内情は苦しいと思わ
れる。ただし、自民党と民主党の一部が合併して大保守連合でも作ると公明党は
排除されるので公明党としてはこれには警戒を示すだろう。

いずれにしても議員数で勝る小泉自民党が公明党に対してどこまで譲歩するかで
ある。

■民主党への提言

「改革」は元々民主党が主張したものだが、小泉首相にそれを持って行かれた。
このため小泉首相と民主党の違いが多くの国民には分かりずらくなった。

この典型が今回の郵政民営化である。支持基盤の労組をつかれ抵抗勢力のレッテ
ルを張られてしまった。「棚からぼた餅」の政権交代を狙ったはずが、見事に返
り討ちにあってしまった。

民主党が単独で、公明党とマスメディアが付いている小泉自民党を破るのは容易
ではない。

これからの戦略としては、露骨に公明党やその支持母体である創価学会に「秋波」
を送るのもひとつの選択肢である。

または共産党と社民党が小選挙区で民主党候補を勝手連的に支援するように向け
させることもひとつの選択肢である。

以前ならば自民党の分裂を促し、政党再編を目指す方法もあったが、いまや自民
党内が完全に官僚組織化されたためもはや難しくなった。

民主党の最大の役割は政権交代の受け皿である。しかし、小泉自民党の構造改革
が形だけということを多くの国民がわかるまでなかなか出番は来ないだろう。

民主党は今後、小泉自民党との差別化をどう示すか、がポイントである。いずれ
にしろ現状は厳しいが、高度な政治戦略が取れなければ将来も、自民党、公明党、
テレビ局の連合軍には歯が立たないだろう。

■共産党・社民党への提言

2003年の衆議院選挙 投票率 59.9% (共産+社民)党比例区得票率 12.9%
2005年の衆議院選挙 投票率 67.5% (共産+社民)党比例区得票率 12.8%

以上のデータでは、(共産+社民)党の「基礎票」はそれぞれ有権者の7.73%、
8.64%になる。「小泉劇場」の中でプラス1%は善戦と言えるだろうが、それで
もまだ公明党には及ばないのである。

小選挙区では4%の変動でも結果は大きく変わることを前提とすれば、共産党と
社民党が原則として小選挙区は自由投票とし、比例区だけに立候補を立てる戦術
が面白いと思われる。

今回の選挙で共産党は小選挙区では7.3%得票しているが当選者はゼロである。
この7.3%の共産票がどこに流れるかで小選挙区、特に都市部では影響が大きいと
思われる。

社民党の場合は、候補者を立てなかった多くの小選挙区では社民票が他の候補に
すでに流れたので共産党より影響は少ないがそれでもやってみる価値はあると思
われる。

なお、両党とも当選が充分期待できる小選挙区では公明党と同様に候補者を立て
ればよい。

筆者の提言は共産党と社民党が「マイペース」政党である限り受け入れられないだ
ろうが、それではいつまで経っても自民党の応援団(敵の敵は味方)でしかない。

共産党と社民党が合併し、名前も「日本勤労者応援党」とでも改名しないと挽回
は不可能だろう。良くも悪くも小泉首相以上のパフォーマンスが必要なのである。

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2 次号(第129号不定期発行)の予告
  「小泉改革の出口」を検討したい。
  
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