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子どもの不登校と大人のひきこもりとは…。その心理は…。対応のあり方は…。元当事者の教育相談員が語る体験的不登校・ひきこもり論と解説

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2008/07/11

◆ごかいの部屋 No.155 『「特別」より「日常」を』

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   2008.7.9 [No.155] 
□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 :         ご か い の 部 屋          
 :   〜 不 登 校 ・ 引 き こ も り か ら 社 会 へ 〜  
──────────────────────────────────
       元 当 事 者 の 教 育 相 談 員 が 語 る      
     体 験 的 不 登 校 ・ ひ き こ も り 論 と 解 説     
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□

 各地で大雨となる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
 先日の「家族学習会【ひきこもり編】」第1回は、神奈川県内外から
定員に迫るご参加をいただき、親御さん方のご心痛が吐露されました。
残り2回も、参加くださる親御さんのお役に立てるようつとめます。

ヒューマン・スタジオ

── ◆ 今 月 の メ ニ ュー ◆ ───────────────────

■ コラム:「特別」より「日常」を
□ 来月のスタジオ:ふたつのイベントの準備をスタート
■ ごあんない


━━・● コ ラ ム ●・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                     「特別」より「日常」を
─────────────────────────────────…

 小学生〜大学生の青少年には、もうすぐ夏休みという時期になりまし
た。学校の長期休業ですから、家庭で生活するのが当たり前の期間。本
人は“学校の呪縛”から解放されて、少しは気が楽に過ごせます。

 なかでも、普段は仕事をしているご家族がお盆休みなど長期休業をと
る間は、家庭に家族全員が揃う時間が急増し“家庭の完成型”が現れる
日々、ともイメージできます。

 家族は、人間が生きていくうえで最も基本的な「衣食住」を共にし、
それぞれの立場に応じた活動や交流、助け合いを繰り返しています。そ
の場が「家庭」であり、そこを基盤に営まれている生活が「日常」です。

 これに対し、家族の誰かまたは全員に困難な事態が生じたために、普
段の生活ではやらないことをしたり、生活じたいを変えたり、といった
「特別」な対処をしなければならない場合もあります。そのような生活
は「非日常」と呼ぶことができます。

 さて、私は148号で、不登校時代の「子どもキャンプでボランティ
アスタッフをやったり犬を飼ったりした経験」を述べた号を紹介したう
え、前述の定義にもとづき「学校復帰させるため」だけの意味しかない
(不登校児でないと経験しない)対応を「特別」「非日常的」と、「学
校復帰以外のいろいろな意味をもっている(誰でも経験する機会がある)
対応を「一般的」「日常的」と、それぞれ表現しました。

 そして「一般的」「日常的」な対応を推奨するとともに、

 何かを誘ったり頼んだりするのは「面白そうだ」「やってくれると助
かる」などという動機が自然に生まれたときに限ります。

と原則を述べました。
 もちろんこれは、ひきこもり青年への対応にも当てはまります。

 このことを「それはこういうことですよね」と、具体例を挙げて補足
してくださった方がいらっしゃいます。
 以前から何度もふれている、福井市中央公民館での講座で私が講師を
つとめたときに聴講された方が後日くださったメールのなかに、次のよ
うな例を書いてくださっていましたので、許可を得て転載します。

               ●

(講座で丸山さんが)「特別なことはせずに日常生活を基盤に」と言
われて「夏休みの子どもキャンプは日常ではないのでは?」と質問され
た方がいましたが、もし子どもに問題ありと思っていて「どうにかしな
いといけない!」と、鍛え直すためにも嫌がる子をキャンプに行かすの
は日常ではないかもしれないけれど、たとえ学校に行っていて何の問題
もないと親が思っていても「子どもキャンプのボランティアスタッフを
頼まれたんだけど、手伝ってあげてもらえへんかな〜?」と頼むことは
あって、それはやっぱり日常なんじゃないかしら・・・と。

 我が家にも犬と猫がいて、みんなすごく癒されているけれど、それは
息子が不登校だったのとは何の関係もないし・・・。

 出掛けようと思うけれど、途中で雨が降ってこないか心配というとき
「ちょっと出掛けるけれど、もし雨が降ってきたら洗濯物を入れておい
てもらえる?」と子どもに頼んだり「せっかく家に居るんだし一緒に何
かしよう」というのは日常で「このままじゃだめだ! 何か家事の役割
を持たせなくちゃ」「家から出るきっかけは何かないかしら」とせっつ
くのは非日常のような・・・私には何かそんな気がしました。

               ●

 そうです。そういう、どんな家庭にもある「日常会話」「日常的行動」
が「一般的日常的」であり、不登校やひきこもりの青少年がいる家庭に
しかない「対応としての会話」「対応としての行動」が「特別・非日常
的」であるわけです。

 こう言うと「不登校またはひきこもりのわが子に、言いたいことを言
ったりやりたいことをやったりはできない」という疑問を持たれる方が
いらっしゃるでしょう。

 もちろん、私はそういうことを申し上げているのではありません。
 本人が安定していない段階では「ここまでは言ってもいいが、ここか
らは言わないほうがいい」などという判断基準を設定することは当然で
す。たとえば、暴力がある場合は振るうきっかけを回避するなどの心が
けや工夫が必要になります。

 ただし、そういう心がけや工夫の<目的>が肝心です。つまり、目的
が「本人を学校・社会に戻すため」なら「特別」な対応ですが「家族関
係をよくするため」なら、どんな家族でも必要になる可能性のあること
ですから「特別」な対応とは言えません。言い換えれば「日常生活上の
心がけや工夫の範囲内での対応(その難しいもの)」ということです。

 そして、そういう心がけや工夫を要するコミュニケーションも、本人
が穏やかに生活できるようになっていくにつれ、徐々に必要なくなって
いき、やがては日常会話を円滑に交わせる関係に近づいてくるのです。

 そういうプロセスを歩んでいる親御さんは「以前は話しにくかったけ
ど、だんだん楽に話せるようになってきた」とおっしゃいます。

 そして、そのようなプロセスがゆっくりとでも進んでいることが確認
できる場合は、特別な対応や支援をしなくても、日常的な心がけや工夫
を持続するだけで、本人の苦しみが徐々に軽くなり、自発的・意欲的な
行動が見られるようになってきます。
 時間はかかりますが、そういう自然な流れを守ることが大事です。

 この夏休みは、日常会話が楽にできる家族関係づくりや、本人がやり
たいことの応援に専念してみてはいかがでしょうか。9月には何かが変
わり始めているかもしれません。

:筆者:丸山 康彦(まるさん)
 スクールソーシャルワーカー(訪問子ども援助職)。高校時代、
 不登校と留年の末、入学7年後に卒業。高校講師・ひきこもりを経て、
 1999年4月に個人事務所「教育対策研究所」を開設。2001年10月に
 当ヒューマン・スタジオを設立し代表に。

━━・● 来月のスタジオ●・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                ふたつのイベントの準備をスタート
─────────────────────────────────…

◎ふたつのイベントの趣向が変わります

 今年度、文部科学省が「スクールソーシャルワーカー活用事業」をスタ
ート。当スタジオはこれを踏まえ、毎年恒例の「スクールソーシャルワー
ク公開学習会」と「青少年支援セミナー2008秋冬」を、関係団体「S
SW神奈川研究会あんさんぶる」と新たな協働のかたちで開催することに
なりました。

 9月13日(土)に開催される、恒例の青少年支援NPO合同フリー
マーケット「第4回フリ・フリ・フリマ」の参加企画として3回目(通
算6回目)の「スクールソーシャルワーク公開学習会」では、初めて青
少年支援関係団体に参加を呼びかけます。

 また、今年度から2日間の日程にリニューアルする11月の「青少年
支援セミナー2008秋冬」の初日を「あんさんぶる」主催「神奈川ス
クールソーシャルワークの集い(仮称)」と同時開催し、さまざまな青
少年支援関係者が学び交流できる場の実現をめざします。
 期日は11月29日(土)〜30日(日)です。

 この両方のイベント、プログラムは今月中に決定し、来月から準備に
とりかかります。

◎「ヒュースタ通信」第20号発行

 節目の号の目玉は、5月に開催した「青少年支援セミナー2008春
夏」を最後に<公開シンポジウム方式>をやめ<対象限定研修会方式>
にリニューアルすることが決まっている同セミナー14回の歴史を振り
返る特別企画。もちろん当メルマガのコラムを1本収録。どうぞご注文
ください。


━━・● ご あ ん な い ●・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
────────────────────────────────…

◎ 当メルマガ執筆者丸山が代表をつとめる教育相談機関・・・
 「ヒューマン・スタジオ」は、
 スクールソーシャルワークという援助法にもとづき、面接のみならず、
 相談員自ら家庭や学校を訪問し、本人を支えつつ周辺状況を改善する
 ことで、当事者主体の問題解決をめざしています。
 詳細は「ヒューマン・スタジオ」のホームページでご覧ください
→ http://homepage3.nifty.com/Husta/sodan/ 

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…─── ★ 次回発行は2008年8月13日です。お楽しみに ★ ────…
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 : ご か い の 部 屋 〜 不登校・引きこもりから社会へ 〜  
 :   2008/7/9 NO.155  (発行:第2水曜 月1回)
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□発行・執筆者:丸山 康彦
□発行元:ヒューマン・スタジオ http://homepage3.nifty.com/Husta/ 
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