2009/03/23
「松崎弁護士の今からでも間に合う借金整理法!」第332回 お金を借りる(331)
--------------------------------------------------- 「松崎弁護士の今からでも間に合う借金整理法!」 --------------------------------------------------- 借金整理方法を急いで知りたい方は、こちらへ ホームページ http://www.bell-law.jp/ 第332回 お金を借りる(331) (2009年3月23日発行) 目次 ・会社更生手続開始決定以前の取引も含めて計算した過払い 金の支払をライフ株式会社に命じた判例 ------------------------------------------------- 平成21年1月23日、神戸地方裁判所はライフ株式会 社に過払い金約230万円の支払いを命じる判決を出しま した。 ライフ株式会社については、東京地方裁判所が平成12 年6月30日(以下、「基準日」)に更生手続開始決定を し、平成13年1月31日に更生計画認可決定をし、同年 3月29日に更生手続終結決定をしていました。 ライフ株式会社は、「被告は,本件更生手続において, 債権者一覧表(債権者名簿)に原告を更生債権者として記 載しておらず,また,原告は,本件更生手続において,旧 法125条所定の債権届出をしなかった。」、「したがっ て,旧法241条本文により,基準日に既に存在した過払 金(以下「既存過払金」という。)に関する債権は失権し た。原告が被告に対して請求し得る不当利得返還請求権は, 基準日以後の原因に基づいて発生したものに限られるとこ ろ,その不当利得の額は,被告が悪意の受益者であったと しても・・・平成19年8月3日の時点において,過払金 89万7970円,法定利息1万3288円に過ぎない。」 などと主張していました。 しかし神戸地方裁判所は、「2(3)・・・被告は,平 成12年6月2日,全国各紙に『ライフカードはこれまで 通り使えます』との社告を掲載して宣伝した。その宣伝の 際,既存過払金返還債権について債権届出をしないと失権 することがあるようなことを付け添えてはいない。」と事 実認定した上で、「被告は,企業価値を維持するため,本 件更生手続開始申立てを契機とするカード会員の退会を防 ぐことを目的として,平成12年6月2日に上記2(3) のとおりの広告を出した。これは,既存の顧客に対し,本 件更生手続の前後におけるカード会員契約の連続性を印象 付けることを目的とするものであり,実際,顧客に対し, 自らのカード契約上の地位に変化がないとの印象を与える 効果があったものと推認される。他方,上記印象に符合す る実体を整えるため,本件更生手続においては,その申立 てから終結決定に至るまで,一貫して顧客とのカード契約 に基づく取引が更生裁判所の許可を要する事項から除かれ ており,本件更生手続の前後を通して被告と取引を継続し ていた顧客から見れば,外形的には,カード契約に基づく 取引はあたかも本件更生手続の埒外に置かれているかの如 き様相を呈していたといえる。そして,カード契約が本件 更生手続により何ら変容をきたさないとの印象を顧客に与 えることは,まさに被告が目的としていたところである。 被告は,既存過払金の返還請求権は更生債権であり,原告 が更生債権として届け出ていない以上,旧法241条によ り失権した,あるいは,既存過払金を基準日後の貸付に充 当する合意は旧法163条1号に違反する等と主張するが, これらの主張は,基準日の前後で本件基本契約上の地位に 不連続があることを前提とするものであり,被告が顧客に 与えた上記印象とは矛盾するものであるから,信義則に反 する主張といわざるを得ない。確かに,被告が上記2(3) の広告を出したり,本件更生手続中,更生裁判所の許可を 得ることなく,カード会員契約を締結した顧客に対する貸 付を行うことができるようにしていたことは,企業価値を 維持するという観点からは正当なものであり,これらの措 置が過払金返還請求を阻害することを目的としていたとは 認められないが,たとえ過払金返還請求を封じる意図がな かったとしても,更生債権として届け出ていないから失権 する,あるいは既存過払金を基準日後の貸付に充当する合 意は旧法163条1号に違反するとの主張は,自らの契約 上の地位は更生手続と無関係であるとの印象を抱いていた 顧客からすれば,非常に唐突で釈然としないものであるこ とに変わりはない。」「したがって,被告の抗弁は,信義 則に反するものであるから,主張することが許されず,理 由がないというべきである。」と判断しました。 そして、神戸地方裁判所は、ライフ株式会社に対して、 会社更生手続開始決定前の取引も含めて全ての取引を一連 計算した過払い金約230万円の支払いを命じたのです。 ------------------------------------------------- 「松崎弁護士の今からでも間に合う借金整理法!」(ID0000097840) 第332回 2009年3月23日発行 発行者 松崎龍一 メールアドレス info@bell-law.jp ホームページ http://www.bell-law.jp/ このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/を 利用して発行しています。 解除は http://www.mag2.com/m/0000097840.htm からできます。 -------------------------------------------------


