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2008/09/01

行政書士が綴る国際結婚「フィリピーナに恋して」

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行政書士が綴る国際結婚「フィリピーナに恋して」 第六十二回

行政書士の折本です。
暑さが少しずつ和らいできた今日この頃です。

さて、今号も、国際結婚された夫婦の相続についてのお話です。

外国人妻や夫が死去した場合に、

日本の法律を基に相続手続きができるか?

の続きです。

日本の法律では、
日本に滞在している外国人妻や夫が死去したときに、
適用される相続についての法律は、
外国人妻又は夫の本国法、ということになります。
各国は、どのような決め方をしているのか?と言えば
大きく二つに分かれていて、
相続分割主義と相続統一主義、と呼ばれるものがあります。

相続分割主義を採用する国
イギリス、アメリカ、フランス、ベルギー、ルクセンブルク、
ルーマニア、トルコなど
ただ、動産の相続について
被相続人の本国法―――ルーマニア、ルクセンブルク、トルコなど
住所地の法律――――フランスなど

相続統一主義を採用する国
ドイツ、イタリア、日本、韓国、スイス、デンマーク、
スウェーデン、ノルウェーなど
ただ、住所地の法律か、本国の法律か、で分かれていて
本国の法律―――ドイツ、イタリア、日本、韓国など
住所地の法律―――スイス、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーなど

尚、被相続人とは死亡した人で、相続人とは財産を承継する人です。

それでは、日本人と国際結婚している主だった国の分を紹介します。
尚、これにつきましては、各国の在日本大使館等でご確認ください

中華人民共和国
中華人民共和国承継法第三十六条 
中国公民が中華人民共和国境外にある遺産を相続し、
又は中華人民共和国境内にある外国人の遺産を相続するときは、
動産ついては被相続人の住所地の法律を適用し、
不動産については不動産所在地の法律を適用する

日本に住んでいる中華人民共和国の人が死亡した場合、
日本にある相続財産については、
日本の法律を適用することが可能としています。


韓国
2001年の国際私法
相続は死亡当時の被相続人の本国法。
ただし、遺言で指定することにより、
指定当時被相続人の常居所がある国家の法。
ただし、その指定は、被相続人が死亡の時まで、
その国家で常居所を維持した場合に限りその効力を有する、
不動産に関する法律も、所在地の法律としています

日本に住んでいる韓国の人が死亡した場合、
遺言にて日本の法律を指定したときは、
日本にある相続財産については、
日本の法律を適用することが可能としています。


フィリピン
在日本のフィリピン大使館に書面で確認したことがあります。
結論として、
フィリピン人が国外で死亡した場合に適用される法律は、フィリピンの法律。
死亡した住所地・国の法律が適用される旨の法律は、無い。
という回答でした。
又、フィリピン民法に

家族の権利及び義務または人の身分、地位及び法的能力に関する法律は、
フィリピン市民が外国に居住している場合においても、その者を拘束する

という規定があるようです。

これからすると、日本で死亡したフィリピン人の相続時に適用される法律は、
フィリピンの法律、ということになります。


ロシア
被相続人の最後の住所地の法
不動産の相続は、財産の所在地の法

又、相続制度は、
「包括相続主義」と「管理精算主義」のという分け方もしています。
「包括相続主義」は、
日本のように相続人が積極・消極(プラス・マイナス)財産一切を、
包括的に承継するもの
「管理精算主義」は、
英米諸国のように、まず、遺産管理人が被相続人の債権債務関係を処理し、
残余財産がある場合に、相続人が承継するもの

参考文献 新日本法規出版 問答式国際家族法の実務
     新日本法規出版 渉外家事事件整理ノート

国際結婚が入り口とするならば、国際相続は出口の部分にあたります。
外国籍の人が日本で死亡し、日本の法律で進められない場合、
相続で大変になるケースもあるようですね。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

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