2009/11/03
グローバル化の世界を旅する 第47号 中国のバスの意外な乗り方
---------------------------------------------------------------------- メールマガジン「グローバル化の世界を旅する」 ■発行日■ 2009年11月3日 ---------------------------------------------------------------------- 所変われば… 中国のバスの意外な乗り方 ---------------------------------------------------------------------- 今回しばらくメルマガ発行しなかったために、休刊のお知らせメールが一斉送信され、 お恥ずかしい姿をさらけ出してしまいました。 もっと頻繁に発行しなければと考えておりますが、結果的に超スローな発行 ペースになってしまっています。実は以前にも一時休刊になってしまったことが あります。“しぶとさ”だけが取り得ですので、今回の事態に反省しつつも、 これからもスローなペースでのメルマガを発行となってしまうかと思います。 読者の皆様にはそのあたりをご理解いただき、メルマガが届きましたら“ああ、 生きていたのね”というぐらいの感じで気長にお付き合いいただけましたら幸いです。 ☆ 中国のバスから、“社会の裏”が見える 先日中国でバスに乗った。そのバスで繰り広げられた光景に、中国庶民の たくましさを見た。 とある地方都市のバスターミナル。切符を買って自分の乗るバスを探すと、 すでに同じ行き先のバスが3台も待機していた。目的地は一時間半から二時間 かかる小都市。それなのに一時間に3台もバスが出発ということは、利用客が 相当多いのだろうと思った。 しかしバスに乗ると、一人も乗客がいない。そのうち大勢乗ってくるかと思って いたが、結局乗客は3人のみ。そのまま出発。すっかりカタ透かしを喰らった 私は、今度は逆に考えた。 「社会主義の名残で不採算の路線でも過剰にバスを走らせているのだろう」 しかし私はこの推測も正しくなかったことに、すぐに気づかされることになる。 バスがターミナルのゲートを出た。するとその瞬間、一人の中年女性が人ごみを かき分け、大きな声を上げながらバスに乗ってきた。目がギラギラしていて、 異様な感じだ。全身から凄まじいばかりのエネルギーが発散されている。 その女性は座席に座らずに、運転手の横にあるドアの所に立った。 するとバスはすぐに止まった。ドアが開くと、女性がなにやら外に向かって叫ぶ。 すると客が慌しく乗ってくる。さらに百メートルぐらい走ると、またバスが止まり、 女性が叫び、客が入ってくる。 同じことを何回も繰り返すために、なかなかバスが進まない。 すると同乗者がこの奇妙な光景の説明をしてくれた。 「バスターミナルの外から乗ると、料金が安くなるんです」 ☆ 中国庶民のたくましさが生んだ“ビジネス” 地方路線のバスは、人口がまばらな農村地帯を走る。そのため路線の途中に バス停はなく、乗客は自分の好きな所で乗り、好きな所で降りることができる。 それを逆手に取るとこうなる。バスターミナルを出た直後に客を乗せれば、 バス会社は実際には何人の客が乗ったのか把握できない。そして運転手や 車掌役の女性は、バス会社に知られることなく収入を得ることができる。 また乗客の方も安くバスに乗れる。両者の間には微妙な共存関係ができているのだ。 しかしいくら好きな所で乗り降りできるからと言って、バスターミナルのすぐ外で 客を乗せるというのは運転手の職務違反だろう。実際、バスターミナルの外には 公安が何箇所にも立っており、そのような行為が行われないか監視している。 そのため公安の目の届く所では、客が合図をしてもバスは止まらない。公安の 姿が見えなくなった所でバスは止まり、運転手と車掌役の女性が「早く乗れ! 早く!早く!」と叫ぶのだった。 かくしてバスは走っては止まり、走っては止まりを繰り返した。ターミナルを 出て20分後、車内全席が埋まった。ようやくバスはスピードを上げて走り始めた。 ☆ 中国という名の“劇場” しかしまた問題が起きた。 車掌役の女性が乗客にバス代を徴収しようとした時、乗客が「バスに乗る前に すでに支払ったから、払わない!」と主張したのだ。車掌役の女性は「そんな ことはありえない!一体誰に払ったんだ!」と大声で叫び、二人で大喧嘩になった。 乗客が嘘をついていたため、乗客はすぐにバスから降ろされた。 ターミナルの外から乗り、少しでもバス代を安くしようとする利用客。さらに 少しでもお金を払いたくないからと嘘をつく客。そしてそんな客を相手に、金を 儲けようとする運転手たち。貧しい所には、貧しいなりに、良い悪いは別にして、 しっかりとビジネスがあるのだ。バスはなかなか進まず効率悪く、大声が飛び交う。 私は目の前で起きていることは、普段なかなか見る事ができない“ライブ演劇” だと勝手に考えて楽しむことにした。 中国では何をするにも時間がかかる。だからもし皆さんも中国に行かれたら、 とにかく気長でいることをお勧めします。 (そしてこのメルマガの発行も気長に待っていただけましたら幸いです…) ---------------------------------------------------------------------- これまでのバックナンバーはこちらへ http://www.mag2.com/m/0000097106.htm ---------------------------------------------------------------------- 作者への連絡はこちらまで miraieizo@yahoo.co.jp ---------------------------------------------------------------------- ■このメルマガはインターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行してい ます。 http://www.mag2.com/ ---------------------------------------------------------------------- 本メールマガジンの無断転載はお断りします。 転載については、電子メールでご相談下さい。 ---------------------------------------------------------------------- メールマガジン「グローバル化の世界を旅する」 発行者:未来への映像プロジェクト ----------------------------------------------------------------------


