2009/06/18
食生活について語ろう[09/6/18〕87号 麦類
〜☆ようこそ、食生活館へ☆〜 2009年6月18日(木)発行・第87号 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■食生活について語ろう■ご愛読者の皆様にお届けしています。 沖縄は、5月下旬には入梅したようです。雨の日が続くとうっとうしくなりま すが、また空梅雨でも困ります。適度な雨が生き物にとっては恵みの雨となる のです。 あまり知られていませんが日本での麦の刈り取りは6月下旬より刈り取り収穫 されています。雨の降りやすい時期であり、天気のよい日を選んで手早く刈り 取りがされているようです。 最近では、穀類の生産量がトウモロコシに次いで世界第二位ですが、欧米を 中心に日本でも主要な作物としている麦類について記載してみました。 不定期に最近話題の食生活について気になる最新情報をお届けします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 《テーマいろいろ》 ◎麦類 むぎるい 食料需給表で平成19年(2007年)度における穀類の国内消費仕向量は、 35,346千トンでした。穀類が主食としてゆるぎない地位を占めいているのは、 味が淡白で長く常時摂取し続けてもあきが来ないことにあります。 穀類に占める日本人の主食である米が9,257千トン、小麦6,348千トン、大麦 2,199千トン、裸麦12千トン、トウモロコシ16,037千トン(飼料用12,243千ト ン)、その他です。一人当たりの年間では、米61,4kg、小麦32.3kg、大麦 0.3kg、裸麦0、トウモロコシ0.5kgで、昭和40年(1965年)度の米111.7kg、小麦 29.0kg、昭和25年(1950年)度の米123.6kg、小麦25.1kgとなっていました。 麦類で小麦の消費が戦後より増加を示していましたが、最近では横ばい傾向 です。私たちの食生活に深く関わってきている小麦を中心に麦類について触れ させていただきます。 麦類としてあげられる代表的な食品として小麦、ライ麦、大麦、裸麦、燕麦が あります。主に利用頻度の多い小麦を中心として解説します。 ◆小麦Wheat こむぎ イネ科、原産地は、イラン、イラク、アフガニスタンといわれ世界で最も 多く古くから栽培され、野生種は、メソポタミヤ高原といわれています。アメ リカ、オーストラリア、ソ連、中国の寒冷で乾燥した地域で主に栽培されパン 用の小麦が多く、欧米ではパン食を主食とすることから重要な作物となってい ます。 最近(2000年)以降は、飼料としてのトウモロコシの栽培が多く今まで世界の生 産量首位の座を明渡し小差で世界第2の生産量です。 日本の供給量は平成8年(1996年)1人当たり年間33kgをピークとし横ばいないし 減少がみられています。 畑地で栽培される1、2年生の植物で草丈1m程に生長、茎が直立して分けつが4〜 5本程度あります。分類は、播種期、粒の固さ、皮の色により分けられていま す。春播きを春小麦、冬播きを冬小麦、粒の硬さで硬質、中間質、軟質小麦 に、粒の赤いものを赤小麦、白いものを白小麦としての種類があります。一般 にたんぱく質を多く含むのは春小麦、硬質小麦、赤小麦に多い傾向がありま す。 日本では、冬小麦(赤色、中間質)が多く中力粉が大部分を占めます。北海道、 関東から九州での種まきは、9月下旬から11月初めに掛けて行なわれ霜避(よ)け のための麦踏みが翌年の3月頃まで随時され、その後穂が出、花が白く小さく咲 き出して6月下旬より穂の中の実が入ってきて、やがて黄色く硬くなり、その頃 に刈り取り収穫されています。雨の降りやすい時期であり、天気のよい日を選 んで手早く刈り取りがされます。 外皮が硬いので粒のままでは食糧に適さず粉にしてふるいわけ製粉(歩留まり70 〜75%)されています。特性として粘着性を示すグルテン(タンパク質)を含んで 品種、粉にした等級により、パン、うどん、スパゲティー(強力粉)、菓子類(薄 力粉)、麩等に加工され一部は、家庭用揚げ衣、醤油の原料、飼料に用いられま す。 ◆小麦粉 こむぎこ 小麦を粉砕し振るいにかけますが、小麦の外皮は、堅く粒で消化が悪く、 溝があり、胚乳部が軟らかで米のように外皮をそのままで取り除くのが困難で 精白しにくく小麦の粒の表皮に水を吸わせ全体をローラで砕き振るいフスマを 取り除き粉を得ています。メリケン粉は、石臼で引いた内地のうどん粉の小麦 粉に比べ品質のよいロール製粉である皮部の少ないAmerican flour(アメリカの 小麦粉)という意味で使われたといいます。 小麦の中心部は、たん白質が少なく、外皮の方になるにつれ灰分(かいぶん)等 多くなり等級が下がります。3等粉は、灰分が多く味、色がよくないので主に工 業用とし澱粉(グルテンを取り除いた副産物とし得られる)、グルタミン酸、糊 の原料にされます。用途別には小麦粉の種類により強力粉、中力粉、薄力粉に 分けています。 パン、麺類、餃子の皮、パイ、ドーナツ、ケーキ、揚げ衣、スープのとろみづ け、打ち粉等に利用されます。 パンに適する強力一等粉で硬質小麦が多く用いられ湿ぷ量(グルテンの含水物の ままの量)40〜45%、乾ぷ量(一旦加熱乾燥したものの量)13〜15%でおもにアメリ カ、カナダからの輸入に頼っています。 スパゲティ、マカロニに利用されるのは、硬質小麦(デュラム小麦)、で作ら れ、たん白質13%(ほぼグルテンの量)を含みカナダ、アメリカより輸入されま す。 麺(うどん・ソーメン・中華麺類)に使われるのは、中力粉で中間質小麦が多く 用いられ湿ぷ量25〜30%、乾ぷ量8〜10%でオーストラリアからの輸入が多く、国 内産が使われます。 洋菓子、天ぷらに利用される薄力粉で軟質小麦が多く用いられ湿ぷ量20〜25%、 乾ぷ量7〜8%でアメリカから輸入されます。 日本で使われている小麦の約85%が輸入小麦でまかなわれているのです。 中華麺は、小麦粉のフラボノイドがアルカリで黄変しかん水(炭酸ナトリウム+ 炭酸カリ:天然水としてもある)で色がつくことによるものです。小麦粉、粉類 (米粉、ライ麦粉など)は、水で練っただけでは油で揚げる菓子を作るときに破裂 してやけどをする危険性があり、ドーナツ、アメリカンドッグなど水で練った 生地の場合は、小麦粉100gに対しベーキングパウダー3g以上と砂糖10g以上の両 方を必ずいれることなどが必要とされています。小麦粉100g中でエネルギー 368kcal、水分14.0g、たんぱく質8.0g、脂質1.7g、炭水化物75.9g、食物繊維 2.5gを含みます。 小麦蛋白質 こむぎたんぱくしつ 全粒は、果種皮、糊粉層、胚、盤状体、胚乳部に分かれ小麦粒に10%(軟質小 麦)〜13%(硬質小麦)の蛋白質を含んでいます。果種皮を除いた外側に多く含 み糊粉層、胚部にアルブミン、グロブリンが多くなってます。胚乳部はグルテ ニンとグリアジンでほぼ同じ量で小麦蛋白質の80%を占め、グルテンと呼ばれま す。小麦粉の蛋白質は、グルテニンとグリアジンよりなるグルテンが多く、そ の影響でトリプトファン、スレオニン、リジンの必須アミノ酸が少なくなって います。 パンに使われる麦としてライ麦があります。 ◆ライ麦 らいむぎ イネ科、小アジア(アナトリア半島:現トルコ)原産で北欧、ロシアの寒 冷、乾燥地での栽培が多くなっています。小麦、大麦の成育しにくい地方での 栽培がされ日本には明治初期に導入されて主に北海道で栽培されています。小 麦より、穂、種子が細長く高さ1.5〜3mにも長くなります。麦角菌(有毒)が繁殖 しやすい品種ですが小麦同様に製粉して小麦粉と混合しパンにして、黒パンと もいわれ利用されています。 他にウイスキー、ウオッカの原料にされています。蛋白質は、小麦と同程度に 含まれますが粘ちょう性のあるグルテンがなくパンを作るのに酵母の代わりに 乳酸発酵、酢酸発酵の酸によっての発酵方法が取られその有機酸によって膨張 させています。そこで小麦粉を半分以上混ぜ作られることもあるのです。ライ 麦には、色素成分が粉にした部分にもあるのでパンの色が黒っぽくなりますが 特有の香りがあり小麦パンより保存性が高くなっています。粘性に乏しいので ぱさつきがあり、味覚は劣ると言います。 100g中で全粒粉エネルギー334kcal、水分12.5g、たんぱく質12.7g、脂質 2.7g、炭水化物70.7g、食物繊維13.3g、ライ麦粉100g中でエネルギー351kcal、 水分13.5g、たんぱく質8.5g、脂質1.6g、炭水化物75.8g、食物繊維12.9gを含 む。ライ麦パンは、ライ麦粉50%を含んで100g中でエネルギー264kcal、水分 35.0g、たんぱく質8.4g、脂質2.2g、炭水化物52.7g、食物繊維5.6gとなりま す。 パン(Bread 麺麭)の語源は、ポルトガル語Pao(糧:かて)で16世紀室町時 代に南蛮船によって伝わったといいます。一般に普及したのは明治以降とさ れ、イースト(酵母)が使われるようになったのは19世紀後半からといわれま す。パンは、グルテンを多く含む小麦粉で作られていますが、ライ麦パンは、 ライ麦のタンパク質が酸に合うとグルテンと同じような働きをすることからパ ンが作られます。 小麦粉パン(アメリカ式白パン・フランスパン)とライ麦パン(黒パン)に大別さ れます。フランスパン(グルテンが少ない)は、そのままでバターを塗ったりし て利用されています。食パン(グルテンの多い強力粉)はトーストすることによ って香ばしく、サンドイッチにしたりして利用の頻度が高くなっています。 グルテンの多い強力粉で作られたパンは、保水力が大きく水分が食パン38%、フ ランスパン30%程度です。パンはホットドッグ、クルトン、パン粉にも使われて います。 水分蒸発量が2%/1日あり硬くなり老化しやすく香りもなくなるので空気に触れ させないよう包装し冷蔵、冷凍保存するとよいでしょう。菓子パン称されるア ンパン、クリームパン、ジャムパン、チョコレートパン類は日本独自の製品で す。アミノ酸スコアは、精白米65(リジン、スレオニンが不足)に対し食パン44 と不足しているアミノ酸が多くバランスがよくなく副食として他のたん白源と 組み合わせて取る必要があるのです。 その他の主に食料とされる燕麦、大麦についてです。 ◆燕麦Ozt えんばく イネ科、欧州、アジア原産。欧米で多く生産、栽培されており、日本で は、明治の初めにアメリカから輸入され北海道での栽培が主で冷涼多湿な地 帯、海洋的気候に適し生産されます。世界的には、トウモロコシ、小麦、稲に 次いで大麦と共に世界第四位、五位の栽培面積を占め青刈りしたものが乳牛の 牧草として飼料にされます。 日本では、麹、アルコール、味噌などの原料に最近では家畜の飼料とされるこ とが多いようです。カラス麦ともいわれ主に細長い種子を精白し粉砕(オートミ ール:牛乳、砂糖を加え加熱し粥状にして食べられており消化がよい)、扁平 (ロールドオーツ:日本では押し大麦で米に混ぜて用いられていた)として利用 されています。 オートミール100g中でエネルギー380kcal.蛋白質13.7g.脂質5.7g.炭水化物 69.1gを含み脂肪、たんぱく質が多くなっています。 ◆大麦 おおむぎ(裸麦) イネ科、コーカサス付近を原産地とする説があります。世界各国で広く栽 培され、トウモロコシ、小麦、米についで燕麦とともに生産量の多い穀物です が主に飼料とし利用されています。栽培方法は小麦とほぼ同様で春蒔き、秋蒔 きがあるが日本の北海道以外、秋蒔きがほとんどですが、消費量の90%近くは輸 入に頼っています。 主に六条種と二条種(ビール麦)、裸麦があり日本では食用として押し麦(米と 混炊)、麦とろ(麦だけのご飯にとろろをかけたもの)、香煎(こうせん、麦焦が し、はったいこ)、麦茶、麦味噌、醤油、麦芽して水あめ、ビール醸造に利用さ れます。 米(精白米:タンパク質6.1g、脂質0.9g、炭水化物77.1g、カリウム88mg、ビタ ミンB1:0.08mg、B2:0.02mg、食物繊維0.5g/100g中)に比較して大麦押し麦(タ ンパク質6.2g、脂質1.3g、炭水化物77.8g、カリウム170mg、ビタミンB1: 0.06mg、B2:0.04mg、食物繊維9.6g/100g中)でありカリウムと食物繊維を多く 含みます。 高血圧の予防、血清脂質、血糖値の改善に適した食品としている。大麦若葉 に食物繊維、鉄分、ナイアシンを多く含むとして青汁の健康食品に利用されて います。 麦類の中で小麦は、特に重要で世界中の人の半分もの人々の主食としての食料 となっています。日本人でもほぼ主食の1/3を麦に頼っているのが現状です。 ときどきちょっとした注目の食品、話題(日本人の食事摂取基準など)につい てトップページで記載してますので覗いてみてください。 http://www3.ocn.ne.jp/~eiyou-km/ ※表現の誤り、加筆したりしていますので今までに配信致しました分についての最新 情報は、ホームページよりご覧いただければと思います。 ◎都合により、7〜9月号までを休刊とさせていただきますことをご了承ください。 次回は10月号からを予定しております。 気になる食生活情報を随時掲載お届けしてまいります。 ご購読有難うございます。 今回の記事はいかがでしたか? ワンクリック投票できます。 下記ページより、ご意見、ご感想をお寄せ下さい。 http://clap.mag2.com/naigoujiak 前回から7件のクリックがありました。 有難うございます。 ニュース・政治・芸能・環境問題、ズバリ「YesかNoか?」でお答えください! あなたの意見がみんなに伝わる投票コミュニティでの私の投票、意見です。 http://yoron.mag2.com/member/363 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