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2008/05/19

食生活について語ろう[08/5/19〕74号 青酸配糖体

〜☆ようこそ、食生活館へ☆〜
2008年5月19日(月)発行・第74号 
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 ■食生活について語ろう■ご愛読者の皆様にお届けしています。
  そろそろ青梅が店頭に並び梅シロップ、梅酒をつくるのによい時期です。
青梅には、アミダグリンを含み生食するとおなかをこわすといわれています。
アミダグリンは、青酸配糖体のひとつでバラ科の植物に多く含まれます。成熟して
くると無くなってきます。
無毒化する過程など、青酸配糖体について調べてみました。

不定期に最近話題の食生活について気になる最新情報をお届けします。
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《テーマいろいろ》
◎青酸配糖体 Cyanogenic glycosidesせいさんはいとうたい
これからの季節、梅、びわ、さくらんぼなど、バラ科の植物の果実が実り、季
節を感じさせてくれます。
 この時期、青梅の毒素をなくす処理が完全でなく、食中毒を起こすことがし
ばしばあるようです。
青酸配糖体は、シアンヒドリン配糖体ともよばれ、糖に青酸が結合したもので
す。バラ科、豆科の種子に多く、果肉、葉、樹皮にも含み、キャッサバ(トウ
ダイグサ科)、ギンナン、せり、フキ、竹の子などの野菜類、玄米、ヒエ、ア
ワ、ソバなどの穀類にも極微量ながら含まれます。これらの植物は青酸配糖体
と分解酵素を別々の場所、部分に持つことによってそのままの普通、通常はシ
アン化合物の生成が起こらないような仕組みになっています。傷がつくことに
よって青酸配糖体に酵素が混合され作用して分解が始まるのです。いずれも体
内の腸内細菌のβーグルコシダーゼのはたらきによって糖が切り離され、さら
に分解酵素であるヒドロキシニトリルリアーゼ(他の物質の反応速度を変化させ
る物質、触媒する酵素)の作用を受けてヒドロキシニトリル(HN)、シアノヒド
リン(ケトンまたはアルデヒドにシアン化物イオンが付加したもの)を生じ、
徐々に加水分解され青酸(HCN:シアン化水素)を生じるのです。シアン化合物の
致死量は体重あたり 0.5〜3mg/kg としています。


青酸配糖体を多く含む、この季節に多く出回るバラ科の食品を、中心として調
べてみることにしました。

 アミグダリン(Amygdalin)は、主に植物性の自然毒であり青梅中から検出さ
れることで知られていますが、バラ科の種子に多く、果肉、葉、樹皮にも含ま
れまれ同じ青酸配糖体のプルナシン(Prunasin )も含みます。未熟な果肉にも
含んでいますが、成熟するにつれ分解してなくなります。核に多く、砕けると
分解酵素のエムルシン(βーグルコシターゼ)によって、グルコース、香り成分
のベンズアルデヒドと、青酸(シアン化水素 HCN)の毒性を生じてくるのです。
長い時間の経過と共にシアン化水素は、糖に分解され無毒化していきます。

シアン化水素は、青酸カリの致死量で200〜300mg程度とされてケイレン、呼吸
困難を起こし数分以内に死亡する猛毒です。体内で細胞に存在する酵素シトク
ロムオキシダーゼ(Cytochromoxidase)と結合し、細胞の呼吸を阻害するので
す。アミグダリンの多量摂取による有害作用として、悪心、嘔吐、頭痛、目ま
い、血中酸素の低下による皮膚の青白、発熱、肝障害、異常な低血圧、瞳孔拡
大、神経障害による歩行困難、意識混濁、昏睡状態に陥り最悪の場合死に至る
のです。

シアン化水素は時間が経つにつれ分解され毒素が消えて行くので成熟した果物
等ではほとんど問題はなく生食されています。茹でる、揚げる、炒めるなどの
加熱処理により毒素をなくす処理ができます。核内のアミグダリンの含有量
は、ウメ3.2%、アンズ8%、ビワ2.0%、豆類0.005%との報告があります。バ
ラ科の果実は、成熟するにともなって果肉中のエムルシンにより分解されて時
間が経つにつれ毒素が消えて行ってしまいますが種子の核内の青酸配糖体はほ
とんど分解せずに残っている場合がありますので、生食で種を噛み砕かないよ
うにします。


 食用にされているバラ科の食物でアミダグリンと関連のあるものとして、梅
のほかに、アーモンド、アンズがあります。 
青梅一個20gの仁に50mg程度のアミダグリンを含むようです。青梅の、梅酒、砂
糖漬け、蜂蜜漬けなど、長期間漬け込むのは、毒素の分解を促し、成熟を早め
ていることと同様で、青酸配糖体の分解が進んで無毒化していると考えられて
います。また抽出してきたエキスは、アミグダリンの量も問題がないほど少な
く低濃度化しています。青梅の果実を食べる場合には少なくとも数ヶ月以上漬
け込んたものを摂(と)るようにしましょう。 

バラ科のアーモンドは、やはり、アミダグリンを含んでいます。アーモンド
は、大粒で種子の中の仁が甘い甘仁種(かんじんしゅ)と、小粒で仁が苦く食
用には適さない苦仁種(くじんしゅ)があります。苦仁種は、香りが強くアー
モンドの香りのもとであるアミダグリンが多量に含まれ多くがアーモンドエッ
センスの原料に中国では鎮咳薬としても用いられます。よく目にする食用のア
ーモンドは、大粒の甘仁種でアミダグリン含まず毒性がありません。

杏(あんず)の種の中のナッツ。それを粉状にしたのが杏仁粉(きょうにん
こ)で杏仁豆腐(あんにんとうふ)の香りの元になっています。仁にある毒素
は、青酸配糖体のアミダグリンですが 砂糖によって無毒化します。 最近で
は、アーモンドパウダーを使うことが多いといいます。 

 他に マメ科の特に東南アジアなどの海外から輸入されるビルママメ(アオ
イマメ)類のサルタニ豆、バター豆、ペギア豆、ホワイト豆、ライマ豆の中に
は青酸配糖体(リナマリン)が含まれています。分解酵素リナマラーゼによっ
てシアン化合物を生じ食中毒を発生させることがあり、輸入や製造について規
制があります。食品衛生法で製あん後にシアン化合物(青酸)は検出されては
ならないことになっており除去されています。

 芝生に植えられ、時には食用にもなるマメ科である、しろつめぐさ(クローバ
ー)には、リナマリンとロタウストラリンという青酸配糖体が含まれていま
す。


白いんげん豆が一時期問題になりましたが原種に近いビルマ豆では、多量に青
酸を含むので何度も加熱煮沸し浸出液を取り替えて毒を取り除く作業が行われ
て食用とされています。「レクチン」は糖結合タンパク質です。

キャッサバ(トウダイグサ科)には、スイートとビターがあり、ビターには、
青酸配糖体シアン化合物のリナマリンを50mg/1kg程度含むのでよく水に晒すこ
とによって除去されることから処理を確実に行なってから食料とします。


 エムルシン(Emulsin)はバラ科植物に多く含まれる他、動物の体内にも存在す
る酵素で、β−グルコシダーゼと呼ばれています。β−グルコシダーゼは、大
腸菌などの腸内細菌によって作られています。体内に入った青酸配糖体(アミ
ダグリンなど)は、腸内細菌によって作られた酵素のエムルシン(β−グルコ
シダーゼ)によっても分解され有毒なシアン化水素を発生させるのです。糖を
含むものの存在があれば、無毒化の速度が速められるともいわれますが、猛毒
のシアン化水素の吸収に追いつくものではありません。青酸配糖体の摂取は、
できるだけ慎んだほうがよいのです。

 以前にビタミンB17とも呼ばれていましたが、現在では、アミダグリンが
人体に必須の栄養素ではなく、ビタミンは、その栄養素を除くと栄養が保てず
他の栄養素で代用できないもの身体の調節機能をつかさどる調節素(ビタミン・
無機質)の役目をしている有機化合物です。欠乏症などは知られていなくいなく
ビタミンの定義には該当していません。

 青酸配糖体は熱水中で処理した場合は、青酸配糖体の単純な加水分解反応と
して、グルコシド結合は切断されずに保存され、部分的酸化生成物のレートリ
ル(laetrile)と呼ばれることもあります。レートリルともいわれ利尿、抗
菌、抗ガン、抗アレルギー、鎮痛、鎮咳(ちんがい)、去痰、血行促進、麻酔作
用が認められ生理不順、更年期障害、ガン抑制、神経痛、リウマチに利用され
ています。
アンズやモモの仁は、生薬の材料にされ杏仁(きょうにん)、桃仁(とうに
ん)として利用されています。青酸の使う量によって微量で体内の酵素ロダナ
ーゼの作用により、分解され毒性が弱まり排泄されやすい形に変換していきま
す。
微量のシアン化水素とベンズアルデヒドは、最終的には肝臓中の細胞に存在す
るロダナーゼ(Rhodanase 酵素)の解毒作用によりそれぞれ毒性が弱まり尿中
に排泄されやすいチオシアン酸と安息香酸に変化して無毒化されていきます
が、無毒化にいたる過程で組織中に残留する微少量の成分が、生体内での新陳
代謝を活性化させ免疫力の機能を向上させるのに役立つことがあります。


  バラ科で食用とされるものに、梅、杏、枇杷、さくらんぼ、すもも(プラ
ム)、梨、木苺類(ナワシロイチゴ、カジイチゴ、ベニバナイチゴ、ラズベリ
ー、ブラックベリー)、マルメロ、桃、りんご、カリン、アーモンドの類があり
ます。これからの旬の食品である枇杷について紹介しましょう。

●旬の食材
・枇杷 びわ
  バラ科、中国原産。日本にも古来からあったが盛んに栽培されるようにな
ったのは明治以降になってからという。常緑小高木、花の少ない11月〜12月に
かけ茶褐色のがくに包まれ地味な白い花を咲かせるが香りがよく甘い香りが一
面を漂わせる。関東以南の温かい地方で生産され長崎県、大分県を主産地とし5
月末に千葉県のハウスものが最盛期を迎え初夏の早い時期5月下旬〜7月上旬に
成熟し旬とする。

茂木びわ(長崎県、50gの小粒で甘味がある)、田中びわ(主に房総、70gの大粒)
の品種で大半を占める。一枝に数個群がってなり実を大きくする為に一枝3、4
個になるように選定をおこなう。酸化酵素とタンニンが多く傷があるとそこか
ら褐変を起こしやすく表面のうぶげが外気からの酸化から果実を守り褐変を防
ぐ役目を果たす。
生食、缶詰、ジャム、枇杷酒にされる。酸味は少なく有機酸は、リンゴ酸が主
で、ビタミンA(皮膚、粘膜の保護)を多く含む。種子にはアミダグリンを含み有
毒とされ一般に食用とはしない。

民間療法でびわの種子に含まれるβーシトステロール、安息香酸がアルコール
性肝障害、高脂血症予防、改善に有効で活性酸素を抑制するとされ、そのエキ
スを含む健康飲料が販売されている。葉を枇杷茶に、抗炎、血行を促進するこ
とから風呂に入れ入浴剤に利用する。


          *ビワ茶
  バラ科、中国を主産地とする。ゴージャスなほのかな香りジャスミンの香
りがする。枇杷茶は、排気ガスの少ない果樹園で栽培する葉を葉の裏の産毛と
ともによく洗い落とし天日で乾燥させ煎じお茶とする。アミダグリン(種子ほど
多くない)の成分で疲労回復、胃健、血液浄化作用を持つ。葉そのものが、漢方
に用いられ、作用が強いことから3杯/1日に留める。


 よく知られる青酸配糖体を多く含むバラ科の種子も使い方によっては、人体
にとって有効に作用するようです。情報を多く持っていることは、食品に対す
る不安感の軽減に役立ちます。青梅はシロップ漬け、梅酒にして無毒化された
からといっても何十個と、度が過ぎるほど食用とするのは、いただけません。
青梅の生食はあまり美味しいものでも無いですので、完熟したら植物のほうで
も甘くして食べてくださいと意思表示をしています。





ときどきちょっとした注目の食品、話題(遺伝子組み換えトウモロコシなど)につい
てトップページで記載してますので覗いてみてください。
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※表現の誤り、加筆したりしていますので今までに配信致しました分についての最新
情報は、ホームページよりご覧いただければと思います。
 
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気になる食生活情報を随時掲載お届けしてまいります。
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