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猫は人の足を踏みながら通る。猫が膝に来るとトイレに行きたくなる。など、なぜだか猫が行う「猫のおきて」の数々をつぶさに検証。飼い猫「ち」の思わず笑える日常ものぞいていただけます。

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2009/05/12

猫のおきてVol.192「猫毛マーキング」

 猫は人の足を踏みながら通る。猫が膝に来るとトイレに行きたくなる。などなど、どう
いうわけでだか猫たちが決まってする行動の数々。このメールマガジンでは、そんな愛ら
しくも不可解な行動、習性を「猫のおきて」と呼び、それにまつわるあれやこれやについ
て大まぢめかつ勝手気ままに考察してまいります。筆者の周囲の猫たちや、猫にまつわる
作品のことも縷々、書いてまいります。

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 猫のおきて Vol.192         猫毛マーキング
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 猫は、マーキングをする。
 と聞くと、雄猫のスプレー尿を思い出して顔をしかめる方もおいでだろうが、それだけ
ではない。確かに、排泄物もマーキングに利用されるが、猫はそれ以外にも様々な方法で
マーキングする。
 例えば、爪とぎ。野外なら木の幹や板塀、室内なら家具やカーペットに爪を立ててばり
ばりとひっかく。あれは爪を鋭く保つためもあるが、とぎ跡を残すことがマーキングにな
る。そして、爪でひっかいた跡が視覚的なマーキングになるだけではない。爪とぎをする
ことで、肉球や指の間から出る分泌物をこすりつけ、嗅覚の上でもサインにしているのだ。
 しかしそのにおいは、人間にはほとんど感じられない。人間は猫(や犬)に比べて格段
に嗅覚が鈍いので、スプレー尿のような強烈なにおいでないと、感知できないのだ。

 実は我々の身の回りには、このような、人間が気づかない猫のマーキングがたくさんあ
る。例えば、いわゆる「すりすり」もそうだ。
 猫は、家具の角に頭をこすりつけたり、飼い主の体に顔をこすりつけたりすることがあ
る。これが「すりすり」といわれる行動だが、猫は顔(目の周り、顎、耳の下あたり)に
分泌物を出す腺があり、そこをすりすりとこすりつけることによって、自分の分泌物をつ
け、においを残しているわけなのだ。
 人間にとって、においでこのマーキングに気づくことは、種としての嗅覚を超えたワザ
である。しかし、注意深い猫観察者は、種として機能的に劣っている能力を、微細な観察
力によって補う。よくよく見ると、すりすりしたところに、猫の毛がくっついていること
があるのだ。特に春から夏、猫が換毛期を迎え、多くの毛が抜けるようになると、残され
る毛の量も多くなる。
 自由猫の多い界隈を散歩していると、塀の角やちょっとした出っ張りに、風にふわふわ
と揺れる猫毛がくっついているのを目にすることがある。猫の姿が見えない時でも、そん
な毛を見ると、ああここは猫の通り道なのだな、と察知することができるのだ。

 ところで先日、とある企画のため、猫毛フェルトの新作品を作った。作品が完成すると
記録のために写真にとっておくことにしているのだが、その日はちょうど快晴の外出日和。
そこで、ロケ撮影にしようと思い立ち、神代植物公園へ出かけた。私のようなウデのない
撮影者にとって「花と一緒に撮る」というのはよく使う手であるので、今回もその作戦で
行こうと思ったからである。
 折しもバラの盛りで人出が多く、特にバラ園のあたりは大賑わいだった。その中で猫毛
撮影をするのはさすがに気後れしたので、「オールドローズ園」へ向かう。1867年以降に
作出された現代バラに対して、それ以前のバラをオールドローズと呼び、現代バラほどの
派手さはない。そのため、見物の人出もやや少なめなのだ。

 開いたバラの花弁に猫毛作品をのせたりしてしばし撮影し、そして問題は、撮影を終え
たときであった。猫毛人形を撤収すると、バラの細かなとげに、猫毛がくっついているで
はないか! 図らずも、毛によるマーキング痕を残してしまったのだ。
 冒頭、「猫はマーキングをする」と書いたが、人であるのに毛によるマーキングを行って
しまった自分に気づき、「猫毛フェルターもマーキングをしてしまうことがある」と書き加
えねばならないと思った。

 それにしても、もし、注意深い猫観察者が通りかかり、この猫毛に気づいたら、果たし
てどのような判断をするであろうか。
 猫毛人形をのせていたのは、私の目の高さほどであるから、本物の猫がマーキングでき
る位置ではない。大体、とげがちくちく痛いバラに、猫はマーキングしたりしない。
「なぜここに猫毛が…?」と謎に思い、その謎が解けずに、気になるあまり眠れぬ夜を過
ごしている猫観察者がいなければいいのだがと願うばかりである。

*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*

 ちなみに、猫毛撮影をしているとき、「かわいいですね」と声をかけてくださった方がい
らっしゃいました。猫毛フェルトに興味をもっていただけて嬉しいです。街で猫毛作品を
見かけたら(そう多いことではないと思いますが)、どうぞお気軽にお声おかけください。
 ちなみに、街で猫毛を見かける機会が近々ございます。

●●● 一箱猫市@座・高円寺 ●●●
 ●日時: 5月16日(土)・17日(日) 10:00〜17:00
●会場: 座・高円寺 エントランスホール (好天に恵まれたら、劇場前の屋外)
http://za-koenji.jp/detail/index.php?id=6
 ●実施内容
○『猫毛フェルトの本』販売
○猫毛グッズ展示
○猫のやきもの・布もの・紙ものなど 蔵ざらえ一箱市

今回のイベントは、「座・高円寺」のオープニング・イベント「絵本カーニバル」の一環
で行われる「本屋の楽市」に関連して開かれます。新刊書店・古書店の絵本などの販売、
傷んだ絵本を修復してくれる「絵本のお医者さん」や、アートやクラフトの作家による作
品展示・販売も行われます。
地域猫支援NPOの「山猫庵」さんが、猫毛作品の販売もするそうです。

★関連WEBサイト
「猫支援NPO「山猫庵」さんに猫毛フェルト♪」 http://nekoke.com/Entry/88/
・NPO山猫庵 http://green.ribbon.to/~bcc/index.html

●前回のアンケート、「問い:猫の“ごろごろ”を聞くと、眠気を催す。」は、以下のよう
な結果でした。
  その通り52%
そうでもない30%
どちらともいえない18%

 参加者の皆様、ありがとうございます。
 今回は、質問を設定しづらいので、アンケートはナシに。ご感想、リクエストなど、メ
ールや「ブログ猫おき」のコメント欄へぜひお寄せ下さいませ。

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「猫のおきて」(Vol.192)2009年5月12日発行(ほぼ2の日発行)

【著者・発行者】馨歩 あらため 蔦谷耕書堂
(猫おきブログを今、この名で運営してますので。あと「蔦谷K」とか。
でも、ケイホでも何でも、皆様の呼びかけやすい名前で、何でも結構です)
【E-MAIL】 bon-neko@mbi.nifty.com
【ブログ「猫のおきて」】http://nekono-okite.cocolog-nifty.com/
【ブログ「猫毛フェルトの部屋」】http://nekoke.com
【@nifty「子猫の町蔵日記」】http://golog.nifty.com/feature/koneko/index.htm
【サイト「盆猫」】 http://homepage2.nifty.com/bon-neko/

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<記事内容の全ての著作権は著者・蔦谷耕書堂に帰属します>
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