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猫は人の足を踏みながら通る。猫が膝に来るとトイレに行きたくなる。など、なぜだか猫が行う「猫のおきて」の数々をつぶさに検証。飼い猫「ち」の思わず笑える日常ものぞいていただけます。

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2008/10/22

猫のおきてVol.186番外編「性格は、写真に写らないからね」

 猫は人の足を踏みながら通る。猫が膝に来るとトイレに行きたくなる。などなど、どう
いうわけでだか猫たちが決まってする行動の数々。このメールマガジンでは、そんな愛ら
しくも不可解な行動、習性を「猫のおきて」と呼び、それにまつわるあれやこれやについ
て大まぢめかつ勝手気ままに考察してまいります。筆者の飼い猫、黒猫の「ち」や、通い
猫の「ヘディ猫」の日常を、覗いていただけます。

 ……といつもヘッダーに書いておりますが、今回はまさしくそんな「ヘディ猫」の日常
も。ブログの写真も併せてお楽しみ下さい。

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 猫のおきて 186号 番外編
              「性格は、写真に写らないからね」
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「写真」とは、「真(まこと)を写す」という字義である。とは言え、写真家の皆様には恐
縮ながら、「写真てウソばっかしだな」とよく思う。しかし実際のところ、その「写真のウ
ソ」を知悉し、それに対して自覚的に自らの写真表現を創り上げているのがひとかどの写
真家の皆様であるから、それを言っても恐縮するには及ばないのだが。

 仕事で「写真のウソ」を感じることも多い。様々な場所をカメラマンと訪れて取材した
とき、例えば店舗や施設など、現場はどうってこともないのに、上がった写真ではとって
も雰囲気のある素敵な場所に写っていることがある。ごく普通の料理が、実においしそう
に写っていることがある。まあそれがプロの仕事で、雑誌などでもいいページを作りやす
いから、素敵なウソを上手につけるカメラマンは、非常に頼りになるありがたい存在だ。

 人相手の撮影は、さらにそうだ。モデル、タレント、女優に文化人、皆現物以上に撮れ
るのがプロだ。そしてプロは、見た目だけでなく、人柄も良さそうに見せることすらでき
る。いつぞやカメラマンからのウワサで「某歌手は、満面のスマイルの写真ばっかり出て
るけど、現場ではいつもものすごく機嫌悪い」と聞いたことがあって、その歌手は私も朗
らかな印象を持っていたので、「ええー! あんな気さくそうなのに」と言った。するとカ
メラマン曰く、「性格って、写真に写らないからね」。
 しかし、「とは言いながら、写る部分もある」というのもまた同じカメラマンが言い、私
もそれは両方言えるのだと思う。そのせめぎ合いの中で、基本的には好感度が高いように
写しつつ、隠れた意地の悪さをスパイスのように垣間見せることができ、その毒や棘も含
めてトータルで魅力的に見せることができるのが、写真家の腕だ。その非常に難しいこと
を可能にするのが「才能」というもので、それは文章表現にも同じようなことが言える。

 と、文章の話になると我が身を省みて考え込みがちなので、写真の話に戻る。「性格は写
真に写らない」と聞いて、身近な猫らのことを思い出したのだ。自分が撮った猫らの写真
を見ていても、それを感じることがある。黒猫「ち」は、ビビリな弱虫さんなのに、黒と
いう色の印象だろうか、写真だときりっと見える。通いの「ヘディ猫」は、女優ばりの写
りだが、現物はかなり気が強く、その気合いの入りぶりは女優というよりヤンキーだ。
 気合いの入った彼女は、もう中高年なのに、若い者に存在感を示さずには居られないら
しく、喧嘩したらしい形跡がちょくちょくある。大きな怪我はしてこないが、耳や額、鼻
づらに、引っ掻かれたり噛まれたらしい小さな跡がいつもあり、ひとつ傷がなくなったと
思ったら、また次のができている、という具合だ。
 しかし流石なのは、それらの傷が頭やせいぜい上半身にしかなく、お尻などにはないこ
とだ。常に相手に立ち向かい、尻尾を巻いて逃げるようなことがないからであろう。
 とはいえ、私としてはそれを「天晴れ!」と喜んでばかりもいられない。勝とうが負け
ようが、喧嘩はしないに越したことはないのだ。ことさら存在感を示す必要などないとい
つも言って聞かせるが、彼女は脳天に小さな引っ掻き傷を付けて当家を訪れては、知らん
振りで毛づくろいなどしている。猫は基本的に、人の話など聞いてはいないのだ。

 あるときヘディ猫が、確実に他の猫にしゃっと引っ掻かれたと思われる細い傷を鼻面に
つけてやってきた。
「もー! これ何? また喧嘩したんだろう、だめだろう!」と言っても聞きやしない小
言をぶつぶつつぶやきながら、私は「証拠写真撮ったる」と、鼻づらの傷がわかるようア
ップでヘディ猫の顔を写した。写真が嫌いなヘディ猫はさも不機嫌そうにカメラのレンズ
を見据えていたが、その写真をデジカメからPCに取り込み、モニタに写して私は驚いた。
 状況としては「ヤンキーおばさんがけんかした後のブータレ写真」であるはずなのに、
雰囲気は「ちょっとこれ、フランス女優じゃないの?」という感じなのである。
 うーむ、「性格は写真に写らない」、まさしくその通り!

 ……と結局、ヘディ猫のフォトジェニックさか自分の写真自慢のようで、冒頭の恐縮よ
り、こちらのほうをこそ恐縮するべきかもしれないと思った、今回の一幕でござい。

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●と、そのヘディ猫女優写真は、ブログ「猫のおきて」に。どうぞご一緒にお楽しみを。
http://nekono-okite.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-61dc.html

●先日、ブログの「みんなで作る子猫の町蔵カレンダー2009」への投票で、皆様に選んで
いただいた写真で、現在カレンダーを鋭意製作中。また告知しますので、出来上がりにご
期待下さいませ。
 今回の写真を見て、ヘディ猫も女優ばりにカレンダーを作れるよう、写真を撮りためた
いと思った次第です。

●その他のカレンダーの企画やご提案、リクエスト、ご感想にお問い合わせなどなど、ど
うぞブログのコメントやメールにてお寄せ下さいませ。

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「猫のおきて」(186号)2008年10月22日発行(ほぼ2の日発行)

【著者・発行者】 馨歩
【E-MAIL】 bon-neko@mbi.nifty.com
【ブログ「猫のおきて」】http://nekono-okite.cocolog-nifty.com/
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―――――――記事内容の全ての著作権は著者・馨歩に帰属します―――――
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