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猫は人の足を踏みながら通る。猫が膝に来るとトイレに行きたくなる。など、なぜだか猫が行う「猫のおきて」の数々をつぶさに検証。飼い猫「ち」の思わず笑える日常ものぞいていただけます。

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2008/10/05

猫のおきてVol.185「深大寺、猫的散策」

 猫は人の足を踏みながら通る。猫が膝に来るとトイレに行きたくなる。などなど、どう
いうわけでだか猫たちが決まってする行動の数々。このメールマガジンでは、そんな愛ら
しくも不可解な行動、習性を「猫のおきて」と呼び、それにまつわるあれやこれやについ
て大まぢめかつ勝手気ままに考察してまいります。筆者の飼い猫、黒猫の「ち」や、通い
猫の「ヘディ猫」の日常を、覗いていただけます。

 今回は、ゴールデンウィークお届けしたような、お出かけ情報です。無論、猫がいない
と「猫おき」にならないので、猫も登場します。

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 猫のおきて 185号 屋外編   首都圏近場のお出かけ情報(付:猫遭遇)

              深大寺、猫的散策
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 深大寺は好きだ。この辺に住もうかと、物件を探しかけたこともあるほど好きだ。住む
ことは種々の理由から実現していないが、折にふれ出かける。
 何が好きかって、水と緑。緑豊かなイメージは持っておいでの方が多いだろうが、ここ
は水にも恵まれている。付近に、古代多摩川が武蔵野台地を削ってできた古い河岸段丘の
なごりである国分寺崖線がある。この崖線には湧水が多く、それが集まり、多摩川の支流
である野川の流れを作る。深大寺のぐるりにも、池や小さな流れがあちこちにある。一言
でいえば、潤いある風情なのだ。

 この夏、潤いとは無縁だった自分。水ぼうそうで熱を出し、摂った水分は発汗によって
どんどん失われ、気をつけないと脱水状態になりそうだった……というような肉体的な潤
いはもとより、精神的にも乾ききった感じだ。通い猫のヘディ猫がやってきて、くっつけ
てくる鼻先の潤いを分けてもらい、どうにか持ちこたえて来たというのが、いや本当に実
際のところだ。

 そんなわけで9月の半ば、枯渇した潤いを猫以外の要素からも補充しようと、「名残のツ
クツクボーシを聞きながら、緑陰でビールでも飲もうじゃない?」という目論見のもと、
私は友人Sと深大寺に向かった。
 深大寺は調布市にある。吉祥寺駅や、京王線のつつじが丘や調布駅などからバスが出て
いる。日曜の深大寺は、さびれすぎず、混みすぎず、いい感じにのんびりと、人々が歩い
ていた。この、いつもそんなに混んでいない、というのもここを気に入っている理由のひ
とつだ。夏の初めからの長い花期を誇るサルスベリもいよいよ終わりかけ、涼しげに流れ
る水の上には、覆いかぶさるような萩が花の盛りであった。

 深大寺は天台宗のお寺で、詳しくは浮岳山昌楽院深大寺。関東では浅草寺に次ぐ古刹で、
奈良時代(天平5年)満功上人によって創建された。湧き水があふれ出す手水場で手を浄
め、本堂にお参り。その後、本堂の向かって左の建物に収められている、寺宝の釈迦如来
倚像を拝する。白鳳時代の古仏で、国の重要文化財である。私はこの仏像が好きで、友人
Sはその姿を「しゅっとしている」と表現していた。

 さてその後がいよいよ本日の目的、緑陰ビールである。そのために向かったのは深大寺
の奥、神代植物園の深大寺門の前にある玉乃屋さん。http://www.tamanoya.com/深大寺に
蕎麦屋は数多くあって、どこもそれぞれにおいしいが、私が行くのはほぼこの店。蕎麦の
うまさはもとより、屋外にたくさんの席があり、実に気持ちがいいのだ。夏場の緑陰ビー
ルはもちろん、冬場に焚き火に当たりながら、熱燗で蕎麦味噌を舐めるのもたまらない。

 気の利いた蕎麦屋であるから、当然石臼挽き自家製粉で手打ちである。その上嬉しいの
が、季節ごとに変わり蕎麦があること。蕎麦本来の香りと味を楽しむには十割そばが一番
だが、私はバリエーション豊かな色や風味を楽しめる変わり蕎麦も好きである。それに、
変わり蕎麦のような手間のかかるものがある店は、そこの職人がそばを打つのを楽しんで
いる、ということである。他のものも悪かろうはずがない。
 蕎麦団子を入れたお汁粉や、蕎麦饅頭もあるので、甘党の方にもお勧めだ。

 木漏れ日の中、冷えたビールを喉に流し込んでいると、頭上から降り注ぐ蝉時雨。う〜
ん、思い描いた通りの潤いある状況じゃないの、と私たちは多いに満足し、酒と蕎麦を楽
しんだ。そして食後は神代植物園に行って、芝生に横たわって気持ちの良い風に吹かれな
がら、閉園時間までたっぷりと昼寝をしたのだった。目覚めると、遠くの木立から蜩の声
が聞こえていた。

 ってここまでのところ、潤いはともかく全然猫が出てこないじゃない? なのだが、書
いていないだけで、実は界隈のあちこちで猫に出会った。門前の喫茶店では、長毛の外猫
が餌付けされていた。広い植物園の中には、そこここの物陰で暮らしている猫たちがいる
らしく、ときどき、園内を悠々と歩いているのに出くわした。彼らの姿を見て、確かにこ
こなら住むのも悪くないだろうなと、もともとこの地に住みたい私は思ったのだった。

 ところで、神代植物園の隣には、首都圏有数の規模と歴史をもつ動物霊園がある。今、
映画版の『グーグーだって猫である』が公開されているが、この原作者の漫画家、大島弓
子の愛猫サバのお墓は、ここにあるのではないかと私は思っている。コミックスの『グー
グーだって猫である』の第2巻の巻末の漫画「バラ園」に「バラ園の隣にはサバの動物霊
廟があるのだ」との記述がある。神代植物園のバラは有名だし、大島弓子がずっと吉祥寺
在住だったことを考えると、地理的にも違和感がない。

 縁ある動物が葬られているわけではない私たちはそこにお参りはしなかったが、その日
の1杯目は、バラ園の隣に眠るけものたちのための献杯とした、彼岸前のことであった。

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●ブログ「猫のおきて」には、深大寺で出会った猫の画像も載せております。ビールや蕎
麦のうまそうな写真もありますので、どうぞご一緒にお楽しみを。
 ちなみに先日、楽天ブログからココログに引っ越しております。
 不調だったコメント書き込みも、こちらでは問題なくできますので、ぜひ深大寺界隈へ
のコメントをお願いします♪
「ブログ猫のおきて」http://nekono-okite.cocolog-nifty.com/blog/

●当家にいたのはもう2年前の夏になる、子猫の町蔵。現在nifty語ろ具で連載中ですが、
現在の最新号は町蔵を連れて帰省した時のお話。火曜日7日には、次の回が掲載され、そ
の回はでは実家にいる黒猫「ち」との関係が語られます。ぜひご覧くださいませ。
「子猫の町蔵日記」http://golog.nifty.com/feature/koneko/index.htm?top_info

●そんな町蔵のカレンダーを、読者諸賢の皆様とご一緒につくるべく、使用する写真を選
んでいただく投票をしています。ぜひご投票ください。写真のタイトルも募集しています。
「みんなで作る子猫の町蔵カレンダー2009」
http://nekono-okite.cocolog-nifty.com/blog/calendar09.html

●その他、ご感想、ご提案、リクエスト、お問い合わせなどなど、どうぞブログのコメン
トやメールにてお寄せ下さいませ。

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「猫のおきて」(181号)2008年4月29日発行(本当は、ほぼ2の日発行)

【著者・発行者】 馨歩
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