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猫は人の足を踏みながら通る。猫が膝に来るとトイレに行きたくなる。など、なぜだか猫が行う「猫のおきて」の数々をつぶさに検証。飼い猫「ち」の思わず笑える日常ものぞいていただけます。

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2007/08/02

猫のおきてVol.173「好奇心が強い」

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 猫は人の足を踏みながら通る。猫が膝に来るとトイレに行きたくなる。などなど、どう
いうわけでだか猫たちが決まってする行動の数々。このメールマガジンでは、そんな愛ら
しくも不可解な行動、習性を「猫のおきて」と呼び、それにまつわるあれやこれやについ
て大まぢめかつ勝手気ままに考察してまいります。筆者の飼い猫、黒猫の「ち」や、通い
猫の「ヘディ猫」の日常を、覗いていただけます。

 さて、今回は古来、ことわざにも言い習わされてきた猫の性質について。ヘディ猫の身
に起こった実話に基づいて考察します。

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 猫のおきて Vol.173

               好奇心が強い
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 猫は、好奇心が強い。物見高い。野次馬である。
 常日頃、「一人我が道を行く」、「我関せず」という態度をとっているくせに、何かある
と首を突っ込みたがる。新しい作業を始めると、それまで寝ていた猫がやおら起き出して
見にきた、というような経験は、多くの人がお持ちかと思う。
 英語にも「Curiosity killed the cat.(好奇心が猫を殺す)」という表現があるが
(「好奇心が命取り」、「いらぬ好奇心を持つな」の意)、そのことからも、古来、猫の好奇
心の強さが知られていたのがわかる。
 そんな言い回しになるくらいだから、好奇心が仇となって散々痛い目をみたり、ぎゃふ
んといったりしてきただろうに、猫たちは今でも懲りずに好奇心旺盛だから、学習がない
というか、その面では進化していないというか。

 日頃、泰然自若たるヘディ猫も、実はとっても好奇心旺盛だ。
 7月半ば、当家の隣人(猫好き。ヘディ猫も出入りしていた)が引っ越し、その後、空
いた部屋の改装が行われていた折、持って生まれた好奇心に逆らえないヘディ猫は、その
作業が気になって仕方ない様子。作業の出入りのため開け放してある隣室の玄関から、中
の様子を興味深げに覗いたりしていた。

 さて、そんなある夕方のこと。
 外出から戻り、玄関を開けようとしていた私の耳に、「にゃ〜!」という、ヘディ猫ら
しき鳴き声が聞こえてきた。私が帰ったのを聞きつけてやって来るのかとしばらく待って
いたが、姿を現さない。どこにいるのかと思いあたりを見回すと、また「にぁあ〜、にゃ
〜」と声が聞こえてくるが、一向に姿は見えない。
 しばし耳をこらすと、鳴き声はどうやら、隣室の中から聞こえてくるようだ。玄関ドア
のすぐ向こうで鳴いているような声の近さである。
 私は、ははーん、と思った。どうやら、昼間の作業中に開けてあった玄関から、人知れ
ず入り込んだのだろう。職人さんの背後をつき、他の部屋に入り込んでしまえば、彼女の
存在は気付かれまい。追い出されることもなく、がらんとして見た目が変わった部屋を眺
めたり、新しい建具の匂いを嗅いだり、好奇心の赴くままに探索を楽しんだに違いない。
 しかし、禍福はあざなえる縄の如し! 好奇心を満足させたその状況が、彼女を窮地に
陥れた。猫が入り込んでいるとは夢にも思わない職人さんらは、そのまま帰ってしまい、
彼女は軟禁されたのだろう。
 そして今、私が帰ってきた気配を察知し、必死に鳴いて訴えているのだ。

 私はドアノブに手をかけて回したが、当然戸締りしてあって開かない。中では、ヘディ
猫が一層声を張り上げて、「にああああー!」と鳴く。
 多分、翌日も作業は入るだろうから、朝になればヘディ猫は開放され、放っておいても
大事にはなるまい。しかし、一晩中隣室から壁越しに「にあー!」と聞こえて来るという
のも、非常に落ち着かない状況だ。うーむ。どうするか。
 当家の物件は動物飼養不可だが、実は大家さんもヘディ猫を知っている。この界隈でよ
く見かけるらしく、「そいつ、この辺の“顔”だよな」と、鷹揚にその存在を認めてくだ
さっているのだ。
 しばし考えてから、私は当家裏の大家邸に行き、インターホンを押した。ややあって、
「はい」と聞こえたのは大家母の声。折しもそれは東京がお盆の頃で、親族が集まってい
るらしく、背後から賑やかな話し声が洩れ聞こえてくる。そんな折に煩わすことに恐縮を
感じながらも、「今帰宅したが、隣室の改装作業中に猫が入り込んで閉じ込められたらし
く、鳴き声が聞こえてきて気になる」由を伝える。「ああらわかりました。すみませんね」
と大家母。私は「よろしくお願いします」と言って自室に戻った。

 戻った私の気配を察知し、ヘディ猫はまた「にぁー!」と鳴く。しかし大家が彼女の存
在を認めているとはいえ、立場はあくまでも「自由猫」だから、私があまり気遣わしげで
も不自然だ。そこで私は廊下側の窓越しの物音に耳をそばだてつつ、夕食の支度を始めた。
 するとややあって、階段を登って来る大家息子らしき足音が聞こえ、かちゃかちゃとい
う鍵の音、「にああーん!」という鳴き声、玄関を開ける音、「何だってお前入り込んじゃ
ったんだよ」という大家息子の声などが、窓越しに聞こえてきた。解放されたヘディ猫は、
盛んににぁにぁ鳴きながら廊下を歩き回っていたが、今うちの玄関を開けたらするっと入
り込んでくるに違いなく、それではまるで私の飼い猫のようで、建前上、外聞が悪い。
 そこで私は大家息子が階段を降りて行く足音を聞き届けてから、玄関を開けた。すると
案の定、「にあぁああー!!」と鳴きながらヘディ猫が駆け込んで来たのだが、その彼女の
姿を見て、私の脳裡に「Curiosity killed the cat.」という言葉が浮かんだのである。
 彼女はすっかり汚れ、毛並みの白いところがグレイになっていた。作業途中の埃っぽい
室内のあちこちで脱出口を求めてもがいた結果が、その姿に歴然と表れていたのだ。

 すでにゆったりと寝そべり、しかし普段よりずっと熱心に毛繕いするヘディ猫に、私は
「お前平然としてる風だけど、実は結構必死だったんじゃないの?」ときいてみた。
 無論彼女は否とも応とも答えず、しらばっくれていたけれども。

*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*−*

●毛並みの汚れ具合に、必死の脱出劇のあとが隠しきれないヘディ猫の画像をブログにア
ップしています。どうぞご覧になって、笑ったり同情したりなさってくださいませ。
http://plaza.rakuten.co.jp/nekonookite/

●猫好きな隣人は、昨夏、町蔵を保護した折に「子猫を保護したので、一時的ににゃあに
ゃあ聞こえるかもしれませんが」と挨拶したら、感激して、大量にサラダ油を下さいまし
た。なぜサラダ油? 今でも使い切れていないほどの量ですが、微笑ましい思い出です。

●この件についても読者諸賢のご判定を仰ぎます。アンケートにご参加を。身近な猫たち
のエピソードなども、コメントボードにお寄せください。

問:猫は、好奇心が強い

◆その通り
┗ http://clickenquete.com/a/a.php?M0000072Q0022178A1bd41
◆そうでもない
┗ http://clickenquete.com/a/a.php?M0000072Q0022178A2d2cb
◆どちらとも言えない
┗ http://clickenquete.com/a/a.php?M0000072Q0022178A3fd15

○結果を見る
┗ http://clickenquete.com/a/r.php?Q0022178C751c
○コメントボード
┗ http://clickenquete.com/a/cb.php?Q0022178P00C4c2a

締切:2007年08月08日23時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/

※アンケートへのご回答、ご記入いただいたコメントにつきましては、「猫のおきて」や
他の媒体に掲載することがございます。予めご承知おきください)
※アンケートのシステム自体についてのご質問は、
クリックアンケート http://clickenquete.com/に直接お願い致します。

●好奇心に関連する話題は、以前にも取り上げています。第19号「見守る」(2002年3
月22日発行)、宜しければお読みください。
http://www.melma.com/backnumber_52884_1021999/
 猫おきも長年になるので、「あれって書いたっけ?」みたいなオボロゲなことも最近
多々。総目次を整備しなければ……。

●今秋開催「猫楽百貨」●
 この秋、猫をテーマとするグループ展「猫楽百貨」に参加します。当方は猫豆本や陶製
の猫を出展。当方以外にも、ラヴリーな猫作品を作っている作家の方たちが、柔らかい猫、
小さな猫、おっとりした猫、ちょっと臆病な猫など、さまざまな作品となった猫たちを出
展。展示・即売会ですので、気に入った猫たちはおうちに連れて帰ることもできますよ〜。

日程■2007年10月8日(月/体育の日)〜10月14日(日)
時間■13:00〜20:00(最終日は18:00まで)
会場■ダブルハピネスギャラリー  渋谷区渋谷2-5-9パル青山ビル5F
最寄り駅■JR渋谷駅(東口)/地下鉄表参道駅 各駅から徒歩10分。
(青山通りに面したスターバックスの横を入って1分ほど直進。パル青山ビル5階)

会場の地図リンクなど詳細は、ブログ猫おきでもご案内しています。
http://plaza.rakuten.co.jp/nekonookite/diary/200707230000/

●猫句募集●
 ブログ「猫おき」では、現在「節気の猫句会」として、毎月猫句を募集しています。現
在8月の猫句会開催中。投句もご感想も、ブログ猫おきのコメント欄へお願いします。
http://plaza.rakuten.co.jp/nekonookite/diary/200707300000/

 そして上記「猫楽百貨」の会期中には、オフ句会も開催! 参加要綱などは追ってご案
内しますので、お楽しみに。

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「猫のおきて」(Vol.173)2007年8月2日発行(ほぼ、2の日発行)

【著者・発行者】 馨歩
【E-MAIL】 bon-neko@mbi.nifty.com
【サイト「盆猫」】 http://homepage2.nifty.com/bon-neko/
【ブログ「猫のおきて」】http://plaza.rakuten.co.jp/nekonookite/

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■誤字、脱字、文字化け、不具合、御不明点がありましたらご連絡いただければ幸いです。
■「猫のおきて」に掲載されている内容は、ご家族、ご友人などまわりの皆さんにどんど
んお広め下さい。その場合「『猫のおきて』で読んだんだけどさ」と言っていただけると
嬉しいです。転載などなさる場合もお知らせいただけると嬉しいです。
―――――――記事内容の全ての著作権は著者・馨歩に帰属します―――――

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