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2007/09/20

★☆★ 北の大地・発 《0058》★☆★

=====================================2007/9/20(vol.58)===

  ★☆★  メルマガ 北 の 大 地 ・ 発  ★☆★
         発行:北海道生活科・総合的な学習教育連盟

           http://www.fan.hi-ho.ne.jp/douseiren/
============================================================

 前号から今号を発行する間に大きなニュースが私たちの耳に入っ
てきました。「総合的な学習の時間の時数削減」そして、「英語学
習」の導入。
 生活科・総合的な学習の時間担当の文部科学省調査官の田村学氏
はこうおっしゃっています。
「時数は削減されるが、それは決してマイナスではなく、質を高め
 ていこうという流れです。」
 私たちの現場は、しばらくの間めまぐるしくなるでしょうが、ぶ
れずに、質の高い総合的な学習の時間に取り組みたいものです。

 北海道生活科・総合的な学習教育連盟が発行するメルマガ「北の
大地・発」58号の巻頭記事は「生活や総合の授業参観では、何を
見て何を記録しますか?」です。
 お読みになればおわかりかと思いますが、このテーマは、単なる
記録の問題ではないことがわかります。総合的な学習の時間の本質
に近づくテーマだと考えています。
 総合に取り組む先生たちに、本メルマガの情報がみなさんに、少
しでもお役に立てればと考えています。


○●○ INDEX ○●○
【1】巻頭特集
   「生活や総合の授業参観では、何を見て何を記録しますか?」
【2】連載1
   「生活科再入門」<4>
【3】連載2
   「総合的な学習の時間再入門」<4>
【4】連載3
   「ネット研NOW」<4>
【5】リレー連載
   「北の大地発」<函館地区>
【6】生総ニュース
   「総合的な学習の時間削減!」
「北海道生活科総合的な学習の時間教育連盟全道大会間近!」
【7】読者の声
   
   編集後記
                              

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【1】「生活や総合の授業参観では、何を見て何を記録しますか?」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 
みなさんは、生活や総合の授業参観では、何を見て何を記録します
か?
今回は、北海道生活科・総合的な学習教育連盟各地区の会員がメー
リングリスト(ML)を使ってそのテーマで対談した記録をお届け
します。

[参加者〜順不同]
 大野(札幌)…司会
 宮森(渡島)
 平田(上川)
 植村(旭川)
 横藤(札幌)
 吉田(札幌)…コーディネーター

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

大野――さて、みなさんは、生活科や総合の授業を見る時に何を記
        録しますか?
    ちなみに先日私、札幌市の市大会に参加したのですが、そ
    の時記録したことは、
    1)授業の導入時の
    「教師の投げかけ」とその時の「子供の様子」
    2)山場であるとにらんでいた場面時の
     「教師の投げかけ」とその時の「子供の様子」
    を基本的に記録しました。
    昔は、わりと授業者の発言をこまめに記録していましたが、
    今はしません。今は、記録よりも、その時に感じたことを
    メモするようにしています。でも、この程度の記録やメモ
    でよいのかわかりません。
宮森――私も、以前は、教師の動きにびったりついて、教師の発言
    や支援について記録していました。
    また、一人の子に着目し、その子の1時間の学びを記録し
    たこともあります。そうすると生活科でお祭りの準備の時
    間の授業公開などでは、先生に声をかけられるのが1回も
    ないこともあったりして…。本人は結構困っているような
    のに。でも、この記録では、授業の話し合いでは、あまり
    活かされないですよね。
平田――私も「教師の授業の投げかけ」を記録します。それによっ
    て子供がどのように動いたか、発言したかを見ています。
    計画した発問によって思っている通りに子供たちが動い
    ているかを見ることが大事と考えているからです。よい授
    業ならほめれるし、上手くいかなかったら、どう投げかけ
    たらよいだろうとその場で自分なりの投げかけを考え記録
    します。
大野――なるほど。記録を何に生かすのか…という視点もあります
     ね。
    そもそも「なぜ記録するのか?」自分自身で考えると、記
    録は、その時その時の思いを整理するための記録って感じ
    ですかね。
    私は、記録を資料として、使ったことはあまりありません
    でした。記録を同じ教材の授業の際の資料として使うとい
    うことです。
    ここで話題をいくつか出してみましょう。
    1)「教師の授業の投げかけ」っていくつかあると思うん
    ですけど、その全てを記録しますか?
    2)それと、今の指導案って、発問が書かれていないこと
    が多いじゃないですか。なので、「今の発問は計画通りな
    のか?」というところが見えない場合がないですか?
    3)ただし、計画通りであれ、計画通りではなかったにし
    ろ、子供たちが教師の投げかけによって、動き出すところ
        が見えるといいですよね。
    これまでの話からは、まず「導入時から授業が加速してい
    く「スイッチ=教師の投げかけ」がどんなもので、それに
    よって、子供がどう動いていたか?」というところを記録
    する。」ということですかね。
    つまり総合や生活の授業では、まずここの部分が肝要にな
    る…ということですよね。
宮森――1)「教師の授業の投げかけ」っていくつかあると思うん
    ですけど、その全てを記録しますか?についてですが、私
    は、あまり書かないですね。「ん、今の一言で変わるか?
    こんな風に言ったほうがいいのに」みたいに、どうしても
    批判的に見ていますね。
植村――授業者の投げかけを全て記録することは不可能ですし、せ
    っかく動きのある生の授業なので書くことに終始してしま
    うのはもったいないと感じます。事前に指導案を見ている
    場合は、目を通した中で「気になる部分」の発問・投げか
    けをどうしているのかについては意識して見るようにし、
    記録しようとはしています。授業の中では、教師の意図で
    明らかに授業の空気というか雰囲気が変わる部分があると
    思うので、その場面については忘れないように記録します
    ね。その後の研究協議の発言材料にもなるので…。
宮森――2)それと、今の指導案って、発問が書かれていないこと
    が多いじゃないですか。なので、「今の発問は計画通りな
    のか?」というところが見えない場合がないですか?につ
    いてですが、私も指導案を書くときにあまり書いていない
    ですね。
    どちらかというと、子供の思考の流れや活動の流れを書い
    てますね。流れというか「こうなってほしい。」「こうな
    るはず」といった意味が裏に込められているのですがね。
    結局このところが、次の3)にもつながることになるので
    すが、教師の計画というか、授業のねらいがはっきりして
    いるかどうかかと思います。このねらいに向かわせるよう
    に、発問や投げかけ、支援があるのかと思います。
植村――私が最近見てきた指導案についても、発問が記載されてい
    るものはありません。活動の流れと共に、その中で子供た
    ちがどのように活動し学んでいくのかの「子供の姿」が書
    かれています。確かに書かれていないと、発問が計画的な
    のかそれとも実際の授業の流れの中で考えられた発問なの
    かは分かりづらいと思います。授業は生き物ですから計画
    通りに発問できない部分が多々あります。しかしながら、
    先日のちょっとした会議の折には、「やはり主発問を指導
    案に明記し、その発問を検証すべきでは?」との意見も出
    されました。これからは、授業者・参観者双方のためにも、
    そうした部分も大切にしていかなければならないのかなぁ
    と思いました。
宮森――3)ただし、計画通りであれ、計画通りではなかったにし
    ろ、子供たちが教師の投げかけによって、動き出すところ
    が見えるといいですよね。についてですが、これまでの話
    からは、まず、『導入時から授業が加速していく「スイッ
    チ=教師の投げかけ」がどんなもので、それによって、子
    どもがどう動いていたか?というところを記録する。』と
    いうことでしょうかね。つまり総合や生活の授業では、ま
    ずここの部分が肝要になる…ということですよね。そうし
    た山場のある授業は見ていて気持ちがよいですね。指導案
    上にも、「授業の山場」的な項目があると、参観者にとっ
    てはとても助かりますし、その後の研究協議も視点がぶれ
    ずに話し合いを進めることができるのではないでしょうか?
植村――授業の何を記録するかは、授業参観をする前に「どんなポ
    イントで授業を見ようか?」で決めています。教師の発問、
    子供との関わり方、板書記録…などその授業で魅力的であ
    ろう部分を中心に記録はしています。が、後々にそれが生
    きているかといわれれば…。どんな授業記録の仕方が良い
    か、もっと明確な視点を持たなければダメだと感じさせら
    れるお題ですね…。
横藤――私は、教師の発言の中で、子供の意欲や活動を規定する要
    素(これを私はフレームワークと呼んでいます。具体的に
    は、説明や指示の言葉・環境構成・教師の受け答えの表情
    ・板書…)に注目し、記録します。そして、それらの要素
    に対応して、子供がどのように自分の活動を決定するかに
    注目・記録します。教師の発言を全部書き留めても、さほ
    ど意味はないと考えています。というか、全部はとても無
    理です。子供の意志決定に決定的に関わったのは、教師の
    どの言葉・環境・受け答えなのかをえぐることこそ大事だ
    し、それなら可能だと思うからそこを抽出するのです。こ
    のように注目して授業を見、記録すると、教師の言葉や子
    供への対し方が、思いの外揺れていることを発見します。
    また、教師の思惑と子供の受け止め方(思いや願い)が、
    かなりずれていることも発見します。これこそを、授業研
    究のまな板に載せるべきだと思っています。だから、私は
    フレームワークに注目し、記録します。
大野――「子供の意志決定に決定的に関わったのは、教師のどの言
    葉・環境・受け答え」というのは、とてもわかります。た
    だ、私自身も含めて、どの「教師のどの言葉・環境・受け
    答え」が決定的に関わったのかがわからない・見えない場
    合があるのではないでしょうか?特に、まだ授業を見る回
    数が少ない若い先生などは、そういう場合が多いかなと思
    います。さらに、教師の投げかけで、子供の反応が今ひと
    つだと余計見えないと思うのです。
    そんな先生たちに、どんなアドバイスをすべきでしょうか。
    例えば、
    1)決定に関わった部分だと思われる、いくつかの部分を
    記録し、どれがもっとも関わった部分なのか、後で検証す
    る。そういう意図的な経験の積み重ねで見えてきます。
    2)指導案上に、決定的に関わる部分であろうポイントが
    示されています。そこと照らし合わせて、教師の関わりと
    子供の反応を見ていくと、見えてきます。
    すべてを記録しない…というのは、みなさん、共通してい
    ることのようですね。
    問題は、下の2)の部分とも重なりますが、どこの部分が
    子供が変わる予定だったのか?ということですよね。
    横藤先生も、同じところを記録する…とおっしゃっていま
    した。指導案上の肝要の部分が明記されているかどうか、
    これも横藤先生がおっしゃっていた授業研究と重なってく
    ると思います。
    子供たちの思考の流れにとって、教師の投げかけ(関わり)
    が重要であるなら、やはり指導案上にも、それがわかるよ
    うな形にしていかなければならないのかなと自問自答して
    います。
    子供の意欲関心を大切にするあまり、こうした部分を指導
    案上に明確にすることをあえてさけてきた傾向があったよ
    うな気がします。
    だからこそ、授業研究として、横藤先生がご指摘したよう
    な方向性の不足があるのではと思っています。
    たかが指導案、されど指導案。という気がしています。
宮森――先日、情報モラルの授業を参観してきました。
    何を記録してきたかというと。
    指導案の中の目標が達成させられるような授業だったか?
    適切な支援があったか?
    気づいたことは、指導案の中に支援計画があまり書いてい
    ないが、実は、子供の思考を促す多くの支援があった。
    この授業は、しっかりしたゴール(めあて)が、示されて
    いたので参観しやすい授業であった。
    たまに、「いったいこの授業でどんな力を付けたいの?」
    というときも…。
    横藤さんと以前に話をしたときに話された「レールではな
    く、フレームで。」
    私はこの言葉を大切に授業を組み立て進めるようにしてい
    ます。
大野――宮森先生は、この授業で、この上記2つを記録してきたと
    いうことですか?
    それならば、具体的に、記録用紙(ノートや指導案かもし
    れませんが)には、どう書いたんですか?
    前者なら、「目標が達成させられた授業だった。」後者な
    ら、「適切な支援があった。」と記録し、これに何か付随
    して書いていくのでしょうか?
宮森――すみません言葉足らずで。
    記録というより、この観点で見ていたということです。
    特に指導案の中に、「評価」する場面が記述してあり、そ
    の辺りを中心に見ていました。結局記録は、指導案には、
    そのための支援の教師の言葉を書き取っていました。それ
    以外はあまり書いてませんね。
    今の発問良かった。とか、その反対にその言い方はないな。
    とか、感じたときに、その教師の言った言葉を書き込むぐ
    らいでしょうか。
    後者なら、「適切な支援があった。」と記録し、これに何
    か付随して書いていくのでしょうか?とのことですが。い
    え違います。具体的な支援の言葉を書き取っています。書
    いた後(話し合いの前までに)に、いい支援だったか、そ
    うでなかったか、色やコメントを付け加えておきます。
    長くなりましたが、私自身も、何を記録したらいいのか、
    あるいは何を授業で見たらいいのか。しっかりしたものを
    もっていないな。と、今回この対談で改めて感じました。
大野――【ここで締めの言葉を付け足して下されば…】
    とりあえず、大野先生に成り代わって吉田が…。
    まだまだお話が尽きませんが、今回の対談で改めて生活や
    総合の授業参観の見方、記録の仕方を見つめ直すことがで
    きました。10月4日、5日の釧路大会で活用できそうで
    す。
       今回はみなさんありがとうございました。 


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【2】連載1・「生活科再入門」<4>
〜生活科シロウトによる、生活科シロウトの方のための入門帳〜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▽▼はじめに▼▽

みなさんは、「生活科の授業の中で、どんな単元が好き?」と聞か
れたら、なんとお答えになりますか?
「やったことがないから、わからない。」とおっしゃる方もいると
思うのですが、何人かの方は、「○○だ!」と答えられる方がいら
っしゃるのではないでしょうか。

かく言う私は何が好きかと申しますと、「幼稚園&保育園交流」。

※小学校学習指導要領 第2章各教科 第5節生活
  第3   指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い
  (3)具体的な活動や体験を行うに当たっては、身近な幼児や高
    齢者、障害のある児童生徒など多様な人々と触れ合うこと
    ができるようにすること。 

とあります。
学校によって、高齢者の方、障がいのある方と交流を行う単元があ
るかと思います。その幼稚園、保育園版だと思ってください。
私は、その保育園交流を前任校で、初めて経験させていただいたの
ですが、一期一会で終わらせない交流に、もう病みつきになりまし
た。
4月が始まってすぐにプランをもってうきうきと「今年は1年間の
交流をお願いできないしょうか?」と保育園の扉を叩くほどになり
ました。
(もっとも、周囲の先生からは「交流以外にも、もっと生活科の中
で行うべきことがあるのではないのか?」と、はっと気付かされる
お言葉をいただいたのですが。)

今回は、幼稚園保育園交流を今後行う時のために、独りよがりな考
えで、授業計画を立ててしまわないためにも、『幼稚園教育要領解
説』『保育所保育指針』を読んでみることにしました。

▽▼『幼稚園教育要領解説』『保育所保育指針』の中の
                    小学校との連携▼▽

そもそも、小学校サイドから見ると、指導要領には、

『第1章総則 第5 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項
 (11)開かれた学校づくりを進めるため、地域や学校の実態等
     に応じ、家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域
     社会との連携を深めること。また、小学校間や幼稚園、
     中学校、盲学校、聾(ろう)学校及び養護学校などとの
     間の連携や交流を図るとともに、障害のある幼児児童生
     徒や高齢者などとの交流の機会を設けること。』

とあるので、生活科だけではなく、さまざまな機会に幼稚園保育園
と交流することは大切なことであるということがわかります。

では、幼稚園教育要領の方にはどのように書かれているのでしょう
か。幼稚園教育要領は平成10年12月に改訂されており、その改訂の
基本方針の一つに

『小学校との連携を強化する観点から幼稚園における主体的な遊び
 を中心とした総合的な指導から小学校への一貫した流れができる
 よう配慮すること』

とあります。
特に『解説』では、

『幼稚園のみならず、小学校においても、幼稚園から小学校への移
 行を円滑にすることが求められる。特に低学年においては、生活
 科を中心として、具体的な体験を重視した活動が行われる。その
 ことにより、幼稚園から小学校への総合的な指導の流れが一貫し
 たものとなるのである。このような円滑な接続は、幼稚園と小学
 校の教師が互いの教育の在り方について、十分に理解することに
 よって初めて可能となることである。(略)小学校と幼稚園との
 間で合同の研究会や研修会を進めたり、互いの教育の様子を参観
 したり、幼児や児童が行事などで交流したりするといったことを
 積極的に行うことが大切である。』

とも書かれており、以前の教育要領より小学校との連携が重要であ
るということが読み取れるのです。

では『保育所保育指針』は、どうでしょう。
第11章保育の計画作成上の留意事項に

『8 小学校との関係
  小学校との関係については、子供の連続的な発達などを考慮し
  て、互いに理解を深めるようにすると共に、子供が入学に向か
  って期待感を持ち、自信と積極性を持って生活できるように指
  導計画の作成に当たってもこの点に配慮すること。』

とあります。
『互いに理解を深めるようにする』という文章から、小学校との連
携の必要性を読み取ることができます。

また、平成19年8月3日発表の『保育所保育指針の改定について
(中間報告)』では、

『(小学校との連携)
・子供の生活や発達の連続性を踏まえ、保育の内容の工夫を図ると
 ともに、就学に向けて、小学校との積極的な連携を図るよう配慮
 することが求められる。
・また、保育所においても、幼稚園と同様に、就学に際して、市町
 村の支援の下に、子供の育ちを支えるための資料が保育所から小
 学校へ送付され、活用されるようにすることが必要である。』

と更に、深い内容が盛り込まれていることもわかります。

▽▼『〜教育要領』『〜保育指針』を読んで▼▽

これらの文章を読んでいると、お互いの教育課程をしっかり押さえ
ながら、子供たちの交流のみならず、職員同士の交流も深めていく
ことが、これからさらに重要になってくるのではないかと思わずに
はいられません。でも・・・、
「…今の職場では、幼稚園保育園の職員の方とお話する機会ってあ
るのかしら?連携の面ではどうなっているのかしら?一日入学ぐら
いのような気もするような…。他の学校では、連携ばっちりなのか
しら?いや、意外と連携してないと思うんだけど…。」
などと、さまざまな思いが頭をよぎるだけ。
「幼稚園保育園交流、実は私が思っている以上に、とっても難しい
ものなのね…。」
答えはさっぱり浮かんできません。

更に、今回の文章を作成している最中、平成18年3月に文部科学省か
ら出された『総合施設モデル事業の評価について(最終まとめ)』
も読むことができました。
(※総合施設とは、『就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫
  した総合施設』…認定子供園のことです。)
その中でも
『(6)小学校教育との連携
  ・子供の発達や学びの連続性を確保する観点から、小学校教育
   への円滑な接続に向けた教育・保育内容の工夫を図り、連携
   ・接続を通じた質の向上を図る必要がある。
  ・地域の小学校等との交流活動や小学校教員等との合同研修な
   どを通じた園児・児童及び職員同士の交流を積極的に進める
   とともに、利用時間の長短にかかわらずすべての幼児につい
   て指導要録の抄本・写しなど子供の育ちを支えるための資料
   の送付により連携するなど、教育委員会・小学校等との積極
   的な情報の共有と相互理解を深め、就学前の教育・保育から
   小学校教育への円滑な接続を図る必要がある。』
と書かれています。

連携、連携、連携、連携…
「次の学習指導要領改訂では、就学前教育との連携に関する何らか
 の話が出されるのかしら?われわれ教師は次にどんなことを求めら
 れるのかしら。」
となどと頭をひねっているうちに、原稿締め切りの時間が過ぎてし
まいました。

みなさんの学校では、幼稚園保育園交流は、どのような感じで行わ
れているのでしょうか?
            
               (札幌市立鴻城小学校 角井陽子)


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【3】連載2・「総合的な学習の時間再入門」<4>
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4の1 ゆとり教育の見直し!!

前回の連載の後に、ショッキングなニュースが入ってきました。ゆ
とり教育の見直しというものです。今回の連載では、ビデオニュー
スの実際の作り方というものについて書こうと思っていたのですが、
予定を変更することにします。

4の2 どう変更されるのか

このメルマガの読者であれば、もう十分にどのようにゆとり教育が
見直しされるのかということについてご存知だと思われますが、こ
こに再びまとめてみます。

○小学校の「総合的な学習の時間」を削減し、主要4教科(国語、
 社会、算数、理科)と体育の授業時間を約1割増やす
○高学年を対象に週1時間程度の英語活動を新設される
○年間の総授業時間を低学年で70時間、中高学年で35時間程度
 増やす
ということです。「総合的な学習」の時間は週3時間から2時間に
なるとのことでした。ゆとり教育の象徴として考えられていた総合
の時数が削減されることになったのです。

4の3 私見

今回の件で、ゆとり教育の見直しということになるわけですが、
「ゆとり教育」という言葉自体が悪すぎると思うのは私だけでしょ
うか?「ゆとり」という言葉の意味は実際には違いますが、なんと
なく手抜きをしているように感じてしまうのです。総合的な学習を
真剣にやればやるほど、「ゆとり」とは遠い世界へ行ってしまうと
思うのですが、いかがでしょうか?
また、「総合的な学習」に対する批判的な考えがたくさん出ていま
す。いくつかの例を挙げてみましょう。

(1)授業内容は教師の指導力に左右され、学校によっては事実上
   「遊びの時間」になっている
(2)「何をやっているか分からない」
(3)総合学習は、教員側に問題があるともいわれるが、時間も費
   用もないなかで独自の授業などできない

ごもっともでございます。今回の見直しは教員の問題であるという
ことです。たしかにこれは感じられます。自分の実践に哲学がない
のです。総合的な学習を自ら体験してこなかった教師の弱さではな
いかと思われるのです。指示されたこと、やることになっているこ
とについては、無難に?こなすことができるが、教育について委ね
られた時に、動けないということですね。
教育現場の人間で、総合的な学習を否定的に捕らえる方々は、この
自分じゃできないタイプということを表明していることになります。

(4)授業準備の負担が大きいため、行事の準備時間に利用したり、
   勉強の苦手な子供向けの“補習”に利用したりしている学校
   もあるという

ごもっともでございます。私も、同感です。下手な総合的な学習を
するならば、ドリル学習をしていた方が絶対によい時間の使い方と
なると思います。自分も「ドリルの方が良かったな。」と思えるよ
うな学習を多々やってきてしまっています。そうならないように、
しっかりと計画された学習を行わないといけないと反省させられる
のです。

(5)「基礎基本の学力が定着しない段階で総合学習を取り入れた
    のは、そもそも無理だったのでは」
(6)「勉強意欲を増すといわれてきたが、実際には勉強ができる
    子にしか効果が表れていない」

ごもっともでございます。これ、ちょっと前の私の主張と一緒です。
基礎基本が定着していない子には総合は無駄だと思っていました。
しかし、そうとも言い切れない部分もあるのです。いつも後先考え
ず言い切りが得意な私ですが、総合的な学習をやっていて、こう言
い切れない場面に何度も遭遇してしまったのです。
・勉強が嫌いな子(宿題なんでほとんどやってこない)が、睡眠時
 間を削ってインタビューのシナリオを作ってきた。
・作文の嫌いな子、考えに考えてアナウンサーのコメントを書きあ
 げた。
・人前に出て話すことの苦手な子が、レポーターとして取材をした。
つまり(5)(6)のような言い切りは危険であるということです。

そして、今回の件ですが、私は時数削減自体それほど悪いことであ
るとは思っていません。上記の批判を見た時に、総合的な学習の考
え方は間違っているという批判ではないような気がするのです。
あくまで、その考え方を現場レベルでいかに翻訳し、実行していく
かという部分に問題があったということでしょう。ですから、実践
者としての我々の不勉強さが今回の件を招いたという反省と(それ
を十分に伝えられなかった教育行政も反省する点はあると思います
が、ここは謙虚に!!)、時数減により、年間の単元は減ることに
なると思いますが、その単元に力を注ぎよいものを作っていくとい
うことが大事になると思うのです。
自らを省みる大切な機会となるのではないかと考えるのです。
総合的な学習って難しいですよね。
チャレンジしますか?
放棄しますか?

              (札幌市立北都小学校 紙谷健一)


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【4】連載3・「ネット研NOW」<4>
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

前回のつづき「やるだけ無駄な総合」について以下の3つの意見が
出ました。

1)活動あって学び無しの総合。
2)一人一人の課題が全体の課題になっていない。
3)指導する教師が問題解決の方法を持っていない

前回の連載では1)についての議論の様子をお伝えしました。今回
は、2)「一人一人の課題が全体の課題になっていない。」このこ
とについての議論の様子をお伝えします。

2)一人一人の課題が全体の課題になっていない。

学びの価値に子供が気づいたとしても、それを一人のものにしてい
てはいけません。学びの成果を集団で共有し、互いの意見をぶつけ
合わせることでより良い学びを得ることができるからです。

しかし、子供たち同士の関わり合いについてもスムーズにいく実践
ばかりではないようです。次のような発言がありました。

************************************************************
自己課題が大事だ!ということで、それぞれが課題に取り組み、そ
れぞれの調べたことを発表している授業を見ます。

しかし、自己課題(あるいは課題ごとのグループ)で取り組んでい
るので、発表していても、誰も本気で見ていない。聞いていない。
先生も、形式的に「はい。質問は?何かアドバイスとかありません
か?」と投げかける。

そこで、子供たちは、「声が大きかったです。」などのアドバイス
が出る。でも、内容面での質問、意見などはない。大きなテーマは、
その集団内で共通であっても、自己課題を大切にするあまり、やは
りそれぞれの課題を持った子供同士のかかわりがなかなか深まらな
い授業も見たことがあります。発表会をする意図を具現化する教師
の手立て、かかわりが見えない。
************************************************************

これも総合でよく目にする光景です。とにかく一人一人に課題を取
り組ませて、発表させる。とりあえず体裁だけは繕うことができま
すが、それで終わりです。そこから先、子供たちの学習が深まるこ
とはありません。

何が何でも一人一人に課題を持たせなくては、と考えているそこの
あなた。ちょっと待ってください。その前に考えることがありそう
です。

************************************************************
自己課題「だから」なのかな?
学級全体で取り組む大きな課題の一部という枠組みではないからで
はないのかな?
自己課題を追求した本人は、本気なのかな?
そもそも学会形式(全体発表形式)に向かない内容や発表物なので
はないのかな?
ワークショップ形式だったらどうなのかな?
************************************************************

このような観点で、この「誰も本気でない」現象を読み解いていか
なくてはならないと思います。

ネット研の会員でもあるメディア教育開発センターの中川一史教授
は伝えあうことがより高まる要素として次の4点をあげています。

・伝えたくなるような内容である(課題の切実感)
・伝えやすい雰囲気である(学級経営など)
・伝えあえる基本スキルが育っている(教科や総合でねらうもの)
・伝えあえる応用スキルが育っている(場数)

上記の4点をそれぞれの学年の教科学習や総合に位置づけしかけて
いくことが重要だと指摘しています。加えて、これらを意識しなが
ら、

・何を(内容)
・誰に(対象)
・どのように(道具)
・どのような形態で
・どんなシチュエーションで(場の経験)

について、広がったり深まったりするように活動にうめ込むのだと
言っています。

子供たち一人一人の課題意識を大切にしています、という総合をよ
く見ます。自己課題さえ持たせればそれで良いのでしょうか。それ
で子供たち一人一人を大切にしていることになるのでしょうか。発
表する方にも「聞かせたい、見せたい、意見を聞きたい」といった
意識が生まれるような課題の切実感や場の設定など、教師が単元や
授業をどうデザインするかをもっと意識することが大事なようです。

次回、教える側の問題、「指導する教師が問題解決の方法を持って
いない」についてです。どうぞお楽しみに。

                      (文責 石狩市立生振小学校 山本和彦)


★ネット研とは、生活科や総合的な学習について学ぶ意欲があって
も地理的な事情や家庭の事情などで機会に恵まれない人たちのため
に、学びの場を提供する研究会です。北海道生活科・総合的な学習
教育連盟の12番目の地区として、ワールドワイドな活動をしてい
ます。遠隔地に住む人同士をインターネットで結び、生活科・総合
的な学習教育の質の向上を図る者同士のネットワークを構築するこ
とを目指しています。

★ネット研ホームページURL(http://net-ken.org/index.html)


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【5】リレー連載・「北の大地発」<函館地区>
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1 函館地区からの二つの提言

 今年も全道大会が近づいて来ました。函館からは函館市立鍛神小
学校の伊藤玲子先生が生活科、私、藤原(函館市立戸井西小学校)
が総合的学習のワークショップ提言を行います。

2 時数削減に対抗!

 伊藤玲子先生の提言題は「子供の思いや願いを生かし、活動を
広げ深める授業の工夫〜図工との合科を通して〜」です。
 ポイントは「合科的指導」です。
8月30日に日本を駆け抜けた「ゆとり転換」のニュースは記憶に
新しいところですが、とりわけ、私たち「総合」推進派に衝撃を与
えたのが「週あたり1時間の削減」という内容でした。
 ここで時数削減の理由としてあげられていたのが「これまで総合
的な学習の時間で行われることが期待されていた教科の知識を活用
して考える力を育成する指導は各教科の中で充実する検討がなされ
ていること」でした。
 ここには「教科」と「生活・総合」を対立的に捉える構図が存在
しているわけですが、伊藤先生の提案する「合科的指導」はこれに
一石を投じます。
 「合科的指導」とは、「生活科を核とした活動を展開する中で、
他教科の目標を達成すること」です。ここには、生活と教科を対立
的に捉えるのではなく、包括的な指導を行おうとするねらいがあり
ます。
 すでに「決定事項」となった総合の時数削減ですが、それへの対
抗策として一つの答えになっているのではないかと考えています。
釧路大会でのご意見・ご感想をお待ちしています。

3 地域素材の活用について

 さて、私(藤原)の提言題は「地域素材を活用する指導計画の工
夫」です。
 前述のニュース(中央教育審議会の経過報告)では、「内容の改
善」において、次のように示されています。
「総合的な学習の時間(3年生以上)については、必要性・重要性
を前提とした上で、教科や道徳、特別活動との関係を見直し、地域
の文化や伝統に関する学習活動など小学校段階に応じた学習活動を
例示することが必要である。」
 例示として「地域の文化や伝統」があります。これまでも地域の
探求学習の取り組みは各校でなされてきました。私の提言する内容
も特に目新しいものではありませんが、偶然、勤務校は開校10周年
を迎えます。それにむけて調べ学習を「縦割り班」で行っていきま
した。そのときの学習活動を体験してもらいながら説明をしようと
考えています。「ワークショップ」型の提言を企画しました。

4 お世話になります。

 以上、函館地区からは二つのワークショップ型提言を携えて釧路
の地にお邪魔します。参加される皆さん、どうぞ宜しくお願いしま
す。次回、リレー連載は〈旭川〉地区からの発信になります。

             (函館市立戸井西小学校 藤原友和)

 函館地区サイト
   http://hakoseisoken.cool.ne.jp/

 函館地区とは?
  函館市は、渡島半島の南東部に位置し、東・南・北の三方を太
  平洋・津軽海峡に囲まれ、西は北斗市・七飯町・鹿部町と接し
  ている。
  横浜・長崎と共に日本で最初の貿易港となったことで急速な繁
  栄をとげたため、欧米文化の影響を直接受け、町並みや建物に
  今もその面影をとどめ、特に函館西部地区の元町周辺は観光名
  所となっている。


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【6】生総ニュース・ 
   「総合的な学習の時間削減!」
   「北海道生活科・総合的な学習教育連盟全道大会間近!」
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   「総合的な学習の時間削減!」

「総合的な学習の時間」の削減を含めた新しい学習指導要領の動向
が文部科学省HPにある中央教育審議会初等中等教育分科会配付資
料を追っていくとつかめます。
ぜひこまめにチェックしてみてはどうでしょうか?

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/index.htm

総合的な学習の時間の時数が削減されたことが盛り込まれているこ
とが直接掲載されている配付資料は以下のアドレスにあります。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/029/07090310/003.htm


「北海道生活科・総合的な学習教育連盟全道大会間近!」

私たち北海道生活科・総合的な学習教育連盟の全道大会がいよいよ
近づいてきました。
まだ間に合います!興味のある方はぜひ参加を!

日 時:平成19年10月4日5日
場 所:釧路市立大楽毛小学校
     *詳細は下記のアドレスから。

http://www.fan.hi-ho.ne.jp/douseiren/2jiannai.pdf


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【7】読者の声
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  「上川地区からの連絡」

全道大会の1週間後になりますが、上川地区でも研究大会を開催し
ます。今回の連絡はその案内で、詳細は下記の通りです。

 日 時 10月9日(火)
 場 所 上川町立上川小学校
 授業者 本松 宏章 先生(TTによる生活科です。)
 単 元 2年生活科「もっとまちをしりたいね」
 時 間 5校時
 住所 078-1762 上川郡上川町新町379番地 01658-2-1429 
 (授業開始時間がわかり次第、上川のホームページにアップしま
   す。)

なお、上川小学校は、上川地区会長の松谷会長の学校であり、本松
先生は上川地区の会員の一人です。小さな地区の研究をぜひご覧下
さい。
授業参観希望の方は下記上川のホームページのメールフォームに必
要事項を記入し送信してください。参加料は無料です。

  http://space.geocities.jp/kamiseisou39/index.html

                 (和寒小学校 平田 考寿)
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本メールマガジンは、双方向性の誌面づくりを目指しています。
皆様からのお声をお待ちしております。


○第59号「生活科の教科書〜あなたはどう使っていますか?」に
 関する疑問やご意見。
             * 締め切りは10月10日

○第60号「総合の「説明責任」〜総合の学習についてどう保護者
 に知らせていますか」に関する疑問やご意見。
             * 締め切りは11月10日


○生活科や総合に関する素朴な疑問や日頃感じていること。
○本メルマガに関するご質問やご意見。
             * こちらは随時受け付けております。
 
いずれも下記アドレスにてお待ちしております。
       douseiren@fan.hi-ho.ne.jp


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□ 編集後記
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総合的な学習の時間の時数削減のニュースには、どんなご感想をお
もちになったでしょうか。
カリキュラムの再編など、私たち学校現場がしばらくの間、右往左
往することは予想されます。
ですが、ここからが勝負所だと思っています。
時数は削減されたけど、やっぱり総合って必要だな。と子供たちも
先生たち自身も思える学習活動を積み上げたいと思いました。

ぜひお知り合いの方にも、本メルマガをご紹介下さい。
下記アドレスからお申し込みが出来ます。
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次号59号は、10月20日の発行です。

   (北海道生活科・総合的な学習教育連盟・情報部 大野睦仁)
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