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2007/09/03

ぷろこんエッセイ 第136号 中年男、BUT・・・

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現役コンサルタントによるワイルド・コンサルティング・エッセイ
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第136号 中年男、BUT・・・
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中年男ほどマーケティング・ターゲットとして不完全な対象はない。

「マーケティングの8割までは女性のことである」と喝破したのはわたしだが、
残りの2割の中でも「中年男」が占める割合は、そのまた2割ぐらいだろうか。

フィナンシャルタイムズ紙が『中年男の作り方』という傑作エッセイで書いて
いるように、「世界は中年男が動かしている」のだ。それにもかかわらず、
マーケティング・ターゲットとしての中年男の消費スタイルは、いまだに
天動説なのである。自分が無いというか、淡白というか、存在理由に乏しい
というか・・・。

女性の「中年、BUT可愛い世代」向けに雑誌『eclat』が創刊されたように、
中年男性向けライフスタイル誌も『エスクワイア』だけから『LEON』『Pen』
『Safari』『Zino』『おとなのOFF』など多様化してきている。良い傾向ではある。
だがそれらの雑誌から中年がどこに向かうべきなのか、あまりはっきりと
見えてこない。このモノがいい、遊ぼう、着こなそう・・・わかるけれど。

いったい、中年男に響くコアなメッセージって何なのだろう?

女は何歳でも可愛いから「中年、BUT可愛い」自画自賛だが良いメッセージ
である。だが中年男には何と言ってあげればいいのだろうか。誰を、何を
お手本にして、どこに向かうべきなのかと?

いつの間にか、中年男性につきまとうのはストレスやウツ、痴態な事件や
メタボリックに加齢臭、リストラや趣味に埋没など、暗い話題や後ろ向き
ネタばかりになった。もう死にかけた親の世代の価値観を目指すか?
ありえないだろう。新人類世代、すでに中年で同じ穴のムジナだ。団塊
ジュニアに学ぶことはないし、ジェネレーションXはナヨいし。

だから中年男は途方に暮れている。世間的に弱く、苦しい存在なり果て
ている。中年男はどう存在したらいいのか?いつのまにか中年真っ直中
にいるわたしなりに、ファッション、体形、顔、恋、命・・・などについて、
勝手にアドバイスをしてみたい。

フィナンシャルタイムズ紙のエッセイ
http://news.goo.ne.jp/article/ft/life/science/ft-20070819-01.html

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【チノパンツを履いていい?】
白状しよう。わたしは2本ほど、それを持っている。たいした値段のものでも
なく、足長に見えるシルエットのものでもない。普通のチノパンツである。
ひとつはタッグが左右にひとつぐらいずつ入っているものだ。それを履くと
軽い罪悪感を覚える。自分の腰を甘やかしているような気がしてならない
のだ。こんなことでいいのだろうか?と自問してしまうのだ。

だからノータッグのチノパンをさらに1本買った。それで気持ちはすっきりした
のだが、ノータッグならなぜジーンズで済まさないのか?というさらなる疑問
に直面した。その疑問に素直に答えることができなかったわたしは、結局
チノパンを履くことを停止して、もう何年も履きつづけたジーンズを貫く決心
をした。

「中年、BUT可愛い」のちょい手前世代の女性(だいたい40歳がらみ)が、
高額なシルエットの美しいジーンズを着こなすのを見るとうらやましい。だが
われわれはもっと自然体に安いストレートなジーンズでいい。だがひとつ
条件がある。「中年男、BUTノータッグ」を貫くことだ。これは自分への強力な
メッセージとなる。

【身体を鍛えるべき?】
鍛えるべきである。だが「べきだ論」だけで、「中年男、しからばメタボリック」
という方程式に身をやつしていないだろうか?メタボリックなぞに科学的な
根拠はないだの、厚生労働省が医療費をケチりたいだけだのつぶやいて
いないだろうか。だとすると、あなたの心にはすでに脂肪がついている。

そこにプーチン大統領の裸が現れた。先頃、54歳の大統領が、シャツを脱ぎ
魚釣りを楽しむポーズが、大統領府の公式サイトに掲載された。柔道や
スキーで鍛えた腕や胸板を露出したのだ。国際社会が一斉にこれを報道
するや、女性だけでなく、ある性向の男性をも惹きつけている。

 54歳筋骨隆々、プーチン大統領上半身裸の写真を公開
 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070826id02.htm

中年男、BUT筋骨隆々、強力なメッセージである。

【あこがれこそが心を動かす】
だがわたしは64歳のロックスターにあこがれる。筋骨隆々もいいが、すらりと
した体形もいい。かのデザイナー高田賢三氏は「洋服が似合わなくなる」、
かのシャネルのデザイナーだったカール・ラガーフェルド氏は「エディ・スリ
マンが着たい(細身のジャケット&パンツ)」言ってがんばって痩せた。

中年らしく恥も外聞もないわたしは、フィナンシャルタイムズ紙の記者と同じ
アイドルをもつ。64歳でも「未だにもててもててもてすぎている中年男」である。
あこがれこそが体形維持の有力な方策である。「中年男、BUTあこがれる」
こそたいせつだ。

余談だが、女性のお尻を眺めたり、とやかく言う前に、通勤電車での自分の
座席の占拠幅をチェックしよう。ほんらい7人掛けなのに、あなたが座ると、
なぜか6人掛けにならないだろうか?尻のメタボリック化は電車の混雑に
拍車をかけているのだ。

【顔づくりはどうすべきか?】
女は恋で顔をつくる。さすれば男は何で顔をつくるのか。

何でつくるにせよ朝から漫画を読むようではダメだ。漫画調な顔の中年男こそ
みっともないものはない。どうしても漫画を読みたければ、自宅でひっそりと
手鏡を用意して読むぐらいの用心さが必要だろう。

そこで、中年男の顔といえば、北野武である。いろんなことをやってきた。今も
やっている。これからもまだアブない。まだ何かやりそうだ。そんなオレに
ついてこれるか?挑発がある。北野武という顔から、そんな匂いがする。

 北野武
 http://www.office-kitano.co.jp/takeshis/

つまり顔づくりとは挑戦である。立ち止まってはならない。社会からアーリー・
リタイヤしてしまうと、そうした顔になる。「そんなこと言ったってねえ・・・現実は
ね」 こう話しだすと、すぐに劇画調の顔になりかねない。「中年男、BUT挑戦」
男の顔づくりはアブなさからつくられる。

【恋してもいい?】
もちろん。だが女性には脳内恋愛というしみじみとした単語がまとう人もいるが、
中年男はすぐに脳外恋愛しようとする。ああ、それは恋ではなく性欲だ。アン
コントローラブルな欲望こそが、中年男の最大の弱点であり、中年男を哀しい
社会アイコンに貶める主犯である。

まずは恋をすべきだ。異性の「友だち」をつくろう。恋未満、恋以上、ボーダー。
揺れ動くシーソーがいいかもしれない。女性がスキンケアにいそしむように、
なにしろ基礎固めがたいせつなのだ。それをまどろっこしいと思うなら、あなた
はすでに「中年男、やはりスケベ」に陥りかけている。「痴のアイコン」になら
ないように、お互い気をつけよう。

【自殺してもいい?】
警察の記録によると、昨年(2006年)1年間に自ら命を絶った人は3万2155人。
その3分の2が40代以上の男性だという。直接的な原因はリストラや自己破産
などであるが、中年男性ほど弱くてもろい者はない。これが現実である。

深刻にならざるを得ないときもある。だがこの世の生命とはしょせん影法師と
割り切れば、素直に自分を出してゆくしかない。自分にできることをコツコツ
やるしかない。「中年男、BUTしっかり」しましょう。お互いに。

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今60歳がらみの団塊世代は、1960年代のカウンターカルチャームーブメント
の主役だった。それは文化的な既成概念や社会システムを否定し、再創造
する活動だった。社会に痛撃のカウンターをした人もいれば、体制派になった
人もいる。今ではどちらも歴史の中の画像になった。

考えてみればBUTという接続詞は、カウンター、つまり対抗することであった。

力をこめてもう一度カウンターをお見舞いしようではないか。何に向かって?
もちろん、自分自身に向かってだ。誰かを殴るわけではない。自分がこれまで
やってきたこと、やれなかったこと、やりたいことを直視して、自分に活を入れ
るべく、「中年男、ここでカウンターパンチ!」で。

いつまでも哀しきマーケティング・ターゲットであり続けるのは、わたしは嫌だ。
「中年男、BAD GUY」ぐらいでいきましょう。

2007年9月3日発行

【新著『顧客視点の成長シナリオ』 刊行!夏の経営を考える読書に!】
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【ブログ 「マーケティング・ブレイン」で熱くマーケティングを語っております!】
 http://marketing-brain.cocolog-nifty.com/

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