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2009/01/05

ニシキプリントNEWS vol.181「印刷業界の未来」

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 ━印刷会社がお届けするメールマガジン 【ニシキプリントNEWS】━

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  当マガジンでは、印刷を必要とされる企業や個人事業主の皆さまへ
  ☆賢い印刷発注☆にお役立ていただける実用的な情報をご提供します。
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                        >> 2009.01.05 181号

 ★今回のコラムはよくわかる印刷講座「印刷業界の未来」です。
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皆さん、新年明けましておめでとうございます。今日から仕事初めという方も
多いのではないでしょうか。
新年最初のメルマガは、印刷業界の未来について考えてみることにしました。
「一年の計は元旦にあり」と言いますが、これからの印刷業界がどうなって行
くのか、ここで考えてみるのもよいのではないかと思います。どうか最後まで
おつきあいのほどを。
 (今年こそは、月々の家計の収支を黒字にしようと決意を新たにしたシン)

             ※このメルマガは等幅フォントでお読み下さい。
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 ★よくわかる印刷講座
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           ▼知っておくと便利な印刷知識や印刷用語をご紹介。


 ■ 印刷業界の未来を考える3つのキーワード

   製紙メーカー各社による古紙偽装問題で幕を明けた昨年の印刷業界。
   それに拍車をかけるように度重なる印刷用紙の値上げ、原油価格高騰の
   影響による諸資材の値上げ、そして急速に成長し続ける電子メディアの
   存在など、印刷業界は今まさに混迷の時代に入ったと言えます。

   以降に、これからの印刷業界を次の3つのキーワードで考えてみること
   にします。
   
   (1) ワンストップサービス
   (2) エレクトロニクス印刷
   (3) 未来的テクノロジー

 ■ ワンストップサービス

   基本的に印刷産業は情報産業の一つと言えるでしょう。しかし、情報産
   業でありながら、これまでは印刷会社の大半が印刷に軸足を置いた業務
   を行ってきたのではないでしょうか。
   印刷業界が混迷の時代だからこそ、情報産業とは何か、ということを業
   界全体で考える必要があります。今までは、印刷業界自らが勝手にボー
   ダーを作っていましたが、これからは紙という媒体について改めて見直
   すとともに、ボーダレスな展開を進めていく業態変革への取り組みを時
   代が求めているように思われます。 

   残念ながら印刷産業の核である印刷というビジネスは、人口減少、ネッ
   ト社会の普及といった社会変化の中でもはや大幅に伸びることはあり得
   ないでしょう。すなわち、同じことを同じように受注産業としてやって
   いれば核としての印刷ビジネスは縮小していくことは避けられません。
   そこで逆に、お客様の立場に立って考えてみることが必要なのです。
   印刷物を手に入れるまで、お客様は企画、デザイン、見積、印刷、後加
   工、発送など数社にその趣旨を説明する必要があります。

   もし、一社でその全ての工程が提供できるようになれば、お客様の負担
   を大きく軽減でき、安心を提供することができます。これが究極の「ワ
   ンストップサービス」と言えます。
   しかし、そこまでは出来ないという印刷会社も多いのも事実です。それ
   ならば、少しでも自社の得意な領域を拡大して全面サポートができるよ
   うに努力して行く努力が求められます。 

   さらにIT化社会が進み、もっと効率化が求められる社会になることでし
   ょうが、人間には心がある以上、感性があります。感性が無くなる社会
   は絶対にあり得ません。効率化すればするほど人間の感性、つまり、感
   性価値が重要なものとなってきます。
   効率化された社会では、人間の感性、五感という原点に戻って、自分で
   モノをつくるとか、自分でものを読むといったことに回帰するでしょう。

   その感性を形にしていくのが印刷に他なりません。確かに、ITの利便性
   が印刷を上回るものも中にはあるでしょうが、感性という、ITが持ち得
   ない印刷の最大の価値を利用することができれば、印刷は大きな産業と
   して、これからも必ず生き残っていくはずです。

   またITについても、決して敵対するのではなく、活用することでさらな
   る効率化、付加価値化を実現できるのであれば、積極的に印刷と融合し
   てビジネスモデルとして構築すべきです。
   このように考えれば、印刷の未来は、厳しいけれども決して暗いもので
   はない、と言えるのではないでしょうか。

   ★以上の記事の参考URL
    印刷ジャーナル - 『【対談】印刷文化を未来に継承するために、今
    こそワンストップサービスの実践を』
    (http://www.pjl.co.jp/mn.html)


 ■ エレクトロニクス印刷 〜製造方法の革命〜

   印刷業界は世界的に不景気に陥っています。
   印刷の科学と製造の技術は、過去数百年にわたり洗練されてきましたが、
   このまま尻すぼみに終わりを告げるのでしょうか?答えはおそらく「い
   いえ」です。とても興味深い分野に突破口が出来ようとしています。そ
   れはエレクトロニクスにおける印刷技術です。

   シリコンチップはほとんどすべての電子製品に組み込まれています。ト
   ランジスターやダイオードなど多くの小型部品、そして無数の導線、接
   続用に用いられています。しかし、そのため、以前は故障の種類が非常
   に複雑でした。チップの小型化が進められる一方で、故障の種類は益々
   複雑になって行きます。

   しかしシリコンチップは、ディスプレイやバッテリー、アクチュエータ
   ー、アンテナなどの大型部品などにも、旧式の(半田を使用する)方法
   で接続しなければなりません。これによりコストは増加し、接続状態で
   さらに故障の種類が増えることになります。
   実際、完成品のサイズにはチップが小型であることのメリットは反映さ
   れておらず、外身の大きさのに対して中身は余分な空間が多いこともあ
   ります。

   さらにこんな話もあります。最も単純なシリコンチップのコストはこの
   何十年全く変わっていません。これは今の技術・方法ではコストダウン
   は頭打ちになってしまっていることを意味します。
   またチップ製造工場のコスト面の急激な増加および研究開発費の増加の
   しわ寄せが将来来ることが予想されています。

   使い捨て可能な薄型のエレクトロニクスが様々な分野で必要とされてい
   ます。例えば、食品や薬品を開封した日付を自動的に記録する使い捨て
   血液検査器・インスリン検査器・妊娠検査機器、そして壁紙テレビ、明
   るさを調節可能な壁紙照明などにいたるまで様々なものがあります。
   また、暗闇で車の外側が光り、表面がインジケータランプの2倍の光を
   放つようになるとますます車は安全になるでしょう。車全体をラミネー
   ト加工すれば、太陽エネルギーを蓄積し緊急時に赤く点滅させることが
   できます。
   しかし、シリコンチップはこうしたすべてのことについて対応が困難で
   す。シリコンチップは、構造が脆弱であるため、高速道路や建物で必要
   とする何キロメートルもの発電テープを低コストでつくるまでには至ら
   ないのです。
   つまり、安価で融通性があり薄型の電子・電気の融合製品が必要とされ
   ているのです。そこで印刷が求められるわけです。

   シリコンチップの製造にはいわゆるフォトリソグラフィを必要とするの
   が知られていますが、これは光学的エッチング技術です。
   総称して「エレクトロニクス印刷」と呼ばれる電子と電気の新たな形態
   はフラットベッド、インクジェット、輪転印刷という既存の印刷技術を
   改良することにより可能になります。

   それによって衣服や梱包、本、医療など様々な分野で広範囲なエレクト
   ロニクスが実現するわけです。
   エレクトロニクス印刷は独立したコンポーネントやそれに接続するため
   のワイヤだけでなく、それに付随する分野からもシリコンチップを駆逐
   することになるでしょう。
   しかし、それはエレクトロニクス印刷のほんの一部にすぎません。

   例えば、エレクトロニクス印刷の一例として、有機トランジスタの製造
   があります。かつてメルマガでも紹介したことのある(142号)、円柱
   巻きつけたりもできる「フレキシブルディスプレイ」(曲がるディスプ
   レイ)の製造に必要なのが有機トランジスタです。

   現在、無機トランジスタの製造には、大掛かりな真空装置や複雑な加工
   工程が用いられていますが、一方、有機物の多くは有機溶媒に溶かして
   「インク」にすることが可能なため、大気中で印刷するという単純な工
   程で回路を作製することが可能になります。
   また、印刷という方法にはフレキシブルな基板や大面積の基板に対応し
   やすいという利点もあります。

   また、従来の無機トランジスタの製造方法では、原料の使用効率は数%
   にすぎませんでしたが、印刷の使用効率は、手法を最適化することで90
   %以上が可能になるため、環境資源問題にとっても魅力的な製造方法と
   言えます。

   有機トランジスタは、まだ発展途上(進化中)のデバイスです。今後、
   有機材料からその印刷プロセス、デバイス作製、設計の総合技術開発を
   進めることで、実用化に向けた性能向上と信頼性向上を図られて行くこ
   とでしょう。

   ★以上の記事の参考URL
    『印刷技術がエレクトロニクスの未来を担う』
    (http://www.rfidinfo.jp/press/210.shtml)

 ■ 未来的テクノロジー

   “Computerworld Horizon Awards”は、米国の研究機関やITベンダーの
   研究・開発部門(R&D)などが、近い将来の実用化・製品化を目指して開
   発した最先端テクノロジーを読者に紹介するため、2005年に創設された
   賞です。
   2007年度の全10件の受賞作品の一つに、さまざまなシーンでの活用が期
   待される、米国Zink Imaging社のインクを使わない印刷技術、「ZINK
   Paper」があります。

   もしも、活版印刷技術の発明者として知られるヨハネス・グーテンベル
   グがこの技術を見たとしたら、彼は同社の研究者たちを異端者と見なし
   たに違いありません。
   何しろ同社は、インクを使わない印刷技術を発明し、1456年に初めて聖
   書が印刷機で刷られて以来の印刷技術の基本要素を排除したからです。
   (ちなみに「Zink」という社名は「zero ink」の略称だそうです。)
   同社は、インクの代わりに印刷技術におけるもう1人の主役である「紙」
   に着眼しました。
   Zinkはもともと、1990年代に米国Polaroidの社内プロジェクトとしてス
   タートしました。2005年、同社はZinkを完全な独立会社としました。
   Polaroidが考案し、Zinkが完成させたこのテクノロジーは、無色の色素
   結晶が無数に並ぶ層の上にポリマー・コーティングを施した紙を用いて
   います。
   色素結晶を異なる温度かつ一定の間隔で加熱すると、さまざまな印刷装
   置で用いられるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックという色になっ
   て紙に溶け込むという仕組みです。このプリントの耐久性は高く、長期
   保存にも適しているそうです。

   この紙を使うことに付随するメリットがもう1つあります。それは、イ
   ンク・カートリッジの廃棄という環境に問題がある行為から、消費者が
   解放されることです。

   このテクノロジーの革新性を認めながらも、すぐに既存のプリンタに取
   って代わるとは考えられず、これは限られた市場向けの製品だとする評
   価もあるようですが、このテクノロジーのユニークな点は、これまで考
   えられなかったようなシチュエーションで印刷が可能になることです。

   インク・カートリッジを使わないため、デジタル・カメラのような小型
   デバイスにプリンタ機能を組み込めるというわけです。同社で製造でき
   る用紙サイズに制限があるわけではありませんが、今のところ市販され
   ているのは、2×3インチ(約5.1×7.6センチ)のサイズだそうです。

   (追伸)
    現在、すでにこの技術を利用した製品がいくつか登場しています。

    ・ポラロイド社のモバイルプリンター 「Polaroid PoGo」
     (http://polaroid.co.jp/pogo/index.html)

    ・日本の玩具メーカー、タカラトミーのプリンターつきデジカメ
     「Xiao(シャオ)」
     (http://www.takaratomy.co.jp/products/xiao/)
     (別に宣伝するつもりではありませんが、玩具メーカーらしく、
      とてもかわいいHPですね。)

   特に後者は、この技術が最大限に発揮された製品で、昨年11月下旬に発
   売されたばかり。これから大いに注目されそうです。

   それから前者のポラロイド社は、インスタントカメラの代表として有名
   でしたが、近年のカメラ市場の急速なデジタル化に乗り遅れたため、先
   頃、米国ポラロイド社が破産申請しました。(ただし、日本法人は引き
   続き営業中だそうです。)
   今更言っても仕方のないことですが、もし同社があと5年ほど早く、こ
   の技術を開発していたら、会社は破産を免れていたかも知れませんね。

   ★以上の記事の参考URL
    【連載】未来的テクノロジー・ベスト10 第6回「ZINK Paper」
     (http://www.computerworld.jp/news/trd/94909.html)

 ■ 最後に 〜〜

   印刷は、メディアであり、情報を伝えるという役割を担っています。こ
   れまで印刷業界は、大量に刷ることだけに軸足を置いていましたが、伝
   えるという行為は、どんなに環境が変化しても無くなるものではありま
   せん。
   
   あるWebサイトで、次のような文章がありました。ちょっと長いのですが、
   一部引用させていただきます。(『キノトロープ/生田昌弘のWebサイト』)
   (http://www.kinotrope.co.jp/staff/masa/passion/message/kokoroe.shtml)

    たとえば、Webと似た業界として印刷業界があります。デジタルに移
    行する端境期に一時的な混乱はありましたが、業界としての歴史は長
    く、明確なワークフローも確立していたことから、各専門分野でのプ
    ロ意識も高く、ソリューションの平均レベルも高品位に保つことがで
    きています。

    ところがWeb業界では、つい最近まで1人の人間がデザインからコーデ
    ィングまで面倒をみて、場合によってはプログラミングまで手を出し
    ていました。つまり家内制手工業のような状態だったのです。最近に
    なって、ようやく分業体制が進み、ワークフローが確立されてきたと
    ころですが、理系・文系入り交じっての開発現場では、コミュニケー
    ションが十分であるとはいえず、ともすると開発作業が煩雑にもなり
    かねないような状況が続いています。しかし、Web開発はすでにビジ
    ネスです。クライアントからは高品位なソリューションを当然求めら
    れますし、それに応えるだけのプロ意識をもたねばなりません。

    ただ業界が成熟していないという状況は逆にチャンスでもあります。
    たとえばディレクションという職種を考えた場合に、先に述べた印刷
    業界などではプロと認められるには10年程度の下積みが必要でしょう。
    しかしWeb業界では3年程度で認められる可能性があります。もちろ
    んそれなりの努力が必要です。徒弟制度のような因習があるわけでも
    ないので、現場に入り自分自身の努力であらゆる技術、知識を身に付
    けなければなりません。

    最近になってようやくWebがメディアとして認識されるようになり、
    ビジネス市場として重視されるようになったことから、今後業界は急
    速に成熟していくと予想されます。おそらく5年もすれば印刷業界レ
    ベルに追いつくのではないでしょうか。
    そうなってから始めるのでは、現在のように短期間で自分の立ち位置
    を固めるというのは難しくなるでしょうね。だから、これからの2、
    3年で培う下積み経験というのが、非常に重要で5年後に業界に入っ
    てくる人よりもかなり大きなアドバンテージを得ることができるはず
    です。

   一部、前号のメルマガの記事と重なる部分もあります。弊社もWeb制作
   の仕事はまだ始めたばかりですが、弊社の進んでいる方向は間違っては
   いないということを改めて確認させてくれる文章だと感じました。
   これからの印刷業界は、印刷のみにこだわらず、デザインや企画、そし
   てWebなど印刷周辺の業務に力を入れて行くことで初めて生き残れるの
   ではないでしょうか。

 〜次号(1月19日配信)は「WEBの基礎知識〜これからのWEBサイト制作〜」
  をお届けします〜

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