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2008/10/14

【ニシキプリントNEWS】

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                        >> 2008.10.14 175号

 ★今回のコラムはよくわかる印刷講座「PDF活用法」です。
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みなさん、おはようございます。10月に入りました。今年もあと3か月ですね。
9月の終わり頃から急に寒くなり、秋というよりも冬が近づいている気さえし
ます。ところで、私は今年から成人検診を受けることになりました。ある一定
の年齢以上(その年齢は言わずにおきます)になると、受けることが法律で義
務付けられている検査らしいのですが、丁度このメルマガが配信される日に受
けることになっています。はたして、どんな結果が出るやら…。

(酒ともタバコとも無縁ながら、唯一運動不足でメタボリックが心配なシン)

             ※このメルマガは等幅フォントでお読み下さい。
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 ★よくわかる印刷講座
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           ▼知っておくと便利な印刷知識や印刷用語をご紹介。


 ■ PDFとは

   米国アドビシステムズ社(以下アドビと略)が開発した文書表示用のフ
   ァイル形式です(1993年発表)。PDFという名称は英語の“Portable
   Document File”の頭文字をとったもので、その名の通り、手軽に文書
   を持ち運ぶのに便利な形式です。
   アドビのホームページ等で無償で配布されている、「アクロバット・リ
   ーダー」というPDF閲覧・印刷用(PDFの作成はできない)のソフ
   トをインストールしさえすれば、Windows、MAC、UNIXなどOSを問わず、
   どのパソコンでもPDF文書開くことができます。そこで、パソコンや
   アプリケーションなどの電子マニュアルなどにも採用され、今や汎用の
   電子文書の代表的存在となりました。最近では各種PDA(携帯情報端
   末)や携帯電話にまでPDF文書を閲覧できるビューワーが搭載された
   ものも出てきました。

   ※ 現時点の「アクロバット・リーダー」の最新版はバージョン9です。
     バージョンが上がるたびにソフトの容量も増え、今やインストーラ
     だけで33MBもの容量があります。ダウンロードするのにちょっとキ
     ツイですね。


 ■ PDFの特徴

  1.オリジナルの文書のイメージを、文書を読む環境に関係なく、ほぼ忠
    実に再現することができます。

    まさにこの特徴のために、PDFはこれほど広まったわけですが、
    「ほぼ忠実に」と但し書きが付いているのにはわけがあります。
    PDF文書が「フォント埋め込み」という設定になっていないと、
    PDFを作成したパソコンで使用してされているフォントが閲覧用の
    パソコンには入っていないという場合には、フォントの置き換えが発
    生し、文字の送りなどが変わってレイアウトが崩れる可能性があるか
    らです。

    「フォント埋め込み」という設定にしたPDF文書であれば、閲覧す
    るパソコンに作成元と同じフォントがない場合でも、同じフォント、
    レイアウトで表示されます。

    このような「フォント埋め込み」のPDFは、通常は「標準」や「高
    品質」という設定にしてはじめて作成されますが、カスタム設定にし
    てやれば、それ以外の品質でも作成することは可能です。
    ただし、「フォント埋め込み」の設定にすると、しない場合よりもフ
    ァイルサイズは一般的に大きくなりますので、メール等で送るための、
    なるべく容量の小さいPDFを作りたい、などの要求には相反するこ
    とになります。

    使用するフォントがWindowsに標準で入っているフォント(MS明朝・
    MSゴシックなど)のみで、閲覧するパソコンもWindowsのみであると
    いった場合には、あえて「フォント埋め込み」の設定にしない方が、
    PDFファイルサイズを小さくすることができるでしょう。

  2.元のアプリケーションソフトで作成した文書やデータファイルよりも、
    一般にファイルサイズを小さくすることができます。

    これはPDFを作成する際に、画像などを圧縮するプロセスがあるた
    めです。よく、デジカメなどで高解像度で撮影した写真をワープロソ
    フトなどにそのまま貼って大きさだけ調整しているものがありますが、
    こういった場合には、解像度がかなり無駄になっている、つまり必要
    以上の高解像度で写真を使用していることになるので、こうした写真
    を文書をPDFに変換するプロセスで適度に圧縮することによってフ
    ァイルサイズを小さくできるというわけです。この圧縮の度合いは、
    どのような品質でPDFを作成するのかということによって変わって
    きます。具体的には「PDFの品質について」の項で後述します。

  3.印刷機能を持ったアプリケーションであれば、基本的にどれでもPD
    F文書に変換することができます。

    これはPDFを作成するしくみが、「Adobe PDF」や「PDF Writer」
    など仮想のプリンタドライバーを用いて、一般のインクジェットプリ
    ンタやレーザープリンタに印刷命令を送るのと同様の仕組みでPDF
    文書への変換が行われるしくみになっているからです。

    PDF文書を作成するソフトとしては、アドビの「アクロバット・ス
    タンダード」、「アクロバット・プロフェッショナル」など、PDF
    の開発元のアドビから出ているものが一番有名なのですが、印刷会社
    はともかく、一般の企業や個人が買うとなると、かなり高額な部類の
    ソフトになるでしょう。しかし、PDFは仕様が公開されていますの
    で、アドビ以外のメーカーからも様々なPDF作成ソフトが発売され
    ています。とりあえずPDF文書を作るだけが目的であれば、これら
    のソフトの中から選んでもよいでしょう。中にはフリーソフト(無償
    のソフト)もあるようです。

  4.文書をセキュリティ機能によって保護できる。

    主としてアドビのソフトのPDF作成ソフトが持つ機能ということに
    なりますが、PDFの作成時に、暗号化や著作権保護、改ざん対策等
    の機能を付加すつことができるので、パスワードにより特定の相手に
    のみ文書の閲覧を許可したり、編集をできないようにロックしたり、
    文書ファイル内の文字や画像のコピー・ペーストの禁止、さらには文
    書の印刷を禁止するような設定も可能で、かなり強力なセキュリティ
    機能を備えています。


 ■ PDFの品質について

   PDF文書を作成する時に、パソコンの画面上で見るのに十分な品質で
   よいのか、プリンタできれいにプリントアウトできる品質が必要なのか、
   PDF文書を作成する時には、用途に応じて適切な品質を設定する必要
   があります。
   PDFのバージョンによって呼び方は多少違っていますが、大きくわけ
   て次のような4種類の品質があります。
   (以下の分類例はAdobe Acrobat Professional 7.0に基づいています。)

    a) 最小ファイルサイズ

      主にパソコンの画面での閲覧用。画像などの解像度は画面表示用
      に100〜150dpiに圧縮されるので、メールに添付して送り、送り
      先のパソコンの画面上で見るという用途には最も適していますが、
      プリントアウトするには画像の解像度が足りないので粗いです。
      ファイルサイズを小さくすることが目的なので、フォントの埋め
      込みは通常(カスタムで設定しない限り)されません。

    b) 標準

      最小ファイルサイズよりもやや高画質で、フォントの埋め込みも
      される設定です。ただ具体的に何の用途向けの設定かと言われる
      と、ぱっと思い浮かばないし、中途半端な感じもします。
      あまり高品質を求めないのであれば、この設定で十分かもしれま
      せん。

    c) 高品質印刷

      この設定であれば、プリントアウトするにも十分な画質です。
      (もちろん、もともと低解像度の写真がきれいになるわけではあ
      りませんが。)フォントも埋め込まれますし、画像の解像度は
      300dpi程度を上限に圧縮されます。

    d) プレス品質

      実は、c) の高品質印刷の設定と違うとはっきり言えるのは、カ
      ラーが全て印刷向きのCMYKに変換されることぐらいです。それ以
      外はc) とほとんど違いはありません。
      たしかに、この設定は印刷会社向けに考えられたものかも知れま
      せんが、おそらく、ほとんどの印刷会社では、画像が圧縮されて
      劣化してしまうことを嫌って、この設定をそのまま使うというこ
      とはせずに、画像の圧縮を全てOFFにしたりして何らかのカス
      タマイズをして使っているのが実情であると思われます。


 ■ PDFをもっと活用するために

   ここでは、PDFをさらに活用する方法をいくつかご紹介しましょう。

  ・メールにPDFを添付してFAX代わりに使う

   今や電話をかけるまでもなく、何でもメールで済んでしまう時代。そう
   は言っても、まだFAXでやり取りをする必要のある場合もあります。
   しかしこのFAXが曲者で、大量に送ると時間(=通信費)もかかる上、
   送信先のFAX用紙切れなどによる送り直しなどでイライラした経験を
   お持ちの方も多いのではないでしょうか。

   送信する相手先がメールの受信が可能で、PDF文書を開くことができ
   るのであれば、メールにPDF文書を添付してFAX代わりに使うこと
   もできます。最近では、インクジェットプリンタは複合機が主流で、ス
   キャナつきのものも多いですし、コピー機にもコピーするだけではなく、
   PDFを作成できるものも多いので、FAX原稿をPDFにする方法は
   色々あります。
   最初のうちはPDFを作るのがめんどうに感じるかもしれませんが、慣
   れてしまえば、通常のFAXで文書を送るのが逆に苦痛になるのではな
   いでしょうか。

  ・あふれる文書をPDF化してペーパーレス・オフィス!?

   オフィスには紙の文書が大量にあります。従来はこれらの文書はファイ
   リングして保管しておく必要がありましたが、場所を取る上に、必要な
   時に必要な文書をさがして活用しようとすると、大変不便でした。

   最近はこうした紙の文書をスキャナ機器で読み取り、PDF文書として
   保存できるものが色々登場しています。特に人気があるのは、複数枚の
   原稿を自動で読み取る、「オート・ドキュメントフィーダ」(ADF)
   を備えた、置き場所を取らないタイプです。これらのスキャナには、
   文書をPDF化したり、OCRでテキストデータ化する機能をもったア
   プリケーションが添付されていることが多いので、これを使って紙の文
   書をどんどんPDF化していけば、ペーパーレス・オフィス!?(最近
   あまり聞きませんが…)も夢ではないかもしれません。

  ★以上の記事は富士通様の「速攻PDF使いこなしテクニック」の記事を参
   考にさせていただきました。
   (http://azby.fmworld.net/usage/useful/article/003/index.html)

 ■ 印刷業界とPDF

   PDFは、デザイン・印刷分野においては、Post Script(注)の発展
   系として、ネットワーク親和性とデバイス出力安定性を両立するクロ
   スプラットフォームのファイルフォーマットとして活用されています。

   (注)Post Script
      米アドビ・システムズが開発したページ記述言語。これにより、
      DTPで利用するアプリケーションソフトやプリンター、高解
      像度イメージセッターで、デバイスの解像度に依存せずに文字
      やグラフィックス、画像などを高品位で出力できる。

   従来の印刷のワークフロー、すなわち特定のシステムに依存したワー
   クフローでは、データに対してその出力装置に合わせた条件設定が必
   要でした。

   これに対してPDFによる印刷ワークフロー(以下「PDFワークフロ
   ー」と略)は、環境固有の設定を極力行なわず、デバイスに処理を依存
   することによって、最良の出力結果を得ることを目指しており、条件さ
   え満たせば、一つのPDFファイルで、デジタルプリンタからCTP
   (Computer to Plate)までを共通の出力対象として視野に入れたワーク
   フローの運用も可能となるのです。

   PDFワークフローには、「製造最適化視点のPDFワークフロー」と
   「制作起点型のPDFワークフロー」の大きく二種類の流れが存在しま
   すが、PDFワークフローと言っても、その目的及びもたらされる効果
   には違いがあります。

   前者は、製版会社や印刷会社がCTP設備等を導入する事により、RIP
   (Raster Image Processor)処理以降をPDFファイル形式でデータフロ
   ーを構成するものです。このフローでは、既存の「デザイン」「製版」
   「刷版」など、従来から分業化されていた固有技術がそのまま継承され
   るので、「品質に対する責任の所在」が明確となります。ただし分業制
   が維持されるので、工程統合によるコストダウン、スケジュールの短縮
   などには、大きな効果は得られません。主に製造最適化のための工程デ
   ジタル化を目的としたものです。

   後者は、アドビが提唱する次世代プラットホームによる非ループ型(作
   業の差し戻しなし)を特徴としたワークフロー構成です。基本的にアド
   ビの提供する最新アプリケーションを運用し、データ制作者が完全デー
   タまで仕上げ、受け渡しのファイル形式をPDFとするコンセプトです。
   前工程でデータ制作を完結させてしまうので、あとは実際の印刷面付け
   作業とCTP出力が実行されるシンプルな形にフローが簡素化されます。
   プリプレス工程(「デザイン」と「製版」)を統合することによって工
   数短縮、総コストの見直しなどの効果が得られます。

   後者のような自己完結型のPDFワークフローを実現するためには、関
   係者間でのルール整備やスキルの習得など、クリアしなければならない
   課題も多数あり、このワークフローが普及する障害となっているのが現
   状です。主な問題として、以下のような点が指摘されています。

   ・未だプロの製作現場では、旧Macintosh環境での制作が主流で最新の
    アプリケーションとフォント埋め込みで実現するPDFワークフローの
    環境が十分整っていない。
   ・完全データを作成するためには、最低限の「製版」「印刷」「加工」
    などの知識が必要とされ、データ制作者(デザイナー)にとってはハ
    ードルとなっている。主にこれら技術は、従来「製版会社」や「印刷
    会社」などが製造工程の中で暗黙の作業として行なってきた固有の技
    術なども含まれている。
   ・工程が統合されることで「文字組版」「画像処理」等の各種技術、
    「カラーマネジメント」「印刷後工程の基本知識」など全てデータ制
    作者(主にデザイナー)の技量として要求される。

   また、印刷用のデータの電子送稿(メールなどによる送稿)が増えてく
   ると、一つのドキュメントを複数のファイル(画像/図形/文字レイア
   ウト)で構成する従来のDTPのようなデータ形式では、ファイルの送
   信を行うにも、一つのリンクデータが欠落しただけで印刷物が制作出来
   ないことになります。技術的・運用的にも、データがすべて単一のファ
   イルに格納され、ネットワークに負荷が少ないデータ容量であるという
   PDFの特徴は、印刷のクライアントにとっても有益です。

   このように、近年では、従来のクローズなシステムでは困難であった、
   異なる印刷業者間でも安定した出力が保証され、インターネットを介し
   たデータの受け渡しにも柔軟に対応可能なデータ形式として、「制作起
   点型のPDFワークフロー」へと技術的集約が進んでいます。


 ■ 最後に 〜これからのPDF〜

   メルマガ167号で「WebToPrint」を取り上げましたが、PDFはまさに
   WebToPrintの時代においても、重要なファイル形式でありつづけると思
   われます。

   現在、弊社でもメールによるPDF校正(お客様にPDFで印刷物の校
   正をしていただくこと)は増えることはあっても減ることはないという
   状況ですし、これから本格的なWebToPrintの時代が到来し、印刷専門の
   業者でなくてもオンラインでテンプレートによるレイアウトができるよ
   うになっても、PDFはまだまだ有用なファイル形式として生き残って
   いくことでしょう。

   最後の「印刷業界とPDF」の項は、ちょっと難しい内容になってしま
   い、分かりにくかったかも知れませんが、今や印刷業界でPDFワーク
   フローは避けて通れない流れになっているということをご理解いただけ
   れば幸いです。


 〜次号(10月27日配信)は「WEBの基礎知識〜WEBプログラムの種類2〜」
  をお届けします〜

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