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2008/05/15

みんぱく e-news83号

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      編集・発行:国立民族学博物館 ホームページ編集事務局

             みんぱく e-news (83号)

             http://www.minpaku.ac.jp/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2008.05.15 ━━
・Contents・
 【1】World Watching from Palau
 【2】開館30周年記念特別展「深奥的中国−少数民族の暮らしと工芸」6月3日まで
 【3】開館30周年記念企画展「みんぱくのインパクト
    −大阪コミュニケーションアート専門学校進級判定作品ポスター部門−」
           『わたしのイチ押し!』結果発表
 【4】企画展「ラテンアメリカを踏査する
               −写真で辿る黎明期の考古学・民族学調査」
 【5】「みんぱくウィークエンド・サロン 研究者と話そう」
 【6】「みんぱくゼミナール」
 【7】公開フォーラム「世界の博物館2008」
 【8】「音楽の祭日2008」みんぱくに世界の音をひびかせよう!
 【9】みんぱく研究者の新聞連載のお知らせ
 【10】みんぱく研究者のテレビ・ラジオ番組出演について
 【11】「みんぱく携帯サイト」
 【12】みんぱくのオタカラ
  ☆編集後記☆

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【1】World Watching from Palau
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●パラオ―ストーリーボードと土方久功の記憶

                      川口幸也(文化資源研究センター)

 パラオといえば、戦前の日本の委任統治領のひとつだが、このごろではダイヴィン
 グの名所として有名である。日本からまっすぐ南、赤道のやや北側、フィリピンと
 グァム島との中間あたりにある、マングローブの森に包まれた小さな美しい島だ。

 訪ねてみると、いまも片言だが日本語のできる現地の人がいる。また、通りを歩く
 と日本人の姿もけっこう目につくし、日本語の看板を掲げる店も珍しくない。

 パラオの代表的なお土産品のひとつにストーリーボードがある。厚さ3センチほど
 のマホガニーの板に、パラオの神話や伝説にちなんだ物語が掘られた浮き彫りで、
 町なかの土産物屋ならどこでも売っている。

 このストーリーボード、じつは日本統治時代に、一時期南洋庁の嘱託だった土方久
 功が、島の人たちに教えたものである。土方は、彫刻家であると同時に、パラオや
 サタワル島に計十年以上も滞在し、貴重な民族誌を残したことで知られている。

 少しばかり言葉を交わした最後に、私は男に「土方久功を知っているか」と訊いて
 みた。すると男は一言、「ヒジカタ センセイ」と答えた。年齢からみて男が直接
 土方を知っているとは考えにくい。たぶん、そんな風に彼らの間でいい伝えられて
 いるのだろう。

 戦前の日本とパラオの関係については、いろいろ議論の余地はあるだろう。そもそ
 も日本とパラオの関係自体が先生と生徒のそれだった、といえるのかもしれない。
 したがってそこには功もあれば罪もあるに違いない。ただ、そうしたこととは別
 に、私は、生前、その誠実さで会う人を魅了したという土方の人柄が、彼らの記憶
 の中に真珠のように輝き続けているのに、思いがけなく出くわしたような気持ちに
 なっていた。少しだけ得をしたような気分になって、私は町へ下りていった。

 ◆参考サイト
  川口幸也(文化資源研究センター)
    (http://www.minpaku.ac.jp/staff/kawaguchi/

  民博アーカイブス 土方久功
    (http://nmearch.minpaku.ac.jp/index.html

 ◆パラオ概要(日本外務省)
    (http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/palau/index.html

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【2】開館30周年記念特別展「深奥的中国−少数民族の暮らしと工芸」6月3日まで
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     http://www.minpaku.ac.jp/special/china/

 開館30周年記念特別展「深奥的中国−少数民族の暮らしと工芸」の開催が残すとこ
 ろ後3週間を切りました。本特展では、中国の少数民族、チワン族の高床式住居
 の暮らしや、ミャオ族・イ族などの服飾・工芸品など貴重な品を展示紹介していま
 す。多彩な自然、悠久の歴史がはぐくんだ西南中国の少数民族の知恵にふれていた
 だくことができるこの機会に是非ご観覧ください。

  会 期:2008年3月13日(木)〜6月3日(火)
  会 場:国立民族学博物館 特別展示館
  観覧料:一般420円(350円)、高校・大学生250円(200円)、
      小・中学生110円(90円)
   ※( )内は20名以上の団体料金、および割引料金です。
   ※上記料金で常設展も御覧になれます。
   ※毎週土曜日は、小・中・高校生は無料。
    (ただし、自然文化園を通行される場合は、入園料が必要です。)
   ※障害者手帳をお持ちの方は付添者1名とともに、無料で観覧できます。
   ※割引料金対象者(要証明書)
    ・大学等(短大・大学・大学院・専修学校の専門課程)の授業での利用の方
     :シラバス等、授業内容の明記されたもののコピーが必要
    ・3ヶ月以内のリピーター:3ヶ月以内の前回の観覧券が必要
    ・満65歳以上の方:年齢を証明できるものが必要
  開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
  お問合せ:TEL 06-6876-2151(代表)

◎◎◎ 関連イベント ◎◎◎

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 ◆生演奏「中国少数民族の舞蹈 孔雀舞」
 └───────────────────────────────────
     http://www.minpaku.ac.jp/special/china/ev080518.html

 孔雀舞は雲南省・タイ族の踊りです。孔雀は神の使いとして崇められています。
 そのためたいへん縁起の良い生き物とされ、幸福や自由を意味します。
 その孔雀の気高さ、美しさを表現した舞蹈です。

  日 時:2008年5月18日(日)<第1回>14:00〜、<第2回>15:30〜
  出 演:大阪中華学校・民族舞蹈班
  場 所:国立民族学博物館 特別展示館1階体験コーナー(イベント広場)
    ※イベント観覧料は無料です。(ただし、特別展の観覧料が必要です。)

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【3】開館30周年記念企画展「みんぱくのインパクト
   −大阪コミュニケーションアート専門学校 進級判定作品ポスター部門−」
          『わたしのイチ押し!』  結果発表!
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     http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/impact/

 大阪コミュニケーションアート専門学校1年生(6専攻42名)が「みんぱく」のポ
 スター製作に取り組んでくださいました。その成果を3月20日から4月22日の間、
 みんぱく本館1階エントランスホールにて展示し、みんぱく観覧者に推薦投票いた
 だきました。その中から獲得投票数上位6点の作品を決定しましたので発表しまし
 た。
 結果発表はこちら↓
    http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/impact/itiosi.html

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【4】企画展「ラテンアメリカを踏査する
                -写真で辿る黎明期の考古学・民族学調査」
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     http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/latin/

 19世紀末から20世紀初めにかけてのラテンアメリカで学術調査をおこなった欧米の
 考古学者と民族学者の写真を紹介します。古代の遺跡や先住民の生活を記録したそ
 れらの写真は、黎明期の考古学・民族学調査のありようを伝えてくれます。
  会 期:2008年4月24日(木)〜2008年9月23日(火・祝)
  会 場:国立民族学博物館 常設展示場内

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【5】「みんぱくウィークエンド・サロン 研究者と話そう」
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     http://www.minpaku.ac.jp/30th/salon.html

 開館30周年記念事業として、昨年度実施し、ご来館の皆様から好評を博した
 「みんぱくウィークエンド・サロン 研究者と話そう」を今年度も引き続き開催し
 ます。日曜日の午後、みんぱくの研究者が展示場のどこかに登場します。話題や内
 容は千差万別!どんどん質問もおよせください。展示場でお待ちしております。

  月日・話者 
    5月18日(日) ・横山廣子(民族社会研究部准教授)
    5月24日(土) ・塚田誠之(先端人類科学研究部教授)
  時 間:14:30〜15:30(予定)
  場 所:展示場内(詳しくはホームページをご覧ください。)
  参加料:無料(ただし観覧料が必要です。)

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【6】「みんぱくゼミナール」
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     http://www.minpaku.ac.jp/museum/event/seminar08.html

 民族学の最新の研究成果をわかりやすくお伝えする講演会です。
 参加無料。事前のお申し込みは不要です。

 ■第360回みんぱくゼミナール
   「「民族図説」の世界 ─ 伝統中国の異民族へのまなざし」
     http://www.minpaku.ac.jp/museum/event/seminar08.html#s360

     講 師:武内房司(学習院大学教授)
     日 時:5月17日(土)13:30〜15:00(13:00開場)
     会 場:国立民族学博物館 講堂
     定 員:450名(先着順)

 ■第361回みんぱくゼミナール
   「柿の葉を摘む暮らし ─ 往来の地・出会う人々」
     http://www.minpaku.ac.jp/museum/event/seminar08.html#s361

     講 師:鈴木七美(先端人類科学研究部教授)
     日 時:6月21日(土)13:30〜15:00(13:00開場)
     会 場:国立民族学博物館 講堂
     定 員:450名(先着順)

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【7】公開フォーラム「世界の博物館2008」
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     http://www.minpaku.ac.jp/research/rccr/museology080531.html

 博物館は、有形無形の文化遺産を保存・継承する装置だけでなく、新たな文化を創
 造する装置でもあります。21世紀を迎えて新たな世界のあり方を構築することが求
 められている現在、博物館の役割はますます重要になりつつあります。
 国立民族学博物館では、国際協力機構(JICA)から委託をうけ、滋賀県立琵琶湖博
 物館と共同で、世界各地の博物館専門家を対象とした集団研修「博物館学集中コー
 ス」を実施しております。今年度の参加者は、コロンビア、ヨルダン、ペルー、ベ
 トナム、ザンビアの5カ国9名です。この機会に、これらの国々の博物館事情に触
 れ、あわせて博物館の可能性を考えることを目的に、公開フォーラムを開催するこ
 とになりました。皆様のご参加をお待ちしています。

     日 時:2008年5月31日(土)13:00〜16:45
     会 場:国立民族学博物館 第5セミナー室
     定 員:70名(先着順事前申込必要)
     主 催:国立民族学博物館/滋賀県立琵琶湖博物館/国際協力機構
     お問い合わせ先:国立民族学博物館「博物館学集中コース」事務局
             TEL:06-6878-8250  FAX:06-6878-8479
             E-mail:hakusemi@idc.minpaku.ac.jp

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【8】「音楽の祭日2008」みんぱくに世界の音をひびかせよう!
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    http://www.minpaku.ac.jp/museum/event/fetedelamusique08/

 1982年からフランスで、夏至の日にみんなで音楽を楽しむ「音楽の祭典」がはじま
 りました。それは、今、世界各地に広がりつつあります。
 日本でも、その趣旨に賛同する人びとの呼びかけで、2002年から「音楽の祭日」が
 スタートしました。みんぱくもその趣旨に賛同し今年で5回目を迎えます。

     日 時:2008年6月22日(日)10:30〜16:30
     会 場:国立民族学博物館
     主 催:国立民族学博物館
     お問い合わせ先:国立民族学博物館情報企画係
             TEL:06-6878-8532  FAX:06-6878-7523

 ※当日は、無料観覧日です。
  ・自然文化園を通行される場合は入園料が必要です。
  ・公園東口からは無料で来館することができます。

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【9】みんぱく研究者の新聞連載のお知らせ
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 ■「異文化を学ぶ」  http://www.minpaku.ac.jp/staff/ibunka/
     毎日新聞夕刊 (毎週水曜日連載中)

 ■「民博の群像 創・成・継」
     日本経済新聞夕刊 (5月7日より毎週水曜日連載開始/全17回)

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【10】みんぱく研究者のテレビ・ラジオ番組出演について
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     http://www.minpaku.ac.jp/common/news.html

 ◆ラジオ大阪(1314kHz) 『みんぱくラジオ〜世界を語る』
  放送時間  毎週土曜日 19:30〜20:00

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【11】「みんぱく携帯サイト」
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     http://www.minpaku.ac.jp/keitai/keitai.html

  利用案内やイベント情報などを携帯からもご覧いただけます。

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【12】みんぱくのオタカラ
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 ●トンパ経典        http://www.minpaku.ac.jp/e-news/83otakara.html
 (特別展「深奥的中国−少数民族の暮らしと工芸」の展示場2Fにて公開中)

  標本番号:トンパ経典 H237782〜H237796

                         横山廣子(民族社会研究部)
                  http://www.minpaku.ac.jp/staff/yokoyama/

 中国雲南省の西北部に居住するナシ族には独特の文字が伝承されている。見た目
 に、その多くが具体的なものの形をあらわしており、かわいらしい絵文字のようで
 ある。現在でも使われており、「生きている象形文字」とも言われる。しかし「ト
 ンパ文字」と呼ばれるその文字は、ナシ族の中で宗教的儀式をつかさどる「トン
 パ」と呼ばれる宗教的職能者だけが用いてきた文字であり、一般の人が自分たちの
 考えや伝えたいことを記録する文字ではない。ナシ族の伝統的社会では、年中儀礼
 や冠婚葬祭として多くの儀式がトンパによってとりおこなわれた。トンパが儀式で
 詠唱する長大な文言を書き記した冊子が「トンパ経典」である。トンパは基本的に
 文言を暗唱しているが、儀式は短いものでも数時間に及び、経典は記憶を呼び起こ
 す手がかりとなった。また、詠唱する一字一句すべてが経典に記されているとは限
 らない。

 経典はナシ語で「アトゥトゥ」というガンピ(雁皮)の木を原料にトンパが自らつ
 くる手漉きの紙を使った。手漉き紙のサイズは常に横約60センチ、縦約25センチ
 で、それを四分の一に切った大きさが各頁になる。各頁、上中下3段に分けられ、
 各段は左から右に、文言の内容によって、いくつかのまとまりに区切られる。細竹
 を斜めに切った筆を用い、墨で記された。

 かつてのトンパ経典は、文化大革命前後のトンパによる儀式ができなかった時代に
 散逸したものが少なくない。雲南省シャングリラ県サンバー郷では、近年、老齢の
 大トンパの知識を頼りに手漉き紙製造の技術を復活し、現存するトンパらの記憶を
 集めて新たにトンパ経典がつくられている。民博が所蔵する経典は、そこで新たに
 書き記されたものである。人が病気や災難にあうことを防ぐために、1日かけて
 行われる「消災儀礼」で用いられる全経典で、合計15冊に上る。

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 ◇◆◇minpaku◇◆◇minpaku◇◆◇minpaku◇◆◇minpaku◇◆◇minpaku◇◆◇
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 ☆編集後記☆

 夏日があったかと思えば、初春の肌寒さに戻ったりと、天候も気まぐれです。
 それでも春の遠足の季節を迎え、みんぱくにも、大勢の子供たちが訪れています。
 3月に開幕した特別展「深奥的中国 ― 少数民族の暮らしと工芸」も、残すところ
 3週間を切りました。まだご覧いただいていない方、もう一度ご覧になりたい方、
 どうぞおいでください。

                                 林 勲男
──────────────────────────────────────
    National Museum of Ethnology, Osaka, All rights reserved.     
       みんぱくWEB site URL http://www.minpaku.ac.jp/
──────────────────────────────────────
     ※このe-newsは、『まぐまぐ』 を利用して発行しています。
      <http://www.mag2.com/ > (マガジンID:0000094220)
      e-news 配信解除:<http://www.minpaku.ac.jp/e-news/>
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