2008/09/09
印刷だより
---------------------------------------------2008/9/5 ◆◆◆◆◆◆◆ ◆┃印刷だより #70┃◆◆◆◆ http://business.hey.ne.jp -------------------------------------------------------------------- 株式会社ビジネス印刷センター ==================================================================== 東南支部だより#26 2008.07.22 広島県印刷工業組合 広島東南支部長 高野繁義 ──────────────────────────────────── 「PDFは儲かる」7年前の持論は、今が盛りだといっても差し支えなかろう。 #11 06.11発行の「解りやすいPDF解説」は経営者向きに書いたが、今回は各社 の制作部員を対象にして極力解りやすくまとめてみた。制作部員で、下記内容 の理解度が半分以下だったとしたら「あんた自分の仕事に誇り持っている?」 と言いたくなる。相変わらず生意気を貫いているが、PDFは避けて通れないので、 私のDying Message(遺言)だと思って学習して頂きたい。 1制作部の人には、今からでも遅くないから、自分一人でも、自宅に帰ってか らでも、コツコツPDFの勉強を続けなさい、と 2経営側の方には、PDFが解らずして何が「CTP導入したい」「オンデマンド導 入したい」か、と。(「PDFが解らんのなら一緒に引退しよう」などとは決し て言わないが)導入されても構わないが、宝の持ち腐れで儲けることは出来 ませんよ、と告げたい。 ──────────────────────────────────── ◎ 儲けるためのPDF (解りやすいPDF解説 #2) Acrobatをマスターして、PDFを処理出来る Digital印刷会社とは PDFは、作成されたOS・Application Soft(以下Soft)に関係なく、手軽に入稿 できるのがメリット。File Sizeがコンパクトで(=Memory容量が軽い)印刷用 出力も容易。 しかし、入稿したPDFが印刷用として正しく作成されているかどうかは不明。た とえばCMYK4色なのに特色が含まれている場合はどうすればいいのか、「プリフ ライト」して特色が見つかったら再入稿可能か、とか。 再入稿すれば、時間的にロスが発生し、さらにお客様の信頼も失われる。 Acrobatの機能で簡単に変換できるのであれば、再入稿するよりも特色をCMYKに 分解して出力すれば、納期が遅れることなく、お客様にも満足して頂ける。 カラーを変換するだけでなく、ヘアラインを置き換えたり、ドキュメントに影響 を与えずにテキストをアウトラインすることも可能。PDFに精通すれば、最新式 のRIP(Raster Image Processor)は不要になる。入稿したPDFを、コストをかけ ずに印刷用のPDFに変換できるので、PDFの出力でイライラすることは少なくなる 筈。 東京では印刷用のData Formatとして「PDF」が常識になっており、Digital印刷 会社を標榜する当社としては、PDF入稿に「できません」とはいえない。入稿し たPDFをチェックして、特色が含まれていたとき「特色をCMYKに分解して再入稿 してください」とは言えない。やり取りしていると納期に間に合わない可能性が あり、また、お客様が適切にドキュメント内の特色をCMYKに分解できるとも限ら ない。すべての特色を分解できなかったら、またまた「再入稿」になってしまう。 逆に出力を依頼する立場だとして、「訂正して再入稿してください」といわれた ら、どうするか? もちろん、再入稿しなければならないPDFもある。 貼り込み画像の解像度が極端に小さかったり、Illustrator CS2でEPS画像を貼り 込んだら画像が水平になる。別Format(Photoshop形式以外)で再入稿していた だくしかない。 しかし、印刷用として適切でないエラーでも、PDF処理で変換することで「再入稿」 せずに出力できるのであれば、これに越したことはない。 ★「再入稿」はコストがかかるもの 印刷会社にとっては「人件費」というコストとリスクが、お客様にとっては「納 期遅延」というコストとリスクが発生する。必要なのは、PDFを使いこなすだけで、 高価なRIPの機能は不要。透明の分割・統合も、最新のAPPEと同様の品質で分割す ることが可能になる。余談だが透明効果に関しては、IllustratorのCS2まではバグ が発生していたがCS3でやっと解消されたらしい。 入稿したPDFをプリフライトでチェックし、変換できるものは印刷工程ツール、 TouchUp、PostScript書き出し、フィックスアップなどを使い分けて、PDFを変換 したい。 PDFが普及し、PDFでの入稿はますます増えているので、対応できない印刷会社は 取り残される。とりわけインターネット入稿では、より軽く手軽にPDF入稿が可能 になっている。これからPDFでの入稿が増えることがあっても、少なくなることは ない。 印刷用として「不適切」なPDFには次のようなものがある。 1RGBモードで作成もしくはRGB画像が混在 2ICCプロファイルの埋め込み 3グレー印刷なのにカラーが混在 4CMYKのみなのに特色が混在 5トンボのないPDF 6印刷で再現できないヘアラインを指定 7透明効果を含んだまま保存 8フォントを埋め込まないまま作成 それぞれを簡単に説明すると 1Illustratorでは9.0以降カラーモードが指定できる。CMYKカラーで作成してい れば、RGBで貼り込んだ画像もPDFとして保存するとCMYKとして書き出される。 しかし、EPSで貼り込んだ画像がRGBの場合、DistillerでPDFに変換すると画像 のRGBのまま。Illustratorから保存されるPDFでも、ドキュメントをRGBカラー で作成しているとRGBのままPDFが作成される。また、WindowsのMS Wordからの PDFでも、Distiller 7.0以降は、強制的にCMYKに変換するDistillerの機能で CMYKに変換できるが、その機能を使わないときやそれ以前のバージョンではRGB のままになる。 2PDFにICCプロファイルを埋め込むと、埋め込んだカラースペースに合わせてカ ラーマネージメントできる。しかし、高解像度の印刷用の出力では、出力機が 埋め込まれたICCプロファイルを読み込んでカラー変換してしまうことがある。 ICCプロファイルは埋め込まないようにする方が安全。ICCプロファイルの埋め 込みは、Softで保存時に行われる他、DistillerでもICCプ ロファイルを埋め込むことができる。また、Photoshopで「ポストスクリプトカ ラーマネージメント」して、DistillerでPDFにすると、画像に「Post Script CSA」のプロファイルが埋め込まれる。これらのICCプロファイルは削除して出 力したい。 3モノクロ印刷なのにカラーが混在している場合、 グレースケールで作成して1色で印刷する印刷物は少なくない。1色で印刷する には、ドキュメントも1色で作成しなければ不都合。1色のデータではグレー スケールで作成するのが基本だが、グレースケールで作成しているにも関わら ず、CMYKやRGBで指定されているデータが含まれていることがある。グレース ケールに変換してRIPから出力することも可能だが、その場合は、変換結果を 確認することはできない。グレー出力のカラー成分は、グレースケールに変換 することができる。 4CMYK4色で印刷するドキュメントにも関わらず、DICカラーやPANTONE(パント ン≒世界標準色指定)などの特色を指定し、そのまま出力用のデータを作成す ることがある。PDFに保存しても、特色は特色のままになるので、特色はCMYK に分解しなければならない。PDF内の特色データを適切にCMYKに変換したり、 CMYKいずれかの版に置き換えることができる。 5仕上がりサイズのまま作成されたPDFには、印刷用のトンボがない。トンボが なければ印刷することはできない。PDFのドキュメントサイズが仕上がりサイ ズの場合は、ドキュメントサイズを大きくし、トンボを後から追加することが できるが、「塗り足し」を追加することはできない。 6ヘアラインは極細線で、線の太さが「0.01 mm」程度になると、2,400 dpiでの 1ドットは出力できても、印刷するとほとんどとんでしまう。印刷で再現でき ないような細い線は、太い線に置き換えるしかない。 7透明効果はPDFを作成するときに、分割・統合するのがベター。透明オブジェ クトを指定している場合、透明のままPDFを作成し、透明効果に対応したRIPか ら出力することもできる。しかし出力機によっては、透明に対応しているとは 限らないし、透明をRIP側で分割・統合する場合でも、RIPによって分割・統合 の機能に違いが生じる。PDF作成時に分割・統合することもできるが、透明効 果を分割・統合すると、APPEと同等の性能で分割・統合することができる。 8ドキュメント内のフォントは、アウトライン化するか、PDFに埋め込めば、レ イアウト通りに出力できる。フォントがエンベッド(埋め込み)されていない ままPDFが作成されると、別のフォントに差し変わって出力されることがある。 埋め込まれていないフォントは、再埋め込みするか、アウトライン化すること でレイアウト通りに出力することが可能になる。 Post Script 上記Reportは私にとって実質最後の「Digital印刷会社宣言」とするつもりで、乾 坤一擲Releaseした。3年後にはかなりの確率で上記がStandardになっている筈。 これからも、し残した「最後の……」を一つづつMy-paceで片づけることを楽しん でいる。来月には大河小学校で「車いすの人との接し方」のお話をすることになっ ている。児童生徒父兄450人を前に「最後の講師?」を務めるが、後日頂く生徒さ んからのLove-letter集を読むのも楽しみの一つになっている。その次は……?? OGRE 詳しくはこちらのホームページをご覧下さい →→→http://business.hey.ne.jp ==================================================================== ◇ご意見・ご感想◇ business@x.age.ne.jp ◇このメールマガジンの解除はこちらから◇ →→ http://business.hey.ne.jp/magajin/magajin.t.htm ==================================================================== 発行:株式会社ビジネス印刷センター (〒732-0052 広島市東区光町二丁目2‐1) 第71号は9月30日予定です



