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2006/07/03

印刷だより45号

第45号      ------------------------------2006/7/1
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◆印┃刷┃だ┃よ┃り┃◆◆◆◆     http://business.hey.ne.jp
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                                     第46号は7月30日予定です

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私の経済学


初めて「社会」に目覚めたのは、中学1年生の時に友人宅で見つけた「赤旗
新聞」を手にした時からだった。
その友人とは格別親しかったわけではないが、当時の私にとって新鮮で衝撃
的だった赤旗を読むために、週一で友人宅へ出かけていた。
「政治」にも目覚め、NHKの政治討論番組を視聴するようになった。しかし、
一年間くらい続けると「全て共産党は正しく間違っているのは他党だ」とい
う独善的な発想に嫌気した。当時は、教条主義という言葉はまだ知らなかっ
たが。

高校生になると「Voice of America」と「経済白書」を試験の最中でも読み
耽った。
二年生になって、将来政治に進むか経済にするか迷ったときに母親のAdvice
が効いた。「自分で決めなさい。しかし、経済はあんたの言うようにお金の
計算だけではない」と。
子供の頃から、テンチ・ジトウ・モンム・ゲンメイ・ゲンショウ・ショウム
コウケン・ショウトク・ジュンニン・ショウアン……(間違っていたらごめ
んなさい)と憶えさせられ、各時代の政治・庶民の生活・地理・風土・歴史
的検証が癖になっていたので「経済」の道を選んだ。
当時の高校の「政治経済」授業はお粗末なもので「ソ連とはBarter
(バーター)
貿易なのでお金の遣り取りはない」などと先生が言うのでガッカリさせられ
た。
授業中Built in stabilizer(*1ビルトインスタビライザー)の質問があると
「先生はよう説明せんけえ高野に聞け」と言われる始末だった。
   (*1) 私には日本語にする技量も判りやすく説明する能力もないの
            で、竹中大臣(後述)に聞かれるのが得策に思われる。
           (軽いJoke)

広島大学には当時「政治経済学部」があったので少し迷ったが、同志社に行
きたいと懇願した。決して裕福な家計ではなかったが、広大合格を唯一の条
件にすんなり認めてくれた。
同志社に入って、まずマル経(マルクス経済学)と近経(近代経済学)選択
に迫られた。当時、京大や立命館大は殆どマル経で、同志社も過半数はそう
だった。
中学時代に赤旗の苦い経験があるので、迷うことなく当時亜流の近経を選択
した。
後になって判ったことだが「資本論」を読破していない教条主義的マル経学
者もいた。マル経は魅惑的だったが、ソ連崩壊でやっと回答が出たと言うの
が相応しいのだろうか?

同志社文学部、鶴見俊介(ベ平連)の講義には魅せられた。経済学部生なの
でもぐり聴講生だったが、気付けば京大や立命館の同じような上級生? 
が数名いた。
私にとって彼らの質問内容さえ充分咀嚼できないのに、教授の回答は切磋琢
磨されていて痺れた。自分のInferior Complex(劣等感)を気色よく感じる
ことが出来た。
たまたま東大の大河内総長が上洛され、謦咳に接したように錯覚したことも
ある。
経済数学は微積分の解析が主体で、あまり面白くなかった。
経済史学や経済哲学、特に統計学は興味深かった。
「下手な本を読むより『日経』を読んでおけ」と習い、それを実行した。
いつの間にかSchumpeter(シュンペーター)を一番読むようになっていた。
  
いま、印刷会社を経営していて、近視眼的には統計学的グラフの見方や分析
には役立っている。お金の面ではあまり役に立っていないが、社会全体を俯
瞰図的に見回すことには少しは役立っていると思いたい。
受験勉強などしたことがないほど勉強嫌いな私だったが、「経済学」は私に
勉強の楽しさを教えてくれた。
思い上がりだと言われても反駁出来ないが、私の生活には「経済学」は切り
離せないものになっている。

ところが、我が国の経済学者の多くは、占い師のように無責任な「当たるも
八卦」の予言をしたり、「後からこじつけた屁理屈」を並べる三百代言のよ
うに思えて仕方ない。
名前を挙げて貶せる輩はきりがないほどいるが、ハセケイ……オット  小学
生の分際で、一家言ありそうに大学生批判は差し控えよう。
好ましい人たちとしては(あくまで私の主観だが)常にStanceが変わらない
リチャード・クー(野村証券)・理論に矛盾の見つけられない竹中平蔵(総
務大臣)、女子高生のスカートの中を覗いたので? 好ましいとは言いづら
いが植草教授の論法も屁理屈が少ないように思えた。

最後に「Economy」本来の意味と、我々日本人が抱いている「経済」感覚に
は幾分のGap(ズレ)がある事を検証してみたい。
Economicsを経国済民(or経世済民)と和訳したのは福沢諭吉だと学んだ
が、今一度「経済」の意味を考え直してみたい。
英英辞書には、The science and study of the principles of the 
       production, distribution and use of goods and wealth. 
       と記されている。
広辞苑には、1 国を治め人民を救うこと
      2 人間の共同生活の基礎を為す物質的財貨の生産・分配・消
        費の行為・過程、ならびにそれを通じて形成される人と人
        との社関係の総体と記されている。

「銭金を扱う学問」のみと捉えられているようだが、実はもっと広く「種々
のIncentive(刺激・動機・誘因)が人間行動に与える影響を扱う科学」と
言われる。
つまり、経済学は世に思われているより汎用性が高く「これは経済学とは関
係ない」と思われるような社会現象も取扱可能で、社会現象を客観的に例示
し、検証・証明する科学だと言われる。
                                                                              OGRE

                   
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