『オン・つれ』 第百九十段 ? 「妻は持つまじ」
[本の紹介・夏目書店] 2005.03.20.(日)
http://www6.ocn.ne.jp/~natume/ _________________________
「オンライン古本屋」にて、『徒然草』を読む。
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第 百九十 段
妻といふものこそ、男の持つまじきものなれ。 「いつも
独り住みにて」など聞くこそ、心にくけれ、「誰がしが婿に
成りぬ」とも、また、「如何なる女を取り据ゑて、相住む」
など聞きつれば、無下に心劣りせらるるわざなり。 殊なる
事なき女をよしと思ひ定めてこそ添ひゐたらめと、苟しくも
推し測られ、よき女ならば、らうたくしてぞ、あが仏と守り
ゐたらむ。 たとへば、さばかりにこそと覚えぬべし。 ま
して、家の内を行ひ治めたる女、いと口惜し。 子など出で
来て、かしづき愛したる、心憂し。 男なくなりて後、尼に
なりて年寄りたるありさま、亡き跡まであさまし。
いかなる女なりとも、明暮添ひ見んには、いと心づきなく、
憎かりなん。 女のためも、半空(なかぞら)にこそならめ。
よそながら時々通ひ住まんこそ、年月経ても絶えぬ仲らひと
もならめ。 あからさまに来て、泊り居などせんは、珍しか
りぬべし。
(全文)
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● 訳 ○
妻というものこそ、男がけっして持ってはならないもので
ある。 「いつも独り住みでして…」などと聞くのこそ、奥
ゆかしいものであるけれど、「誰それの婿になった」とも、
また、「これこれの女を家に連れ込んで、同居している」な
どと聞いたならば、ひどく見下げる気持ちに自然となるもの
だ。 格別なこともない女をすばらしいと心に決めこんで連
れ添っているのだろうと、かりそめにも思われて、また、よ
い女ならば、それをかわいがって自分の守り本尊のように大
切にしているのだろう。 例をあげれば、まあその程度なの
だと、きっと感じられるだろう。 まして、家の内をきちん
と取り仕切っている女は、実にくだらない。 子などが出来
てきて、大事に世話してかわいがっているのは、いやなもの
だ。 夫が亡くなった後、尼になって年寄りとなった様子は、
夫が亡くなった跡まで興ざめである。
どのような女であっても、朝から晩まで連れ添って顔を合
わせているならば、ひどく気にくわなくなり、いやになるだ
ろう。 女にとっても、(夫に嫌われるし、別れ去ることも
できず、)どっちつかずの状態になってしまうだろう。 別
居のままで、ときどき女のもとへ通って泊まるというのこそ、
年月を経ても切れない、男女の仲ともなるだろう。 不意に
男がやって来て、そのまま女のもとに泊まったりするのは、
きっと新鮮な感じがするに違いない。
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○ つれづれなるままに ●
この冬に見つけた『カフェ・ド・プーぺ』が貸切だったの
で、仕方なく早稲田通り沿いで喫茶店を探して歩いていると
『カフェ・コットン・クラブ』なる店がオープンしていた。
一人で、飲み物だけでもいいのか尋ねると「全然、構わな
いですよ」というので中に入ってみると、なかなかいい。
座席につくと灯りのついたキャンドルをテーブルに置いてく
れる。 コーヒーしか飲まないのに申し訳ない。
ろうそくの灯り ― 火 ― は、当たり前のことながら原始
時代の火と同じものである。 火には普遍的な美しさがあり、
いつまで眺めていても飽きない魅力がある。 欲しいものを
一つ挙げるならば、私は煖炉を挙げたい。 煖炉の火を眺め
つつ思索にふけったデカルトの気持ちもわかる気がする。
背後の席に二人組の男が座わり、ペチャクチャしゃべり始
めた。
「 全然ダメっすよー 女もゲットできないしー 」
こういう店に男二人で来て、スパゲティを食っていること
自体、全然ダメな気がする。 一人で来る男もいるけれど、
彼らよりはマシだと思ってやりたい。
“結婚して、子供を育てて一人前”と言えるのなら、それ
くらいのこと犬だって猫だってやっている。 そういうこと
がクダラナイというのではない。 人間ってのは、それだけ
じゃないだろうと、兼好さんならずとも思う。
(留)
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◆ 本の紹介 ◇
デカルト『方法序説』
http://www6.ocn.ne.jp/~natume/hon/deka-luto.html
◇ 近ごろ観た映画 ◆
2046
〜求めつづければチャンスは永遠にある。
(キムタクも出ています。)
http://www6.ocn.ne.jp/~natume/eiga/2046.htm
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◇ メールのご紹介 ◆
1月10日以来、「つれづれ」が届きませんが
当方にトラブルでしょうか?
1月15日、島田へいらしたようですが
同じ県内の門外の者には、チャンスがなくて・・
よろしかったら、講演の要約なるものをお聞かせ願えない
でしょうか。
静岡に住む、元国語教師・アコ〜
−−−
店長:いやはや… 気がついたら2ヶ月以上もメルマガを
お届けできないでいました。 どうもすみませんで
した。
留五郎:静岡で講演をやったって?
店長:清水次郎長の清水よりちょっと先の島田という所で
講演… というより漫談… というかほとんどオシャ
ベリみたいになってしまいましたが、そんなことを
やらせてもらいました。
▼SOHOフォーラムしまだ '05
http://www.shimada-cci.or.jp/semina/sohoforum/index.html
留五郎:どうだった?
店長:どうだったも何も… 一生懸命しゃべっただけで…
でも、終わった後に「いやー面白かったです。」と
か、「自然な感じで古本屋を始めたのが分かって興
味深かったです。」とか、いろいろな人が話かけて
くれたのは嬉しかったです。 講演の要約ならこち
らをご覧いただければと思います。
▼テレコム・フォーラム(2004年10月号)
http://www.jtua.or.jp/telecomforum/200410/index.htm
店長:メルマガで告知したら、読者の方も何人か来てくれ
るかとも思ったのですが、なにせ初めてのことで自
信もなかったので内緒にしていました。
留五郎:しかし“アホ〜さん”のようにメルマガを待ってい
てくれる人がいるのはありがたいね。
店長:“アコ〜さん”ですよ! わざと間違えないでくだ
さい、失礼な。
留五郎:どうぼすびばせん。
店長:夏目書店、ほんとにマイペースで申し訳ないんです
けど、ボチボチやっていくつもりですので、長い目
で見守って頂ければ幸いです。 今後ともよろしく
お願いいたします。
(留・店長)
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「オンライン古本屋」にて、『徒然草』を読む。 190/243
『オン・つれ』は“つれづれなるままに”
お届けしております。
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◇参考文献◇
『新訂・徒然草』岩波文庫 (西尾実・安良岡康作、校注)
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●読者割引● 「夏目書店」の本を注文するときに「メルマ
ガ読んでます」などと書いて頂ければ、送料を「300円」に
オマケいたします。
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このメールマガジンは『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/
を利用して発行しています。
@配信の中止・変更はこちらまで。
http://www6.ocn.ne.jp/~natume/00-ture.html
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〔発行〕 夏目書店 http://www6.ocn.ne.jp/~natume/
〔文章〕 松本留五郎
〔メール〕 tomegoro@athena.ocn.ne.jp
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