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2008/02/25

[PGPN265]『東京オリンピック』と市川崑

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  Petit Grand Publishing News 265

http://www.petit.org/
     

                           2008.02.25

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少し前になるが、2月13日、市川崑監督がお亡くなりになられた。生涯に79
本もの映画を手掛けられ、アニメーションから時代劇まであらゆるジャンル
を横断し、その作風もとても幅広いだけに、一言で市川崑映画を語るのはと
ても難しい。

しかし、岩井俊二監督をはじめ、市川崑主義者とでも言うべき若きオピニオ
ンが、度々崑さんの作品へ傾倒しつつ、新しい時代の流れを作って来たよう
にも思う。

事実、ミルクマン斉藤氏を責任編集に迎えた『weird movies a go! go!』は
“日本モダニストの逆襲!”と題した特集をキモに創刊。当時ピチカート・
ファイヴの小西康陽さんが『黒い十人の女』(61)をリプレゼンツしてヒッ
トさせた直後だっただけに、書籍の評価もとても高いものになった。

といっても巻頭は“かくて映画はロリータを造りたまえり”なんて特集で、
お色気売りかと思いきや、うら若き女子に大人気となったおかげでおしゃれ
エロなムービーブック扱いとなって、エロの皮をかぶった真打ち気分が面白
かったのが早10年前のこと。

で、その数年前にミルクマン氏やgroovisionsの伊藤弘さんに教えてもらっ
たのが、ドキュメンタリー映画『東京オリンピック』(64)だった。

ドキュメンタリーといえば、大きな話題を提供した『不都合な真実』(2006)
のみならず、映像作家自らがカメラの前に立つマイケル・ムーアやモーガン
スパーロックなどの社会派エンタメドキュメントが一般認知されている。

また、ブライアン・ハーズリンガーの『デート・ウィズ・ドリュー』(2004)
など、憧れのセレブとデートするまで追いかけ、自身もセレブの仲間入りを
するという珍現象まで巻き起こるなど、様々なスタイルのドキュメンタリー
が見られるようになって久しい。

しかし『東京オリンピック』は桁外れだった。その異様な、異常な緊迫感を
どう説明すればいいのか、なかなか言葉が見つからない。『アース』(2007)
などはこれを上品に、最高の機材を使って仕上げたのだろうと今なら言えそ
うだが、とにかく『東京〜』はその荒削りで超ド級の迫力に圧倒されるのだ。

当時のオリンピック担当大臣が「記録性に欠ける」と批判したことで“記録
か芸術か”と物議をかもすこととなり騒動が大きくなったのだが、そういい
たくもなる芸術的な大傑作なのである。

ちなみに、JOCの公式サイト内にある東京オリンピックのコーナーに、東京オ
リンピック開催40周年記念でDVDが発売されたタイミングで市川監督自ら語っ
ているコンテンツがあり、これが非常に面白い。機材リストまで掲載されて
おり、2,000ミリの望遠レンズを使ったなどと非常識なことが書かれている。

この中で監督は、レニー・リーフェンシュタールの『民族の祭典』(38)を
参考にしたと語られているが、それはそれ、これはこれ。ちなみにレニーと
は1972年のミュンヘンオリンピックの時に会ったとか。またこの時起こった
事件を元にスティーブン・スピルバーグが映画化した『ミュンヘン』(2005)
も素晴らしい(こちらはフィクションです)。

日本アカデミー賞の授賞式で、樹木希林さんは最優秀主演女優賞を獲ったそ
のスピーチで、崑さんのところに弔問に伺い、「80本目は後に続く映画人に
任せた」と仰っていたように思いますと語られた。そして、さらにそこに続
いた言葉には、少々驚きを感じてしまった。

何故なら、「この『日本アカデミー賞』が名実共に素晴らしい賞になってい
くことを願って…」と、それまでおちゃらけていらっしゃったにも関わらず、
最後をビシッと締められたのだ。しかし、テレビを見ながら、なんとなく腑
に落ちない気分でそのスピーチを反芻しながら考えてしまった。

本国のアカデミー賞なら、俳優がそんなことを言うのだろうか。何故なら、
アカデミー賞=映画界にとって権威中の権威である。そこに、映画界におけ
る日本で一番の権威であるはずの、日本アカデミー賞ならではの、曖昧な立
場が垣間見えてしまうように感じるのだ。

お涙頂戴ものが大流行中の昨今。それが悪いとは言わないけれど、崑さんの
からりと晴れた清さ、そして作品本来の底力。希林さんは、そんな気骨のあ
る映画を望んでいるんじゃないかと思う。と同時に、業界の内外を問わず、
もっと映画を観る目を身に付けようよと言いたかったのではないか。

『東京オリンピック』の次に崑さんが撮った作品は、なんと『トッポ・ジー
ジョのボタン戦争』(67)。永六輔氏も脚本に参加した人形アニメだ。この
振り幅と、小気味いいセンス。そこにこそ最大級のリスペクトを捧げたい。

しかし何故『東京〜』で崑さんを考えたのかといえば、実は先週、勝井三雄
氏にお会いする機会があったため。氏はHelveticaがはじめて日本で制定書
体となったその東京オリンピックで、グラフィックを担当した主要メンバー
の一人だったのだ。

というわけで、夏頃には少し謎だった日本におけるHelveticaの存在も、少し
紐解けるのではないかと思うのだった。乞うご期待。
(Co Ito)

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本に紹介した『もぐらくん』 シリーズや、イジー・トゥルンカなどの絵本の
翻訳で知られる木村有子さんの連載コラム『チェコのヤポンカ』の最新号が
アップされました。

北欧ブームがすっかり定着したのと平行し、根強い人気を誇る東欧の国、チ
ェコ。中世の建造物が建ち並ぶ美しい街並や、郊外に広がる豊かな自然、音
楽や芸術。チェコが長い年月を重ねて築いてきた魅力溢れる文化が、人々を
惹きつけてはなさないのではないでしょうか。

ただ、旅行者として外側からチェコを眺めるのと、そこに住み、激動の時代
に晒された人とでは、その視点や認識は少し違うかもしれません。

旧体制と民主化運動を推し進める波がぶつかり合った「プラハの春」 事件。
当時小学生だった木村さんはその事件の直後にチェコに住むこととなりま
す。愛情に溢れた少女時代の中では感じることの無かった時代のうねりは、
木村さんの成長や環境の変化と共に、「自身との深い関わり」を感じざるを
得ず、そこから目を背けることができなくなってきます。

その十数年後に起こるベルリンの壁崩壊。方々に波及した民主化運動。そし
て1989年にチェコスロバキアを大きく変えることとなった「ビロード革命」。

家庭を築き、仕事をしながら今もチェコと深く関わっている木村さんにとっ
て、チェコの変貌はどのように映ったのでしょうか。

ガイドブックで語られる、通り一遍等の解説とはひと味違う、今現在のチェ
コのワンシーンと共に、その歴史を垣間見ることが出来る貴重な内容です。

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☆紀ノ国屋 新宿南店にて『北欧フェア』開催 ムーミンたちが待ってます!☆

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新宿高島屋に隣接する紀ノ国屋新宿南店3階にて、2月25日から北欧関連
書籍や北欧雑貨を一堂に集めた『北欧フェア』が開催されます!

プチグラパブリッシングも「北欧デザイン」シリーズや北欧書籍、
ダーラナホースやムーミングッズなどを多数展示販売することとなりました。

今やライフスタイルの定番とも言えるようになった北欧スタイル。
新生活に備えて、インテリアやライフスタイルを北欧に染めてみては
いかがでしょう?

今回のフェアはムーミン関連の商品を中心にセレクトしていますので、
どうぞお楽しみに。

紀ノ国屋新宿南店の3階は、新宿高島屋2階の連絡通路から直結しているの
でお買い物に便利な場所。ウッドデッキのようなきれいな連絡通路を渡って、
ぜひ紀ノ国屋の『北欧フェア』に足をお運び下さいね♪

紀ノ国屋 のウェブサイトはこちら
  >> http://www.kinokuniya.co.jp/

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先日、駅でとっても目を引くファッションの男性を目撃。明るいグリーンの
マッキントッシュコートに手入れの行き届いた革のウィングチップシューズ、
細めで濃紺のストレートジーンズ、くったりと馴染んだ帆布とヌメ革のトート
バッグ。アイテム一つずつはシンプルなのに、ビシッとかっこよくコーディネ
ートしていて、ついつい獲物を狙うハンターのように見つめてしまいました。
傍から見たらこわ〜い女に見えたんだろうな…と反省しつつ、老若男女問わ
ずファッションセンスの良い人に惹かれてしまうのであります。
(Watanuki)
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http://www.mag2.com/m/0000090455.html

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  Petit Grand Publishing News 265

  発行:プチグラパブリッシング web...www.petit.org
                
info...info@petit.co.jp
  editor in chief:Co ITO
  editor: aco Watanuki
  発行部数:3119(2007.10.2現在)

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