太田ジオ メールマガジン RSSを登録する

最新の建設技術動向、技術士試験合格情報(講習会)、技術者のプレゼン・プロポーザル(三次元・動画)講座、地盤・地質・防災など土木や科学技術の最新情報、災害調査速報、ソフトウェア案内、問題解決例。

最新号をメルマガでお届けします    
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。
2007/07/19

太田ジオメールマガジン[110]〜新潟県中越沖地震、の巻〜

この記事を取り寄せる

◆太田ジオメールマガジン第110号!!!◆

台風4号、新潟県中越沖地震と立て続けです

〓〓〓〓〓〓〓〓〓 Ohta Geo mail Magazine 〓〓〓〓〓〓〓〓
        ━ Vol.110 ━2007.7.19 ━

***********************広 告*******************************************
地震は予防でしか被害を防げません。宅地盛土の耐震化は方法があります
http://www.ohta-geo.co.jp/reports/002/takuti_kouji2.html
************************************************************************
錆びない破断しない保孔管(豪雨や地震時の斜面崩壊予防工に最適)
http://www.chiyoda-kizai.co.jp/PN/index.html
************************************************************************
日経コンストラクション「太田英将の建設IT御意見番」のページ
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/const/column/ohta/
************************************************************************

このメルマガは、ご自身でマグマグに登録された方にのみ配信しています!!
----------------------------------------------------------
★新潟県中越沖地震が発生
 7月16日(月;祝日)に新潟県柏崎付近でM6.8、最大震度6強の大地震が発生し
 ました。

★活断層調査について
 知られていない活断層が引き起こす直下型地震が続いています。活断層調査は
 どう考えたらよいのでしょうか。

--------------------------------------------------------------
■新潟県中越沖地震が発生
--------------------------------------------------------------
7月16日の午前に柏崎近海を震源とする新潟県中越沖地震が発生しました。マグ
ニチュードは6.8、最大震度は6強でした。余震も続いています。7月18日現在で
死者10名、被災者多数ということです。犠牲者の方のご冥福をお祈りするととも
に、被災者の方々の一日も早い復興をお祈りいたします。

被害の情報はまだ断片的で、今後整理されていくことと思います。また当社から
は太田が数日後現地調査に行く予定にしていますので、後日また報告させていた
だくつもりです。

テレビの解説では、新潟から神戸にかけて歪みがたまりやすいゾーンがあると言
われています。『地球の内部で何が起こっているのか?』(2005年光文社新書、
平朝彦、徐垣、末廣潔、木下肇著)のp63には、日本周辺で最近100年に起きた大
地震の震源域とプレート境界の分布図が示され、1995年兵庫県南部地震、2004年
新潟県中越地震、2005年福岡県西方沖地震などは「日本海東縁変動帯」に沿って
発生していると解説されています。それ以前には、日本海中部地震、北海道西南
沖地震などもこの変動帯沿いに発生したものです。また、この図からは漏れてい
ますが、おそらく2000年鳥取県西部地震もその仲間にはいると思います。そして
この本の出版後に、2007年能登半島地震、そして今回の新潟県中越沖地震と続い
ています。「日本海東縁変動帯」はまさに活動的になってきていると言えると思
います。

今回の地震で肝に銘じなければならないことは、一度大きな地震があったからと
いって当分地震はないと安心してはいけないということ。活断層図に載っている
活断層だけが地震を発生するわけではないこと。そして、大地震という自然現象
で被災しないためには、「予防」しか手だてがないこと。ではないでしょうか。

朝のワイドショーでは、道路がひどく変形しているところは、道路をまっすぐに
するために盛土を行ったところであり、そういうところが大きな被害を受けるの
は当然である、というような解説をされていました。兵庫県南部地震では圧倒的
な数の谷埋め盛土被害が出たのですが、それ以外の被害が甚大で相対的に目立ち
ませんでした。新潟県中越地震、能登半島地震では盛土の崩壊が目立ち、一般の
認識も「盛土は地震に弱い」ということに定着してきたようです。盛土の予防防
災をするうえでは、まず危険性をもっていることを認識するところが第一ステッ
プですから、教訓は定着したと考えることが出来ます。次はそれを形や制度とし
て残すことではないかと思います。


--------------------------------------------------------------
■活断層調査について
--------------------------------------------------------------
17日の新聞記事に下記のようなものがありました。

原発直下に断層、耐震前提崩れる 中越沖地震、気象庁解析で
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007071890130228.html

兵庫県南部地震はよく知られた活断層で発生しましたが、鳥取県西部地震や新潟
県中越地震など、その後発生した地震の多くでは、明確に認識されていたわけで
はない断層で起きています。なぜ明確に認識されていないかというと、過去の地
震でも地表まで変位が到達せず、線状地形(リニアメント)が残っていないか認
識困難というのが理由だろうと思います。

このため「日本の活断層図」に載っていない断層でも、M7.0弱の地震を発生さ
せると覚悟しておかなければなりませんが、そうすると日本中に安全な場所はほ
とんどないということになると思います。また逆に、リニアメントを明瞭に残し
ている断層が活動するといったいどの規模の地震になるのだろうかとも思います。
中央構造線のあのシャープさはどう理解すればよいのでしょう。

兵庫県南部地震以降、阪神間でマンション建設などをする際に、活断層調査を行
うことが多くなりました。しかし、厚い土石流堆積物で被覆されたところで活断
層を見つけ出すのは至難の業です。縦方向のボーリングでは断層に当たる確率は
きわめて低く、層序の対比も土石流堆積物では困難ですし、基盤の大阪層群など
は相当傾斜していますのでこれもまた対比困難です。結局、トレンチ調査を行う
ことが多くなるわけですが、せっかくの良質地盤を掘り返してトレンチ調査を行っ
ても、それを埋戻した地盤は相対的に弱い盛土地盤になるわけですから、本当に
これでいいのか?という疑問を持ちつつの調査になります。

しかし、デベロッパーは「ちゃんと活断層調査を行った」ということを付加価値
としてマンション販売をしていますので、なかなかしたたかなビジネスマンたち
だと感心しきりです。

話を原発と活断層の話に戻すと、2005年の宮城沖地震の際にも女川原発で設計震
度以上の揺れがあったため、耐震設計議論に「激震」が起きたということで新聞
記事になっていました。今に始まった議論ではありません。

http://www.ohta-geo.co.jp/image06/saidaikasokudo.pdf

おそらく地震計の数が少ないときの計測記録からS2(およそ現実的でない巨大
な揺れ)を決めたのだと思いますが、その後地震計が増え、地震の度に記録更新
がなされるようになると、あたりまえのようにS2を実際の計測記録が上回るよ
うになり現象と設計の不調和が顕在化してしまいました。

設計震度をいったん数値で決めると、そこから先の設計は「演繹的」なものとな
りますので、前提となっている設計震度自体の信頼性が揺らぐとすべてが揺らい
でしまいます。これが演繹的解析・設計の怖さです。しかし、壊れたことのない
ものを設計する際には演繹的手法(外挿的手法ともいえます)を採用せざるを得
ないのもよくわかります。難しい問題です。

これは斜面防災をやっているものにとっても他人事ではなくて、斜面問題にあっ
ても地震時解析をする際に用いる設計水平震度khは同じ問題を抱えているとい
うことを認識しなくてはなりません。

谷埋め盛土の地震時設計手法を考える際に、実際に発生した変動・非変動のデー
タに固執したのですが、それはkhの不確実性を「現象のデータ」でキャリブレー
ションをかけるためでした。理論は多少ぐらついても、実際の現象と予測を乖離
させないためには、それが一番確実な方法です。自然現象には、演繹的・理論的
な解析だけではうまくいかないことがまだまだ沢山あります。自然に対して常に
謙虚であれ、というのが最低限必要なことなのでしょう。

宅地谷埋め盛土の「ローラースライダー現象」に関しては、宅造法改正の際に重
要な役割を果たされた国交省の渋谷さんのブログにわかりやすく書かれています
ので一度ご覧下さい。

しぶさんの防災日記
June29日Friday: 第5回:「宅地のローラースライダー現象」
http://www.yumetairiku.co.jp/~stylefm/bousai.php


((((((( 編集後記 )))))))
大災害債券(カタストロフィ・ボンド、キャット・ボンド)というものがありま
す。いつ起こるかわからない不確実なものを債券化するとは何と大胆な!と素人
は思いがちですが、大きな金を扱う人達にとって最も不確実で読めないのは人間
の行為なのだそうで、自然はきちんと律動し、確率的なリスク分散をすればこれ
以上確実なものはないという考え方なのだそうです。彼らにとって、大地震が起
きるのは「確実」なことであって、クーデターや戦争など人間の気まぐれで起き
るものが「不確実」なのです。確実に起きる大地震という自然現象を「災害」に
するのは人間の側の事情です。それは同時に人間の行為で「災害にしない」こと
も可能だということです。それこそが「予防防災=防災」ということになるので
はないでしょうか。たとえば谷埋め盛土で言えば、危険と判定された谷埋め盛土
が大地震時に変動する確率は「かなり確実」です。ならばそれを担保にしてお金
を貸し付けている銀行にとっては非常に大きな金融リスクになるわけで、「強制
的に予防措置をさせる」ということの合理性が生まれます。借り手にとっても、
被災したからといって借りた金がチャラになることはなく、二重ローンが待って
いて、人生設計が大きく狂う「人生破綻リスク」を持っています。防災を事後処
理型から予防に大転換するという時期に来ているのではないでしょうか。(H.O)

=========================================================
太田ジオメールマガジン 
http://www.ohta-geo.com/mag2/index.htm
 担当:國眼(こくがん)
このメルマガに対するご意見・ご質問などは以下のアドレスへ
お願いいたします。mailto:gan@ohta-geo.co.jp
=========================================================
3次元地質/汚染表示ソフトウエア EVS
http://www.ohta-geo.co.jp/software/mvs_evs.html
3次元可視化の受託業務
http://www.ohta-geo.com/products/mvs/mvs_jutaku.htm
=========================================================
■■太田ジオの新技術■■
-----------------------NETIS----------------------
KT-040081 恒久排水補強パイプ−地震および豪雨時における法面補強工− 
  http://www.ohta-geo.co.jp/reports/002/takuti_kouji.html
KK-030021 恒久集水ボーリング保孔管−錆びない、破断しない高強度鋼製
  集水ボーリング保孔管・・・まだ塩ビ管をお使いですか?−
KK-030018 簡易測量システムSUGDAS −レーザー測距儀利用地形図作成システム−
KK-050008 3D-SLIDE−地すべり・崩壊3次元安定解析システム−
KK-050007 EVS−地盤空間環境データ3次元可視化システム− 
-----------------------特許等---------------------
斜面安定化工法;土塊をブロック化し、側部抵抗力を有効にした斜面安定化工法
地すべり抑止工法;側部抵抗を有効に利用した地すべり防止工法
耐震構造;地下水排除・間隙水圧消散、並びに地盤補強による地盤の耐震化工法
受圧板付き補強管、及び地表面の崩落防止工法、並びに斜面の補強工法
その他実用新案、特許申請中数件
=========================================================
当社への、お問い合わせは下記URLからお願いします。
□マスコミの方:http://www.ohta-geo.com/cgi-bin/app7/app2.cgi
□一般市民の方:http://www.ohta-geo.com/cgi-bin/app8/app2.cgi
□建設系企業の方:http://www.ohta-geo.com/products/komon.htm
□一般企業の方:http://www.ohta-geo.com/products/komon_kigyou.html

この記事を取り寄せる
最新号をメルマガでお届け
登録 解除

規約に同意して

登録した方には、まぐまぐの公式メルマガ(無料)をお届けします。

最近の記事

上へ戻る