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アメリカからソーシャルビジネス(企業の社会的責任ーCSR、NPOの活動)や社会起業家の具体的事例をレポートし、そこからの学びをまとめます。また、米国で子育てをする親の視点から、身近におきた環境に優しい出来事などについても紹介していきます。お楽しみに!

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2009/12/06

【アメリカ発ソーシャル・ビジネス】米国最大の企業の社会責任会議BSR

★★アメリカ発 ソーシャルビジネス・ニュース★★
~社会責任ビジネスで社会を良くし、楽しく儲ける~

第64号 2009年12月6日

----------------------------------------------By ASU International LLC

こんにちは、米国在住ASU Int’lの斎藤 槙です。あっという間に、サンクス
ギビング(感謝祭)が終わりいよいよクリスマス。クリスマスは、ホリデーシー
ズンと言われる10月末から年末にかけての最後の大イベント。消費者はプレゼ
ント選びに大忙しとなります。そしてまた、この第4四半期は企業の経営者に
とってもとても大事な時期。と言うのも、アメリカの多くの企業の年度末は
12月だからです。短期間での業績向上を株主から期待されている経営者の
プレッシャーは、この四半期に重くのしかかります。最も消費行動が盛んにな
るこの時期をどう使うかが経営者やマーケターの腕の見せ所となるわけです。
今回はそんな第4四半期に行われた米国最大の企業の社会責任(CSR)をテーマ
にしたBSR(ビジネス・フィー・ソーシャル・レスポンシビリティ)総会につ
いてご報告します。どうぞお楽しみください。

■■■今週のテーマ■■■
「リセット」がテーマだった今年のBSR

●世界最大の社会責任に関する会議:BSR●
世界最大の企業の社会責任(CSR)に関する会議が10月末にサンフランシスコ
で開催されました。この総会は、92年以来、年1回4日間にわたって行われ
ており、過去にクリントン元大統領やアイルランドのメアリーロビンソン元大
統領などが基調講演に立ったこともある一大イベントです。

私は99年から出席して10年以上CSRのテーマを追いかけていますが、10年
前との比較で一番の差を感じることは「CSRはビジネス経営課題として当たり
前のこととして考えられる」ようになった点です。99年の会議で「今後、
企業活動を成功させるためには、社会にプラスの活動をすることが大切」と言
った当時のBSRのCEOボブ・ダンの論調は、企業と社会の関係にまだ「緊張感
がある」ことを象徴していました。今では、NPO、途上国の人たちが大企業と
席をならべて開発のこと、温暖化に向けての対策、人権問題などを「対等に討議
できる」ようになったのです。そして、CSRの何を優先課題とすべきかマテリ
アリティが問われるようになりました。世界の変革を肌で実感します。

BSR総会の変革も目覚しいです。99年当時、700人前後の参加者で、そのほとん
どが米国人だったにもかかわらず、今年は40カ国から1000人を越える参加者が
いました。BSR自体もパリ、北京、香港にオフィスを置く国際組織になりました。
そしてリーマンショック以降、利益至上主義、短視眼であってはならないことが
世界の共通の理解となった今、ますますイノベーションや社会投資、パブリッ
ク・プライベートパートナーシップの重要性が問われるようになりました。

●「経済のリセット、世界のリセット」●
今年のテーマは、「経済のリセット、世界のリセット」という内容で、これま
で同様、基調講演から分科会や展示ブースまで、さまざまな企業の取り組みが
紹介されました。今回、特に面白かった内容として、私は1 ショッピングサ
イト大手eBayのジョン・ドナホー社長の基調講演、2 中国人社会起業家
BROAD Air Conditioning社長による基調講演、分科会の中では、3 社会責任
投資のトレンドの変化(Environmental, Social, and Governance-Based 
Investment Trend)、そして4 経済不況による貧困へのインパクト(The 
Impact of Financial Crisis on Poverty)の4つを挙げたいです。今日はその
中でも、特に最近関心を集めているBOP(ベースオブザピラミッド)をテーマ
にしている4の内容を紹介します。

(ちなみに、すべての内容はBSRのサイトから見られます。)
http://www.bsr.org/bsrconferences/2009/session-summaries.cfm)

●経済不況の貧困へのインパクト(The Impact of Financial Crisis on Poverty)●

ポイント1:不況で貧困救済のための寄付行為が減少しているが、今後必要なの
は、好不況に関わらず企業のコアビジネスとしての戦略的な貢献活動である。単
なる社会貢献としてではなく、ビジネスを通じてどう貧困救済できるかという視
点が大切であり、しかもインパクトのある貢献になりうる。その際、PRの視点
でやってはあまり効果がない。イノベーションがカギ。ヨーグルトメーカーの
ダノンがバングラデシュにあるグラミン銀行と提携して、手ごろな価格でヨー
グルトを生産できるマイクロエンタープライズを設立したのは好例。

ポイント2:どうやったらBOPビジネスを企業内で見つけられるか?アントレ
プレナーならぬイントラプレナー(社内起業家)を育てることを企業は心がけ
るべき。

ポイント3:コラボレーションが前提。途上国の政府との協働はもちろんのこ
と、NPOやBOPビジネスにくわしいネットワーク組織のベースオブザピラミッド
学習ラボやビジネス・コール・ツー・アクションなどへ連絡することを薦めて
いる。また、サプライチェーンマネジメントの中で、BOPをとらえることで、
取引先との協働を通じた取り組みが可能になる。

■■■今回の学び■■■
「経済のリセット、世界のリセット」をテーマとした今回のBSR。このテーマ
設定の背景には、リセットが必要だとする、現状に対して感じるアンバランス
感、つまり、「何かおかしい」という感覚があると思いました。例えば、国連
食糧農業機関(FAO)は、地球上には、食料不足に直面している人が約8億人
いる一方で、なんと16億人の人が栄養過多であり、太りすぎであると報告して
います。食料不足の人数の倍の人たちが食べ過ぎという意味です。こういった
不釣合いな状況に対して「何かおかしい」と感じるところからの発したのが今
回のテーマ設定になったのだと思いました。

問題が貧困であれ、環境であれ、経済的に余裕があるときだけ貢献するとい
う企業の姿勢は、サステナブルではありません。100年に一度と言われてい
る経済危機を今我々は体験して、本当に社会に貢献する強い意思とシステム
を持つ企業かそうでないかの見極めができたと言えるのではないでしょうか。
その意味でも「リセット」はタイムリーなテーマであったと思います。

■■■お知らせ■■■ 
●新しい翻訳本を10月に出しました。「社会起業家の条件  ソーシャル
ビジネス・リーダーシップ」(日経BP)(マーク・アルビオン著 
斎藤槙・赤羽誠 訳)http://www.amazon.co.jp/dp/4822247732/

●7月に出した翻訳本「ソーシャルビジネス入門~社会起業で稼ぐ新しい
働き方のルール」(日経BP)は以下から見れます。http://www.amazon.co.jp/dp/4822247538/

●アメリカ発 ソーシャル・ビジネス・ニュース編集部から                       
編集部では、皆様からのメッセージを受け付けています。記事に関するご意見、
ご感想などがありましたら、遠慮なくご連絡ください。アメリカ発 ソーシャル・
ビジネス・ニュースでは、アメリカからソーシャル・ビジネス(企業の社会的責任
-CSR、NPOの活動)や社会起業家の具体的事例をレポートし、そこからの
学びをまとめています。同テーマに関する投書は、本誌において、掲載対象に
なります。皆様に関するニュースを是非、お知らせ下さい。 
Email maki@asuinternational.com まで。

●ASU International LLCについて
企業も社会もハッピーな結果を生むBusiness For Social Responsibility
(社会責任を果たすビジネス)を目指し、ASU International社はお手伝い
いたします。

● ASU International LLCのホームページ www.asuinternational.com

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