2009/10/26
【アメリカ発 ソーシャル・ビジネス】サステナビリティ導入のための12のステップ 前編
★★アメリカ発ソーシャルビジネス・ニュース★★ ~社会責任ビジネスで社会を良くし、楽しく儲ける~ 第60号 2009年10月25日 ---------------------------------------------By ASU International LLC こんにちは、米国在住ASU Int’lの斎藤 槙です。CSRやソーシャルビジネスの 世界だけでなく、サステナビリティ、持続可能性という言葉が一般化しつつある のを感じます。 これは、言葉が市民権を持ってきたというより、言葉の持つ意味が日常のビジネ スや生活の中に浸透してきたのではないでしょうか。つまり、これまで「一般の ビジネス」と「サステナブルなビジネス」が別々に存在していたのが、どんなビ ジネスであれ「サステナビリティの考え方は必須だ」ということが認識されてい ることの現われでしょう。地球環境やグローバルな社会問題が深刻化しているだ けに、手放しで喜ぶことは出来ませんが、人類は直面している「今そこにある 危機」を乗り越えるために、知恵を働かせているのだと実感します。 冒頭からちょっと重くなりましたが、サンフランシスコに本社を置くKanal Consulting(http://www.kanalconsulting.com/index.htm)というコンサルティ ング会社がサステナビリティを取り入れて収益向上と地球環境に貢献するための 12のステップを発表しました。今週と来週の2回に分けて、これをレポートします。 どうぞお楽しみ下さい。 ■■■今日のテーマ■■■ 実践的サステナビリティ導入のための12のステップ 前編 ●サステナビリティでどう環境配慮と利益向上を両立させるか● 1.サステナビリティの考え方を会社のビジョン、価値観、 ミッションステートメントに取り入れる。 既にサステナビリティを企業文化の一部として取り入れている企業では、 その役割は明確にされています。 例えば、消費財メーカー大手のProctor & Gamble (http://www.pg.com/en_US/index.shtml)では、会社の方針を創業後は じめて変更を加えた際、サステナビリティの考え方が取り入れられました。 「サステナビリティの考え方を商品、パッケージ、オペレーションの全て に取り入れます」とサステナビリティ・レポートに記してあります。サス テナビリティが会社にとっていかに重要かがよく分かる表記です。 Dell(http://www.dell.com/)もCEOのMichael Dell氏がミッションを 語る際、商品開発と経営にサステナブルな考え方を全面的に取り入れると 言及しています。このように、サステナビリティをあらゆる局面における 意思決定と行動の指針としています。 2.変革のための具体的で計測可能な、そして大胆な目標を設定する。 多くの企業はサステナビリティについての年間目標を設定し、四半期ごとに 達成度合いをチェックしています。面白いことに、成功している企業ほど、 目標値を頻繁に引き上げています。 例えば、前述のP&Gでは、2008年のCSRレポートで発表した持続可能性の ある革新的な商品(sustainable innovation products)の2012年での売上 げ目標をわずか4ヵ月で150%上方修正し、500億ドルとしました。同時に、 商品あたりの炭酸ガス排出量の削減目標をそれまでの倍の20%と修正しました。 3.ROIなどと同様にサステナブルにすることによるリターンを投資基準とする。 サステナビリティを追求することは、地球市民として道義上正しい、という 議論は終焉しました。サステナビリティの追求は、それをやることで「より 利潤が期待できる」という「ビジネスの観点から捉えるべき考え方」に変わ っています。 4.CEOをスポークスマンとして、そしてコミットメントの表明者として機能 させる。 企業トップのコミットメントの表明は企業のサステナブル化のプロセスを 大きく推進します。例えば、2008年のCisco(http://www.cisco.com/)の アニュアルレポートにおいて、CEOのJohn Chambersは次のように語って います。「地球市民として、我々は地球環境の持続可能性を最優先課題と 位置づけます」 トップがサステナビリティの重要性を明言することは、組織としての取り 組みを示すことであり、社内外への約束です。そして、関連する全てのス テークホルダーへ大きな影響を与えることになります。 5.強力なガバナンスモデルを作り上げる。 サステナビリティの考え方を効果的に組織に取り入れるために、サステナ ビリティ・チームを立ち上げることが有効です。このチームが主体となって、 目標の設定、従業員同士のコミュニケーションの促進、ステークホルダー達 との交流、取り組みのプランニング、上級管理職に対するレポートを実施し ます。 勿論、取締役が全体に目配せすることは言うまでもありません。Nike、The Gap、L’Oreal、Starbucksなどは、サステナビリティに関する取り組みを 取締役が定期的にレビューすることになっています。 6.従業員を巻き込む。 サステナビリティの取り組みの成否を決めるのは従業員をいかに巻き込む かです。社員がこのテーマを自分のこととして捉え、取り組んでいかなけ ればうまくいきません。 そして、大事なのはあらゆる職階の社員も関与させることです。特にグラス ルーツ、つまり草の根的活動にしてプロジェクトを全社運動にしていくこと です。それぞれの部や本部ごとで完結するスタイルではなく、組織横断的な 取り組みで実施するとより高い効果が期待できます。 ■■■今回の学び■■■ 企業のサステナビリティ。この目的について考えてみると、逆説的ですが、これは 目的ではないという結論に到達します。サステナブル化で得られる利益を再投資す ることで、ビジネス拡大、雇用、ステークホルダーへの還元に繋げることが可能に なります。実は、このためにサステナビリティの考えがあることに改めて気づかさ れるレポートでした。続きは来週お伝えします。 ■■■お知らせ■■■ ●アライアンス・フォーラム財団 ポスト・IT 新産業創生部門企画 『21世紀の国富論』の旅のご案内● 「技術を使って世界を変える」ことを目的として活動するアライアンス・フォ ーラム財団では、エグゼクティブや学生の皆様のご参加を頂く、サンフランシ スコでの使節団プログラムを開催しています。 今年は、原丈人著・平凡社刊『21世紀の国富論』で示されていた、新しい技術 のあり方・新しい社会のあり方・新しい資本主義のあり方をさらに深く理解で きる「21世紀の国富論の旅」として、特別プログラムをサンフランシスコにて 開催いたします。 詳細・パンフレットはこちらをご覧ください。 http://dl.getdropbox.com/u/151691/21c_SFtour2009.pdf ◆プログラム期間:2009年11月19日(木)~11月23日(月) ※現地集合・現地解散 ◆募集人数:15名程度 ◆プログラム参加費:14万5000円(学生:12万5000円)※渡航費・宿泊費別 ◆プログラム内容 ◇シリコンバレーの歴史と力 ・The Tech Museum of Innovation ・DEFTA Partners投資先企業への訪問(XVD社、Fortinet社) ◇ 日米親善交流とアライアンスの意義 日米の親善交流に貢献された日米両国の文化人・財界人・政治家に贈呈される、 北カリフォルニア ジャパン・ソサエティAward of Honorの受賞式典に参加、 晩餐会を行います。 ・2009年Award of Honor 竹中工務店代表取締役社長 竹中統一氏 ご講演 ・2009年Award of Honor 元駐米大使 柳井俊二氏 ご講演 ◇新技術が作る新しい産業の未来と、技術による新しい途上国支援事業モデル ・原丈人 特別講演 ◇ソーシャルアントレプレナーと、マイクロファイナンスの今後の重要性 ・世界初のP2Pマイクロファイナンス機関、Kivaの訪問 ・Kiva 共同設立者 Matt Flannery氏 特別講演 ◇アル・ゴア氏ら受賞のTech Awards Gala 2009式典交流と晩餐会 特別参加(オプション) ◇身近なイノベーション、Segwayで市内観光体験(オプション) ◇フェリーサウサリート(オプション) 【お申し込み・お問い合わせ・ご応募】 アライアンス・フォーラム財団 ポスト・IT 新産業創生部門 Eメールでのお問い合わせ・ご応募 tadm@allianceforum.org 担当:三谷 電話でのお問い合わせ・ご応募 03-5412-0130 担当:古川 FAX:03-5412-0131 担当:古川 【宿泊先、航空券についてのお申し込み・お問い合わせ】 トラベルワンダーランド新宿本社 エコツーリズムデスク 担当:羽鳥、松原、木村、久松、横沢 電話 03-5360-4810 FAX 03-5360-4820 メール t-ecotourism@his-world.co.jp ●今年7月に日経BPから翻訳本「ソーシャルビジネス入門」~「社会起業で稼 ぐ」新しい働き方のルール~(斎藤槙訳)を出版しました。 本についてTable for Twoの小暮真久さんと対談したので、よろしければご覧 くださいね。 http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090917/182229/ ●アメリカ発 ソーシャル・ビジネス・ニュース編集部から 編集部では、皆様からのメッセージを受け付けています。記事に関するご意見、 ご感想などがありましたら、遠慮なくご連絡ください。アメリカ発 ソーシャル・ ビジネス・ニュースでは、アメリカからソーシャル・ビジネス(企業の社会的責任 -CSR、NPOの活動)や社会起業家の具体的事例をレポートし、そこからの 学びをまとめています。同テーマに関する投書は、本誌において、掲載対象に なります。皆様に関するニュースを是非、お知らせ下さい。 Email maki@asuinternational.com まで。 ●ASU International LLCについて 企業も社会もハッピーな結果を生むBusiness For Social Responsibility (社会責任を果たすビジネス)を目指し、ASU International社はお手伝い いたします。 ● ASU International LLCのホームページ www.asuinternational.com ●このメールマガジンの購読を中止したい場合は、まぐまぐ上の http://archive.mag2.com/0000090131/index.html から解除をお願いいたします。アドレスの変更は、登録解除後、新しく配信 を希望するアドレスを登録してください。 ●アメリカ発 ソーシャルビジネス・ニュースー社会責任ビジネスで社会を 良くし、楽しく儲けるのバックナンバー ⇒ http://blog.mag2.com/m/log/0000090131/


