2009/10/18
【アメリカ発 ソーシャル・ビジネス】屋上農園の可能性
★★アメリカ発 ソーシャルビジネス・ニュース★★ ~社会責任ビジネスで社会を良くし、楽しく儲ける~ 第59号 2009年10月18日 ---------------------------------------------By ASU International LLC こんにちは、米国在住ASU Int’lの斎藤 槙です。私の住むカリフォルニア州 サンタモニカ市では、週4回ファーマーズ・マーケット(青空市場)が開かれ ます。そこでは近郊で採れた旬の野菜や果物が並べられ、活気に溢れています。 そんな環境に恵まれて有難いと思うと同時に、これらの新鮮な野菜はどんな環境 で作られているのだろうと思いを馳せることがあります。そんな時、友人の Joel Makower氏が書いた興味深い記事 (http://www.greenbiz.com/blog/2009/10/07/sky-vegetables-taking- green-roofs-new-heights) が目に止まりました。 彼は社会起業家を支援する組織のSVN(http://www.svn.org/)の主要メンバー であり、グリーン・マーケティングやサステナブルビジネスに造詣が深く、積極 的に社会に発信しています。(ちなみに社会起業やSVNに興味のある方は、最近、 私が翻訳した日経BPから出た「ソーシャルビジネス入門~「社会起業で稼ぐ」新 しい働き方のルール本」をご覧ください。 http://www.amazon.co.jp/dp/4822247538/) さて、この号は、屋上野菜についてです。どうぞお楽しみください。 ■■■今日のテーマ■■■ 屋上農園の可能性 ●休眠スペースを有効利用● これまでは、何も生まないスペースと考えられていたビルの屋上。ここがKeith Agoadaによって様々な利益をもたらす空間に変わろうとしています。彼の立ち 上げたSky Vegetables(http://www.skyvegetables.com/)という企業をご紹介し ます。 彼がウィスコンシン大学3年生のころでした。シカゴでコミュニティ・ガーデン を見た際、都会のビル群で野菜を育てられたらどんなに素晴らしいだろうと、と いうアイデアが浮かびました。そこで、大学においてビルの屋上で農業ができる か研究することにしたのです。その結果、ウィスコンシンの寒い冬でさえ、多く の種類の栽培が可能であることを確信しました。 それをビジネスプランにまとめ上げたところ、優れたビジネスプランに与えられ る賞を獲得することになり、メディア露出はもちろん投資家からの大きな関心を 得ることに。まもなくして、ビジネスパートナーが見つかり、投資家からのお金 も集まり、ボストンを拠点としたSky Vegetablesが誕生しました。 ●ビジネスモデル● 1 ビルの屋上スペースを賃貸する。 2 屋上を農地に作り変える。 3 その際、農業という確立した産業で既に実証済みの技術のみを使用し、屋上 農園に特化した技術を新たに開発しない。 4 一年中作物を育てられる温室などを設置する。 5 殺虫剤や除草剤などを使用しない。その代わり、ビルからゴミとして出され る紙や生ゴミなどを肥料として使用する。 6 収穫した作物を販売する。 この方法で最も効率的な農地面積は2万平方フィート(約1,800平方メートル) だそうです。彼らの生産方法がいかに高エネルギー効率であるかを、農業が主産 業であるカリフォルニア州を例に取って見てみましょう。 同じ面積で比べた場合、彼らが使用する水の量はカリフォルニア州のセントラル ・バレーでレタスを栽培する際に使用する水の量のわずか5%~10%程度だそ うです。カリフォルニア州のエネルギー使用量全体の五分の一が水関係に利用さ れ、水使用の8割が農業を目的にしていることを考えると、これは大きな節水と なることは言うまでもありません。 ●もたらされるインパクト● このビジネスによって少なくとも3つの領域において大きなインパクトを与え ることができます。 <コミュニティに対するインパクト> 1 住民はいつも新鮮野菜を食べることができる。 2 グリーン・ジョブ(環境に優しい職業)の創出が可能になる。 3 農産物の遠距離輸送がなくなるため、CO2排出を削減することに貢献できる。 などです。 <ビルオーナーに対するインパクト> 1 これまで収益を生まなかった屋上スペースから家賃を取ることができる。 2 屋上に緑を置くことで、ビルの熱効率が高まる。 3 米国のグリーンビルディングの評価プログラムである LEED(http://www.usgbc.org/DisplayPage.aspx?CMSPageID=1988)認定ビルとなる 可能性がある。 <地球環境に対するインパクト> 1 温室効果ガス排出を削減することができる。 2 防虫剤、除草剤などを使用しないことで、地球環境への配慮ができる。 ■■■今回の学び■■■ 実はこのビジネス、スタートしたばかりで収益や利益率などといった定量データ がまだ報告されていません。しかし、現在の無駄を、既存の技術を使って、効率 的に新しい価値に変えるという一連の流れと、関係者全員がWin-Winであるサス テナブルビジネスである点が注目に値します。また、「一見何も生み出さないよ うに見える場所やものに、ビジネスチャンスがある」という視点が大切だと改め て考えさせられます。 ■■■お知らせ■■■ ●今年7月に日経BPから翻訳本「ソーシャルビジネス入門」~「社会起業で稼 ぐ」新しい働き方のルール~を出版しました。本についてTable for Twoの木暮 真久さんと対談したので、よろしければご覧くださいね。 http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090917/182229/ ●アメリカ発 ソーシャル・ビジネス・ニュース編集部から 編集部では、皆様からのメッセージを受け付けています。記事に関するご意見、 ご感想などがありましたら、遠慮なくご連絡ください。アメリカ発 ソーシャル・ ビジネス・ニュースでは、アメリカからソーシャル・ビジネス(企業の社会的責任 -CSR、NPOの活動)や社会起業家の具体的事例をレポートし、そこからの 学びをまとめています。同テーマに関する投書は、本誌において、掲載対象に なります。皆様に関するニュースを是非、お知らせ下さい。 Email maki@asuinternational.com まで。 ●ASU International LLCについて 企業も社会もハッピーな結果を生むBusiness For Social Responsibility (社会責任を果たすビジネス)を目指し、ASU International社はお手伝い いたします。 ● ASU International LLCのホームページ www.asuinternational.com ●このメールマガジンの購読を中止したい場合は、まぐまぐ上の http://archive.mag2.com/0000090131/index.html から解除をお願いいたします。アドレスの変更は、登録解除後、新しく配信 を希望するアドレスを登録してください。 ●アメリカ発 ソーシャルビジネス・ニュースー社会責任ビジネスで社会を 良くし、楽しく儲けるのバックナンバー ⇒ http://blog.mag2.com/m/log/0000090131/


