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アメリカからソーシャルビジネス(企業の社会的責任ーCSR、NPOの活動)や社会起業家の具体的事例をレポートし、そこからの学びをまとめます。また、米国で子育てをする親の視点から、身近におきた環境に優しい出来事などについても紹介していきます。お楽しみに!

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2009/10/11

【アメリカ発 ソーシャル・ビジネス】ソーシャル・ビジネスのコラボレーション

★★アメリカ発 ソーシャルビジネス・ニュース★★
~社会責任ビジネスで社会を良くし、楽しく儲ける~

第58号 2009年10月11日

---------------------------------------------By ASU International LLC

こんにちは、米国在住ASU Int’lの斎藤 槙です。私の住むカリフォルニア州は、
財政悪化により昨年あたりから州・公立施設の予算が削減され続けています。公立
学校の経費もそのひとつです。娘が通う公立の幼稚園は、7つあったクラスが6つ
になり、1クラスの生徒数が20人から24人に増えました。しかし、私たちの住む
通り一本向こうは(!)、豪華な家が立ち並ぶ高所得者地域で、そのお陰で寄付金
などが他の公立学校より集めやすく、比較的設備が整っています。その恩恵を我々
は受けているわけです。

子どもたちにとって大事なものは先生と本。先生は予算削減のあおりで減少した
ために、父兄が交替で毎日「1日アシスタント先生」として大活躍しています。私
もお陰でクラスの現場を見ることができ、楽しませてもらっています。一方、本に
関しては潤沢にあり、子どもたちは読む本がなくて困るという状況には陥ってい
ません。しかし、世界の現状に目をむけてみると、途上国には本のない学校が信
じられないほど沢山あります。

今回は本のない子どもたちに本を届けるプロジェクトを実施している団体をご紹介
します。Room to Read(http://www.roomtoread.org/Page.aspx?pid=183)は日本
にも支部を持つ団体ですが、今日はその他の団体の活動を「コラボレーション」と
いう視点で見ていきます。どうぞお楽しみください。

■■■今日のテーマ■■■
ソーシャル・ビジネスのコラボレーション

●アフリカの子どもに本を提供するNPO●
貧困問題から脱する解決方法のひとつとして教育が挙げられます。そして、教育シ
ステムの中心に本があります。アフリカの子どもたちの本不足解消のために活動し
ているBooks For Africa(http://www.booksforafrica.org/)(以下BFA)という
NPOがアメリカのミネソタ州にあります。出版社、学校、図書館、個人や団体など
から本を寄付してもらい、集めた本をボランティアの人たちがテーマと対象年齢
ごとに整理した上で、アフリカの国々に発送しています。

本は海上輸送用のコンテナに載せて運びますが、そのコンテナの費用は本を寄付し
てくれる人や団体あるいは、その他の寄付者によって賄われています。BFAは1988年
の設立以来、2千万冊以上の本をアフリカの45カ国に寄贈してきました。

●何故アフリカか●
BFAの寄付先は何故アフリカなのでしょうか?アフリカには沢山の社会問題が未解
決のまま、そして多くは解決の目処がたたないまま、顕在化しています。戦争、経
済危機、貧困、栄養障害、高い文盲率などです。

アフリカでは学齢に達した子どもたちの40%が学校に通っていない、4千6百万人
の子どもたちは教室に足を踏み入れたことさえないというデータもあります。また、
教科書を持つ学校も、10人から20人の生徒で1冊の教科書をシェアしているとい
う現実もあります。BFAはその実態を改革するためにスタートしました。

●コラボレーションによりミッションの実現性を高める●
営利企業の多く、いえ、全ての営利企業はその他の企業と何らかのコラボレーショ
ンをしていると言っていいでしょう。専門性の高い別の企業に作業の一部を委託す
ることで、効率を上げ、より多くの利益を追求しています。非営利団体でも同様で
す。分業することで、ミッションの達成効率やインパクトを高め、助成金や寄付を
より効果的に使っています。

●BFAのコラボレーション●
BFA は、Visions in Action(http://www.visionsinaction.org/)(以下VIA)、
Better World Books(http://www.betterworldbooks.com/)(以下BWB)、USAID
(http://www.usaid.gov/)などとコラボレーションを最近、展開しています。

VIAは20年もの間アフリカの社会問題に取り組んできたNPOです。BWBは以前この
メルマガでもご紹介したことがありますが、オンラインで本の販売をするほか、不
要になった本を回収し、必要なところに届ける営利団体です。USAIDとは米国国際
開発庁のことで、発展途上国の経済的・社会的成長を助けるアメリカ政府機関です。

今回のコラボはBFAが本を集めて分類・梱包を担当、VIAが本を満載しアフリカに
運ぶ7つのコンテナを手配し、その一連のコストをBWBとUSAIDが負担しています。
実はBWBはBFAにとって最大の寄贈者であり、本の販売で得た売上げの一部がBFA
に寄付されるパートナーシップを結んでいます。

このように、本の寄贈という例をとっても、(回収)→(整理)→(梱包)→
(運搬)→(配送)という流れがあり、一連の作業を複数の団体が役割分担をし
て、それぞれの専門性を発揮するという裏舞台があるのです。

■■■今回の学び■■■
考えてみればソーシャルミッションに国境はありません。社会問題はますますグ
ローバルになる中、グローバルビジネスがある1社だけで完結できないように、社
会問題の解決もあるひとつの団体だけでは解決できない、と考えるほうが普通です。
そうであれば、NPO同士、NPOと営利団体、そして政府機関とのコラボレーション
という形態は当然の帰結と言ってよいのかもしれません。その時必要となってくる
のが、コミュニケーション能力とプロジェクト遂行能力というのは言うまでもない
ことですが、この点においては、営利と非営利、何の違いもなさそうです。


■■■お知らせ■■■ 
●今年7月に日経BPから翻訳本「ソーシャルビジネス入門」~「社会起業で稼
ぐ」新しい働き方のルール~を出版しました。本についてTable for Twoの木暮
真久さんと対談したので、よろしければご覧くださいね。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090917/182229/

●アメリカ発 ソーシャル・ビジネス・ニュース編集部から                       
編集部では、皆様からのメッセージを受け付けています。記事に関するご意見、
ご感想などがありましたら、遠慮なくご連絡ください。アメリカ発 ソーシャル・
ビジネス・ニュースでは、アメリカからソーシャル・ビジネス(企業の社会的責任
-CSR、NPOの活動)や社会起業家の具体的事例をレポートし、そこからの
学びをまとめています。同テーマに関する投書は、本誌において、掲載対象に
なります。皆様に関するニュースを是非、お知らせ下さい。 
Email maki@asuinternational.com まで。

●ASU International LLCについて
企業も社会もハッピーな結果を生むBusiness For Social Responsibility
(社会責任を果たすビジネス)を目指し、ASU International社はお手伝い
いたします。

● ASU International LLCのホームページ www.asuinternational.com

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