2009/10/04
【アメリカ発 ソーシャル・ビジネス】ソーシャル・ビジネスの効果測定
★★アメリカ発 ソーシャルビジネス・ニュース★★ ~社会責任ビジネスで社会を良くし、楽しく設ける~ 第57号 2009年10月4日 -----------------------------------------By ASU International LLC NYダウや日経平均株価がこのところ続落しています。アメリカでは、オバマ 大統領の政策の目玉であるグリーン・ニューディールが功を奏して景気回復に 結びつくのを国民全員が期待している、その期待感がひしひしと感じられる 今日この頃です。ところで、景気が悪くなるとどんなビジネスも、投資効果の 測定に関して今まで以上にシビアになってきます。ソーシャルビジネスでも もちろん同じことが言えます。そんな中で、設立当初から効果測定という視点 をしっかりもって運営しているソーシャルビジネスがあります。One Acre Fund (ワンエーカー・ファンド)(http://www.oneacrefund.org/#)がそれです。 ソーシャルビジネスに関する名だたる賞を獲得しているので、ご存知の方も多 いかと思いますが、改めてご紹介します。どうぞお楽しみ下さい。 ■■■今日のテーマ■■■ ソーシャルビジネスの効果測定 ●資本主義のもとでのソーシャルビジネス● 資本主義の原理では営利企業のモノサシは、利益率とリスクと言われています。 リスクを伴う投資行動の中で、どうリスクを最小にしながら、利益率を最大化 するか、というのが課題です。データや知見をもとに、投資をするかしないか、 投資額をいくらにするかを決めていきます。営利ビジネスの基本的考え方はここ にあります。 実は当然のことながらソーシャルビジネスにも投資効果の考え方はあります。 SROI(Social Return on Investment)などと言われるものがそのひとつです。 今日ご紹介するOne Acre Fundは設立当初から独自の視点で効果の考え方を 取り入れたNPOです。 ●One Acre Fund● まずは、沿革を簡単にご紹介します。きっかけは、ケロッグ経営大学院 (http://www.kellogg.northwestern.edu/)のAndrew Younがアフリカで 経験したサマーインターンです。彼が直面したのは、恒常的な貧困と飢餓と いう問題を抱えた東アフリカの農家の実態でした。 市場原理を導入し、救済ターゲットを特定し、そこに近代的な農業技術の提供 と効果測定方法を取り入れることで、問題解決できるのではないかと考えたの です。単に対処療法的な物資の援助でなく、技術やノウハウなどを教えることに よって、最終的に自立できるシステムを構築するのが目的です。そして、2006 年にケニアにおいて、女性の自助グループを通じて38の農家支援をスタート しました。 ●価値観● ソーシャルビジネスにとって最も重要であるのは価値観です。彼らの持つ価値 観は以下に要約できます。 1 単に物資などを援助しない。 2 極貧からの脱却に、効果のある現実的なソリューションを提供する。 3 夢を大きく持つ。 4 寄付する人・団体と子供たちに対して100%の説明責任を果たす。 ●具体的プログラム● プログラム策定には市場原理を導入しています。つまり、極貧農家の人たちを 農家単位で個別に捉えるのではなく、彼らを束ねてグループにすることで、市場 の中で存在感を持たせる原理です。その取り組みを詳しくみていきましょう。 1 個別農家を束ねて大きなグループ化すること。これにより経済的な力を持 たせる。 2 農家の人たちの教育。最新の農業技術を誰もが理解でき、実践できる方法に 落とし込み伝達・教育していく。 3 環境に優しい農業用具と肥料を使うこと。これまでの原始的なやり方で効率 の極めて低かった方法にメスを入れる。 4 収穫とマーケットをリンクさせる。One Acre Fundがバルクで買い上げ仲介 役を果たす。それにより安定した供給を市場に対して約束し、高値で取引できる ようにする。これによって得た現金は新たな投資サイクルとして循環させる。 5 収穫高保険の設定。ノウハウや用具があっても天候に左右されるのが農業。 干ばつなどによって被害がでた際にもOne Acre Fundが間に入ることによって 農家が受け取れる金額を保証する。 ● 測定方法● One Acre Fundは活動のモニターと効果測定のためだけに採用している7人の フルタイムスタッフがいます。援助の対象となる農家の規模の把握、また、現状 と目標数値の比較データを作成します。内容としては、1 規模という視点で、 対象となる農家の作業人数の総数や対象地域の数。2 インパクトという視点 では、農家の収入の伸びの前年比と貧困と飢餓によって死亡する子供の数。 3 経済的持続可能性という視点では、農地の費用に対する収入の割合などです。 ■■■今回の学び■■■ ソーシャルビジネスの作業プロセスは一般的に3つのステップで構成されます。 解決すべき問題発見のステップ(Challenge)、解決のための戦略構築の ステップ(Strategy)、そして実行によってもたらされる効果のステップ(Impact) です。活動をどの程度のエネルギーと費用をかけて行うのがベストであるかを決定 するわけです。営利企業に比べて、効果測定のステップ(Impact)がいまひとつ のところが多かったNPOの中でこのOne Acre Fundの方法は秀逸です。効果測定 方法が明確で適正であれば、援助や投資を行う団体が増え、その結果また大きな 効果が出るという良いサイクルが生まれてくるのです。 ■■■お知らせ■■■ ●早稲田大学の社会起業サークル(WISE)からのお知らせです。以下がサイト。 http://wasedawise.org/ この団体は自ら社会をより良くするための実践者たる、“ソーシャルアントレ プレナーシップ”を持ち行動する若者を増やすため、及び後押しするための プラットフォームの場を提供することを主として今夏設立されました。 社会起業家に関する、各種イベント、メディア発信(メルマガ、ブログ、 Twitter等)、交流会、各種インターン紹介等を通して、ソーシャルアントレ プレナーシップを早稲田大学を発信地とし、根付かせていくことを目的とし ています。 WISE企画第一弾!10月6日イベント詳細: 【テーマ】「20円で世界をつなぐ」社会起業家 木暮さん×「世界一受け たい授業」プロデューサー 福士さんの対談 【日時】講演会 10月6日 17:00-19:30(16:30受付開始) 懇親会 20:00~(高田馬場にて) 【場所】早稲田大学 小野記念講堂 (東西線「早稲田駅」より徒歩5分 早稲田大学南門斜め向かいサンクスと なりの早稲田大学法科大学院地下1階) アクセスマップ:http://www.waseda.jp/jp/culture/map.html 【参加者資格】学生 【参加方法】WISEウェブサイト(http://wasedawise.org/) 下部に申し込みフォームがありますので、そちらからお申し込みください。 ●斎藤槙の著書は以下から見れます!最新のは「ソーシャルビジネス入門」 ~「社会起業で稼ぐ」新しい働き方のルール(日経BP)。 http://www.amazon.co.jp/s?ie=UTF8&rh=i%3Astripbooks%2Cp_27%3A%E6%96%8 E%E8%97%A4%20%E6%A7%99&field-author=%E6%96%8E%E8%97%A4%20%E6%A7%99&page=1 ●アメリカ発 ソーシャル・ビジネス・ニュース編集部から 編集部では、皆様からのメッセージを受け付けています。記事に関するご意見、 ご感想などがありましたら、遠慮なくご連絡ください。アメリカ発 ソーシャル・ ビジネス・ニュースでは、アメリカからソーシャル・ビジネス(企業の社会的責任 -CSR、NPOの活動)や社会起業家の具体的事例をレポートし、そこからの 学びをまとめています。同テーマに関する投書は、本誌において、掲載対象に なります。皆様に関するニュースを是非、お知らせ下さい。 Email maki@asuinternational.com まで。 ●ASU International LLCについて 企業も社会もハッピーな結果を生むBusiness For Social Responsibility (社会責任を果たすビジネス)を目指し、ASU International社はお手伝い いたします。 ● ASU International LLCのホームページ www.asuinternational.com ●このメールマガジンの購読を中止したい場合は、まぐまぐ上の http://archive.mag2.com/0000090131/index.html から解除をお願いいたします。アドレスの変更は、登録解除後、新しく配信 を希望するアドレスを登録してください。 ●アメリカ発 ソーシャルビジネス・ニュースー社会責任ビジネスで社会を 良くし、楽しく儲けるのバックナンバー ⇒ http://blog.mag2.com/m/log/0000090131/


