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アメリカからソーシャルビジネス(企業の社会的責任ーCSR、NPOの活動)や社会起業家の具体的事例をレポートし、そこからの学びをまとめます。また、米国で子育てをする親の視点から、身近におきた環境に優しい出来事などについても紹介していきます。お楽しみに!

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2009/09/13

【アメリカ発ソーシャル・ビジネス】ビジネス拡大のティッピング・ポイント

★★アメリカ発 ソーシャルビジネス・ニュース★★
~社会責任ビジネスで社会を良くし、楽しく儲ける~

第54号 2009年9月13日

---------------------------------------------By ASU International LLC

こんにちは、米国在住ASU Int’lの斎藤 槙です。4歳になる娘はうんていが
大好き。公園に行くと真っ先にうんていに飛んでいき、手にまめができるほど
やり続けます。うんていのことを英語でMonkey Barと言いますが、娘はまさに、
木にぶら下がった猿のような状況。実はこういった子供の公園は、ないと困る
ものです。今日は子供の公園建設に取組んでいるNPOの戦略的活動をご紹介し
ます。どうぞお楽しみください。

■■■今日のテーマ■■■
ソーシャルビジネス拡大のティッピング・ポイント

●身近に起きた事故から問題が顕在化●
KaBOOM!(カブーン)(http://kaboom.org/)というNPOがワシントンDCに設立
されたのは1996年のことでした。設立のきっかけとなったのは、前年の1995年、
当時24歳だったデリル・ハモンドがある記事を新聞で読んだことでした。そこ
には、近所の子供2人が、廃棄された自動車の中で遊んでいて、窒息死してしま
ったことが書かれていました。安全に遊べる公園が近くになかったために、こん
なことになってしまったのです。その記事を読んだデリルは友人のドーン・ハッ
チンソンと一緒に、安全な公園作りに向けて行動することを決意しました。

二人は、建材量販店のHome Depot(http://corporate.homedepot.com/wps/portal/?)
と災害などで被害を受けた家の修復サービスなどを行うMinkoff  Company 
(http://www.minkoff.com/)から資金援助を受け、500人以上のボランティア
を募り、ワシントンDCの南東の町に公園を作りました。

●NPO法人格へ●
その後、Home DepotとKimberly-Clarkの本格的な協力を得て、KaBOOM!という
NPO法人を立ち上げました。Kimberly-Clarkは創業125周年を記念してKaBOOM!
の最初の資金援助のパートナーになりました。

このできたてほやほやのNPOが話題になるにしたがって、次々と協力者が集まっ
てきました。なんと当時副大統領であったアル・ゴア氏や米軍統合参謀本部議長
だったコリン・パウエル氏などまでが、1997年に支援を表明。2000年までに
1000ヶ所の公園を建設または修理や技術支援をしました。

●活動範囲の拡大●
設立当初のKaBOOM!のテーマは幼稚園、小学生の児童を対象にした公園作りでした。
ところが、2003年になると、もう少し大きな子供たちを対象としたスケート・ボー
ドやBMXバイクのための安全な場所の必要性を感じ始め、ESKAL8という名前で
スケートパークも作るようになりました。さらにそれがアイススケート、陸上
競技用運動場と拡大し、KaBOOM!の活動範囲は大きく広がっています。

●直面する事業課題●
これまでKaBOOM!は「全米の全ての子供たちが歩いていける場所に、安全な公園
を作る」というコンセプトのもと、順調に公園の数を増やしていきました。しか
し、この大きな目標を実現するためには、公園の数がまだまだ足りないという
現実に直面。問題はそれをどうやって増やすかです。これまでと同様に協力者を
募り支部を増やし、他のNPOと連携しながら、ひとつひとつ公園を増やしていく
「足し算の方法」では、増え方に限界があると感じるようになったのです。

●ティッピング・ポイント●
そこで彼らは、自分たちの持つ知識や経験をまとめ、プログラム化しました。
さらに、University of Playと呼ばれるこのプログラムをオンライン化して、
誰もが公園作りのノウハウを短時間で習得できるようにしました。まさに、フラ
ンチャイズの事業展開の考え方です。これがティッピング・ポイントとなりま
した。

2005年にはKaBOOM!とHome Depotはパートナーシップ契約を発表。これにより
1000日間で、1000ヶ所の公園の新規建設あるいは修復のために2,500万ドルと
いうこれまでにない金額を使う約束を取り付けるのに成功しました。このよう
な数値目標の設定も、フランチャイズの店舗拡大の考え方をもとにしています。

その後、ハリケーン・カトリーナやリタで被害を受けた地域の子供たちのため
に、100ヵ所の公園の建設や修復のためのプログラムを立ち上げました。当時の
ファースト・レディのローラ・ブッシュ大統領夫人もプログラムをサポート。
今日では、KaBOOM!は全米でもっとも成功している社会起業のひとつとして認識
されるまでに発展しました。

●ビジョンの具現化のためのアプローチ●
彼らのビジョンはアメリカの全ての子供たちの歩いて行ける距離に公園を作る
こと。そして、ただ公園を作るだけではなく、コミュニティが一体となってプロ
ジェクトを進めること、この二つを目指しています。

そして、その方法論としては、1解決すべき問題の整理、2良い方向へ変革を起
すために使えるものの洗い出し、3効果を最大化するための戦略立案と行動、と
いうステップを取りました。

■■■今回の学び■■■
ソーシャルビジネスも通常のビジネスも成長戦略の基本的な考え方は同じ。問題
を整理し、解決のため使える経営資源は何かを見極め、戦略を立て実行するこ
とです。しかし、これを足し算の成長ではなく、等比級数的な成長とするため
には、どこかで起爆剤が必要となります。これがティッピング・ポイントとなる
わけです。しかし、このティッピング・ポイント、後になってからでないと分か
らないことが多いもの。

つまり、これを見つけるためには、常にアンテナを高くして既存のビジネスモ
デルを適用できないか、他の業界、NPOなどで成功している方法を応用できない
か、あるいは、あえて従来の方法では達成不可能な高い目標を設定して、その
達成方法を考えるなど、「これまでの視線をずらしてものを考えること」が
必要なのかもしれません。

■■■お知らせ■■■ 
●アメリカ発 ソーシャル・ビジネス・ニュース編集部から                       
編集部では、皆様からのメッセージを受け付けています。記事に関するご意見、
ご感想などがありましたら、遠慮なくご連絡ください。アメリカ発 ソーシャル・
ビジネス・ニュースでは、アメリカからソーシャル・ビジネス(企業の社会的責任
-CSR、NPOの活動)や社会起業家の具体的事例をレポートし、そこからの
学びをまとめています。同テーマに関する投書は、本誌において、掲載対象に
なります。皆様に関するニュースを是非、お知らせ下さい。 
Email maki@asuinternational.com まで。

●ASU International LLCについて
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(社会責任を果たすビジネス)を目指し、ASU International社はお手伝い
いたします。

● ASU International LLCのホームページ www.asuinternational.com

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