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アメリカからソーシャルビジネス(企業の社会的責任ーCSR、NPOの活動)や社会起業家の具体的事例をレポートし、そこからの学びをまとめます。また、米国で子育てをする親の視点から、身近におきた環境に優しい出来事などについても紹介していきます。お楽しみに!

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2009/08/16

【アメリカ発 ソーシャル・ビジネス】衣料メーカーGAP

===アメリカ発 ソーシャル・ビジネス・ニュース
社会責任ビジネスで社会を良くし、楽しく儲ける
                     第51号 2009年8月23日===

------------------------------------------------By ASU International

■■■今日のテーマ■■■
衣料メーカーGAPにみる戦略的CSR

●プロダクトRED●
私の住むカリフォルニア州サンタモニカ市には、いくつものGAPの店舗が
あります。家から一番近い店舗では今、ソーシャルマーケティングの一貫で、
社会貢献を通じた販促活動として、赤のTシャツなどの商品を販売し、その
売上をエイズ撲滅基金に寄付するプロダクトREDのキャンペーンを展開して
います。

プロダクトREDのポスターや商品はウィンドーに展示してあり、CSRの活動に
積極的であることは通りすがりの車窓からも一目瞭然です。また、CSRや
ソーシャルビジネス関連のイベントには必ずと言っていいほどGAPの方の
存在があります。

私の娘も子供服でお世話になっており(米国でGAPは、日本のユニクロ的
存在!)、そういう意味で私にとって、公私ともに関係の深い企業です。
また、バナナ・リパブリック、オールド・ネイビーなどのブランドを同じ
会社でありながら、戦略的にうまく切り分けているマーケティング上手な
会社でもあります。

●自分たちは知らないことを認める●
サンフランシスコを本社とするGAPは、過去5年間でカーボン・フット
プリントを20%削減したと最近、発表しました。このカーボン・フット
プリント20%削減の背景にどれだけのコミットメントと努力があったのか、
少し触れてみたいと思います。

フォーチュン誌が毎年発表する「最も賞賛される企業」の2009年版
のSpecialty Retailer部門第5位。その内訳を見てみると社会
責任(social responsibility)単独の点数は部門内で2位という優秀な
成績。因みに、部門総合1位はディスカウント・スーパーのコストコで、
部門内の社会責任のポイントが一番高いのが部門内総合順位4位のホーム・
デポです。GAPの社会責任に関する取り組みは、サプライ・チェーン、
環境、従業員、コミュニティ投資の4つの分野に分けて、体系的に行なわ
れており、社会責任優良企業だといえます。

今回はその環境分野について注目します。まず地球環境に関する問題は、
GAPに勤める全員が自分のこととして捉えるべき問題で、かつサプライヤー
を含めた生産工程においても、真剣に、しかも、今すぐ取り組まねばならな
い緊急課題だとしています。

そしてビジネスを行うにあたって、どれだけ環境負荷という足跡を残した
か(つまりフットプリントのこと)については、まず「自分たちは知ら
ないことを認める」ことからスタートしたと表明しています。

●アセスメントの開始●
GAPは2008年にフットプリントの評価、査定(アセスメント)を開始しま
した。つまり、これまでにどれだけ地球を汚してきたかということを調べ、
環境に対する今後の長期的な目標を設定するための情報分析を行っています。

さらにサプライ・チェーンを調査して、取り組むべき課題を2つのフェーズ
に分けました。第1フェーズでは、領域と設備についてフォーカスします。
これには、11つの本部ビル、5つのデザインスタジオ、7つの配送セン
ターと北米にある2,800以上の店舗が含まれます。言ってみれば、自分たち
でコントロール可能な分野であり、変化をもたらすのが比較的楽なエリアと
なります。この分野でのアセスメントは2009年中に終了することを予定して
おり、内容的にはエネルギーと水をどれだけ使用し、廃棄物をどれだけ出し
たかについて調べていきます。

続く第2フェーズは、サプライ・チェーンをさらに深堀していく予定。自社
の直接の影響を受けにくい部分ですが、うまく改善されれば大きなインパ
クトを生む可能性のある分野です。これを2010年初頭からスタートするこ
とを目論んでいます。

当然、GAPが取り組む社会責任の4つのテーマ(サプライ・チェーン、環境、
従業員、コミュニティ投資)はそれぞれが独立して存在しているわけでは
ないので、このアセスメントを実施していく過程で、環境以外のテーマと
リンクしていくことになることが前提となります。

●目標達成に向けて包括的に取り組む●
効果を最大化するために計画的にかつ包括的に取り組んでいるのもGAPの
特徴です。アセスメント以外の取り組みとしては、環境を全社的プロジェ
クトとすること、草の根活動も積極的に行うこと、さらには外部団体や
プロジェクトへの積極的参画などです。

全社を巻き込む活動については、社内に環境委員会を設置しました。委員会
のメンバーはGAPというブランドの枠を超え、バナナ・リパブリック、
オールド・ネイビーといったブランドからも参加、職階は上級管理職と
マネージャーで構成され、職種については、それこそ配送部門、不動産
部門、マーケティング部門、デザイン部門とほとんど全ての部門にわたる
全社横断プロジェクトとなっています。

草の根活動については、社員のブログからアース・デー・イベントへの参加
まで、地球環境改善に関するものであればあらゆるものへの積極的参加を促
しています。

外部団体との協働についての代表的なものとして、CERESがリーダーシップ
を取っているBusiness for Innovative Climate and Energy Policyとの
パートナーシップが挙げられます。これにより、気候変動に関する規制を
立法化するロビー活動を支援しています。

このように社会責任(特に今回は環境に関してですが)に対するGAPの
取り組みは、将来を見据えた計画性と包括性がポイントになっていると
言えます。環境以外の取り組みについても非常に興味深いものがありま
すので、是非また別の機会にレポートしたいと思います。

■■■今回の学び■■■
個人も企業も何かをスタートする際、「知らないということを認める」と
いうゼロベースで考えるというのは、実は以外と難しいことです。ある
程度のことは、知っていると思いがちだからです。しかし、その知って
いるというのが誤解だとすると、それをベースに物事を始めたらとんでも
ないことになってしまいます。PDCAサイクルというフレームワークについ
てはご存知の方が多いと思います。Plan(計画)、Do(実行)、Check (検証)、
Action(改善)ですが、実はPlanの前にゼロベース化のステップが必要なの
かもしれませんね。

■■■お知らせ■■■
●アメリカ発 ソーシャル・ビジネス・ニュース編集部から                       
編集部では、皆様からのメッセージを受け付けています。記事に関するご意見、
ご感想などがありましたら、遠慮なくご連絡ください。アメリカ発 ソーシャル・
ビジネス・ニュースでは、アメリカからソーシャルビジネス(企業の社会的責任
ーCSR、NPOの活動)や社会起業家の具体的事例をレポートし、そこからの
学びをまとめています。同テーマに関する投書は、本誌において、掲載対象に
なります。皆様に関するニュースを是非、お知らせ下さい。 Email maki@asuinternational.com まで。

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