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2009/08/16

【アメリカ発 ソーシャル・ビジネス】ウォルマート

===アメリカ発 ソーシャル・ビジネス・ニュース
社会責任ビジネスで社会を良くし、楽しく儲ける
第50号 2009年8月16日===

------------------------------------------------By ASU International

こんにちは、米国在住ASU  Int’lの斎藤 槙です。先日、ウォルマートから
「サステナブル商品インデックス」開発に関する発表がありました。同社は、
以前、低賃金などの労働環境の悪さから“非人道的な企業”などといわれたこと
がありましたが、最近では、環境経営のリーダーといわれるほどにまで変革を
遂げました。昨今では、無農薬商品(食品、衣料)にも力を入れています。(今、
娘のパジャマはウォルマートのオーガニックコットン製。寝心地がよさそうです!)
今日は、この発表と流通関係者の反応についてレポートします。どうぞお楽しみ
下さい。

■■■今日のテーマ■■■
ウォルマートの新しい挑戦

●「サステナブル商品インデックス」●
2009年7月16日、ウォルマートの本社において世界規模での「サステナブル商品
インデックス」の開発方針が発表されました。これは、ウォルマートで販売する全
ての商品のサステナビリティを計測しようという壮大な計画です。開発は今後3つ
の段階に分けて進められる予定です。

第一段階としては、世界で同社と取引のある10万社のサプライヤーを対象とした
調査。この調査は「エネルギーと気候変動」「素材効率」「天然資源」「人と地域
社会」という4つの分野にわたる15の質問から構成されています。

第二段階は、原材料から廃棄まで、商品のライフサイクルに関するデータベースを
作成することを目的とし自社も参加するサステナブル・コンソーシアムをサポート
していくことです。因みに、このサステナブル・コンソーシアムとは、アリゾナ
州立大学、アーカンソー大学及びNGO、政府機関のリサーチャーによって構成され
ている団体で、ウォルマートも企業パートナーとして参加しています。消費財を
中心とした商品のサステナビリティの基準を科学的なアプローチをもとに設定し
ていくことを目的としたものです。そして、第三段階は商品ごとのサステナビリ
ティに関する情報を、分かりやすい形に数値化することです。

私が注目したのは、10万社という膨大な調査対象企業の数だけではなく、この活動
を業績に左右されることなく常に最優先課題として取り組んでいくという姿勢です。
この100年に一度と言われる経済危機の中で、CSR活動をやめてしまったり、限定
的になってしまった企業がある中、業績に関わらず最優先課題にするとは企業経営者
としては大きなチャレンジであり、強いコミットメントです。

企業の社会責任活動において、最も重要なもののひとつはコミットメント。単に
「そういう時代だから」とか「他社もやっているから」という消極的理由ではなく、
「誰が何と言おうと、地球およびその未来のために正しいことだからやる」という
明確で積極的な約束が、ステークホルダー(利害関係者)の信頼獲得につながります。

●影響力●
ウォルマート・ストアーズ・インク、いわゆるウォルマートは世界15カ国で店舗
展開をしており、2009会計年度の売上高は約4,010億ドル。フォーチュン誌が毎年
発表する「最も賞賛される企業」の2009年度小売業部門で1位になっています。
この売上高、国のGDPと比較してみるとその大きさにびっくりします。2009年4月
にIMFから発表された世界のGDPランキングを見てみると、ウォルマートの4,010億
ドルは、25位のオーストリア(約4,153億ドル)と26位の台湾(3,925億ドル)
の間に入ります。

つまり、台湾をはじめそれ以下に続くギリシャ、イラン、デンマーク、アルゼンチン
などの国が、1年間に国内で新たに生産したモノやサービスの付加価値の合計額より
大きな売上げがウォルマートにあるということなのです。企業と国家の経済力が同じ
レベルになった今、ウォルマートの影響力はとてつもなく大きいといえます。

●批判●
一方、試みの素晴らしさを賞賛する意見もあれば、批判的な意見もあります。特に
聞こえてくるのは、サプライヤーに対する15の質問の中に労働環境に関する質問
項目、例えば賃金、健康保険などの質問がないことです。ウォルマートは地元資本
の小規模スーパーしかない中小規模の都市に進出し、安売りを武器に、もともと
あった地元スーパーを次々に倒産に追い込んだり、労働条件の悪さ、労働組合への
圧力の強さなどに関して批判が相次いだ時期がありました。その後、随分と改善
されたと言われていますが、今回の発表に対する批判的な意見は、そのことのイメ
ージを引きずっているものかもしれません。

●企業の挑戦●
この発表の際、ウォルマートは、インデックスを開発することが目的ではない、
データベースを構築・分析できるようになることを目指している、とコメントし
ています。それによって、商品や生産・流通プロセスの環境配慮度がより改善さ
れていくことを期待していると締めくくっています。これは明らかに社会責任に
関する取り組みの大小に関わらず、多くの企業にとって刺激的な発表であったと
思います。

■■■今回の学び■■■
社会が変わる過程には、さまざまは要素があります。政治、制度、生活者の力、
外圧など。企業が社会を変えていく影響力が大きくなっていると言われて久しい
ですが、今回のウォルマートの発表はまさに企業のひとつの大きな挑戦だと思い
ます。社会を良くするための挑戦。そして、企業経営者にとって忘れてはならない
ことは、こうした試みをする企業が注目されることによって企業評価が二分される
という事実です。収益追求と共に社会全体を良くしようと努力する企業か、そうで
ない企業かという評価です。


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-CSR、NPOの活動)や社会起業家の具体的事例をレポートし、そこからの
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