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アメリカからソーシャルビジネス(企業の社会的責任ーCSR、NPOの活動)や社会起業家の具体的事例をレポートし、そこからの学びをまとめます。また、米国で子育てをする親の視点から、身近におきた環境に優しい出来事などについても紹介していきます。お楽しみに!

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2007/08/10

米国の社会責任投資(SRI)事情

===アメリカ発 企業の社会責任ニュース 第41号 2007年8月===

―――――――――――――――――――――――By ASU International

大変ご無沙汰していますが、皆様はお元気でいらっしゃいますか?
米国の社会責任投資(SRI)事情について最近思うことをまとめましたので
お読みください!

●支離滅裂なアメリカ?!?

全世界の二酸化炭素排出量の4分の1がアメリカによる、と言われながら、京都
議定書にそっぽを向くアメリカ。一方、元副大統領のアル・ゴア氏による地球温
暖化の危機を説いた映画「不都合な真実」を生んだのもアメリカ。日本からアメ
リカを見ると理解不能・・という反応をする人が多いが、こうした事実は、良く
も悪くもアメリカのCSRを盛り上げ、その結果社会責任投資(SRI)活動を活発に
している要因となっている。というのも、環境NPOはブッシュ政権のあり方に疑問
を抱き、より積極的に反対運動を展開し、同時に企業に対してもCSRへの取り組み
を求めるようになっている。

また「社会起業家」たちは、環境や社会にやさしいユニークなビジネスアイデアで
次々と起業しているからだ。その一例がスティーブ・ケイス氏である。ケイス氏は
アメリカ・オンライン(AOL)設立者として知られているが、最近レボリューション
という新会社を立上げ、エコロジーをテーマに社会提言を開始している。また、マ
イクロソフトのビル・ゲイツ会長がマイクロソフトの仕事をパートタイムにし、ビル
&メリンダ・ゲイツ財団の仕事を本業にすると表明したこともCSR業界はもとより、
ビジネス界全体をあっと言わせた話である。

●大企業の考えるCSR

では、最近の大企業はどうCSRを捉えているのだろうか?2006年度にSocial 
Investment Research Analysts Network(SIRAN)が行ったCSR報告書に関する調査
結果があるので紹介する。非常に興味深いのは、大企業における社会・環境・ガバナ
ンス面の情報開示が、飛躍的に進んだのは、実はここ最近のことであるということだ。

・ S&P100インデックス企業の4分の3以上(79社)が、自社サイト内で社会・環境
方針やパフォーマンスを公開している。2005年は59社なので、34%も増加したこと
になる。
・ シスコ・システム、GE、タイムワーナー、ウェルズファーゴなどのワールドワイ
ドに活動する米国企業が初めてCSR報告書を発行したのは、2005年のことである。
・ S&P100インデックス企業の約3分の1(34社)が、Global Reporting 
Initiative(GRI)の基準にのっとった報告書を作成している。2005年には25社で
あった。
・ S&P100インデックス企業のうち43社が、CSR報告書を発行している。2005年の発行
企業は39社であった。

今やCSRに関する情報開示は多くの米国企業、特に大企業にとって「常識」となって
いることは周知の事実である。しかし、実はこうした動きは特に最近目立って活発に
なってきたのだ。その背景には何があるのだろうか?そしてそれがどうSRI市場に
影響しているのだろうか。

●米国のSRI市場

まず、SRIのベースとなる企業側のCRSの動きについて述べる。多数の米国企業が特に
ここ最近CSRを重要視するようになったのは上述の通りである。理由として第一に挙
げられるのがアカウンタビリティ(説明責任)である。アカウンタビリティを果たす
ことがステークホルダーとの良好な関係を形成していく上で、不可欠であると理解さ
れるようになったのだ。ボイコットや不買運動などが日常茶飯事に行われるアメリカ
において、企業の行動次第で痛い目にあったり、逆に、好意的に受け止められたりも
することを企業側が学習したのだ。高い授業料を支払った企業も少なくはない。その
結果、アカウンタビリティがいかに重要であり、必須であるかが分かってきたわけだ。

第二に、企業内の各レベルでの認識の変化である。昨今の環境問題の深刻化、NPOの
活躍、社会起業家の台頭、また、それを受けて環境・CSR特集を組むメディアの影響
で「企業の発展において、環境問題や社会問題などに取り組むことは当然だ」と、
担当者から経営者に至るまで企業側の全レベルで考えるようになっている。CSRは経
営課題そのものであり、事業活動を通じてCSRを果たす、「責任ある企業経営」の
実践が問われているのだ。

●社会責任投資信託は社会の鏡

SRIが活発になっている背景には、こうした企業のCSR化の動きがあることは明らか
である。そして、特に注目に値するSRI事例があるのでここに特筆する。例えば、
「社会責任ミューチュアル・ファンド」と呼ばれる投資信託である。これは信託投
資会社などが販売している金融商品の総称であるが、投資先が多岐に亘っているの
が特徴である。アルコールやギャンブル、武器メーカーなど、「罪の株」と言われ
る企業への投資を避けることは勿論のこと、積極投資する分野としては環境保全、
人権擁護、動物愛護、地域貢献などに熱心な企業に投資する商品まで、と実に選
択肢が広い。平等雇用をうたった企業にだけ投資する商品のなかには、同性愛者
を差別してはならないという方針を社内規則として明確に打ち出した企業を集めた
「ゲイ・ファンド」というものまであるというから驚きである。

社会投資フォーラム(後述)の発表した報告書によると、二〇〇五年時点で米国に
はSRIの運用資産が2兆2900億ドルある。これは、米国での投資運用資産全体の9.4%、
つまりおよそ10ドルに1ドルが社会や環境にやさしい企業に投資されていることを
意味している。米国には社会責任投資信託は201商品あり、運用総額は1790億ドル
に上っている。

こうした社会責任投資のメジャー化が進むにつれ、企業はその善し悪しに目を光ら
す社会責任投資家たちの動向を意識するようになる。そして企業が社会に対してさ
らに善い取組みを行うと、社会責任投資がより積極化する、と良いスパイラルが形
成されてきているのが、ここ数年のSRIの傾向と言える。そして、このスパイラル
に火をつけたのが、先の「不都合な真実」であり、反「京都議定書」に対するアン
チ・ブッシュの世論の動きなのである。

●社会責任投資を推進するNPO

ところで、アメリカには、社会責任投資を盛り上げる中心的な役割を担っている
NPOがある。社会投資フォーラムがそれだ。この団体は、コープ・アメリカという
消費者運動をサポートするNPOと表裏一体の連携をとっている。というのも、コー
プ・アメリカの代表であるアリサ・グラビッツ氏が社会投資フォーラムの副会長で
もあり、運動を精力的に引っ張っているからである。

グラビッツ氏は、消費者や投資家が個人の持てる力を使うことによって、企業を
変えることができ、それが結果として社会改革に繋がると信じている人だ。彼女は
以下の3つの呼びかけを行っている。

1 「No」と「Yes」のパワーを理解する。「No」や「Yes」は一つ一つで見ると、
単なる意思表示であるが、それが集まればパワーになり、企業の意志決定にさえ影
響する。破壊的なもの、人の苦しみにつながるもの、人を搾取するものに対しては、「No」の立場をはっきり表明し、反対の声を送る。逆に、社会をよくする行動を実
践している企業、持続可能な未来を作ろうとしている企業には、「Yes」のメッセ
ージを送り、商品やサービスを購入することで応援する。

2  個人でできることと、みんなと繋がることで達成できることの違いとその力を
理解する。例えば、社会にやさしい企業に投資するのは個人でできること、株主
総会で発言して企業に改善を求めるのは、他の人の協力があって実現すること、
と言える。

3  多様な角度から、社会改革にアプローチする。例えば、リサイクルが得意な人は
リサイクル運動に参加し、教育者ならば学校での活動を発展させる。会社員はビジ
ネスでの立場を生かす。それぞれが持てる特技や能力を利用することで、いろいろ
なことが可能になる。

こんな彼女の発想に基づいた社会投資フォーラムは、社会責任投資をしたいと思う
人のために情報を提供し、株主として行動を起こしたいという人をまとめ上げる活
動を行なっているのだ。

●行動する株主が会社を変える、社会も変える

ソーシャル・インベスターというと、社会責任投資信託を通じて投資したり、個別に
企業の株を買うことをまず思い浮かべる。これらは、賛同する企業の株などを買う
ことで、企業の資金力を高め、さらに社会に良いことに投資してもらうという考え
だ。しかし、これらは社会責任投資家としての数ある投資活動のひとつなのだ。別
の方法としては、環境破壊や児童労働など、問題ある経営をしている会社の株を買
うことで、その企業の株主になり、株主総会などに出席し、改善を直接求めるとい
うやり方もある。社会投資フォーラムには、そういった直接的行動を担当する「株
主行動」の部門があり、毎年いくつかの重点キャンペーンを指定して、ターゲット
企業の株主になることの呼びかけを行っている。例えば二〇〇七年は、自動車メー
カーのフォードとゼネラルモーターズに対して温室効果ガスの削減目標を設定する
よう要求する、といった活動が「株主行動」を通じて行われた。

実際、こうした行動によって、企業が事業計画を変更した例は数多くある。モーガ
ン・スタンレーが大手企業として初めて政治献金額を公表したことをはじめ、プロ
クター&ギャンブルがコーヒーをフェアトレード認定(生産者に適正な賃金を保障
する)のものに切り替えたことや、コカコーラとペプシが新製品の容器の10%をリ
サイクル・プラスチックにすると決めたことは、とりわけ有名な株主行動の成果と
いえる。その他、役員会や従業員の構成を人種的・性別的に多様化するよう迫った
り、下請工場の搾取労働をやめさせたりした例は、最近のトレンドを反映している
といえよう。

以上、アメリカにおけるSRIの動向を、その背景にあるCSRの動きを元に見てきた。
CSRという概念が登場し体系化されたことは、米国ビジネスにおいて画期的なこと
であった。同様に、SRIというシステムを構築し、優良CSR企業が優良投資先とな
り、善い事をしている企業にはよりお金が集まるという概念を事業化したことは、
極めて画期的な出来事であると言える。そういった現場を目の当たりにするにつ
け、環境・社会・ガバナンスの取組みに関する企業にへの個人や投資家たちのプ
レッシャーは当分続きそうな気配を感じる。しかし一方、こうした中、“How good 
is good enough?”(どれだけCSRを果たせば十分なの?)といた議論があるある
ことも忘れてはならない。企業のPLにおけるCSR活動の割合や、どこに本業がある
のかという議論である。これは米国企業に限らず言えることだが、重要なのは
「企業としての課題は何かを明確にし、優先順位づけをすること」だろう。GRI
の改訂版も示すようにCSRの課題を全て網羅することよりも、ステークホルダー
が欲している情報を見極め、活動の理由、活動のプロセスをきちんと報告してい
くことが求められている。


(以上はCSRコンパス( http://www.csr-compass.jp/)のために寄稿した内容に
手を加えたものです。)

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(社会責任を果たすビジネス)を目指し、ASU International社はお手伝いいた
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● ASU International社のホームページ www.asuinternational.com

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