2005/09/03
企業の社会責任ニュース 世界最大のCSR会議、BSR総会その3
===アメリカ発 企業の社会責任ニュース 第37号 2005年9月=== ―――――――――――――――――――――――By ASU International 皆様、こんにちは! 最近、日本でも問題視されている個人情報漏洩の問題。この号では、前号に 続いて世界最大のCSR会議であるBSR総会にて行われたBT(ブリティッ シュ・テレコム社:イギリスの通信会社)のプレゼンテーションの内容をご紹介 します。同社が個人情報漏洩問題をCSRの課題だと定義づけるまでのプロセ ス、さらに、その後、具体的にどう対応したかの事例です。その中でいかに、 ステークホルダー・エンゲージメントが重要かが理解できます。 クリス・トッペン氏 BT(ブリティッシュ・テレコム)グループ 持続可能な成長と企業の説明責任担当部長 現在、BTはイギリスの病院においてカルテの電子化などの診療情報の完全デ ジタル化に取り組んでいます。まだ道程の半ばにいますが、完成すればイギリ スにおける医療サービスを完全に効率化するインフラになるでしょう。 このプロジェクトにおいて、我々はCSRに関するリスクを発見するために、 複数の方法を使いました。まず我々はビジネス上のリスクをまとめた「CSR 危機管理表(リスクレジスター)」を作成しました。この作業において、オペ レーション部門から集まった危機管理表チームのメンバーの一人が、「個人情報 の漏洩」をリスクとして提起しました。 次に、BTの顧客を定期的に集めて意見を聞くCSRリーダーシップパネルにお いてもリスクについて問いかけたところ、参加者の一人が同じ問題を挙げまし た。さらに、私たちはCSRヘルスチェックというシステムを使いました。これ は会社のCSRの基準に企業活動が沿っているかどうかを判断するもので、私 と同僚のひとりが複数の部署のプロジェクト実行の決定権をもつシニアディ レクター達に1時間ほどインタビューをしてまわります。ここでも、同じく 「個人情報の漏洩」が複数の部署でリスクとして提起されたのです。 こうして「個人情報の漏洩」をリスクとして認識した後、メディアを通じてこ の問題に関する事例を見つけることを試みました。もしあなたがマイノリティ・ レポートという映画を見ていたらなら、トム・クルーズによって演じられた登場 人物が、ショッピング・モールを歩いている場面を覚えているかもしれません。 彼がショッピング・モールを歩いていくのに応じて彼のバイオメトリックな データ(身体的特徴)を認識して、広告掲示板が変化します。この技術は、 個人個人に最適な商品を特定する、電波を利用した無線の個体認証技術 (Radio Frequency Identification Technology)と呼ばれるもので、現実に 日々進化している技術です。こうしたバイオメトリックなデータを使った技術 は実際にも使用されており、それが「個人情報の漏洩」につながるケースもある のです。 つまりこういうことです。新しいデジタル通信網時代には、携帯電話などをは じめとする全ての電子機器は、個人の非常にプライベートな情報を持つように なります。この中には、今まで個人の情報として管理されていた名前、年齢、 性別、職業、住所など以上に、もっとプライベートな身体的な特徴や、病歴、 購買履歴、嗜好などの情報も含まれます。デジタル通信を利用したサービスを 使うことで、こうした非常に個人的な情報が、ネットワークでつながった新し い世界に出回ることになってしまうのです。その広がる範囲は、国を超えて 世界中に、しかも瞬時に出回るかもしれません。まさに、この「個人情報の漏 洩」はデジタル通信時代がもたらす非常に大きなリスクなのです。 このような複数の方法を通じてリスクを特定した後、我々が実際にサービスを 提供する際、この「個人情報の漏洩」のリスクがどんな問題に発展しうるか、 企業内の人々と調査をしました。また、利害関係者、産業団体をこえた市民グ ループ、顧客と2、3のワークショップを行いました。さらにイギリス政府と 一緒に、市民グループのヒアリングも行いました。 これらのすべて情報がBTのCSR実行グループで把握されました。この結果を 受けて今後、2つのことが行われます。最初に行われるのは、「Hot Topic」と 呼ばれるものです。これは我々が潜在的に論議を呼ぶであろう問題を特定し、 その後、外部の人々を招き、どのようにBTがそれに取り組むべきかを分析しま す。結果はウェブサイトで発行される、完全にオープンなものです。この分析の 際には、ステークホルダー・エンゲージメントが前提となります。 そして、2番目は、実際に私たちがビジネスを始めるにあたって、教育方針と 行動規範をすべての関係する会社向けに作成するということです。この行動規範 はいったん作って終わりにするのではなく、ステークホルダーから意見を聞きつ つ絶えず改善していきます。この改善の過程で、「個人情報の漏洩」のリスクに 対応するために今後もステークホルダー・エンゲージメントを行う予定です。 (BSR分科会経営に活かすステークホルダー・エンゲージメントの内容から) ●ASU International について 企業も社会もハッピーな結果を生むBusiness For Social Responsibility (社会責任を果たすビジネス)を目指し、ASU Internationalはお手伝いいた します。 ● ASU Internationalのホームページ www.asuinternational.com ●このメールマガジンの購読を中止したい場合は、まぐまぐ上の http://www.mag2.com/m/0000090131.htmから解除をお願いします。アドレスの 変更は、登録解除後、新しく配信を希望するアドレスを登録してください。


