2005/07/01
企業の社会責任ニュース 世界最大のCSR会議 BSR総会
===アメリカ発 企業の社会責任ニュース 第36号 2005年7月=== ―――――――――――――――――――――――By ASU International 今回は、先月号に続いて、世界で一番大きいCSR(企業の社会責任)会議、 BSR総会の様子をお伝えします。BSRとは、サンフランシスコに本部のあ るCSRを推進する会員組織のこと。正式名はBusiness For Social Responsibilityです。昨年行われた総会では、アパレル業界の最大手の1つで あるギャップ(Gap)のCEOが基調講演を行いました。 ギャップは1969年にサンフランシスコで創業したメーカーですが、同社は、 バナナ・リパブリック(Banana Republic)、オールド・ネイビー(Old Navy) のブランドも持ち、アメリカ、イギリス、カナダ、フランス、日本などに 3,000 店、150,000人の従業員を持つ企業としても知られています。 同社の社長であるプレスラー氏のコメントはCSRとサプライチェーンの関係 について述べているものです。本社だけでなく、その製造業者、納入業者にいた るまでCSRは守られるべきという彼の考え方は、企業のグローバル化が進む中 で定着しつつあります。氏の「製造業者、納入業者に対して社会責任を促進する ことが長期的な競争優位をもたらす」の言葉は示唆に富んでいるのではないでしょ うか。 ポール・プレスラー氏 ギャップCEOの講演 1992年に45社で設立されたBSRが、多くのグローバル企業を会員に抱えるま でに成長していることが示すように、今日、社会責任はフィランソロフィー(社会 貢献)やマーケティング以上のものになってきている。社会責任は、全ての企業 がそれを基準に意思判断を行い、そしてそのルールの中でビジネスを行うインフ ラにならなければならない。業種にかかわらず社会責任は非常に複雑で克服すべ き課題も多い状況にあるが、私は今後の展開については楽観的にとらえている。 これまで成し遂げられてきたよりもさらに大きな進歩が、この先社会責任の分野 では成し遂げられると私は考えている。それは、たとえば労働基準、工場環境な どの分野や、今まで以上に実務において社会責任を実行する方法などにおいての 進歩である。 私がそう考えるには3つの理由がある。 1世界経済においてグルーバル企業はよりよい方法でビジネスを行うことが求 められていること。企業が社会責任をきちんと実行することは、その判断基 準の1つである。 2企業やステークホルダーが、社会責任を根付かせるために日々学んでいること。 1社ではできないことでも、多くの企業やステークホルダーが取り組むことで、社 会責任をビジネス界の標準にすることができる。 3(GAPがビジネスを行っているアパレル産業に強く見られることであるが、) 社会責任を追及することがビジネスにおける競争優位を成す大きなチャンスであ ること。 社会責任を推進していく際に、今回の総会のテーマである「統合(インテグレー ション)」がキーになる。社会責任を日々のビジネスにおいて実行すること、ユ ニバーサルな労働基準をローカルの労働環境に適用すること、多様な(マルチ) ステークホルダーへの対応、労働者の権利の保護、持続可能な変化を創造するこ となどがこれにあたる。 もちろん、どうやってそれらを達成するかが問題である。どうやってリスクを減 らし、成果を得るか。GAPはこの統合(インテグレーション)について、過去 10年間学んできた。アパレル業界はグローバル化が進んでいて、GAPの製品も、 トルコ、カンボジア、メキシコなどで作られている。そして工場のオーナーは、 トルコ人、シンガポール人、中国人などであろう。製品は50ヶ国で売られてい る。こうした状況で、どこで、どのように製品が作られたが問われるようにな った。 多くのベンダーに対して社会責任の概念を伝え、実行してもらうことは非常に 困難をともなうものであった。しかし、GAPでは今年の末までに完全に統合さ れた労働基準、社会責任の原則がGAP、製造業者、納入業者に適用されるように なる。三者の間で社会責任を要にして戦略的な関係を築き、GAPとしてのコミ ットメントや価値を共有していくことになるのである。 今年の初めにインドのある製造業者を訪ねた。その会社は社会責任において我々 が求める基準を満たしていた。託児所の設備をもち、無料の眼科サービス、医療 サービスを提供し、さらに製造工程において健全な環境を実現していた。この製 造業者は、社会責任に配慮することが品質や価格の面でもプラスに作用することを 理解しており、実際、社員の離職率は低く、工場の生産性は高かった。このような製 造業者こそが、まさにGAPが前進するために長期に渡る関係を築きたいパート ナーである。 GAPが前進するために、インドのみならず、カンボジアなどの他の多くの国でも 製造業者、納入業者に対して社会責任を促進することが長期的な競争優位をもたら すことを伝えている。こうした認識を広げることがGAP、製造業者、納入業者が 共存共栄できる関係を生み出すチャンスであると信じている。 次号では、BSRの分科会で討論されたステークホルダー・エンゲージメントにつ いてご紹介します。どうぞお楽しみに! ●ASU International について 企業も社会もハッピーな結果を生むBusiness For Social Responsibility (社会責任を果たすビジネス)を目指し、ASU Internationalはお手伝いいた します。 ●ASU Internationalのホームページ www.asuinternational.com ●このメールマガジンの購読を中止したい場合は、まぐまぐ上の http://www.mag2.com/m/0000090131.htmから解除をお願いします。アドレスの 変更は、登録解除後、新しく配信を希望するアドレスを登録してください。


