STREET JOURNAL
☆★☆ STREET JOURNAL ☆★☆
2007/8/30
====[今日のメニュー]========================
■美味にまつわるエトセトラ:Thirsty Soul 〜 季節感
■美味しい街パトロール: 秋田で初体験した「ぶりこ」の妙
■私的日記: 侘び寂び
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■美味にまつわるエトセトラ:Thirsty Soul 〜 季節感
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なぜか、もうすぐ夏が終わりという気配がしている。
毎年このあたりには、残暑の厳しさをひしひしと感じて、やはり自分は夏が苦手なん
だなあと痛感する季節でもある。それが今年の東京は、もはや夕刻にもなると涼しさを
感じさせるような風が吹き、路地奥の私の店の前の茂みでも、早々と秋の虫の声がす
る。
コオロギ
キリギリス
スズムシ
秋の夜長を鳴き通す、、、季節ははや長月となり、日一日と陽が沈むのが早くなって
くる。少し前までは、もう夕方六時だというのに燦々と照りつける太陽が恨めしくて、
早く日暮れが早くならないかと思っていたが、八月の斜陽に秋の気配を感じるときに
は、夏嫌いな私でも、そこはそれでちょっと物悲しさを感じたりもする。
さて、そんな季節の推移の真っ只中のエトセトラ、今月はまず秋の魚からいってみま
しょうか。
今年は、早くも七月から秋刀魚が出回りだしていたが、どういうわけかすでにこって
りと脂が乗っているのである。例年この時期の新秋刀魚は、まだ脂の乗り切らない、ち
ょっと若々しい感じがして、それでこそ鮨などに握るとこざっぱりとした味から、来る
べき秋の気配を感じたりしたもの。
それが何だ・・・?
炭焼きにしても脂の滴るほどに、丸々と太った秋刀魚が魚屋に並んでいるではない
か!
思えば昨今の異常気象は、海産物に大きな変化をもたらしている。馴染みの鮨屋の親
父さんも、春先にこってり脂の乗ったカツオに舌を巻いていたし、そういえばキューバ
で野球をしていた友人も、先日の大島旅行の際に、波止場からホンマグロ(大きさ的に
はメジですね)が釣れていると驚いていた。
海流の大規模な変化で、日本を、いや、世界を取り巻く海の自然環境が劇的に変化し
つつある。特に日本は寒流と暖流に四方を囲まれ、そのぶつかり合う潮目の多い、とて
も繊細で微妙なバランスに囲まれてこれまでやってきたわけだ。ここ数年の環境の異常
変化は、珊瑚であったりくらげや鮫、そして回遊魚たちの太古からの生態リズムを強制
的に捻じ曲げつつある。
環境の変化は陸上にも多く見られ、渡り鳥の飛行ルートや時期のずれ、中には一年中
日本にとどまるものもある。冬眠しない熊、遡上しない魚。夜に飛ぶ鳥、えさを探せな
い獣。
確かに、十年前は同じ夏でもこんなに気温が高くなることはなかった気がする。全体
的に亜熱帯化しているのだ。だから、野菜なんかも産地の北上が見られるわけで、時期
もずれてくる。
これから日本は、世界はどうなるのだろうか。。。
などといっても始まらないから、やはり毎日飲みかつ食べて、気を紛らすのである。
そろそろ松茸の出回る時期なので、松茸ご飯でも炊いてみようかと思っている。
松茸とは不思議なキノコで、はっきりいって味がそこまで(値段に見合うほど)おい
しいとは思わない。香りだって、天然もののシメジやシイタケで、十分にキノコの香り
を楽しむことができるのに、なぜここまで日本人は松茸にこだわるのだろうか?松茸を
珍重し、法外な値段を許容するのだろうか?
日本人のDNAか?
いやちがう、かつての松茸はそこまで高額ではなかった。現に、私の祖母なんかはか
つては松茸をすき焼きにどさっと入れていたというし、特にありがたかったという話も
聞いたことがない。
稀少性かなとも思ったけど、結構でまわっているしなあ。
どうだろう、みんなでボイコットしたら、安くならないかなあ?そうしたら、野外の
バーベキューなんかでも、串にエイエイッとさして、バシバシあぶってがぶりと齧り付
きつつ、石突をぺッと噴出してはまた次に齧り付きつつなんてことも可能なのではない
か?もしくは笊に山のように積み上げたものを、さあどうしようと悩みながらバター炒
めや天麩羅にして楽しんで、あまったものは仕方ないからとカレーに投げ入れて味も香
りもわからないけどこの食感は松茸なんだなとか言いながら、満腹の腹をさすってみた
り。。。
いっぱいあったらそんなことすらしないかもしれないな。ちょっとあるのが、松茸の
おいしさなのかも 笑
などと言いながら、キノコバターを作ってみた。シメジ、マイタケ、シイタケ、エノ
キダケ、エリンギをごろごろと切って、塩・胡椒を振りつつバターでざっくりと炒め
る。隠し味に、アンチョビとエシャレットを細かくたたいて一緒に炒めるといい。お皿
に盛ったらパセリをちょっとかけて、こちらはフランスパンなんかと共に白ワインの一
本でもあけたくなる。
バターに負けない骨太なワインがいいな。シャブリでもいいし、ピュリニーモンラッ
シェとかいいかも。でもまあ、レストランじゃないんだし、ここはひとつ普通のコンビ
ニワインでもいいかな、最近結構おいしいのがおいてあるしね(笑)
それにしても、秋には茸がやっぱりおいしいなあ。炊き込みご飯もいいし、カレーや
シチューにもたっぷり入れたい。葛餡にいれてキノコ餡かけにして豆腐を食べるのもい
い。何よりこの時期に作ってしまうのがキノコ汁!出汁味でもいいし味噌味でもいい。
ナメコ茸なんかを入れると、自然のとろみがちょっとついて、これまら酒肴としても〆
の一椀にしても、ご飯のおかずにも最適という便利な一品。歯ごたえを大事にしたいか
ら、あまり煮過ぎないのがコツ。茸は、ちょっと高くても天然ものを買ったほうがおい
しいものである。
栗?
栗はまだ早い、来月か再来月あたりに書こうと思っています!
百合根?
毎年書いてるから、まあこれも来月あたりかな。。。
つまりなんだ、ネタ切れですかね。一番中途半端な時期でもあるのですよ、この八月
末というのは。なにかな、四季というものがあるけれど、実際はもっといろいろな季節
に区分されたほうがいいと思う。春夏秋冬の四つでは割り切れないよ。初夏とか晩秋と
か、いい季節感だと思うなあ。月のリズムで生きていたころの日本人は風の肌触りとか
水の温度とかで、ちょっとした季節を感じていたのだから。そのDNAが、まだ我々の血の
中に、濃く残っているうちにそんな感覚を復権したいものだな、と。
さてさて、そんなこんなのお話の末に、今月もようやく書き終わることができまし
た。秋は食欲の秋であります。食べる喜び、味わう喜び。植物にとっては結実の時期。
そのエネルギーを体に蓄え、野生の獣は恋をして子を産み、育むのでありますよ。あ
あ、ネタ切れとか言ってしまってから、梨や葡萄を思い出した。木の実のおいしい秋、
どんぐりの秋。熊も猪もホクホクです。もちろん、我々ホモサピエンスもホクホクであ
ります。来月はそんな話をしてみたいものだな、と。
ではでは皆さん、今宵もすばらしい酒食のひと時がありますように。。。
RYO.S/小料理&Bar「菊水」マスター
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■美味しい街パトロール:秋田で初体験した「ぶりこ」の妙
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週末、秋田県大曲を訪れ、全国花火競技大会を見てきた。
大曲の花火は、全国の花火師たちが目標としている、日本一格の高い花火大会。
正確には“競技大会”なので、総合優勝者には、「内閣総理大臣賞」が授与される。
選ばれし花火師たちが、優勝目指してしのぎを削るので、
花火芸術の最高峰を堪能することができるのだ。
それにしても、初めて見た大曲の花火には、驚くことしきりだった。
大曲の花火会場は、雄物川の河川敷に設置された桟敷席が特等席なのだが、
そのスケールがすごい。桟敷席だけで10万人、その他の見物スペースを含め、
総観客数は78万人というのだから、大曲の街は、人・人・人であふれ返る。
当然、宿泊施設が追いつかないから、町中の公園や緑地、河川敷にテント村
が出現。大曲の街は、花火大会一色になるのだ。
そして大会は、夕方5時からの昼花火で開幕する。
昼花火とは、まだ明るい空に打ち上げる花火で、競技は「煙物」と「割物」の
2種類に限定。煙物は、赤、青、黄、緑などの色煙で、模様の多様性と
色彩をクリアに表現することを競い、割物は、光の代わりに、色煙で、
菊や牡丹などを表現し、形の美しさを競い合う。
全国でも大曲でしか行なわれていない、珍しい昼花火を堪能し、
いよいよ辺りも暗くなると、本番の夜花火が始まるという段取りだ。
夜の競技花火の素晴らしさは、私の文章力では伝えるには、
自信がないので、見て、ぜひ一度体験してほしいと思う。
大曲の地元の方が、誇りにかけて開催する大会は、
フィナーレを迎える頃には感無量になるほど、
演出、迫力ともに素晴らしいとだけ記しておく。
さて、その大曲では、秋田の知人の家に泊めていただいたのだが、
食の面でも、初めての感動体験をさせてもらった。
それは、秋田名物のハタハタ。しかも、お腹の中に卵がたくさん詰まった
メスのハタハタを朝食にいただいたのだ。卵を持ったハタハタは、
「ぶりっこ」と呼ばれ、卵のことは「ぶりこ」と呼ばれる。
そのぶりこを初めて食べたのだが、その歯ごたえの凄いこと。
直径2〜3mmの卵の塊は、口の中で小気味よくプチプチとはじけて
旨味が広がる。中には、なかなか噛めないほど弾力があるものも
あり、なんとも新食感を味わうことができた。このぶりこ、塩漬けや
味噌漬けにして保存した場合、卵の皮がゴムのように硬くなり、
噛むとあごが疲れるくらいになるのだとか。このくらい皮が硬くなると、
噛んだ時の音が「ブリッブリッ」という鈍い音になるので、「ぶりこ」
と呼ばれるのだそうだ。
東京でもハタハタを食べたことはあったが、けして卵をもったものは
なかった。地元の人に聞くと、「東京の人には、この卵はウケないみたい」
とのこと。やはり、本場に行くとその土地でしか味わえないものがあるものだ。
これだから、田舎に来ると面白い。
東京へのお土産には、ハタハタ塩漬けにして発酵させた魚醤「しょっつる」と
「ハタハタパイ」を買って帰路についた。このハタハタパイ、
食べてみると、味は浜名湖の「ウナギパイ」と特に変わらない……。
それはそれで、いい思い出になった秋田への小旅行だった。
ライター/長友慎治
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私的日記: 侘び寂び
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いやはや、やっと配信できました。
というか、本当に最近は涼しくなってきました。お盆あたりの暑さが嘘のようです。
今年のお盆も、実家の墓参りと京都の散歩ですごしました。お稲荷にお参りして、毎年
立ち寄るお店で軽く飲み食いして、今年は六道の辻にも行ってきました。六道珍皇寺に
て、小野篁の冥府通いの井戸を眺めて、これに飛び込んだら、閻魔大王のところへいけ
るかな、、、などと(笑)
そうそう、先日は後輩の結婚式が盛大に執り行われました。改めてお二人、この場を
借りておめでとう!二人はお店のお客も一緒に、以前の温泉パーティーのメンバーで
す。私も一言スピーチの場をいただきまして、いやはや緊張いたしました。
お祝いは四次会までもつれ込み、私の先輩のお店で朝までコースです。見渡せば十人
位。御新婦は看護士さんなので、その同僚含めナースが数人。新郎友人側は私の友人で
もありまして、まもなく医者というセミドクターが二人ほど。
いつ飲みすぎて倒れても大丈夫(笑)なんてね。
御新婦の希望で、フレッシュネスでハンバーガー食べて帰りました。食いしん坊のお
嫁さんです♪
それにしても、秋の気配が濃厚ですね。夜になると良い風が吹く。
季節は、弛むことなく前へ前へと進んでいるのですよ。心地よい独りの時間に、ふと
そんなことに気づかされます。
部屋を出て公園の前を通りかかると、やけに法師ゼミの声がしたとき。
お店の暖簾を出し、看板の電気をつけても蚊取り線香に火をつけなかったとき。
音楽を変えようかなと、BGMを止めたときに、ふと虫の声が聞こえたとき。
夜中の風が涼しく感じたとき、冷房の温度を上げたとき、星の輝きが、前より高く硬
く感じたとき。
秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行
秋風に たなびく雲の絶え間より もれいづる月の影のさやけさ 左京大夫顕輔
それでも、秋の根底に流れているのは寂寥感だ。暮れてゆく季節、生命の充実、絶頂
からの下り坂。寂しさ、侘しさ、物悲しさ。夢幻幽玄の静の極致へたどり着く前の、枯
れつつも昇華される精神の推移なのである。
さびしさに 宿をたちいでてながむれば いづこもおなじ秋の夕暮れ 良暹法師
見渡せば 花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮れ 藤原定家
定家の観た大和の国の寂漠の秋は、もはや失われて久しいものなのだが、それにして
もまだその思いの極みを歌の中に感じることができるのは、われわれがやはり日本人だ
からなのだろうな。
心地よい哀しさ。
秋の根底にあるのは、そういう思いであろう。それはこの日本でしか感じ得ないもの
かもしれないけれど。。。
とまあそんなところで。
今回は風味サマがお休みで、シアターコラムがありませんでした。皆様ごめんなさ
い。私と長友氏の、なにやら怪しげな文章だけでは様になりませんね。。。
それではまた、来月ということで!
どうだ、久々の東京は。 暑かろう暑かろう。。。
(白)
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