2009/10/14
これからの改善活動を探る:考房だより76/仕事力を研く458
★ 今回のテーマ/ これからの改善活動を探る:考房だより76 おはようございます。 プロ野球は両リーグとも優勝が決まり、クライマックスシリーズと 日本シリーズを残すのみとなりました。メジャーリーグはプレイオフに 突入しています。例年通り、日本ハムファイターズとボストン・レッド ソックスを応援してきましたが、両チームとも残ってくれました。 野球シーズンも終りか、と思いますと寂しい感がありますが、ラグビー シーズンは始っており、神戸製鋼スティーラーズを応援する身としては 楽しみもあります。 今回は、深まりゆく秋を味わう和歌を一首お届けします。 ◎逝く秋の◎ 逝く秋の、大和のくにの薬師寺の、塔の上なるひとひらの雲 歌人佐々木信綱の秀歌です。薬師寺は何度も訪ねたことがありますが、 この歌ほどの心象は得られませんでした。歌人の才能は現実を超えた ものを創り出すようです。また薬師寺に行こうという気になります。 和歌や俳句の味わいは、作者だけではなく受ける側も一緒になって 醸し出すものなのでしょう。言葉を論理的に解釈すればただそれだけの ことなのですが、読む者、聴く者の内面の作用が言葉を超えた何かを 浮かび上がらせてくれます。 これからもどうぞお元気にお過ごしください。 ============================== ☆☆ 仕事力を研く ☆☆ -----2009年10月2週号----- ◆これからの改善活動を探る:考房だより76◆ 全社運動や組織ぐるみ活動として進める改善活動が停滞しているとの 話をよく耳にするようになりました。過去のQCサークル活動や生産性 向上運動のような盛り上がりに欠けるというのです。そこで今回は、 色々な側面から現状を見詰めて、これからの改善活動の方向性と在り方 について意見を交わしました。 ・よく耳にするのは次のような言葉だ。 *改善テーマを掲げて、以前のQC活動のようなことを試みるのだが これがなかなか活性化しない。 *上層部が旗を振っても、社員たちがなかなか動いてくれない。 白けた言動さえ聞こえてくる。 *軸となって動いて欲しい層、即ち、マネジャーの補佐役や予備軍に 昔のような実力やエネルギーが不足しており、自分が汗をかこうと いう意欲が欠けている。 *マネジャー自身の指導力が欠けており、組織を動かすことができ ない状態に陥っている。 *著名企業の話や他社の事例などを聞くが、自社にはそういった改善 活動の風土が無く、何をどのようにしたらよいのか解らない。 等々 ・中小や零細企業では、改善活動という概念が無かったりする。即ち、 改善とはどういうことかを理解していない。モノを良くするという 意味での改善はあっても、仕事のプロセスをより良くするという改善 には思いが至っていない。 ・全てをトップが取り仕切っているようなオーナー企業では、仕事を より良くしようという改善意識が社員から上がってくることは無い だろう。 ・同じように改善活動の停滞に悩んでいる大企業の例だが、成果を 出しているものもある。いわゆる2S-3T活動だ。2Sとは整理・ 整頓のことで、3Tとは定位置・定品・定量のことである。 成功の理由は、組織としての仕事の仕組の改善と同時に、一人一人の 仕事の生産性や能力の向上が見えるように工夫したことのようだ。 ・活動が活性化しない理由の一つは成果主義の影響だろう。成果に 基づいて評価が行われるなら、社員の意欲は自分の業務成果が上がる かどうかに大きく左右される。 組織として成果主義的なことが打ち出されれば、社員が自分を動機 付ける基準がそこに置かれるのは当然だろう。 さきの2S-3T活動で成果が出たのは、成果主義的な意味での 動機付けを社員自身ができたからだろう。 ・自分の関与した建設現場では次のようなことを実行して成果が出た。 *休日はきちんと休めるようにすることを旗に掲げた。 *そのためには、やるべきことはきちんとやること、無駄なことを しないようにすること、無駄のない時間の使い方をすること、 といったことを基本に据え、作業の動線に注目した。 *動線を把握し適切な動線を作り出すためには、現場に入るよりも 図面上で考えるほうが効果的だと判断し、作業のプロセス、モノの 置き場などを図面上で明確にした。 その結果、現場に入ると混乱しがちな指示が、現場に立ち入る前に 出せるようになり、きわめて効果的だった。こうした改善はゴミ 捨て場の位置決めにまで及んだ。 *こうしたことを実行することにより、旗に掲げたことが実現した。 そればかりではなく、下請業者がこの現場の仕事を欲しがるように なった。 ・これは身近なところで行う改善活動の成功例の最たるものだろう。 内容は、2S-3T活動を取り込んだものとなっている。個人的な 利得を旗に掲げることによって個人の動機付けに成功し、その結果 組織的な利得をも実現したと言えそうだ。 ・何のために改善活動をするのか、活動参加者を何で動機付けるのか、 これを明らかにした上で、参加者が自分のためになると思える成果が 期待できる進め方がよいのだろう。期待の対象は、お金でもよい、 休みでもよい、能力向上でもよい、楽に仕事ができることでもよい。 そのためには、大きなテーマの旗を掲げるよりも、身近なところで 取り組めて、自分の仕事に直接メリットが感じられる活動を数多く 立ち上げるのが良いのだろう。皆が意欲を持つためにはこれがよい。 ・こうした取り組みをする際に必要なことは、これらの小さな活動の 集合に対して大きなテーマの旗を掲げることのできるリーダーの 能力だ。これができないと、小さな活動はバラバラで部分最適を追い 求め、組織としての統一性を欠くものになりやすく、全体最適の 効果を生み出しにくくなる。 即ち、「売上高15%アップの達成」とか「○○の開発プロジェクト の期限内での目標達成」とか「◇◇製品の20%コストダウン」と いった身近な改善活動の集合に対して、「業務生産性向上運動」と いった全社の旗を掲げることだ。 ・マネジャーの指導力の問題は、マネジャー自身が「新しい業務環境に おける新しいマネジメント手法の追究」といった改善活動を実践する ことを通して解決していかなければならないかもしれない。 以上のような内容の活発な談論でした。これから進めようとする 自社の改善活動を有意義なものにするために、この中から有用なものを 引き出して頂けましたら幸いです。 ※このメールマガジンは、転送することができます。 ・読んで欲しいと思う方がおられる場合には、本誌を全文で 転送してください。 ・毎号転送するのがお手数の場合は、下記のメールアドレス宛に 転送先のアドレスをご連絡ください。次の号から配信いたします。 <hiro.oshima@nifty.com> ・転送先の方に下記サイトから読者登録をして頂くこともできます。 まぐまぐ http://www.mag2.com/m/0000087454.html メルマ http://www.melma.com/backnumber_60009/ 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