2009/05/18
問題解決での軸足の置き方/考研ウィークリー439
今週のテーマ / 問題解決での軸足の置き方 おはようございます。 初夏の花々が華やかです。交代のルールを決めているかのように、 次々と開花し、次々と散っていきます。時の流れとともに移ろう生き物 の在り方とはこういうものでしょう。 或ところで面白い一文を見つけました。次のようなものです。 人間の身体が成長するのは青年期までだ。50才を過ぎて身体の成長を 願い目指す人はいない。それなのに、50才を過ぎたであろう日本は 経済成長を願い、それを目指している。人間と同じように、50才を 過ぎたのなら、もっと違う方向に成長を願い目指すほうがよいのに。 なるほど、時の流れとともに移ろう生き物の在り方に沿って考えると、 こういうことも言えるのかもしれません。 今回は、幸之助翁の至言です。 ◎自分の意志を越えた力の導き◎ 何らかの仕事を選ぶという場合、確かに自分で決めるに違いないが、 同時に自分の意志を越えた大きな力の導きがあったと考えられない こともない。そう考えて、そこにある種の悟りをもつというか度胸を 据えることも一つの生き方だと思う。 松下幸之助氏の言葉です。 自分の意志を越えた力や、自分の外にあるものに身を委ねるには、 覚悟が要るでしょう。また、その覚悟を得るためには悟りが要るのかも しれません。これはたいへんなことです。日々の修行が要りそうです。 これからもどうぞお元気にお過ごしください。 ============================== ☆☆ 会社を元気に!「考研ウィークリー」 ☆☆ -----2009年5月3週号----- ◆問題解決での軸足の置き方◆ 問題が発生すれば、その解決策を追究することになります。誰もが 当然のことと受け止め、何の疑いも持たずに実行しています。それが 正しい対処法であることは、これまでの経験や事実が証明していると 言ってよいでしょう。 解決策の追究の際に思考の軸足を何処に置くか、これは実に様々です。 当事者の置かれた立場、内部関係者の人間関係、外部関係者の力、外部 環境の影響度、組織力学、当事者の心の在り方、等々の多くの要素に 影響されることになるからです。 しかも、軸足の置き場の違いによって、解決策は全く違ったものになる のです。そして、その解決策の実施効果の現れ方も違ってきます。この 軸足の置き方について、色々なパターンに考えを巡らし、少なくとも こうありたい、と思えるものを探ってみました。 改善・改革活動が広く知られ、実行されるようになってから、議論の 対象として上がってきたものに、「部分最適か、全体最適か」という ものがあります。 部分最適とは、業務の全体の流れや組織全体の在り方を考慮に入れず、 当事者の部門にとって最適の解を追究する思考です。狭い範囲内のこと だけを考えればよいのですから、答を見つけやすく、活動にも取り組み やすいことが特徴です。 ピラミッド型の組織が良好に機能し、組織の構成要素である各部門の 業務改善が進めば組織全体の改善にもなった時代には、この部分最適 思考は大いに貢献したのです。典型例として、古典的なQCサークル 活動が上げられるでしょう。 各部門での業務の効率化や無駄の削減が進展してきますと、各部門の 間にまたがる業務やつなぐ業務の問題が認識されるようになりました。 また、業務を開始点から完了点までの流れとして捉え、この流れ全体の 改善・改革の必要性が認識されるようになりました。 こうした状況の下では、改善改革活動は部門間の連携の下で進めたり、 業務の流れに関与する全ての部門がプロジェクトチームを組んで進める ことが必要になります。 こうした活動では、部門間の利害の衝突や、推進を主導する責任などに 関する相克が発生します。こうした活動上の諸問題を解決するための 思考が「全体最適」ということになります。 全体最適思考の下では、自部門の業務効率が悪くなるような施策でも 流れ全体の効率が良くなるのであれば、受け容れることも視野に入れて 考えることが求められます。 今の時代は変化が激しく、きわめて厳しい競争環境の中にあります。 こうした中で生き抜いていくためには、物事を大きな視野から捉え、 全体、あるいは広い範囲を考えて問題解決を図る必要があります。 全体最適が声高に言われる理由は、こうしたことにあります。しかし、 部分最適を深掘りする思考が無ければ、具体的な解決策にはならないで しょう。全体最適から生まれた策を基盤に置き、具体的な実行策を追究 するに当っては、部分最適思考の意識を強く持つことが大切なのです。 別の視点から見える軸足の置き方の違いは、「部門都合思考か、問題 解決都合思考か」というものです。これは、新技術・新製品の開発や 改善・改革活動にプロジェクトチーム方式が採られるようになって 顕在化してきたものです。 一般的な組織形態である縦割り組織の下でプロジェクトチーム方式を 採る場合、関連する部門からプロジェクトメンバーを出してチームを 構成することになります。 プロジェクトメンバーは、所属する部門の長とプロジェクトリーダー との2人のボスの下で仕事をすることになります。縦割り組織の部門と、 部門横断的組織のプロジェクトチームとが交錯する、いわゆる マトリックス組織が構成される訳です。 特殊な例を除き、一般的には部門長の権限が強いため、プロジェクト メンバーはプロジェクトリーダーよりも部門長の影響のほうを強く 受けることになります。 プロジェクトの推進過程で問題が発生し、その解決策を検討する際にも、 プロジェクトメンバーの頭の中には部門の都合や、部門長の姿勢がちら つきます。無意識のうちに、検討会儀での発言は所属部門の都合を優先 するものとなる訳です。これを部門都合思考と呼んでいます。 部門都合思考が大手を振ってまかり通るプロジェクトチームが好ましい 成果を生み出すことはないでしょう。恐らく、問題解決に最適な部門が 解決行動を避けて通り、多くの問題が宙に浮くことになるからです。 プロジェクトチームのこうした障害を超えるための考え方が「問題 解決都合思考」と呼ぶものです。重要な経営課題に取り組むために設置 したプロジェクトチームの重要性の認識を徹底し、プロジェクトの推進 から発生した問題の解決に関しては、部門の都合を持ち出してはならず、 問題解決に最適な取り組みを実行する思考をせよ、というものです。 この問題解決都合思考を現実的に機能させるためには、プロジェクト リーダーの権限を部門長より上位に置きたいものです。こうしたことを 規定などで明確にできないのでしたら、部門長より上位のマネジャーが スポンサーシップを発揮できる状態を作ることが必要でしょう。 基本的には、部門都合思考は排除されるべきものであり、問題解決 都合思考から生まれた解決策によって部門に生じた障害は、別の方法で 解決することを考えるべきであろうと思います。 これまで、大きな問題に関しての軸足の置き方を考えてきましたが、 もっと身近な問題に使えるものもあります。それは、「現時点最適か、 期間最適か」というものです。 クレームが発生したり、思いがけないトラブルが起った時、それを解決 しようとして対策を考えます。急を要することが多いので、いま何を するのが最適か、ということに視野が絞られることが多い訳です。 これはこれで大切なことですから否定する訳にはいきません。しかし、 こうした際に、もう一つ考えたいことがあります。それは、「いま最適 と思えることを実行して、1ヶ月後、半年後、1年後にも好ましい 状態を期待できるかどうか」、「今は大きな苦労があっても、1年後を 予想すれば、もっと良い策があるのではないか」といったことです。 このようなことに基づいて策を生む考え方を、期間最適思考と呼びます。 期間をどの程度にして考えるかについては問題次第ですが、今の苦労を 最小化することばかりを追究する現時点最適の枠に囚われることなく、 期間最適思考を持つことは、重要なことだと言えます。 以上述べてきましたように、問題解決に当っては軸足の置き方が きわめて重要です。問題解決に取り組む際には日頃から軸足の置き方を 意識し、本当の最適解を得ることを目指したいものです。 ※このメールマガジンは、転送することができます。 ・読んで欲しいと思う方がおられる場合には、本誌を全文で 転送してください。 ・毎号転送するのがお手数の場合は、下記のメールアドレス宛に 転送先のアドレスをご連絡ください。次の号から配信いたします。 <hiro.oshima@nifty.com> ・転送先の方に下記サイトから読者登録をして頂くこともできます。 まぐまぐ http://archive.mag2.com/0000087454/index.html メルマ http://www.melma.com/backnumber_60009/ ヤフー http://merumaga.yahoo.co.jp/Detail/1336/p/1/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★開発技術者のための目標達成手法を 身に付けることができます ・開発の推進に心を砕いておられる人たちの3つの悩み 設定機能と品質の実現、設定期限の遵守、開発品の業績貢献 ・開発に取り組む皆様のこんな悩みを解決するお役立ち講座です 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★サイト「経営改善で会社を元気に」に次のメッセージを掲載中です *交渉に委ねていることをルール化しよう http://homepage1.nifty.com/koken_pat/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆いま旬の講演テーマ◆ 『成功や目標達成の鍵を握る、仕事の生産性向上力』 仕事にしろ学習にしろ、個人にしろ組織にしろ、現代社会を生き抜く ために必要なことは、生産性を高めることです。成功者は、生産性を 高めることのできた人の中から生まれます。 生産性向上のポイントは、日常の仕事や学習の仕方の中にあります。 これを見のがさないようにしたいものです。 内容は次のようなものです。 ・我々は競争社会で生きており、そこで人生の幸せを追求しています ・人生の幸せの実現に強く影響するのが、生産性と目標達成です ・人生の幸せの形と、仕事の生産性向上のつながりをお伝えします ・仕事の生産性向上力を付けるための考え方お伝えします ご関心をお持ちの方は下記へご連絡ください。ご相談に応じます。 メールアドレス <hiro.oshima@nifty.com> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★目標達成の自信が持てれば、何をしても楽しい ━━ネットで学ぶ目標達成の技と心(メルマガ)━━ ・毎月わずか500円未満で2回、第2と第4木曜日の配信です ・既に配信済のバックナンバーも入手できます ・購読申込みには「まぐまぐプレミアム」の会員登録(無料)↓を http://premium.mag2.com/aboutcampaign.html ・購読申込当月の購読料は無料です。お申し込みはこちら↓から http://premium.mag2.com/mmf/P0/00/61/P0006167.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎いつもご高覧いただき、ありがとうございます 本誌バックナンバーのタイトルテーマの内容は、下記サイトの 「月刊:考研レビュー」に掲載しています 改善実践考房 主宰 / 大島啓生 E-mail <hiro.oshima@nifty.com> URL <http://homepage1.nifty.com/koken_pat/> 神戸市垂水区桃山台5−7−7 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