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  • 発行周期 不定期
  • 最新号 2009/12/17
  • 部数 943部
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2009/12/17

メルマガ:アジア三度笠

ベトナム株がまた急落中。
「投資すべきか」と私が考えてしまうような
そんなレベルにまで来るのかもと、ちょっと無関心ではいられない。

今日はちょっと辛い話。
騒いでいるチンドン屋の後をついていけばどうなるかという話。


【現在までのベトナム株】

日本人投資家の現在までを振り返ってみます。
なんとベトナム株で利益を上げるのは司法試験並みの厳しさだった。
口座開設のデータを見るとおそらく数%の個人しか利益を出していない。

何年か前、「ベトナム株で億万長者」などと
浮かれてブログを書いたりしていた。
現地の証券会社への遠足ツアーなども繁盛していたようなのに。
それなのに、それなのに、ああそれなのにそれなのに。
司法試験並みの厳しさだったとは。
データを眺めてみると実態は厳しい。


ベトナム株のVN指数の当初からの動きは、
100→561→130→1171→236→600→434↓・・・・。

古い電気ポット、
バイメタルがオン・オフを繰り返す古い電気ポットのようだ。
プクプク沸騰、冷める、プクプク沸騰、冷める。
株価が上げるとソレーと投資家が殺到。
下げると借金で投資していた投資家など売るしかない。

電気ポット、または「ししおどし(鹿威し)」。
日本庭園などで見たことがあるでしょう。
水がいっぱいになるとその重みで竹筒が傾き、水がこぼれて内部が空になる。
この際に竹筒がコーンとか音を生じさせる。



ベトナム株に日本人は何千人も投資しているようです。
株が上げると評判になり投資する、で大暴落。
バブルの教科書通りの素直さです。

私は外国人個人投資家の口座数を記録して眺めています。
チャートと見比べて、ドンの下落を勘案しますと
実現利益を上げている、または含みを持っている日本人投資家は
せいぜい数百人と推測します。

2006・7年に逃げた人など多いとは思えません。
その時期に逃げるためにはもっと早くに投資していることが必要なのです。


※VN指数のグラフ
 https://www.vndirect.com.vn/vndirect-online/taindex.jsp?s=VNIndex
 上記URLで期間を「MAX」に。

※外国人個人投資家の口座数推移

2004年    204口座
2005年    398口座
2006年9月 1,157口座
2007年   7,200口座(推定)
2008年11月 11,677口座
2009年11月 12,314口座



【カモられる構造】

日本人は何千人も投資しているようです。
さっき、お話したようなことにならずに
「株が暴落すると評判になり投資する、で急上昇」と、
こんな風になればよかったのに。

人の心理の綾ですね。
誰が、暴落した銘柄に投資しますかいな。
怖いでしょう。

また、世間の情報はたいてい曲がっています。
伝道師の後をついていくとどうなるか、あなた。

バイアスの分析をしてみます。
「儲かりマッセ」バイアスを細かく見てみます。
まともな情報がいかに少ないかお気づきになるでしょう。


○商売人バイアス

 手数料なり、レポート料・セミナー料をいただくのですから
 ともかくうまい話をつくらなければなりません。
 発信者は自分のお金を投資しているのではないのです。
 さらに言えば、あなたの不幸を食い物にする業者だって存在するでしょう。
 ポジショントークを利用したり、
 業者からバックマージンを得る「隠れ商売人」もいるようです。

○ギョーカイバイアス

 業界の利益は尊重せねばなりません。
 「投資信託の手数料が高い」などは禁句。
 「ファンド・マネージャーが無能」なども勿論。
 証券会社のアナリストなら、調査レポートは
 上場企業から出入り禁止と言われないように手加減。
 マネー雑誌の記者なら広告主の感情に注意を払います。
 みんなで手分けして、子羊たちを囲い込んで、利益を上げなければ。
 発信者は自分のお金を投資しているのではないのです。

○ビギナーバイアス

 インターネット上のお調子モノを見ると、
 キャリア数年のビギナーが多いです。
 株価指数上昇期に現れて、後片づけもせずネット上にゴミを放置。
 チタンのクラブに凝る新米ゴルファーのようなもの、
 夜にウイスキーを飲みながら釣竿も磨く新米釣り師のようなもの。
 発信者は「金融市場のカモ」と言ってもよい存在なわけです。



【バイアスの排除--自分で調べること】

世間の情報は、
チャンスについては20ポイントくらいの大きな文字で書かれています。
そして、リスク(損失可能性)と手数料については
3ポイントほどの、ちっちゃな文字で書いてあるでしょう。

投資の意思決定は、
「チャンス」と「損失を出す可能性」を
秤(はかり)にかけて行うべきですが、チャンスが強調されます。
それに嵌れば、商売人たちの思うつぼ。

業者のトークを真に受ける。それFXだ、CFD取引だ。
自分たちのロスカット(損切り)ラインが業者に筒抜けであれば、
自分の手を見せながらポーカーしている気分になりませんかね。


まあそもそも、損失を出す可能性の高い
「儲かりマッセ」というノイズを受けなければよいのです。
また、逆に「エライこっちゃで」というノイズも受けなければよいのです。

商売人やギョーカイ人、ビギナーなどよりも
豊富な知識や高い見識があればバイアスも笑って聞き流せます。
ベトナムの情報にしても、事実を丁寧に報道してくれる企業はあります。
事実だけを追いかけ、腰を据えて研究することが必要です。


※さらに付け加えれば、勢いに乗っているときは要注意です。
 白馬の大雪渓を大勢の人が楽しそうに登っていく。
 金融市場ではこういう景色は「雪が緩んで」から見る場合も多いのです。
 「ハーメルンの笛吹き男」の言うことに納得してしまう場合が多くなれば
 かなり危険な状況ではないかと思います。


            平田博孝


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