2009/11/05
CARE International Japan **読むだけで国際協力**
★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★★∞∞★∞∞★∞∞★★∞∞★∞∞★∞∞★ ケア・インターナショナル ジャパン メールマガジン * 読むだけで国際協力 * 2009年11月号 < http://www.careintjp.org > メルマガチームによるブログ<http://blogs.yahoo.co.jp/care_bora> ★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★∞∞★★∞∞★∞∞★∞∞★ ┏━【CONTENTS】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ■ 今月のPick Up!・・・開発におけるジェンダーに対するアプローチ ■コラム・・・臓器移植 ■お知らせ・・・careギフト ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ■□■ 今月のPick Up!■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 開発におけるジェンダーに対するアプローチ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 経済的・社会的に厳しい状況にある途上国において、女性は男性よりさらに 厳しい状況にあります。開発ではジェンダー(始まった当初は女性)に対す るアプローチが行われてきました。そこで今回は、開発において注目された 女性がさらにジェンダーの問題にいたる経緯と、それに対応するアプローチ について述べたいと思います。 ▼ジェンダーとは ジェンダーという言葉は様々な場所で使われますが、今回は開発に限定して 意義付けたいと思います。田中由美子著「ジェンダーと開発」によると、ジ ェンダーとは、生物学的性別に対して、社会や文化的に形成されてきた性別、 と定義されています。社会や文化と深く関わりのあるために、ジェンダーに よる不平等を解決しようとしても速やかには変化しないという問題がありま す。これは、社会や文化といったものが長い時間をかけて形成されてきたも のであるということに起因します。 また、社会や文化は国や地域によって違い、多様性があります。多様性はお 互いに認められなければならない部分もあります。このことは、一般的に不 平等であっても、社会や文化によって形成されたものであるために、どのよ うなアプローチをするかは難しい部分です。開発を行う側の文化による価値 観だけでジェンダーの問題に取り組もうとすると、相手国側の社会や文化の 否定と捉えられてしまう可能性があります。 ▼開発と女性 1950年代より開発問題に関連して女性の問題が意識されるようになりまし た。しかし、この当時の考え方はあくまでも、開発において女性が重要なア クターであるという認識でしかありませんでした。これは今日のようなジェ ンダー問題に対するアプローチではなく、あくまでも女性を開発の手段とし て利用し、いかに活用するかという考えにとどまっています。 このようなアプローチを総称して、WID(Women in Development)と言いま す。 WIDの代表的なものとして、男性と比較して所得の低い女性の収入向上を目 的としたものがあります。収入向上の方法として物品の販売を例にすると、 地域で必要としているものを生産する能力をつけること、また、既に生産し ていた製品や作物の品質を向上させることによって、適正価格での取引が可 能になります。 ▼ジェンダーと開発 上記のWIDでは、あくまでも女性が抱えている問題を解決すればよいとい う考えでした。しかし、1980年代に入ると、それだけでは不十分であると 考えられるようになりました。それまでの女性だけにアプローチする解決法 だけではなく、女性の社会での相対的地位や、その状況を生み出す社会構造 に対してもアプローチする必要があると考えられるようになり、開発におけ るジェンダーの問題が意識されるようになりました。 このようなアプローチを総称して、GAD(Gender and Development)と言い ます。 GADのひとつとして、男女間で人権格差のある社会での人権への取り組み があります。その方法は、啓蒙活動から法律の制定といったものまで多岐に 渡ります。多国間で拘束力を持つ条約を締結することも人権是正へのひとつ の方法であるといえます。 開発援助による外的要因が契機となった事例ではありませんが、市民たち自 身で行った取り組みを紹介します。2000年2月にエジプトで画期的ともい える法律が通過しました。それは、夫の同意なしに女性の離婚を可能にする ものでした。それまでの社会では認められかったことを可能にしたことは、 社会にとっては大きなショックでした。ただし、このような取り組みにはひ とつ注意すべきことがあります。それは、彼らの文化において法律を通過さ せることを可能にする素地があったということです。これは今までは認めら れなかったことを、もともとある文化の文脈から可能にした事例です。 ジェンダーに関する国際協力は積極的に行われています。しかし、それには 既に述べたように社会的価値観や文化といった問題が関連してきます。基本 的人権は普遍のものでなければなりませんが、相手側にそのことを理解して もらい、かつ受け入れてもらうということは非常に難しい課題であり、開発 援助従事者がこれからも継続的に取り組まなくてはいけない問題といえるで しょう。 【参考文献】 田中由美子「ジェンダーと開発」内海成治編『国際協力論を学ぶ人のために』 世界思想社、2005年 国連開発計画『人間開発報告書2000 人権と人間開発』 田中由美子「『開発と女性』(WID)と『ジェンダーと開発』(GAD)」田中由美子・ 大沢真理・伊藤るり『開発とジェンダー エンパワーメントの国際協力』国際 協力出版会、2002年 (担当:トリ http://blogs.yahoo.co.jp/care_bora/3250400.html) 日本における女性の社会進出(国会議員の数など)は未だ十分ではありません。 ■□■ コラム ■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 臓器移植 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 新型インフルエンザの流行が深刻化し、予防接種が遂に始まりました。世界中 に広がる新型インフルエンザへの対策は世界保健機関(WHO)を中心に世界 的に行なう必要があり、医療問題のグローバル化が進んでいることがよくわか ります。臓器移植も、世界で取り組むべき重要な医療問題のひとつかと思いま すが、今年10月は「臓器移植推進月間」とされ、日本ではさまざまなイベン トが催されました。今回は、日本の臓器移植法改正がどのようなもので、改正 の背景には世界のどのような現状があるのか、みていきたいと思います。 ▼日本の臓器移植法改正と現状 2009年7月13日、改正臓器移植法(A案)が参議院本会議で可決され、成立 しました。これにより、臓器移植において、「脳死は人の死」であることが認 められ、臓器提供者の年齢制限も無くなり、たとえば、これまでは海外渡航に 頼る他なかった心臓移植を必要とする幼い子どもが日本で移植を受けられるの ではないかと期待が高まっています。 現行法が成立した97年以降、国内での脳死臓器移植はわずか81例にとどまり、 これに対して日本では心臓移植を必要とする患者が年間300〜500名いると言 われ、そのうちの半分は1年以内に死亡しているというのが現状です。日本で 心臓移植を受けられない人々は、莫大な費用を投じて海外渡航移植を行なうよ り他に道はありませんでした。 ▼「イスタンブール宣言」 改正法がにわかに議論された背景には「イスタンブール宣言」があります。2008 年5月に国際移植学会が「イスタンブール宣言」を採択し、世界保健機関(W HO)も臓器移植の自国内完結を促す指針を取りまとめる方向となりました。 その指針は、貧しい国の人たちがお金のために自分の臓器を自発的、あるいは 非自発的に売ることの防止を目的にしており、そのために可能な範囲で自国お よび近隣諸国と協力して臓器移植を進めようというものです。 ▼「移植ツーリズム」と人身売買 「イスタンブール宣言」では、「移植のため渡航に、臓器取引や移植商業主義 の要素が含まれたり、あるいは、外国からの患者への臓器移植に用いられる資 源(臓器、専門家、移植施設)のために自国民の移植医療の機会が減少したり する」ことを「移植ツーリズム(transplant tourism)」と呼び、こうした行為は 禁止すべきであると述べられています。世界でこうした「移植ツーリズム」が どの程度まかり通っているのかは定かではありませんが、ドナーとされる人々 の人身売買や、貧困な人々から臓器を得るために海外に趣く富裕国の患者につ いて、数多くの報告が寄せられていることは事実です。たとえば2007年7月 以後、外国人の渡航移植を禁止する法案が設定された中国で、その後、少なく とも17人の日本人がNPOの仲介で渡航移植を受けたとする記事が全国紙に掲 載されています。 以上のように、臓器移植問題に関して、海外渡航に頼る日本は他人事にはでき ない深刻な課題を依然として抱えています。法改正が行なわれても、臓器提供 を必要とする人々に対して、提供される臓器が不足することも十分に考えられ、 貧困に苦しむ人々を救わなければ、人身売買のような悲劇を無くしていくこと は難しいのが現状です。改正臓器移植法を契機とし、適切な方法で少しでも多 くの人々の命が救われる仕組みが作られていき、現状の問題が解決に向かうこ とが望まれます。 【参考文献/URL】 『臓器取引と移植ツーリズムに関するイスタンブール宣言』 国際移植学会 2008年5月2日、イスタンブール(翻訳:日本移植学会アドホ ック翻訳委員会) www.asas.or.jp/jst/pdf/istanblu_summit200806.pdf 『悲しき「移植ツーリズム」をなくすためには』 日経メディカルオンライン 2009年2月17日 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/imataka/200902/509494.html 『(社)日本臓器移植ネットワーク』 http://www.jotnw.or.jp/ 『平成21年度臓器移植普及推進月間について』厚生労働省 2009年9月30日 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/09/h0930-2.html 『何故、日本人が心臓移植を受けに海外に渡らなければならないのでしょう か?』 大阪大学移植医療部 福嶌教偉 2008年12月30日 www.hirokunganbare.com/genjou.pdf 『何故いま「臓器移植に関する法律」の一部改正(中山案)が必要か』 日本移植学会 トピック 2009年 http://www.asas.or.jp/jst/topics/index.html 『「脳死は人の死」臓器移植法成立 A案、参院でも可決』朝日新聞社 2009 年7月13日 http://www.asahi.com/politics/update/0713/TKY200907130189.html 『国内ダメだから「海外で臓器移植」 それは外国の子供の「命」奪うこと』 J-CASTニュース 2009年2月22日 http://www.j-cast.com/2009/02/22036175.html (担当:kana) 人身売買や臓器売買の怖い資料をたくさん読んで、日本が自分の国で臓器を確 保することがとても重要であることがよくわかりました。 ■□■お知らせ■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼careギフト CAREのオンライン寄付システム「careギフト」がクリスマスシーズンに向け、 よりかわいらしく、よりわかりやすく、生まれ変わりました。 一度訪れたらその不思議な魅力にはまってしまう、ポップなweb上の国 「careカントリー」。 この国で可愛らしいキャラクターたちと、世界の現状を学びながら選ぶことが できるcareギフトは、CAREが途上国で行っている支援プロジェクトの一部 をギフトにした、新しい寄付のカタチです。 途上国でまずしさに立ち向かう人に支援というギフトを贈ると同時に、いつも 支えてくれている大切な人(家族・友人など)には、現地の人々の笑顔の写真 が入った世界でたった一つのカードを、メッセージを添えて送ることができま す。 この機会に是非「careギフト」をご利用ください。 www.caregift.jp ★☆★編集後記★☆★∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ *急激な冷え込みは暖冬という予想に疑問を感じてしまいます。(トリ) * この度、初めてコラムを執筆させて頂きました。自分自身にとってとて も勉強になりましたし、原稿執筆を楽しむことができたと思います。今後も よろしくお願いします。(kana) * 市民団体のミュージカルに参加したら、肩を痛め足の骨にひびが入り、 通院ばかりしてました。(とも) ○○●●●●●○○○○○○●○○○○○●●●●●○○○●●●●●● ○●○○○○○●○○○○●○●○○○○●○○○○●○○●○○○○○ ○●○○○○○○○○○●○○○●○○○●●●●●○○○●●●●●● ○●○○○○○●○○●●●●●●●○○●○○○●○○○●○○○○○ ○○●●●●●○○●○○○○○○○●○●○○○○●○○●●●●●● ★☆★メールマガジン・スタッフ募集★☆★∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 「読むだけで国際協力」はボランティアスタッフにより発行されています。 このメールマガジンを一緒に作ってくれるボランティアさんを募集していま す。 ご興味をもたれた方は↓ <info@careintjp.org > メルマガボランティアの素顔「メルマガ発行奮闘日誌」はこちらから → http://blogs.yahoo.co.jp/care_bora ■□■皆さんからのご意見・ご感想をお送りください。■□■ メルマガ上にてご紹介させていただきます! → info@careintjp.org ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■ ☆発行元:(財)ケア・インターナショナル ジャパン 〒171-0032 東京都豊島区雑司ヶ谷2-3-2 ホームページ < http://www.careintjp.org > お問い合わせ < info@careintjp.org > ☆配信登録・解除・配信先変更 はこちらから http://www.careintjp.org/support/mailmagazine1_1.html ☆このメルマガは、次のシステムを利用して配信しています。 ・『まぐまぐ』( http://www.mag2.com/ マガジンID:0000086644 ) ・『melma!』( http://www.melma.com/ マガジンID:m00058587 ) ☆Copyright(C) CARE International Japan 許可無く転載することを禁じま す。 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■


