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2003/10/08

ILO駐日事務所メールマガジン【No.17】

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    ILO(国際労働機関)駐日事務所マガジン
     2003年10月8日号 No.17

     駐日事務所(日本語・英語) http://www.ilo.org よりJapaneseを選択
     本   部(英語)     http://www.ilo.org

     ◎お問い合わせはこちらまで tokyo@ilo.org
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:::::::::::<目  次>:::::::::::::::::::::
:《1》数字で見る国際労働基準(2003年10月1日現在)::::::::::::
:《2》ILO駐日代表雑記−協同組合の重要性::::::::::::::::
:《3》ILO駐日事務所お知らせ−連合定期大会へ事務局長メッセージ ほか::
:《4》ILO新聞発表−東チモールのILO加盟 ほか::::::::::::
:《5》新刊紹介−職場における暴力への対応と防止 ほか:::::::::::
:《6》ILO事務局ニュース−職場における暴力・ストレス実施基準会議 ほか:
:《7》トピック解説−ILOの三者構成原則:::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

□■□■□■ 数字で見る国際労働基準 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□
                           (2003年10月1日現在)
 ◇加盟国数...177*       ◇日本の批准条約数.........46
 ◇条約の数...185(うち撤回5) ◇加盟国の平均批准条約数......40
 ◇勧告の数...194(うち撤回20) ◇OECD諸国の平均批准条約数...71
 *)8月19日付で東チモールが加盟

□■□■□■ 堀内光子ILO駐日代表雑記 □■□■□■□■□■□■□■□■■

          ★ ☆ 協同組合の重要性 ☆ ★

 北イタリアは毎年のように訪れる機会がありましたが、この9月、15年ぶりにロー
マ(イタリア)を訪れました。史跡と共存する街は相変わらず魅力的で、15年前、国
連ウィーン事務局勤務中に、たびたび訪れたときとあまり変化がないように見えまし
た。もっともテルミノ駅は本屋さんなどお店ができたことで変わった実感がありまし
た。
 本来なら着くはずがなかったローマ空港に、フローレンス行きがキャンセルになっ
たため、やむをえず着いたところ、旅行団全員の荷物がローマ空港で迷子になるとい
う珍事があり、大変な難儀の末、未明にフローレンスに着くという出来事もあって、
イタリアは変わらないという感じも強くしましたが、それはともかく、今回の旅行は
研究者と実践者のごく少人数によるイタリア社会的協同組合の勉強でした。協同組合
はアジア勤務時代の初めから、女性たちの経済的(必然的に政治へもいく)エンパワー
メントの有効な手段として注目し、手がけたいと思っていた活動でした(と言うこと
は、あまり手がけられなかったのですが)。これも15年前の国連勤務時代に戻り、当
時のアラブ占領地ヨルダン川西岸のパレスチナ難民キャンプで難民女性たちの協同組
合を視察した際、人々の持つ力を認識したことが大きいと思います。イタリアでは
「社会的協同組合法」が1991年に制定され、障害者、労働市場に再び参加しようとす
る(戻ろうとする)女性、若年者、マイノリティ、麻薬中毒者など社会的排除の対象
となっているような人々のための特別措置があります。通常では望めないようなイタ
リア協同組合専門家で、かつイタリア語が堪能という田中夏子都留文科大学教授のご
指導とご援助のもと、専門家の友人の方々とご一緒で、きわめて有意義なスタディー
ツアーでした。
 1995年に開催された社会開発サミットでのテーマは、貧困削減、生産的雇用及び社
会統合でした。当時、日本人にとってあまりなじみのない社会的排除という問題に、
協同組合が有効な方法というのを確信したのも大きな成果でした。そして、協同組合
という「共助」組織は「公益」目的を十分に推進し得るものであり、今の社会の中で、
コミュニティに根を下ろし、人々の仕事を通じての生き甲斐を実現できる手段である
ことを理解してもらうためのさらなる努力・活動が、日本で必要であることを痛感さ
せられました。
 訪問した社会的協同組合の女性シェフが、おそらくこれほど日本人にとっておいし
いイタリア料理はないと思ったほどの見事なイタリア料理のランチで2日間もてなし
てくれました。彼女のプロフェッショナルとしての誇りと配慮は、「仕事」とそれを
提供する「組織体」のあり方を考えさせてくれましたし、障害者の方々の働く現場や
技術提供支援を見たことによって、我が国のディーセント・ワークを進めるに当たっ
て協同組合の役割に大きな期待をもてると確信しました。「雇用創出」というグロー
バルな課題に応えるためにも、働く人々の権利と社会的安全保障の確保のためにも、
社会対話のためにも、協同組合は有意義な組織であることが理解される必要があると
思います。ひるがえって、ILOは創設以来の中心的な業務の一つとして協同組合に
取り組んでおり、アルベール・トーマ初代ILO事務局長は国際協同組合連盟(IC
A)の執行役員でした。ILOの協同組合部は1920年に創設され、第2次世界大戦前
に各国に協同組合活動支援の技術協力を行っていました。皆様のご参考までです。

□■□■□■ ILO駐日事務所お知らせ □■□■□■□■□■□■□■□■□■
◆◇第16回国際労働問題シンポジウム(東京・10月9日)◇◆
 法政大学大原社会問題研究所、ILO駐日事務所共催、日本ILO協会後援で、第
16回国際労働問題シンポジウムとして、「雇用関係の範囲(労働者性)−働く人の保
護はどこまで及ぶか?−」と題し、今年のILO総会で一般討議が行われたこのテー
マに関し、10月9日(木)に、法政大学市ヶ谷キャンパスにて、総会出席者の方々の
報告を中心に、総会討議について理解を深める機会を設けます。入場無料。

上記イベントの詳細----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/conf/index.htm#ohara

◆◇人身売買フォーラム(東京・9月23日)◇◆
 東京・渋谷区の国連大学本部ビルで開催された「人身売買をなくすために〜ヨーロッ
パの経験から学ぶ〜」と題する公開フォーラムでは、基調講演で、欧州安全保障・協
力機構(OSCE)南東欧安定協定・人身売買タスクフォースのヘルガ・コンラッド議
長(前オーストリア・ジェンダー担当大臣)が、欧州における人身売買問題の現状、
タスクフォースの活動を紹介しました。ILOからは、強制労働廃止のためのILO
特別行動計画のロジャー・プラント統括責任者が、人身売買を強制労働の観点から説
き、ILOを始めとした世界各地の対策活動を概説しました。講演を受けて、林陽子
弁護士と中部大学国際関係学部の武者小路公秀教授がコメントを行うと共に、日本の
実情と取り組みを紹介しました。約80名の熱心な聴衆からは、フォーラム参加者同士
のネットワーク化を通じ、問題に対する世間の認識を高め、活動を強化していく必要
性など活発な意見が出されました。フォーラムの模様は準備ができ次第、ILO駐日
事務所のウェブサイトに掲載します。

◆◇勤労青少年シンボルマーク◇◆
 去る9月25日(木)、勤労青少年シンボルマーク後援会の青井恒助代表より、勤労
青少年シンボルマークの旗を寄贈いただきました。これは1972年に日本政府が一般公
募を行って制定したマークであり、応募点数6,517点の中から選ばれた豊川市の八木幸
男さんの作品です。work(働く)、word(話す)、world(世界)の頭文字であるWの
文字をレタリングした形のブルーのマークは、丸くなった上端部分で人の頭を表すこ
とによって連帯を示し、逆三角形の空間部分をしずくのようにデザインすることによっ
て働く汗を表しているそうです。後援会は「誰にでも理解しやすいマークを通じて、
国際交流、国際親善を広げることが世界平和につながる」として、このシンボルマー
クの普及を目指して設立されたものです。今回ILOには、国連を主軸とした対話の
環境作りの一助にという趣旨で寄贈されました。シンボルマークの図案は、準備がで
き次第、ILO駐日事務所のウェブサイトに掲載します。

◆◇連合第8回定期大会(東京・10月2〜3日)へILO事務局長メッセージ◇◆
 ソマビアILO事務局長は、日本労働組合総連合会(連合)の第8回定期大会に際
し、ILOの児童労働活動への連合の支援に対する感謝などを内容とするメッセージ
を送りました。また、6月のILO総会で、笹森連合会長が、民主的な手段と三者に
よる社会対話を通じ、違いを乗り越え、解決策を見いだすことの重要性について演説
されたことを挙げ、連合と日本がこのプロセスのモデルとなることに期待を表明しま
した。メッセージの原文は、準備ができ次第、ILO駐日事務所のウェブサイトに掲
載します。

★ILO駐日事務所からのお知らせは、What's Newページをご覧下さい----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/new/index.htm#information
★ILO会議・行事予定----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/conf/index.htm

□■□■□■ I L O 新 聞 発 表 □■□■□■□■□■□■□■□■□
                     (2003年9月8日〜10月6日発表分)
◆◇2003年9月29日(月)発表ILO/03/41◇◆
★ILO第177番目の加盟国:東チモール

 ILOは8月19日に、東チモール民主共和国のマリ・ビン・アムデ・アルカティリ
首相より、ILO憲章上の義務を受諾するとの書簡を受領しました。これにより、東
チモール民主共和国は、同日付でILOの177番目の加盟国となりました。
 東チモール民主共和国は、2002年9月27日に国連に加盟していますが、国連加盟国
は、ILO憲章の義務の正式な受諾をILO事務局長に通知することによってILO
の加盟国になることができます。

新聞発表本文(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/2003/41.htm
ILO加盟国一覧----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/about/ilo.htm#members

◆◇2003年10月3日(金)発表ILO/03/42◇◆
★女性船員に関するILO新刊(本号「新刊紹介」欄参照)

 「Women seafarers - Global employment policies and practices(女性船員に関
する世界の雇用政策と慣行)」と題するこの貴重な出版物は、海事産業で働く女性の
数は、近年増加傾向を示しているものの(例えば、世界海事大学で学ぶ女子学生の数
は、1995年に全学生の8%であったものが、2001年には21%に増加)、女性船員は差
別やセクシュアル・ハラスメントを含む非常に厳しい労働条件に直面しているとしま
す。船員人口は世界全体で125万人に達しますが、女性はこのうち1〜2%に過ぎず、
その大半が客船乗務員です。北欧では船員労働力の1割以上を女性が占める国もあり
ますが、最大の船員供給国であるフィリピンでは、登録船員23万人中女性は225人に過
ぎないなど、女性船員の割合は国によってかなりのばらつきがあります。男性船員の
大半は極東の出身ですが(全体の29.1%)、巡航船で働く女性船員のかなりの割合が
OECD諸国の出身です(全体の51.2%)。
 男性船員の42%が職員(船長・航海士などの高級船員)、58%が部員(一般乗組員)
であるのに対し、女性の場合は圧倒的多数(93%)が部員です。この数字は、女性の
能力と特性に対する凝り固まった偏見の存在を反映するもので、実際に女性を雇用し
た経験のある船主や管理職は女性の勤務成績に非常にポジティブであるものの、女性
は非常にしばしば性差別、不寛容、いじめやセクハラを経験しています。

新聞発表本文(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/2003/42.htm

★ILO新聞発表の日本語概要----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/new/index.htm
★ILO新聞発表(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/index.htm

□■□■□■ 新 刊 紹 介 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
◆◇「職場における暴力への対応と防止
   Preventing and responding to violence at work」◇◆ 
   英語 2003年刊 139pp. 2,500円

 働く人々は、職場で暴力の被害を受けるなどと、まさか思わないでしょう。ところ
が、職場での暴力は、現在もっとも深刻な労働災害のひとつに数えられます。司法や
医療関係など、暴力がある程度予測される職場環境のみならず、広範な産業や企業で
暴力が発生するリスクが高まっているからです。暴力は、先進国、開発途上国を問わ
ず世界中の企業でコストのかかる問題になっているため、企業がこの問題に向きあう
べきときに差しかかっているといえるでしょう。本書は、職場での暴力発生防止策や
方針を立案し、実施するうえでの具体的な情報を提供する実用ガイドです。
 職場への暴力に、本書は二つの面からアプローチしています。第1に、暴力は組織
や団体が、この問題への対処法を吟味することで防ぐことが可能なことを示していま
す。世界各国の政府や労働組合、研究グループ、研究者、使用者団体や産業で、今ま
でに作られた一連の指針や政策を見渡し、どのような取り組みがベスト・プラクティ
スなのかを考察しています。
 第2に、本書は効果的な職場での暴力防止プログラムの立案方法について、具体的
なステップを示しています。それには、以下のような手続きが含まれます。◇リスク
を査定、記述する、◇防止・対応策を立案し、実施する、◇防止・対応策の有効性を
モニターする、◇リスク管理プロセスを見直す。
 どんな仕事であっても、暴力は許されるべきではありません。あらゆる人々は、暴
力のない安全で安心できる環境で働き、また尊重しあい、対等で、生産的な労働者の
関係が奨励される職場で働く権利があります。これは達成可能な目標です。本書はそ
の達成のために、職場での暴力へ対処するための具体的な指針を与え、関係する要因
や条件への広い理解を助けます。

◆◇「女性船員に関する世界の雇用政策と慣行
   Women seafarers: Global employment policies and practices」◇◆
   英語 2003年刊 128p. 2,500円

 本書は、世界の民間船で働く女性の状況についての調査研究書です。女性船員の雇
用には、さまざまな側面が関係していますが、特に本書では、女性の進出割合、母性
・雇用の権利に関する政策や方針、募集、訓練、出産休暇、及び海上での仕事と生活
全般での女性船員の経験をまとめています。
 本書は6章立てであり、第1章で調査の目的や手法を説明した後、第2章では女性
船員にかかわる歴史的な背景と現在の状況を紹介し、第3章では女性の進出率に関す
る調査結果を披露しています。第4章では、国際機関や政府、労使団体や海事産業教
育訓練機関における政策・方針とその実践が概観されています。第5章は女性船員た
ちへのインタビューをまとめたもので、仕事をする上で感じた困難や、女性であるが
ための差別、セクシュアル・ハラスメント等の問題についての女性たちの発言がまと
められています。最後は、結論部です。
 本書のもととなった調査は、2001年の第29回海事合同委員会での女性船員に関する
決議によって委託されたもので、英国カーディフ大学の国際船員リサーチセンターが
実施しました。本書は、船舶産業で働く女性船員の状況に初めて焦点を当てた画期的
な書です。

書籍等購入方法----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/publ/index.htm 
駐日事務所資料室新着図書一覧(2003年8月分)----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/publ/new.htm 

□■□■□■ I L O 事 務 局 ニ ュ ー ス □■□■□■□■□■□
                    (ILOウェブサイト新着情報等より)
◆◇東南アジア・太平洋サブ地域事務所(マニラ)◇◆
★東南アジア・太平洋小地域ディーセント・ワーク三者構成フォーラム(オークラン
 ド・10月6〜8日)
 2001年に開かれた第13回アジア地域会議では、域内諸国に対し、三者協議を通じ、
各国でディーセント・ワーク行動計画を立案することを求めています。これまでの進
展と得られた教訓について話し合い、計画立案過程に資することを目的に、オースト
ラリア、フィリピンなど域内10カ国政労使を招いてフォーラムが開かれます。

フォーラム案内(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/region/asro/manila/auckland/index.htm

◆◇部門別活動局◇◆
★生産性とディーセント・ワークへの脅威であるサービス業職場における暴力とスト
 レスに関する実施基準開発に向けた専門家会議(ジュネーブ・10月8〜15日)
 日本でもタクシー運転手や現金輸送車が強盗に襲われる事件や過労自殺など問題が
多発していますが、サービス業職場における暴力とストレスに関する実施基準の策定
に向け、日本を含む12カ国政府、労使代表各12名の専門家からなる会議が開催されま
す。会議に提出される実施基準案は、政労使及び顧客等の役割と責任、暴力及びスト
レスに関する情報収集、リスク評価、危険な状況の把握、記録と通知、暴力及びスト
レスの予防・削減・管理・対処策、政策開発などの項目を含み、各国の関連法令、リ
スク要素、ストレス症状、暴力・ストレスの産業別概要といった資料も添付されてい
ます。

会議概要(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/dialogue/sector/techmeet/mevsws03/index.htm
実施基準案(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/dialogue/sector/techmeet/mevsws03/mevsws-cp.pdf

 ※PDFファイルをご覧になるためにはAcrobat Readerが必要です。お持ちでない
  方は、こちらからダウンロードしてください。
  http://www.adobe.co.jp/products/acrobat/readstep.html 

★世界教員の日(10月5日)共同メッセージ
 ユネスコ(国連教育科学文化機関)、ILO、国連開発計画(UNDP)、ユニセ
フ(国連児童基金)の4国連機関のトップが連名で、今年の「世界教員の日」に際し、
公務部門の予算カットやストレスなどにより、全世界的に教員不足が生じていること
に警鐘を発しながら、教育における良い教員の重要性に注意を喚起し、教員たちの勇
気とがんばりと決意を讃えるメッセージを発表しています。

メッセージ原文(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/dialogue/sector/conf/wtd/msg2003.pdf

◆◇渉外・パートナーシップ局◇◆
★グローバル化:国際政策動向
 グローバル化の社会的側面に関連する、G8サミットなど各種会議で採択された文
書の概要、UNDP発行の「人間開発報告」など関連出版物の要旨、ILO理事会関
連文書へのリンクを含み、ILOがモニターしているグローバル化の社会的側面に関
わる国際社会の動きが一目で分かる便利なサイト。

グローバル化:国際政策動向(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/exrel/global/policy.htm
最新会議・出版情報2003年1号(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/exrel/global/g-events_2003-01.htm
最新会議・出版情報2003年2号(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/exrel/global/g-events_2003-02.htm

◆◇労働安全衛生・環境国際重点計画◇◆
★責任ある企業市民精神を通じた安全衛生文化の持続的開発会議(デュッセルドルフ
 ・10月27〜29日)
 ILOの協力を得て、国連グローバル・コンパクト事務所が、労働安全衛生に関す
る国際展示会A+Aの中で、グローバル・コンパクトに関する会議を主催。ILOも、
ディーセントな作業環境を確保する方法などについて講演。

会議概要(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/protection/safework/labinsp/globcomp1.htm

◆◇社会対話・労働法・労働行政国際重点計画◇◆
★カンボジア衣料産業労働条件第7次総合報告書
 1999年にカンボジア・米国間で締結された繊維・被服貿易協定に基づき、ILOが
両国より要請されて実施している労働条件調査の最新報告書。

カンボジア衣料産業労働条件総合報告書(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/dialogue/ifpdial/publ/cambodia7.htm

★ILOWhat's Newページ(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/new/index.htm

□■□■□■ ト ピ ッ ク 解 説 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□
 ILOの活動内容、仕事の世界に関係するトピックの解説を行っていきます。
 第17回は、ILOの構造の基本である「三者構成原則(tripartism)」です。

◆◇三者構成原則(tripartismまたはtripartite principle)◇◆
 他の国連機関には見られないILOのユニークな特色、それは労働者と使用者の代
表が、政府と共にILOの政策策定に携わる三者構成の原則です。

★導入の経緯
 このILOの構造の根幹をなす三者構成原則は、ILOの設立と共に導入されまし
た。第1次世界大戦後の1919年、平和会議が開催された当時、産業革命の結果登場し
た多数の労働者の悲惨な労働状況は広く世界的に認識され、人道的な見地から対策を
求める声や、適切な対策を講じなかった場合に再び社会不安が発生することを懸念す
る声が多く聞かれました。労働者たちも団結し、国際会議を開くなどして、国際労働
立法や労働者の地位の向上を要求する運動が展開され、既に1901年には国際労働保護
立法協会(事務局・スイスのバーゼル)が設立されていました。戦争に貢献した労働
者階級の発言権も強くなっていました。
 このような動きの中、国際連盟の設立など戦後処理について話し合っていた平和会
議は、国際連盟と協力し、国際的な立場から労働条件の調査を行い、労働条件に影響
を与える諸問題について共同の措置を取るために必要な国際的な手段を検討する常設
機構の形式を勧告することを任務とする国際労働法制委員会を設け、1919年2〜3月
に会合を開きました。この委員会の勧告を受けてILOは誕生したのです。
 既に1916年、平和会議に提出する労働組合の要求を話し合うため、リーズ(英)で
開かれた労働組合の国際会議では、平和条約に労働条項を設けることや労働問題を討
議する国際会議の随時開催などを求める決議が採択されていました。これは、1917年
及び1919年にベルン(スイス)で開かれた労働組合の国際会議における、平和条約の
経済社会問題に関する条項の作成に労働組合の代表を参加させることや国際労働立法
開発のために政府代表と各国の組織労働者の代表から構成される会議を招集すること
などを要求する決議や綱領の採択に発展していきました。大戦中に開かれていたアメ
リカ労働総同盟(AFL)の年次大会でも、平和会議において組織労働者の代表の国
際会議を開催すべきとの決議が繰り返し採択されていました。
 国際労働法制委員会の審議に際し、英国はこのような要求をもとに、討議のための
草案を提出しましたが、この中に労働問題に関する定期会合を主催する常設機構の設
置提案が含まれていました。英国の草案では、会議に対する各国代表団は2票の投票
権を有する政府代表並びに労働者と使用者の代表各1名から構成され、労使の代表は
それぞれ自国の最も代表的な労使団体と合意の上、選出されるものとなっていました。
ここで使用者代表の出席が追加されたのは、労働者に発言権を与える上での均衡を保
つ必要性が認識されたからです。投票権の割合については、労働者2対使用者・政府
各1、あるいは政労使各1といったように相当の議論があったものの、最終的に、総
会の決定を実施する責任は政府にあるとの主張が通り、投票の結果、英国案が採択さ
れ、ILOの意思決定機関である総会においても理事会においてもこの政府2:労働
者1:使用者1の割合とする決定がくだされました。

★三者構成原則の運用
 政府、労働者、使用者の三者を活動に関与させるという三者構成原則は、ILOの
あらゆる活動に貫かれています。
 総会、地域会議の各国代表団は、前述のように、個別に投票する政府2名、労使各
1名で構成されます。議事運営を行う総会役員は、議長1名、そして政労使各1名ず
つの副議長から構成されます。議長は政府代表が選出される場合が多いですが、労使
代表が選ばれたこともあります。総会の付属委員会も政府代表のみで構成される財政
委員会を除き、全て三者構成で、票数計算においては、それぞれの投票力が同等にな
るよう比率計算方式がとられています。
 理事会も前述のように、理事数は、政府2:労働者1:使用者1の割合になってい
ます。役員として議長及び副議長2名が政労使各側から選出されます。
 産業別会議も原則三者構成ですが、使用者と政府が同一である公務部門のように二
者構成のものもあります。海事部門では伝統的に船主代表と船員代表から構成される
合同委員会があります。このような会議の出席者や議題は三者構成の理事会で決定さ
れます。
 ILO事務局内には、労働者、使用者それぞれの活動を担当する部局が設けられて
います。ILOは21世紀の活動目標をディーセント・ワーク、つまり、誰もが生き生
きと働いて、人間らしい暮らしが送られるような仕事の確保に置き、そのために四つ
の戦略目標を掲げていますが、その一つが社会対話の推進です。ILOの事務局では
社会対話総局がこの戦略目標を担当しますが、労働者活動局と使用者活動局はこの総
局内にあります。ここにはほかに、労働法や社会対話を扱う社会対話・労働法・労働
行政国際重点計画と、産業別に特有の諸問題を扱う部門別活動局が置かれています。
労・使活動局は、会議において労・使グループを補佐したり、セミナーの開催、技術
協力の提供、調査研究等を通じて、労使への支援・協力を行っています。

★三者構成と社会対話
 社会対話(social dialogue)とは、政府、使用者、労働者の代表が、三者に共通の
利害のある経済・社会政策事項について行う、あらゆる種類の交渉、協議、情報交換
とされます。当事者は社会的パートナー(social partners)と呼ばれます。三者構成
原則を基礎とした概念ですが、その最終目的は働く世界の主な利害関係者間の合意形
成と民主的な関与であり、はっきりとした形態が定義されているわけではなく、政府
が直接関与しない労使の二者対話も含み、制度化されているか、非公式であるかを問
わず、全国レベル、地域レベル、産業レベル、企業レベルのあらゆるレベルにおける
ものを含むものとされています。
 社会対話総局では、開発途上国及び市場経済移行国における社会対話、労働者参加
の推進、使用者団体の育成といった技術協力活動を展開しています。今日的課題とし
ては、世界銀行が融資の基礎として作成を求めている貧困緩和戦略文書の枠内で、経
済・社会政策策定において社会対話が果たしうる役割の重要性に注意を喚起すること
を目指し、各地で社会対話の育成に向けた事業を進めています。具体的なプロジェク
トとしては、アジアでは例えば、ノルウェーの資金協力を得て、南アジア諸国とベト
ナムで、三者構成と社会対話の促進を行っています。インドネシアではイギリスの資
金協力を得て、労働者教育プロジェクトを実施して、1999年から現在まで約6千人の
労働組合員の訓練を行っています。日本政府から任意資金協力を受けて、経済発展の
基礎としての良好な労使関係の確立を目指したプロジェクトを、80年代後半から90年
代にかけてアジア太平洋地域で実施したこともあります。技術協力以外にも、社会対
話や社会的パートナーの役割に関する各種の会議を開催し、経済・社会政策の策定に
おける三者協力の活用状況調査等さまざまなテーマで調査研究を行い、多数の書籍を
発表しています。

★三者構成と国際労働基準
 ILOが、政府、労働者、使用者の三者が参加する三者構成の組織であるという事
実は、総会で採択される国際労働基準(条約・勧告)にも反映されています。最低賃
金の設定、民間職業紹介所、最悪の形態の児童労働に関するものなど、条約・勧告の
大半が、その効果的な適用や講ずるべき措置に関し、政府と労使団体または労使の代
表との協議を規定しています。
 1960年には、相互の理解と良好な関係の助長を目指し、公の機関と労使団体間で、
産業的及び全国的規模で、効果的な協議と協力を促進する、国内事情に適した措置を
講じることを奨励する「協議(産業的及び全国的規模)勧告(第113号)」が採択され
ています。1976年には、日本も批准している「三者の間の協議(国際労働基準)条約
(第144号)」とそれを補足する「三者の間の協議(国際労働機関活動)勧告(第152
号)」が採択されています。
 第144号条約は、国際労働基準に関し、政府、使用者及び労働者の代表が効果的な協
議を行うことを目的としています。批准国は、ILO総会の議題に関する質問書に対
する政府の回答、批准条約に関する報告から生じる問題などについて、政府、労働者、
使用者の代表による効果的な協議を確保する手続きを取るものとされます。手続きの
性質と形態は、代表的な労使団体が存在する場合には、それらと協議の上、国内慣行
に従い決定できることになっています。協議を行う間隔は合意によって決定できます
が、少なくとも年1回の開催が求められています。労使団体はこれらの手続きにおい
てそれぞれの代表を自由に選出し、協議のための機関に平等の立場で代表されるもの
とします。手続きの機能に関する年次報告の発行も規定されています。
 第152号勧告は、協議手続きの例を挙げ、条約の規定を再言した上で、条約及び勧告
に効果を持たせるための法的またはその他の措置の準備と実施などに関しても協議を
措置するよう促しています。さらに、ILOが参加する技術協力活動の準備・実施・
評価、ILO総会その他の会議で採択された決議及び結論に関して取るべき活動、I
LOの活動に対する理解の促進に関しても協議手続きを拡張することを勧奨していま
す。
 また、三者構成の原則の実施には、結社の自由と団体交渉権の確保が重要です。結
社の自由はILOの基本であり、これらの原則は、1998年に採択された「仕事におけ
る基本的原則及び権利に関するILO宣言」にも盛り込まれている働く人々の基本的
な権利です。

★三者構成原則の普及と社会対話の促進
 1926年にILOの最初の事務局がジュネーブに開設されたときの式典で、理事会の
議長と副議長2名(フランスの政府側理事、ベルギーの使用者側理事、オランダの労
働者側理事の三者)が門につけられた三つの錠を三つの黄金の鍵を用いて開きました。
以来、三つの鍵はILOの三者構成原則の象徴となっています。
 政府、労働者、使用者の見解が、あらゆる意思決定プロセスに平等に反映されると
いうこの現実的な手段も、ILO内で全く問題なく運用されてきたわけではありませ
ん。例えば、三者構成原則の前提は、それぞれの当事者が独立の立場で協力の意思を
もっていること、それぞれの機能を効果的に果たすための十分な力を有することです。
第2次世界大戦後、ソ連など社会主義国がILOに加盟するに至り、社会主義国にお
ける労使代表は政府の支配統制のもとにあり、真の意味での三者を構成するものでは
ないとして、三者構成原則を巡る大きな論議がILO内で起こりました。ILOの会
議では、労使がそれぞれグループ会議を開き、意見の統一と調整を図っていますが、
ここから社会主義国の代表が閉め出される騒ぎが起こったこともあります。しかし、
民主化に伴い、このような状況は解消され、旧社会主義国は労使団体の育成・強化、
社会対話の推進に向け、ILOの技術協力を積極的に求めてきています。
 当初はさまざまな問題に直面した三者構成原則ですが、ILOの80余年の歴史の中
で採択されてきた約400の条約・勧告、数々の活動方針において達成された合意によっ
てその実用性が証明されています。総会を始め、さまざまなILOの会議で、ILO
内のみならず加盟国にも三者構成原則や社会対話の推進を求める決議や結論が採択さ
れています。例えば、1991年の総会では特に構造調整期において、経済・社会開発計
画の準備と実行のプロセスに、労使団体の完全な参加を確保するよう政府に呼びかけ
る決議が採択されています。1993年の総会では、技術協力におけるILOの役割に関
する決議の中で、社会的パートナーの参加の問題に関し、三者構成原則と社会対話の
推進を目指す事業や計画の数を増やし、三者構成原則を技術協力事業・計画の重要な
運営要素にすることが求められています。
 社会的パートナーに加え、ILOは、承認された非政府国際組織と協議のための適
切な取り決めを行うことが憲章で認められています。これに基づき、ILO憲章及び
フィラデルフィア宣言の原則及び目的を共有する労使以外の国際NGO(非政府組織)
をILOの会議に招いたり、一般的な協議資格を付与したりもしています。また、技
術協力活動では、多くの市民社会組織の協力も得ています。1999年の総会に提出され
た事務局長報告は、市民社会組織との関係と連携の確立という段落の中で、政府、労
働者、使用者がILOの構成員であることは明確にしながらも、政労使が直接には関
与しない分野やその存在が少ない分野が存在することも指摘し、開発、労働権、ジェ
ンダー、児童、障害者、高齢者といったILOの関心分野で活動し、発言を推進して
いる団体と、現地レベルで協働関係を樹立することの重要性を唱えています。
 2002年の総会で採択された三者構成原則と社会対話に関する決議は、世界の永続す
る平和を目的に、ILOが三者構成の構造で設立された意義を強調した上で、結社の
自由及び団体交渉の基本的な権利と原則など、社会対話のために必要な前提条件の確
保を加盟国政府に求め、ILOに対し、その三者構成体制の強化やそのための労使団
体の強化に向けた努力の継続、ILOが協力するその他の市民社会組織の選定などに
おいて政労使と適切に協議することなどを求めています。
 このように、ILOの創立以来の基本原則は、今日の状況・活動の中で、加盟国政
労使に再確認されているといえます。民主化や経済のグローバル化、各種の紛争といっ
た新たな課題の発生は、社会対話の重要性を増しています。ILOでは、働くことに
影響する経済・社会政策の策定、そして可能であれば実施にも労使を関与させる社会
対話の精神を奨励することによって、加盟国における三者構成原則の普及を図ってい
ます。

社会対話総局(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/dialogue/index.htm
三者の間の協議(国際労働基準)条約(第144号)(英語)----->
http://www.ilo.org/ilolex/cgi-lex/convde.pl?C144
協議(産業的及び全国的規模)勧告(第113号)----->
http://www.ilo.org/ilolex/cgi-lex/convde.pl?R113
三者の間の協議(国際労働機関活動)勧告(第152号)----->
http://www.ilo.org/ilolex/cgi-lex/convde.pl?R152

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