2009/09/08
老裏5[101]サービス残業
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 老人ホームの裏事情Part5 [NO.101] 2009/09/08 ~学校では教えない本当の社会福祉~ ◆エル・ドマドール ◇PC版 http://www.tamagoya.ne.jp/cms/senior5/ ◇携帯版 http://www.tamagoya.ne.jp/mobi/sen5-09/ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ …●この無料マガジンはあなたのご希望により配信されています。 …○このマガジンが要らないかた、解除はこちらでお願いします。 【まぐまぐ】 http://www.mag2.com/m/0000084809.htm ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ◎いつも「たまごや」のマガジンをご愛読いただきありがとうございます。 今週も「福祉界の猛獣使いことエル・ドマドール」さんのコラムでお楽しみく ださい。 ==================================================================== ┏━━━━━━━━━━━━━━━┓福祉を騙る偽善と悪行そして真実。福 ┃学校では教えない本当の社会福祉┃祉が「善行」だと信じる「良き介護者」 ┗━━━━━━━━━━━━━━━┛は読まないほうがいいでしょう。キャ リア10年以上の福祉界の猛獣使いことエル・ドマドールが暴く福祉の本当 の姿、そして痛烈な真実。 ==================================================================== 第101回 ■サービス残業 もう、結果が明らかになったが、総選挙の結果は当然のことながら劇的な変化 をもたらすものになるだろう。自民党政権から民主党政権に変わったことによ り、これから世の中がどうなるのか目が離せなくなった。実を言うと俺はある ことがどうなるのか注目している。それは暗黙の慣行として黙認されがちなサ ービス残業である。労働組合が支持基盤の民主党がこの悪しき慣習にメスを入 れてくるのは避けられないだろう。 実を言うと、福祉はサービス残業を抜きには語れない。もう福祉の現場で働く 読者諸君もこのことはよく実感しているだろう。俺も今まで避けていたわけで はないが、この話題を100回越えるまで不思議と出したことがほとんどなかっ た。今回はサービス残業について語ろう。 他の業界でもサービス残業は問題になっているが、福祉ではもうとっくの昔よ りサービス残業は当たり前のように定着している。福祉に携わる諸君の中でも サービス残業をしたことのない人はまずいないだろう。 暴論もいいところだが、少し前までは福祉=サービス残業は当たり前という福 祉関係者が少なくなかった。どうして福祉だけがサービス残業が当然なのか? 福祉は利用者に奉仕するのだから、サービス残業は仕方ないだろという理屈だ。 こんな経営者のプロパガンダとしか思えない暴論が搾取される側の従業員側か らも聞かれていたのだ。 しかし、俺はここでも言いたい。他の業界はいざ知らず、福祉においてはサー ビス残業は百害あって一利なしだ。なぜなら福祉は介護者がきちんと厚遇され ていないと、その影響がダイレクトに利用者に行くからだ。前からずっと言っ ているが、自分の権利を守れない人間がさらに弱い利用者の人権を守れるわけ がない。逆に利用者を搾取する側に回るのがおちだ。前述したサービス残業を 正当化した職員にしても、利用者に対して暴言を吐くなどやはり利用者の人権 を踏みにじっていた。これらの行為が虐待にエスカレートして、施設内での殺 人や死亡事故に結び付くことだって珍しいことではない。最近よく話題になっ ている刑務所内での暴力事件にしても、本質は同じなのだ。処遇する側の人権 が正しく守られない限りこのようなことは絶えることはない。 サービス残業は他にも深刻な禍根を残す。職員同士も虐げられいるために余裕 がなく、人間関係が悪化して深刻な内部対立や権力争いが起こってしまう。な んせどれだけ施設に貢献したか(=利用者に貢献したか)の目安としてサービ ス残業が使われるのだ。口では利用者のために残業するというが、実質は利用 者をダシにする実に醜い権力争いが繰り広げられてしまう。サービス残業が常 態化している職場はエゴむき出しの醜いスタンドプレーや権力争いがどうして も蔓延しやすくなる。なぜか?サービス残業ですでに犠牲になっている職員た ちに更なるチームプレイを要求しても聞き入れるわけがないからだ。このよう にして、内紛だらけの利用者不在の職場になっていまっている所は実に多い。 もちろん言うまでもないが、こんな内紛だらけの職場は離職率も例外なく高い。 俺が体験した職場だと1年間に17人職員が辞めたところもあった。勿論100人い た職員が17人辞めたという意味ではない。26人いた職員が17人辞めてしまった のだ。 福祉は最も離職率の高い産業の一つだが、これには蔓延しているサービス残業 の影響は無視できない。長時間の労働時間のために燃え尽きてパンク状態なっ てしまい、うつ病になってしまう職員も少なくない。またモラルハラスメント や権力争いに敗れて、屈辱感のあまり辞めてしまう人もいる。屈辱的な仕打ち を受けて、恨みを抱いた人の中には元の職場に報復する人もいる。悪い評判を 言いふらされたり、またはインターネットの掲示板で批判されたり、風評被害 も馬鹿にならない。だが、まだこれらはまだかわいい方だ。もっとえげつない 報復の仕方があるのだ。 それは労働基準監督署に駆け込むことだ。内部告発者を不利に取り扱うことを 禁止した公益通報者保護法はあるものの、労働基準監督署に行くことはすでに 退職したか、もはや退職前提の行動であることが少なくない。辞める前に報復 がてら正規の残業代を貰おうというわけだ。法律に詳しい人なら、辞める何カ 月も前からタイムカードをコピーしたり、勤務簿ならメモを残したりして念入 りに準備して労働基準監督署に駆け込んでいる。経営者でも知らない人が多い が、この労基署の行政指導はとっても恐ろしいものだ。都道府県の監査などと 同じものだとたかをくくっていると痛い目に遭うだろう。彼らの権力は税務署 よりも上なのだ。 労働基準監督署は刑事訴訟法で定められた特別司法警察員でもあり、犯罪捜査 を行う権限を与えられている。勿論警察官と同じように押収や尋問、逮捕をす ることもできる。現に2003年にある特別養護老人ホームの経営者が労基署の指 導に従わなかったために逮捕までされている。しかし、普通は違法行為を見つ けても、いきなり逮捕するような真似はさすがにない。最初は是正勧告書と指 導票を置いていくだけだろう。しかし、この是正勧告書を甘く見てはいけない。 これは簡単にいえば「不払い賃金の支払命令書」なのだが、労基署にチクった 従業員にだけ正規の残業代を払えばいいというものではない。ここに労基署の 恐ろしさがある。 なんと、 従 業 員 全 員に時効にあたる過去 2 年 間 分 全 額 支 給しなければならないのだ。 従業員全員に2年分の不払い賃金だけではなく、解雇予告手当、割増賃金、休 業手当を含み、必然的に増えた分の社会保険料も支払わなくてはならない。大 企業の場合だと億単位の請求になることも珍しくない。自業自得とはいえ、残 業代をきちんと支払わなかったツケはあまりにも痛すぎる。このような事態に 備え、企業の中にはタイムカードを退社時刻に打刻させた上で残業させたり、 印鑑だけの勤務簿にするところもあるが、そんな馬鹿な真似はやめた方いい。 労基署には何時から何時まで残業させられたかというメモだけで十分指導理由 になる。これに他の従業員の署名やメモまであればなお心強い。勤務簿なんて 労働管理など全くしていないと同義語だ。これでは従業員のメモにより満額回 答を余儀なくされるだろう。そしてタイムカードを退社時刻に打刻させて残業 させていることが従業員に証言で明らかになった場合は、タイムカードの信憑 性がゼロで労務管理の証拠にならないことを意味する。つまり高い金を出して タイムレコーダーを買った意味はないということだ。 どこの業界でも人件費を削るために残業代を目の敵にする経営者は少なくない。 ホワイトカラーエクゼンプションなど知的労働者の給料を時間ではなく成果で 計ろうとする動きもある。しかし、俺はここでも言いたい。世間の常識とは反 するが、残業代を払わない場合の方が人件費は高騰する。 アメリカは週450ドル以上稼ぐ知的労働者には残業代を払わなくてもいいホワ イトカラーエクゼンプションが適用される。だが、残業代を払って貰えない人 の方がはるかにコストが高くつく。例をあげよう。かつてクリントン政権で財 務長官を務めたロバート・ルービン長官は退官後、あのシティグループの会長 に就任した。そこで経営判断を誤り、26兆円ものの損害を会社に与えてしまう。 それにも関らず彼が会社からもらっていた給料はなんと年俸1億ドル(約100億 円)。日本の経営者でこんな億単位の報酬を貰っている人はどれだけいるだろ うか?けた外れの報酬に世論からの反発は当然だ。 公的援助を受けたAIGが社員に4億ドルという常識はずれのボーナスを与え、世 論の反発を受けたことは記憶にまだ新しいだろう。この時、AIGは「ボーナス を出さないと社員が辞めてしまう」と理解を求めた。確かにアメリカの金融ビ ジネスマンは長時間仕事をする。 しかも残業手当なしでだ。しかし、残業手 当がないということはその成果に対する報酬の単価が無限大に高騰する可能性 があるということだ。だから、アメリカのビジネス報酬はとんでもない額にな りがちだ。逆に言えば、残業代があれば時間数×単価だからどうしても限度が ある。残業代があると、人件費が増大すると経営者がよく主張するが、残業代 がない方が人件費が膨らみやすいのが現実なのだ。 エル・ドマドール 【関連記事】 知って得する労働法[105]残業あれこれ(4)サービス残業 http://www.tamagoya.ne.jp/roudou/105.htm 知って得する労働法[190]残業の上限 http://www.tamagoya.ne.jp/roudou/190.htm ご感想・ご質問・お便りはこちらから ⇒ http://www.tamagoya.ne.jp/mm/issue/senior5_prf.htm ■免責事項■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃記事・広告については不確実な内容を含んでいる場合があります。自己責任 ┃にてご利用ください。なお、記事の無断転載はご遠慮ください。 ┃執筆依頼・転載について: http://tamagoya.ne.jp/mm/e-service.htm ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ライター:エル・ドマドール ┃編集発行:たまごや Copyright(c)(週刊:1174部) ┃お問合せ: master@tamagoya.ne.jp ┃このマガジンへの広告掲載は: http://tamagoya.ne.jp/mm/ad.htm ┃メルマガライター募集中: http://tamagoya.ne.jp/mm/writer.htm ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ちょっと珍しい「そばがらくん炭」の通販は「たまごや商店」 ◇⇒ http://tamagoya.ocnk.net/product/270 ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



