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国際人になる早道は偉大なる非国際人を目指すことだと思っています。そんな私の日本ブラジル比較文明論をお送りします。

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2003/05/07

□■非国際人養成講座 第65号

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   □■非国際人養成講座■□  第65号

     グローバルがやってくる?☆

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● はじめに ●

  みなさんこんにちは、発行人のPEDRA(ぺどら)です。

  お久しぶりです。どうもここ2,3週間仕事の方がバタバタしていて集中力
  に欠ける日々が続いておりました。そろそろ何か書かなければ皆さんに忘れ
  られてしまうのでは?と思って何とかまとめようとしておりましたら・・・

  ふと、ネタが急に思いつきました(笑)

  ので、それを利用しましょう。ネタは新鮮さが命です。といっても発行人ぺ
  どらにとって新鮮なだけで知っている人にとっては当たり前のことかもしれ
  ませんが。


● 勉強はきっと役に立つ ●

  発行人ははるか昔の大学生の頃、マクロ経済学というものをそれなりに時間
  をかけて勉強していたつもりですが、民間企業なんかに就職してしまったた
  め、まったくそれを忘れておりました。

  特に最近は、「グローバル経済」モデルの流行ですっかり自由競争信奉者に
  なってしまい、構造改革さえきちんと行われればいずれ(どれほど時間がか
  かるかは知りませんが)日本経済は復活するはずだと単純に考えていました。

  ところが、最近ある人の書いた文章を読んでいて、どうも問題はそんな簡単
  ではないらしいことに気づきました。そしてそのヒントは、何のことはない、
  自分のやっている現在の仕事にあったのです。


● ブラジルはグローバル世界の優等生だ ●

  ブラジルには沢山の外資系企業があります。もちろん私の働いている会社も
  その一つです。

  自動車など、フォードにGM、FIAT、にフォルクスワーゲン、おまけに
  トヨタに本田に現代といった具合で、市場は完全に外資系に制圧されていま
  す。食品ではNESTLE社が巨大で、ただのインスタントコーヒーの会社
  だと思っていたら大間違い。雪印乳業を吸収するだけの十分な資格をもつ大
  会社です。

  おまけに最近は、日本でいうNTTや東京電力にあたる国策会社までどんど
  ん外資に買い取らせています。その売却代金があの膨大な政府の借金の返済
  に充てられているのは言うまでもありません。

  つまりブラジルは外国資本の流入が活発な、グローバル化の先進国というわ
  けです。


● 持主は問題ではないのか ●

  ところでこの現象をサービスの受益者という立場から見ると、会社の持主が
  同国人であるか外国人であるかなんてどうでもいい問題です。要は、品質が
  良くて価格が安ければそれに越したことはないのですから。

  「味の素」とネスレのインスタントコーヒーがあって、どちらを選ぶかと言
  われて民族系だから自分は絶対に味の素社製しか飲まないという人はいない
  でしょう。価格、味、品質以外の要素はそんなに重要ではありません。

  それどころか、もし経営者が無能でろくなサービスも提供できず、しかも価
  格も高いとなれば、むしろ外人経営者に買ってもらったほうが良いかもしれ
  ません。

  特に金融機関のように、長い間政府の保護下にあったところは客を客とも思っ
  ていない態度で、こんな業界にこそ自由競争の原理を導入して欲しいと思う。

  経営を改善する気のない銀行なんて、さっさと外資に売り払ってしまえば他
  行も危機感を感じてサービスの向上に努めるだろうとみんなが思ったとして
  も決しておかしくはありません。

  ところが、それが一向に進まないのはなぜでしょう。それは、抵抗勢力が自
  分の利権を荒らされたくないから懸命に反対しているからだと説明されます
  が、本当ですか?


● 構造改革に期待するな ●

  実は私も最近までそう思っていましたし、このメルマガにそういう論調の意
  見を書いたこともありました。ところがどうもそれは違うのではないかと思
  い始めています。

  確かにミクロで考えれば自由競争の原理が働いて、消費者にとっては価格も
  サービスもいいほうに展開します。しかしそれは一面的な真理でしかありま
  せん。生産者にとってはそれだけ安い賃金でこき使われるということです。

  しかし構造改革には痛みが伴うと小泉さんも言っていましたから、日本経済
  再生のためには止むを得ません。多少の不都合は甘受しましょう。

  考えてみれば終身雇用も年功序列型賃金ももう時代の役目を終えたのだ。そ
  んなことより、これからは実力主義の時代、いよいよ自分の実力(?)が正
  当に評価される時が来る・・・

  しかし、それは甘い。甘すぎるのです。


● 会社は株主だけのものだ ●

  外資系企業は何のために言葉や制度上のリスクを背負ってまで外国までやっ
  てくるのでしょう。自社製品の良さを他国にも知ってもらいたいからですか?
  そんなわけはないでしょう。

  目的は金儲けでしかないはずです。少なくとも定期預金以上の利潤が稼げる
  と踏んだから投資しているのです。ならば、そこで得た利潤は本国に送金す
  るのが筋でしょう。つまり、出来る限り費用を絞って(つまり、現地人を安
  い給料でこきつかって)出来る限り多くのお金を日本に送り返すのが進出企
  業の使命なのです。

  連結会計制度の下では、子会社の出た利益は親会社の成績に加算されるから
  わざわざ送金する必要なんてないなどと、子供みたいなことを言わないでく
  ださいね。

  対外資産なんて、その国の政府の意向でいとも簡単に凍結されてしまうので
  す。凍結されなくても、インフレがあれば強制的に価値を下げられてしまう
  のです。だから私たちは、日本に毎年せっせとお金を送らなければいけませ
  ん。


● 進出される国の立場で考えると ●

  そして、次にはこれを逆にブラジルの立場から考えて見ましょう。つまり、
  ブラジルにあるお金の量は毎年外資系企業が配当金の名目で本国に送金する
  分だけ着実に減っているのです。もしそれが外資系企業でなかったら、確実
  に国内に残っているはずのお金です。

  お金は流通します。国内にあるお金であれば、それはいつかは国内の財やサー
  ビスの購入に向けられますので、それらの生産に必要な雇用を生み出します。
  しかし国外に逃げてしまったお金はいったいどうなるのでしょうか?二度と
  国内には戻ってきません。

  そしてこれは、なんのことはない、植民地経営そのものじゃないかと思うわ
  けです。といっても昔のように従業員を奴隷のようにこき使っているわけで
  はなく一応それなりの給料も払っているし、その国の市場にはそれなりに良
  質な製品を供給していますから一見良いこと尽くめようにも感じます。

  しかしその裏では、出た利益はちゃんと日本に送金しているのです。極端な
  話、何年か送り続けてそれが投資額を十分に上回れば会社をたたんでしまっ
  てもいいのですよ。しかし原則はやはり細く長く儲けようということで一部
  は内部留保にまわしたりしていますが、基本はいかにお金を効率的に吸い取っ
  て送れるかということでしかありません。


● 安易に外資に頼ることの見返り ●

  一方その分、その国にとってみれば流出した金額の分社会の総需要が少なく
  なっているわけですから、デフレスパイラルを避けるためにはその分何らか
  の形で追加の需要を創出してあげる必要があります。しかしそんなお金が政
  府にあるわけありませんから、またそれを外国の銀行から借りてきたりとか、
  新たな投資を再びよその国にお願いする、というようなことを繰り返してい
  ます。

  実際は輸出入もありますし、為替も動きますからもっと複雑ですが、私がど
  ういう状況を言わんとしているかお分かりでしょうか。つまり、多国籍企業
  の進出は形を変えた植民地経営に他ならないということです。深く係わり合
  いになればなるほど国は全体として貧しくなっていくし、そのうち国の独立
  性まで損なうまでに至るのです。

  昔は「アメリカがくしゃみをしたら日本が風邪を引く」と言われたようです
  が、今のブラジルでは風邪はおろか肺炎にまでなってしまうのではというほ
  どの依存振りです。今やアメリカとの関係は単に輸出入だけの問題ではない
  のです。これだけ投資を受けていて、一斉に資金を引き上げられたら国など
  簡単にパンクしてしまいます。


● だから、「非国際人」のすすめ ●

  ですから経営者の方々にはくれぐれも外資系の餌食にならないように頑張っ
  ていただきたいと思っていますし、能力のないお方は事態が収拾不可能にな
  る前に早めに引退していただきたいと思っています。それとも、本当に優秀
  な経営者というものはもう日本にはいなくなってしまったのでしょうか。

  ならば、潔く外資の軍門に下るしかないのかもしれません。なあに日本人は
  優秀ですから、ブラジルやアルゼンチンのようなことはないでしょう。ただ、
  今後二度と経済大国だなどとほざくことは出来ないでしょうね。

  それにしても、日本には真の愛国者はいなくなってしまったのかと思います。
  それともみんな、どんどんパイの小さくなっていく実力社会で生き残る自信
  がおありなのでしょうね。


● 編集後記 ●

  イラクと北朝鮮とSARS、そして松井の活躍(笑)に国民が気を取られて
  いる一瞬の隙をついてのこの株安。まったくアメリカ金融帝国主義の手先ど
  ものやることは油断がなりません。

  それにしても、なんか受け止め方がクールなんですよね。日経なんて人事み
  たいな書き方で。世の中も銀行の一つくらい外資に買われた方がいい気味だ、
  みたいな。

  しかし、日産がルノーの軍門に降ったときはもっとセンセーショナルに騒が
  れたような気がしていますが、「みずほ」は別にどうなってもいいのかい?っ
  て思っちゃいます。

  その一方で自分のやってる仕事が今のトピックに大いに関わっているとわかっ
  てびっくりしています。やはり経理は奥が深い。舐めちゃいけません。普段
  暇そうだからといって雑用ばかりさせていてはいけないのだ(笑)。

  でも、金融ビックバンの結果、このようなことになると読めなかったのはや
  はり日本の会計人の勉強不足も大いにあったと思う次第。まあ会計に限らず、
  あらゆる分野で日本人は修行が足りませんね。

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  □■非国際人養成講座■□  第65号      
     発行日:2003年5月7日
     発行者:PEDRA(ぺどら) 在サンパウロ
     mail:isamu407@yahoo.co.jp
     hp:http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Forest/6347/

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