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国際人になる早道は偉大なる非国際人を目指すことだと思っています。そんな私の日本ブラジル比較文明論をお送りします。

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2003/03/26

□■非国際人養成講座 第61号

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   □■非国際人養成講座■□  第60号

     情報飢餓状態を生きる国際人☆

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● はじめに ●

  みなさんこんにちは、発行人のPEDRA(ぺどら)です。

  ここのところしばらく、「非国際人」のテーマは海外に出た日本企業の行動
  をお送りしていますが、今回のテーマは「情報」ということで。さて、一回
  で書ききれるかな?


● 情報収集に完璧という言葉はない ●

  海外で仕事をするには不安がいっぱいです。手がかりになりそうな話ならど
  んな情報でも欲しいと思います。もっともどんなに情報を集めたところで完
  璧ということはありません。

  一方では不安が高じて情報を集めれば集めるほどわからないことばかり増え
  てくるでしょうが、集めてだけいても話が前に進むわけではありませんから、
  いつかは見切りをつけて出発しなければなりません。

  サラリーマンであれば、心の準備があろうがなかろうが一度決めた赴任日を
  ずらすことはできません。


● 意外と見つからないブラジル情報 ●

  ところで発行人、今でこそHPでブラジル紹介の真似事みたいなことをやっ
  ていますが、もともとブラジルとは縁もゆかりもない人間です。ですから、
  赴任の話が冗談ではなく動かしようのない決定事項とわかってからはそれこ
  そ猛然と情報収集に走り回ったのです。ですが・・・

  ブラジルについてのまともな情報が日本にはほとんどないことを知って唖然
  としたものです。サッカー・カーニバル・アマゾンのブラジル三大名物(?)
  を除けば、ブラジルという国について一般的なことを説明してくれるような
  本はかなり大きな書店に行ってもほとんど見つかりませんでした。

  結局事前学習として一番役に立ったのが「地球の歩き方」でしたから、まる
  で笑い話です。しかもこれすら、ベネズエラとワンセットという大変中途半
  端な編集でしたが。旅行ガイドも、アメリカやヨーロッパならそれこそ都市
  ごとに一冊ずつ書いているところもあるというのに、片や「南米」まとめて
  一冊というひどい差別待遇です。

  要するに南米の情報など発信しても儲からないということです(笑)。ただ
  しかし、これである意味悟るものがあったのは確かです。つまり結局は行っ
  てみなければ本当の事はわからないということです。


● マニュアル天国・日本 ●

  これはブラジルに来てしまってから気づいたことですが、日本人ほど旅行ガ
  イドを含めマニュアル本をありがたがる国民は他にいないのではないでしょ
  うか。

  たとえばあるスポットを紹介する場合、日本のガイドブックならたいていそ
  こに行くまでの地図を載せているものですが、こちらのその種の本にはまず
  ありません。住所と電話番号が書いてあるだけです。

  そして更に、ここには日本にあるような縮尺率の低いよくできた地図などあ
  りません。つまり知らない人がそこにたどり着くためには、途中何度も迷っ
  たり、道を聞いたりしながら行くしかないのです。

  話は旅行ガイドにとどまりません。日本によくある「○○入門」と銘打って
  高くても千円くらいで買えるノウハウ本などまず見たことがありません。

  つまり、日本でそうしていたように活字媒体から実用的な情報を得るのはま
  ず無理なのです。何かを知ろうと思ったら、詳しいと思われる人に直接尋ね
  るか、或いは少ない情報でも自分なりに考えて解決するしかないのです。


● 情報中毒者は苦悩する ●

  しかしながら、これが旅行とか釣りとかの余暇の領域の話ならまだしも、法
  律の改正とか政治・経済情勢の変化にように業務にかかわる問題ともなると
  笑って済ませられません。

  そして、ただでもメディアが貧弱なところに持ってきて、言葉の壁の存在す
  る私たちが手に入れることのできる情報はまことに限られています。新たに
  理解できない現象に直面するたびにその情報量のあまりの少なさに絶望的に
  さえなるのです。

  その点、旅行や釣りはおろか確定申告の書き方や貿易実務、果ては自民党の
  派閥の成り立ちに至るまでの知識をたかだか昼食代程度で提供してくれる日
  本の出版社の鷹揚さはまさに驚異的です。

  ところがこの便利さが仇となって、私たちは情報依存症になっているとは言
  えないでしょうか。より完璧な情報を求めるあまり、自分で情報を分析し、
  考える能力が退化してはいないでしょうか。

  (やはり一回では書ききれませんでした。この話の続きは次号で)


● 編集後記 ●

  こちらでもニュースは戦争の話題で持ちきりですが、思ったより平穏な気が
  します。デモなんかもあまり派手に行われた形跡はありません。かといって
  国民が米国支持なのかと言えばそうではなく、人々の話し振りからは強引に
  開戦に向けて突っ走ってしまったかの国に対する嫌悪感は相当に見て取るこ
  とができます。また、折々のルーラ大統領のコメントにもそれを感じます。

  とはいえ経済的にブラジルは相当にドルの恩恵を受けているため、アメリカ
  なしでは国の存続そのものが危うくなってしまうという現実は無視できませ
  ん。この辺の苦々しい思いは日本国民と同様のものがあるはずです。

  ところが違うところは、ここの歴代政治家は国民へのリップサービスのつも
  りでしょうがどうしても「余計な一言」を口走ってしまい、後で厳しいお灸
  を据えられるというパターンが非常に多いようです。地球の反対側の某国の
  ように黙って忠犬よろしく付き従っていれば今ごろはもっと・・・

  それはともかくとして、ブラジルのテレビニュースでは戦争の話になると必
  ず映し出されるのがローマ法王のお姿です。その姿はかつてポーランドが民
  主化で揺れた時期に大活躍したあのヨハネ・パウロ二世と同一人物とはとて
  も思えないほど年老いて、語る言葉も弱々しくなってしまいましたが、彼の
  姿が毎日のように映し出されることを考えると、やはりブラジルはカトリッ
  クの国だということを強く感じます。

  年老いた法王は特別なことをしているわけではなく、ただ昔からそうしてい
  たように信者を集めてメッセージを発し、祈りを捧げているだけのように見
  えます。しかし、ひたすら平和を念じ祈り続ける年老いた法王というイメー
  ジはどんな計算し尽くされたパフォーマンスよりも強いインパクトを信者た
  ちに与えているはずです。(この法王が祈りを捧げている「神」と、ブッシュ
  大統領が自分の演説の中でよく引き合いに出す「神」は果たして同じ存在な
  のでしょうか?)

  そして、ブラジル人の戦争に対する考え方の背後にあるのがこの法王の存在
  に他ならないと思うのです。

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  □■非国際人養成講座■□  第61号      
     発行日:2003年3月26日
     発行者:PEDRA(ぺどら) 在サンパウロ
     mail:isamu407@yahoo.co.jp
     hp:http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Forest/6347/

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