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2002/03/01

[WEN 32] オオカバマダラチョウ大量死のなぞ

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          世界の環境ホット・ニュース(WEN) 32号

               2002年3月1日 別処珠樹

             オオカバマダラチョウ大量死のなぞ

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 前号に続いてメキシコのニュースです。いまメキシコの山岳地帯にオレンジ色
の羽根に黒いまだらのある見事な「オオカバマダラチョウ」がいます。英語では
「Monarch butterfly」、中国では「帝王蝶」と呼んでいるようです。
 ▼美しい写真は→ http://www.edutrek.net/monarch.jpg

 この蝶は冬の間、暖かなメキシコの山岳地帯で過ごし、春になるとアメリカや
南カナダに移っていきます。そこで 幼虫→さなぎ→成虫 の世代交代を3〜4
回ほど行い、冬になると、子孫が再びメキシコに移住するという不思議な生態を
もっています。メキシコをまったく知らないはずの子孫がなぜうまく元の生息地
に戻れるのかは、まだよく分かっていません。

 この蝶がメキシコで大量死する事件があり、問題になっていました。昨年3月
のロイターを読みますと、次のように情景が描かれています。

  毎年二月にオオカバマダラチョウの祭典が行われるので、ミチョアカン州の
 町の文化担当官ロドルフォ・フエンテスがサンアンドレス山の急な坂を上って
 いった。祭典に来る人たちにみせる冬眠中の蝶を探した。山の高いところに森
 があり、ぎょっと驚いたのは、そのまわりに最近木材を伐採した跡があり、以
 前の山火事で燃えた跡もあったことだ。蝶の生息している様子はなく、ただそ
 こには幅50メートル、長さ200メートルにわたって累々と蝶の死骸がよこ
 たわっていた。オレンジ色と黒の蝶が何重にも折り重なり、カーペットのよう
 になっていた。

 この大量死について、木材を伐採するもぐり業者がうるさい蝶を殺すために殺
虫剤を使うのではないかと言われましたが、分析しても農薬は検出されず、結局
木材の伐採が生息条件を破壊しているという結論です。

 ミチョアカン州 Michoacanはメキシコ中部の太平洋側にあり、蝶の生息地とし
て保護されています。ところが最近では木材の違法伐採が行われ、ひどいのにな
ると夜間に警察の目を逃れて作業するありさま。メキシコ政府が対策にのりだす
ことになりました。とはいえ、夜間に作業するのまで止められるかとなると、名
案もないようです。
 ▼最新の記事 
 http://www.planetark.org/avantgo/dailynewsstory.cfm?newsid=14681

 この事件は、同じようなことが世界の至るところで起きていることを示唆して
います。農産物や木材資源の流通が世界市場に組み入れられ、単一作物ばかりが
栽培されたり、同じ植物がどんどん伐り出されたりすると生態系が単純化して、
そこに生活する生物が限られたものになってしまったり、外来種が優占種になっ
たりと、大きな変化が世界各地で生じていることの現われでしょう。このような
世界経済のありかたの問題点について、つぎのような論文があり、大変読みやす
く世界の現状が把握できますので、お勧めします。

 降旗節雄「グローバリゼーションとは何か」
(『技術と人間』2002 年 1・2 月合併号)

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             読者からのご意見欄↓
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                     藤原寿和さん(環境市民ひろば)

 「世界の環境ホット・ニュース」をいつも刺激を受けながら読んでおります。
今回、埋立処分問題をめぐってのメーカー勤務の方からのご意見に対して、私の
意見を述べさせていただきます。ご意見にある「我々住民が廃棄物を出さない意
識やモラルを向上させ、極力、廃棄や買い替えを控え、新品を買うよりもリサイ
クルにお金がかかることを受け入れ、リサイクル率を少しでも向上させることが
必須と思います。」との下りにはもちろん異論はありませんが、上流側の生産者
責任はどうなっているのでしょうか。

 鶏が先か、卵が先かの議論になるかもしれませんが、消費者の責任を言う前に、
消費者の消費(浪費)志向(嗜好)を煽るような形で大量生産を行い続けている
(その結果として資源の無駄と大量廃棄を生み出している)生産者(産業側)の
責任の自覚と法的強制が第一義的に必要なことだと思います。一方で「必要もな
い製品のたれ流し生産」を続けている生産者側を規制することなく、消費者の意
識向上とモラル確立を求めるのはいかがかなと思いますし、ましてや「消費者も
排出者・汚染者」だから生産者と同等の役割分担が必要だとの国や産業側の考え
方には到底組することはできません。まずは産業側に「企業モラル」の確立と、
「積極的な環境行動」を求めるべきではないでしょうか。

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(編者より)
 上の藤原さんのご意見に関連して、アメリカの『ナショナル法律雑誌』のサイ
トに面白い投票がありますので、みなさんも参加されたらいかがでしょうか。ホ
ームページを訪問し、右下に投票コーナーがあります。
 http://www.nlj.com/index.shtml

「市場に出回っている化学物質が安全かどうかを証明する法的責任はだれが負う
べきか?」というアンケートにウエブ上で回答するものです。回答欄は二つあり、
「消費者 consumers」と「企業 businesses」の 二つのどちらかのボタンを押す
だけです。下に「現在の結果 current results」のボタンがあり、いま企業に投
票した人が84%になっています。私の一票もここに入っています。

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●明らかに個人的なご意見と考えられる場合をのぞいて、いただいたメールは投
稿と見なし、原則として掲載しています。掲載を希望されない場合、匿名をご希
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     転載は自由ですが、印刷物に使われる場合はご連絡下さい。
    発  行:学びと環境のひろば   http://www.kcn.ne.jp/~gauss/
    お問い合わせ・ご意見は:    hoxaj@yahoo.co.jp 別処珠樹まで
    登 録・解 除:  http://www.kcn.ne.jp/~gauss/a/mag2.html
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