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6人の建築専門家で結成したデザイン事務所「エディットデザインワークス」が発行。すまいとくらしのあれこれについて、設計者や施工者の立場から、楽しくためになる話題を提供。これから家づくりをしようとされている方は必見です。

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2008/01/10

すまいとくらしのア・ラ・カルト vol.143

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                         2008.1.10 Vol.143 
            
            住まいづくりの6人の専門家が
             あなたの暮らしと住まいを
               デザインします

 
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  ●コラム(家づくり箴言の知恵・名言のヒント)



   人々はこの根拠地を得てはじめて、社会の中に生活も可能となるのであり、
   平和な世界となると私は考えたい。されば、逆に社会にとって、最も大切な
   のは、人々がよりどころとする彼らの住居を与えることである。物質的な場
   と人間的な関係とを。

                           (吉阪隆正・建築家)



   我々は日頃、住居と平和とを結びつけることはあまりないでしょう。
   しかし、世界には平和も住居も無い生活を強いられている人たちがたくさん
   います。このことを肝に銘じることも、自分たちの住まいを考える上での大
   切な心構えではないでしょうか。

   そして、平和のためのよりどころである住居にとって、「物質的な場」だけ
   でなく「人間的な関係」を獲得することがいかに大切かは、昨今の多くのニ
   ュースが知らせるところです。  
   
                               (笠井義文)

  
  
  ●よろしければブログ日誌もご覧ください(ほぼ毎日更新しています)。

    →http://edit.jugem.cc/

   
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  ●エディット広場 
 
  エディット仲間の連載シリーズをおとどけしています。 



  美術発見  2008年1月
  ---------------------


  子の年明けましておめでとうございます。皆様には穏やかなご越年で、佳いお
  年を迎えられたこととお慶び申し上げます。今年一年の皆様のご健康とご多幸
  をお祈りしつつ、今年もどうぞよろしくお付き合い下さいますようお願い申し
  上げます。

  昨年末に、ちょっと変わった出会い(?)がありました。仕事上、日本の近代
  美術の作品を確かな目で観ることができる人を探していましたところ、知人の
  紹介でこれまで会ったこともない方にアプローチすることになったのです。

  作品の真贋や適正価格についてのご意見を伺うために、大阪のご自宅に連絡を
  取りました。こちらの意向を述べた後、先方は即座にこう言われました。「商
  売をたたんで10年経って、私は80にもなりますねん。もう、徳島くんだり
  にまで、よう出向いて行きまへんわ。しんどい。お断りします」と即座に依頼
  を退けられてしまったのです。
 
  表だったところの仕事は引退されたけれど、引き受けて下さるのではないか、
  と思って情報をくれた知人には報せずに、体調のことに思い至らずに、不躾に
  失礼なお願いをしてしまったことを詫びる手紙をしたためて、投函しておきま
  した。

  しばし後、その方から返信を頂きました。その中には、ご自分の現役引退時の
  新聞記事コピーがいくつか、同封されていました。かなり個性的で確かな目を
  持っていらした方のようで、筋の通った手厳しい発言があちこちにちりばめら
  れていました。しばらく読んでいて、はっとしました。

  記事にある発言を拾い上げると、「画廊が増えて、ど素人が展覧会を開く。今
  やロクな絵描きがおらん。鑑賞者の質も下落しましたがな」「美術館も何をし
  ているやら」「いろんな意味でイヤになった」など。この方は、当時の現代美
  術のありように満足されず、美術作品を扱う業界のさまを儚(はかな)んでご
  自身の商売をたたまれたのでした。

  そんな方に、美術作品をめぐるもっとも生々しい現場に居並んでは頂けまいか
  とお願いしたのはこの私。こりゃ、イカン!とばかりに、再びその親切へのお
  礼の手紙を出しました。「美術の現場のていたらく」を目の当たりにし、「絶
  望して」現場から退く決意をした人に、なんというお願いをしてしまったのか
  という申し訳なさと共に、「あなたをがっかりさせないように、私も今後ます
  ます精進します」という自分なりの決意のようなものを記したのでした。

  それにしても、状況は十年前以上に酷いものになっていることも事実です。で
  も、私自身は諦めてもいません。美術や文化の持つ底力を信じているからです。
  80代になってなお、あのコピーを送ってくださる美術への愛に報いるために
  も「精進の年」にしようと思っています。時を同じくして、県知事は「文化の
  推進のためにゼロ予算事業のより一層の充実を」なんてバカなことを述べてい
  ましたが、文化への理解のなさをさらけ出しただけです。税金を使って贅沢な
  シートで海外にお遊びに出かけ、何を得てきたというのでしょうか。恥ずかし
  くさえあります。

  さて、年が明けると、今度はもう一人のリタイアした御仁からのメッセージが。
  いや、制作をしないというだけで、彼は今も彫刻家ではありますので現役か?!
  いずれに しても「創らない彫刻家」になった福岡道雄さんからのメッセージ。
  「創らない暮らしに、なんとなく緊張感がなくなってきた」という内容のお便り
  でした。それはそうでしょう。創らないでアーティストとして社会的に生きる
  ということを、かつて誰一人成し遂げたことはありません。

  文筆業を引退して、悠々自適というのとはまったく異なり、彫刻家として、緊
  張感を持続させながら現代社会へのするどいまなざしを持ち続けたところで、
  それをどのようにして伝えるのか、その最強の手段を手放してしまったわけで
  すから、大変です。けれども、新たな模索の苦しみは、創造の現場には不可欠
  のものです。ひょっとしたら、行き詰まった現代の救世主は、新しいスタイル
  で世の中を刺激する新生・福岡道雄かもしれないと、傍目には楽しみでもあり
  ます。とはいえ、どんなスタイルなんだろう?

  他方で、今年こそ正しく「女子」になるのだと張り切って宣言した親しいフリ
  ーランスの美術関係者がいました。まっとうなおやじスタイルを貫いていた知
  性溢れる30代後半の女性ですが、仕事柄、ファッション性を強く求められ、
  今年は流行のスタイルを学ぶことから始めると言います。まず、オベンキョウ
  用のファッション雑誌選びから始めたけれど、これが大変だったというのが新
  年初のメッセージでした。ガンバレー!

  彼女が関わるファッション・美容業界は不況などどこ吹く風で、儲けたお金を
  現代美術に投資しているようですが、これはこれで、正しいお金の動き方かも
  しれません。いつの世も、女性のファッションや美容関係の会社は食べ物産業
  と同じくらいに安定して存続しているようです。裏では熾烈な争いがあるにし
  ても。ただ、現場の人達の画一的なファッションセンスには疑問を感じないで
  はいられません。少し前には、パーティーでは皆、見事にI.M.の衣服を身に付
  けていましたっけ。
 
  そうかと思えば、大学時代の仲間の一人からの年賀状に「姓が変わったよ」と
  あったので「一体どうしたのよ?」と返したところ、「相手が女性なので、養
  子縁組にした」という返事。なんだか欧米の美術関係者のようだな、とたまげ
  ましたが、彼女は昔から、男女を問わず美形好みだったので、やはり「今、美
  しく輝いている」女性をパートナーに選ばざるを得なかったのだ、と納得もし
  たわけです。こっちもガンバレー!
 
  いやはや、周りの人達にはそれぞれの年越し、年明けがあり、世の中動いてい
  るなあと知らされたことでした。今秋は徳島で「建築士会全国大会」ってのも
  ありますし、楽しい動きが身辺にたくさんありますようにとお祈りしつつ、ま
  ずは新年のご挨拶です。

                                (玉川稲葉)

  
  
  
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   ●次回予告   vol.144の発行は、1月25日頃を予定してます。
       
 
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