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2008/08/15

江戸東京博物館ニューズレター 82号

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 江戸東京博物館メールマガジン 2008/8/15     82号
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 立秋を過ぎ、暦のうえでは秋というのに、東京ではまだまだ残暑が続いていま
すね。昨年から最高気温が35度を超える日を「猛暑日」と呼ぶようになりまし
たが、今年はあと何回「猛暑日」が来るのでしょうか。
 でも、そんな暑さを忘れさせてくれる場所があります。それは江戸博の展示室
です。現在開催中の「書の名宝展」は王羲之の「蘭亭序」を始め、中国国外で
見ることができる機会はもしかしたらこれが最初で最後かも、という数々の名品が
出品されています。
 しかし、それだけに中国側の作品に対する気の使い方もかなりのもの。借用先
の故宮博物院からは作品保護のため、展示室の温度と湿度の設定に、厳密な条件
が課せられているのです。なので、展示室はとても涼しく、お客様によっては
「寒い!」と感じる方もいらっしゃるようです。少し温度をあげてほしいという
リクエストもいただきますが、これも貴重な作品を守るため、何卒ご理解くださ
いますようお願いいたします。
 「書の名宝展」は9月15日(月・祝)まで開催しております。
何か一枚、羽織る物を持って、是非お越しください。


=====【目次】========================================================
●特別展のご案内
【開催中の特別展】   「北京故宮 書の名宝展」
【次回の特別展】    「ボストン美術館 浮世絵名品展」
     
●常設展示室
【開催中の企画展】    発掘された日本列島2008 
【次回の企画展】    浅草今昔展

【ミュージアムトーク】 平成20年8月15日(金)〜平成20年9月12日(金)

●◇“旬”◇

●図書室から
   図書室からのおしらせ
  司書のオススメ!(64)

●たてもの園から
  たてもの園からのおしらせ
  たてもの園8月、9月の催し
  小金井からの風

●学芸員のつぶやき


◇◇江戸東京博物館 ご案内◇◇
 〒130-0015 東京都墨田区横網一丁目4-1
 電話 03(3626)9974(代表)
 HP http://www.edo-tokyo-museum.or.jp

◇開館時間◇
 午前9時30分〜午後5時30分(土のみ午後7時30分まで)
 *入館は閉館の30分前まで

◇休館日◇
 毎週月曜日(祝日、振替休日が休館日に当たる場合は開館、翌日休館。
 大相撲東京場所開催中は開館)年末年始(12月28日〜1月1日)休館。
  *9月15日、9月16日、9月22日、9月23日は開館日です。

◇交通◇
 ●JR総武線 両国駅西口下車 徒歩3分
 ●都営地下鉄大江戸線 両国(江戸東京博物館前)駅下車A4出口徒歩1分
 ●都バス S-1・墨38・錦27・門33系統「都営両国駅前」下車徒歩3分

※特別展・企画展・催し物等の日程・内容等は変更になる場合があります。


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●特別展のご案内
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◆開催中の特別展
 特別展「北京故宮 書の名宝展」 

 会期:平成20年7月15日〜9月15日
 場所:1階 企画展示室
 *詳しくは下記ホームページをご覧下さい。↓
 http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/kikaku/page/2008/0715/200807.html


◆次回の特別展
 特別展「ボストン美術館 浮世絵名品展」 

 会期:平成20年10月7日〜11月30日
 場所:1階 企画展示室
 *詳しくは下記ホームページをご覧下さい。↓
 http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/kikaku/page/2008/1007/200810.html
 

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●常設展示室
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◆開催中の企画展
  発掘された日本列島2008
  会期:平成20年7月19日(土)〜8月31日(日)
  *詳しくは下記ホームページをご覧ください↓
   http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/about/josetsu/dai2/2008/0719/0719.html

◆次回の企画展
 浅草今昔展
  会期:平成20年9月14日〜11月16日
  *詳しくは下記ホームページをご覧ください↓
 http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/about/josetsu/dai2/2008/0914/0914.html

 
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◆ミュージアムトーク
 学芸員による展示解説です。お気軽にご参加ください。
 所要時間 30〜40分
 開始時間 16:00〜
 集合場所 常設展示室5階 日本橋下
  
 平成20年8月15日(金) 発掘された日本列島2008 地域(東京)展示から 
 平成20年8月22日(金) 発掘された日本列島2008 地域(東京)展示から  
 平成20年8月29日(金) 中村座 
 平成20年9月 5日(金) 中村座
 平成20年9月12日(金) モダン東京 
 

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●“旬”
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  この国では、8月は、やはり戦争のことを考える季節ということが
 できるでしょう。ヒロシマ、ナガサキ、そして敗戦の日がある8月です。
 むろん東京大空襲の3月10日は、寒い冬のさなかのことで、焼夷弾の
 熱が土を灼き、数日はその暖かさが地面に残ったといいます。
  戦争中いかに過ごすかは、その人の思想を端的に示すものです。
 反骨のジャーナリストといわれている宮武外骨(みやたけ・がいこつ)
 が、戦争中、多摩川で釣りをしている写真を見たことがあります。
 また、反戦のジャーナリスト桐生悠々(きりゅう・ゆうゆう)が、
 釣竿をかついだ写真もあります。釣りをするということは、社会から
 一歩身を引くということを示すものなのでしょう。
  金子光晴という人は、日本人にしては並外れて大きなエゴを持った
 詩人でした。戦争中、光晴は、妻の森三千代と息子の乾(けん)の3人
 で、山梨県の山中湖畔に逃れ、約1年半をそこで過ごします。
 実はそれ以前に、息子の乾に召集令状がきており、父、光晴は、
 息子の持病の喘息を故意に悪化させ、召集を免れさせていたのです。
 光晴は、乾を水風呂につけ、重いリュックを背負わせ、深夜の戸外を
 走らせたそうです。真偽はわかりませんが、醤油を飲ませて走らせたと
 もいいます。そのようにして得た、戦争中の親子3人の時間は、どんな
 にか幸せで、また、どんなにか息苦しくもあったでしょう。そのとき、
 3人で書いた詩を集めたノートが発見され、それが今年の1月、
 『詩集「三人」』として講談社から発行されました。
  金子光晴は、そこで、うたっています。「人よ。なぜ人生を惜しまない。
 こまやかな人間の生を、なぜもつといつくしまない。夜々、重い爆弾を
 抱いて 人の街のうへにはこぶのは誰だ。また、誰のために何をまもるか。
 むなしいもののためのさらに むなしいあらそひよ!」
  厳しい時代を生き、そして逝った、多くの人々に思いを巡らしつつ、
 平和の意義をかみしめてみたいと思います。        (S)

 
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●図書室から
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◆図書室からのおしらせ

「特別展 北京故宮 書の名宝展」
(〜9月15日(月・祝)予定)関連図書コーナー

「発掘された日本列島2008展」
(〜8月31日(日)予定)関連図書コーナー

 小展示「江戸博カルチャー”和綴じ本を作ってみよう”関連展示」
                    (〜9月30日(火)予定)
 図書室への招待席「江戸の教育」 9月3日(水)開催
                (※事前申し込みが必要です。)

「人相書き」には似顔絵はなかった?
 詳しくは<レファレンス事例集>をご覧ください。
 http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/about/shisetsu/library/reference/index.html

 図書室ホームページ↓
 http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/about/shisetsu/library/index.html


◆司書のオススメ!(64)『写真で見る 東京の激変』
 昔立った十字路に今また立って、街を見回してみる。記憶の中の残像と目
 の前にある実際の風景。そこは確かにかつて自分が立ったことのある場所…。
 東京の街並みや出来上がっていく建物の様子など、昭和30年代のモノクロ
 写真を集めてつくられた本はここ数年続々と登場しています。 
 今回紹介する『写真で見る 東京の激変』
             (世界文化社・2005年・請求記号2136/716/5)
 もそんな中の一冊と言っていいと思いますが、この 本は昭和30年代に
 撮った写真と同じ立ち位置・構図で平成の今に写真を撮り、過去と現在を
 対照させるかたちで銀座・新宿・渋谷・池袋などの街の変貌を見せてくれ
 ます。とくに強調したいのは、新旧の写真、撮ったのは同じ撮影者であり、
 この本の作者であるということ。押入れのダンボール箱から40年近く前
 のネガを偶然見つけ、そのプリントを手にかつての撮影地を訪ねた、
 というのです。ただ写真を見比べるだけではなく、作者の気持ちになって
 見ると、また何とも言えぬ感慨があります。


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●たてもの園から
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◆たてもの園からのおしらせ

◇特別展「日本の建物 第二部建物と夏」
 7月1日(火)〜8月31日(日)
 園内 展示室

 日本建築の大きな特徴の一つに、暑い夏をいかに涼しく過ごすか工夫を
 凝らしていることがあげられます。本展では、夏を過ごすためになくて
 はならないもの、建築にみられる「涼」の工夫などについて紹介してい
 ます。夏休みの課題学習の参考にもなると思います。是非ご覧ください。

◆たてもの園8月の催し

◇ミュージアムトーク
 8月23日(土) 14:30〜
 「特別展日本の建物 第二部建物と夏 第三章涼の六様」
 江戸東京博物館 助教授 米山 勇

◆ビジターセンター(旧光華殿)耐震補強工事のお知らせ
 江戸東京たてもの園のエントランスとなっていますビジターセンター
 (旧光華殿)の耐震補強工事が始まります。
 そのため、8月19日(火)より平成21年3月まで(予定)、たてもの園の
 出入口は、「伊達家の門」(ビジターセンターから約100m東側)になります。
 ビジターセンター内にありましたミュージアムショップは園内東ゾーン
 店蔵型休憩棟1階に移動しました。
 また、8月12日(火)より図書コーナーは閉室し、図書の閲覧はできなく
 なっております。ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をお願い
 申し上げます。

◆たてもの園9月の催し

◇特別展「日本の建物 第三部日本の建築博物館」
 9月13日(土)〜12月7日(日)
 園内 展示室

 年間を通じて開催するシリーズ「特別展日本の建物」はいよいよ第三部
 を迎えます。第三部では、江戸東京たてもの園と同様に文化的価値ある
 建造物を展示している日本各地の建築博物館や街並み保存の実践について
 紹介します。

◇ミュージアムトーク
 9月13日(土) 14:30〜
 「特別展日本の建物 第三部日本の建築博物館」
  江戸東京たてもの園 学芸員 高橋英久

 9月27日(土) 14:30〜
 「特別展日本の建物 第三部日本の建築博物館」
  江戸東京博物館 助教授 米山勇

◇綱島家年中行事「十五夜飾り」
 9月14日(日)
 ※今年の十五夜は9月14日です。

◇伝統工芸の実演
 9月14日(日)・15日(月・祝) 10:30〜16:30
 江戸木箸/市松人形 墨田区の職人さんが実演します。

◇【地域子ども教室推進事業】
 「武蔵野えどまる団 指令47 風雲えどまる城 夏の陣」
 9月20日(土)・21日(日)
 13:00〜16:30 園内 参加自由

 ぼくらの夏は終わらない!
 いざ戦おう!水鉄砲大合戦!!
 さあ水を込めて、ねらい定めて打つのだ!
 我らが城を、大将を、そして仲間を守るのだ!
 勝利のかぎは、チームワークだ!!

 昨年の様子はコチラ↓
 http://www.tatemonoen.jp/event/edomarudan/2006b.html#m24


 お問い合わせは、江戸東京たてもの園
 042-388-3300まで
 http://www.tatemonoen.jp/

◆小金井からの風
 ニイニイゼミからミンミンゼミ、アブラゼミなど蝉の鳴き声も
 バラエティー豊かになり、夏真最中のたてもの園です。夏休み子ども
 ボランティアのひじろっ子が元気に園内で活躍しています。
 ビジターセンター(旧光華殿)の耐震補強工事が始まります。
 お客様に安心して江戸東京たてもの園をお楽しみいただけますよう、
 そして江戸東京たてもの園に移築、復元している文化的価値の高い歴史的
 建造物を無事に保存していけるように工事を実施いたします。
 今回の工事で、園内にある復元建造物の耐震補強工事は終了します。
 ご迷惑をおかけしますが、何卒、ご理解とご協力を賜りますようお願い
 申し上げます。


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●学芸員のつぶやき
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 この夏の美術館、博物館では話題性のある展覧会が数多く開催されてい
ます。当館の「書の名宝展」はもちろんのこと、上野では東京都美術館の
「フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち」(12月14日
(日)まで)、東京国立博物館の特別展「対決−巨匠たちの日本美術」展
(8月17日(日)まで)が開催され、多くの来館者を集めています。
 私も先日、「対決−巨匠たちの日本美術」展を見に行ってきました。
平日だというのに、入場するにも並ばなければならず、その盛況ぶりに
驚きました。やはり尾形光琳と俵屋宗達の「風神雷神図屏風」対決など、
誰もが知っている作家の名品が出陳されているからでしょうか。
「対決」展は17日で終了となりますが、上野に行く機会がありましたら、
東博本館で開催されている「特集陳列 六波羅密寺の仏像」展(9月21日
(日)まで)を観ることをお勧めします。
 本館11室で開催されているこの展覧会には、肖像彫刻の名品「僧形坐像
(伝平清盛像)」や、平安〜鎌倉時代の数々の仏像彫刻が展示されています。
また、「対決」展に出品されていた、六波羅密寺所蔵の運慶作「地蔵菩薩坐像」
は、「対決」展終了後、平成館から本館に移され、「六波羅密寺の仏像」展
に再度出品されるのです。京都の六波羅密寺からこれだけの作品が出された
ことはなく、まとまって見ることができるまたとない機会です。
 11室で六波羅密寺の仏像を見た後は、隣の12室に行ってみましょう。
ここでは「特集陳列 二体の大日如来像と運慶様の彫刻」展(9月21日(日)
まで)が開催されています。
 本展では重要文化財の「大日如来坐像」と、まだ文化財指定を受けていない
「大日如来坐像」が展示されています。もしかしたらご存知の方もいらっしゃ
るかと思いますが、指定品ではない「大日如来坐像」は、今年の3月末、競売
会社クリスティーズがニューヨークで開いたオークションで、
1437万7000ドル(約14億円、手数料込み)で落札されたものです。
この「大日如来坐像」は、鎌倉時代初期の仏師・運慶の作とみられ、日本の
重要文化財級の作品の海外流出が懸念されましたが、日本の某団体が落札し、
何とかくい止めることができました。当初の推定落札価格は150万ドル
(約1億5000万円)から250万ドル(約2億5000万円)だった
そうですから、結果は予想をはるかに超えた金額となり、これは海外で落札
された日本美術品としては最高額だそうです。
 大きさは高さ約66cmと決して大きくはありませんが、近くで見るととても
いいお顔をした如来像です。所蔵者は将来、この仏像を納める建物の建設を
予定しており、それまでの保管先として東博に預けたことから今回の一般公開
となりました。
 現在の日本の法律では、国宝や重要文化財の指定を受けていない文化財は国外
への持ち出しが可能だそうです。一般には国宝や重要文化財の指定は、
その作品の価値を保証するための「お墨付き」のように思われがちですが、
貴重な作品を「守る」ためのものでもあるのです。
当館にも重要文化財に指定された資料は数多くあります。
もちろんそれらも文化財として大切に守られています。


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発行:江戸東京博物館
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発行しています。 http://www.mag2.com/ (マガジンID: 0000081891)
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