Liyn-an Tea Club No.33 結果報告 「紅茶の抽出後の変化」 第29回 Liyn-an Tea Club 開催のお知らせ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
◆ 紅茶の実験室 ☆ Liyn-an Tea Club ◆
No.33 2007.6.19
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
このメールマガジンは「まぐまぐ」で発行しています
登録・解除:http://liyn-an.com/tea_room/mag/mag.html#club
紅茶専門店 TEAS Liyn-an:http://www.Liyn-an.com/
オンラインショップ:http://www.Liyn-an.com/shop/
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
TOPICS 1: 第28回 結果報告 『 紅茶の抽出後の変化 』
TOPICS 2: 第29回 Liyn-an Tea Club 開催のお知らせ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
6月18日 6名の方に集まっていただき、 Liyn-an Tea Club を開催
しました。6名にリンアンのスタッフ2名、+マダム +私 で総勢
10名での実験でした。
今回のテーマは、『 紅茶の抽出後の変化 』
「茶葉を抜いてしまえば紅茶の味は変わらないから」とは、よく言
われることなんですが、どうも経験的にはそうではありません。
例えば、「お昼のお弁当はサンドイッチだから、水筒には紅茶を入
れていこう。」って保温水筒に紅茶を入れていったら、
「不味くなっていて飲めなかった。」なんて経験、ありませんか?
今回はそんな、抽出後の紅茶の味の変化がテーマで、実験準備は、
前日の午後5時半から始まりました。
基本的には、「保存温度、保存時間を変えた紅茶を飲み比べてみる。」
というのが実験方法なんですが、「じゃぁ、どうやったらその味の
変化を少なくできるんだろう?」というところまで、今回の実験で
は踏み込みたいですよね。
逆に言えば、そこのところが、『 一番知りたい事 』だと思います。
でも、「どう変わるのか?」の実験結果が出ていない時点でこれを
準備するのは、有る意味たいへん。
でも、推定で準備するしかありません。
前回のメールマガジンでも書きましたが、この紅茶の抽出後の味の
変化は、昨年の愛知県との共同研究の時に、事前実験として簡単に
試験していますから、「高温域では紅茶は抽出後でも相当味が変化
する。」という事だけは判っていました。
そして推定として、「これはたぶん、紅茶の何らかの成分が酸化し
て重合反応を起こしているのだろう。(あくまでも推定です)」とい
う辺りまでは想像していました。
その推定が正しいと仮定して、酸化を押さえるためにはどうしたら
いいのか?
一つの方法は 酸素を遮断すること。
もう一つは 温度を下げること。
これを実験するためにしたことは、
(1) 抽出した紅茶をPETボトルに入れ、出来る限り
空気を追い出し密閉して保存する。
これは電気ポットの保温機能を使い98℃で保存しました。
(2) 常温で保存する。
これは抽出後、流水で急冷した後に常温保存しました。
室温はだいたい25℃前後でした。
(1) 冷蔵庫で保存する。
これも抽出後、流水で急冷し、冷蔵庫で保存しました。
冷蔵庫の温度は、大体ですが、5〜8℃ くらいでした。
前日の準備はここまで。
まぁその他にも道具の手配や、なんやかんやは当然有りましたけど。
さて当日は朝から準備にかかります。
メインの実験は、
「保存した紅茶の味が時間と共にどう変化していくのか?」
という事ですので、基本的には時間を追って紅茶を抽出しておいて、
同時に飲み比べてみる。
と、まぁこういうことなんですが、当然保存温度によって味の変化
も違いますから、数種類の温度に関して実験が必要です。
もちろん温度によって味の変化の速度も違うはずです。
ですから、全てを同じ時間で試験してもしかたがないですよね。
おそらく、高温の方が変化は早いはず。
という事で、準備したのはこれだけの条件の紅茶。
98℃= 淹れたて、 抽出後30分、 1 時間、 2時間
60℃= 淹れたて、 抽出後1時間、 2時間、 4時間
常温= 淹れたて、 抽出後2時間、 4時間、 6時間
飲む時間を決めておいて逆算して朝から時間通りに紅茶を抽出。
保存は電気ポットの保温機能を使い、ポットの中にガラスのコップ
を入れ、98℃、60℃で保温状態にしておきます。
そこに抽出した紅茶を注ぎ込んで、決めた時間、保温しました。
98℃の試験は抽出後そのままコップに注いでいますが、60℃と
常温の保存試験はいったん冷水(もしくは流水)で急冷してから保存
しています。
使った茶葉はディンブラ・ストラスペイ茶園
http://liyn-an.jp/catalog/452375400744.html
この茶葉を4g使い、3分30秒抽出、お湯の量は、約380cc。
その紅茶を飲んでみた結果なんですが、私の感想は、
「意外に変わってない!」「予想外!」「想定外!」でした。
去年食品工業技術センターで予備試験としてやったときには、もっ
と劇的な変化があったのに、「許容範囲だ!」というものでした。
ただ、これは人によって感じ方が相当違うようですね。
私は、「意外に変わってない!」でしたが、これは去年の経験が誇張
されて記憶してしまっている可能性が高いようです。
今回の変化でも「こんなに変わるの?」と思った方もいらっしゃった
みたいです。
最初に98℃、を飲んでいただき、60℃、常温と飲んでいただき
ました。
ここで、質問。
「98℃と常温と、どちらの変化の方が大きいと感じましたか?」
質問は事前に言って、答える前に全員目をつぶっていただいて、他
の方の意見が判らないようにし、挙手で答えていただきました。
その結果、
98℃ 5名
常温 4名
実は、私は、「98℃は意外に違いが小さいけれど、常温の違いは
はっきり判る。」と感じていましたから、私の含めた結果は
98℃ 5名
常温 5名
という事になり、どちらの差が大きいか、と言えば、「人によって
感じ方は大きく変わるけれど、とくにどちらとも言えない差である。」
といったところでしょうか。
ただ、勘違いしないでくださいね。常温は6時間保存した紅茶との
差で、98℃は2時間の保存です。
つまり、「これくらい長く保存すれば、常温で保存してもその味の
変化は98℃と同じくらいになる。」という事で、言い換えれば、
「低い温度で保存すれば、紅茶の味の変化は小さく出来る。」と言
えます。
では、その味の変化はどんな変化だったのか?
という事ですが、この辺りは皆さんの感想を聞くしかないわけで、
聞いてみたのですが、「硬水で淹れたときの味のように感じた。」
と言う意見に象徴されるような気がします。
つまり淹れたての紅茶はその紅茶のキャラクターがはっきり出るの
ですが、時間と共に重い感じとなり、紅茶のキャラクターが薄れて
いきます。
私自身の感想で言えば、「年月が経った紅茶のような感じ」に変わ
りました。よく言えば熟成された紅茶の味です。どっしりとして深
みのある味です。
悪く言えば、「キャラクターがぼけてしまった紅茶。」
でも、「もしかしたらミルクティーならこの方がいいかも。」と言
う感じもしました。
この辺りは、程度は全く違うのですが、以前実験した、「酸素をたっ
ぷり吹き込んだお湯で淹れた紅茶」が、非常に渋くなった代わりに
ミルクティーには合うようになった現象に似ています。
紅茶の中で実際にどんな変化が起きているのかは判りませんが、こ
の辺りを総合すると、はやり、何らかの成分の酸化が起きているの
かな? と言う気がします。
面白いのは、「渋みが抜けて甘くなったように感じた。」という人
と、「渋くなってくる」と感じた人と、全く反対の感じ方をした人
がいたことです。
この辺りは面白いことなんですが、実は、「渋味」というのは、
甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の、5つの『 基本味 』の中には
入っていません。
では渋味って一体なんなのかというと、お茶に関して言えば、その
主成分のタンニンがタンパク質(この場合は舌)を変成させる時の感
覚で、味覚というより、痛みや触覚に近い感覚だと言われています。
という事で、渋味の感覚は味覚として確率されていませんから、人
によってその感覚、定義が違います。
その事が両極端の意見が出てきた理由だと思います。
どちらにしても、重い感じ、キャラクターの ぼけてきたような感じ
になって来たということは言えるかと思います。
この変化は、多くの人が「不味くなった。」と感じるでしょうが、
「この方が美味しい。」と感じる人もいるだろうな。という気はし
ます。そんな感じの味の変化でした。
最後に22時間保存した紅茶の飲み比べ。
(A) 98℃保存-PETボトルで密閉
(B) 常温で保存-解放状態
(C) 冷蔵庫保存-解放状態
この三つの飲み比べです。
まず、(A)の98℃で保存した紅茶。
正直、「これ、飲みたくない!」 といった感じです。^^;;;
まず見た目に、どす黒くなっています。
他のふたつに比べて、明らかに黒い!
透明感がなく、なんか墨(黒い粉末)でも入れたような黒さです。
この黒の感じは、紅茶にハチミツを入れるとタンニンと鉄が反応し
タンニン鉄となって黒くなった色に似ています。
ただハチミツの場合はタンニン鉄どおしが絡まって塊を作るような
感じがしますが、この場合はそんな感じはせずに、墨の粉末が全体
に拡散したような印象を受けました。
香りも良くない。ほんと。
試飲で減る量も、他のふたつに比べて圧倒的に少ない。
というより、全然減ってない。
意を決して試飲してみる人がいる程度。^^;
まぁ、これは問題外として、常温で保存した紅茶と、冷蔵庫で保存
した紅茶と、どちらが美味しいと思ったか(味)、どちらが香りが良
いと思ったか、を、また目をつぶって答えていただきました。
その結果です。(私の回答も含む)
香り 味
常温 3 3
冷蔵 7 7
「味は冷蔵の方がいいけれど香りは常温保存の方いい。」というよ
うな方も(その逆も)いらっしゃいましたが、全体としては、味香り
とも、冷蔵保存の方が良いと感じる人が多いようです。
結論として、
「紅茶は抽出後も、どんどん味の変化が起こっている。」
「その変化は高温の方が速く、低温になるほど変化が遅い。」
ということが言えると思います。
紅茶は飲むときの温度によってその味が大きく変わります。
そのため、今回は98℃以外は電子レンジで温め直し、温度の影響
を小さくして飲み比べました。
この「電子レンジで温めたことによる影響」
これを検討しなければいけないのですが、今回はそこまですること
は出来ませんでした。
ただ、参加者の意見にも合ったのですが「常温で保存しておくと香
りが飛んじゃっていると思っていたけど、電子レンジで温め直すと
意外に香りがたってきた。」ということがあります。
電子レンジでの温め直しは、意外に紅茶を美味しく飲むことが出来
るのです。
少なくとも、お弁当の飲み物に紅茶を持っていく場合、「熱々で飲
めるように。」と、淹れたての紅茶を保温水筒に詰めていくより、
冷たくして持っていって、会社の電子レンジでチンして飲む方が、
はるかに美味しい紅茶が飲めそうです。
電子レンジが使えない方は、紅茶の美味しい温度、60℃くらいに
して保温水筒に入れて持っていきましょう。
これくらいの温度にしておけば、数時間は味の変化もそんなに大き
くないようですよ。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
TOPICS 2: 第29回 Liyn-an Tea Club 開催のお知らせ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
次回の Tea club のお知らせです。
テーマは、『 紅茶の光劣化 』 . . ... の、予定です。
変わるかもしれません。
m(_ _;)m
とりあえず、日にちだけ決めました。決めて予定を組まないと
どんどん他の予定が入ってしまいますので。
一応、予定している『 紅茶の光劣化 』ですが、紅茶は光によって
急激に劣化します。
今年、愛知県食品工業技術センターの研修生として選んだテーマが、
「紅茶の経時変化」です。
茶葉を保存によって、紅茶の葉の成分にどういう変化が起こるのか?
そして、その変化を人はどう感じるのか?
美味しくなったと感じるのか? それとも不味いと感じるのか?
それの変化は保存方法の違いによってどう変わるのか?
というものなのですが、その研究でどうやって試験しようかという
段階で、「これは考えなくてもいいよね。問題外だよね。」と試験
項目から外してしまったのが、光による劣化。
それくらい、光によって紅茶の葉は劣化します。
光の劣化は1年かけなくても1週間も試験すれば簡単に出来てしま
いますから、今回の耐久試験からは外したのです。
でも、光によってどれくらい劣化が進むのか?
光と言っても、どんな波長の光によって劣化するのか?
それは、本当に「劣化」と言っていいのか?
など、判っていないことばかりです。
そこで、1日光にあてたもの、3日光に当てたもの、1週間光にあ
てたもの。
紫外線はカットして可視光線だけをあてたもの。
赤い光をあてたもの。緑の光をあてたもの。などを準備して飲み比
べてみようと思っています。
ただ、飲むのは簡単でも準備はたいへん。赤い光、緑の光、紫外線
吸収フィルムはどうするか?など、検討項目はいっぱい有りますの
で、開催日までに準備が出来るのか?
というところで、テーマは 『 予定 』としておいてください。
でも、もし準備が間に合わなくても別のテーマで楽しい実験を準備
させていただきますからね。
■ 第29回Liyn-an Tea Club ■
期日 平成19年8月6日(月曜日)
時間 19:00〜 2時間程度 今回は『 夜 』です。
参加費 \1,000-
定員 8名
定員になり次第、キャンセル待ちとさせていただきます。
お申し込みは、件名「ティークラブ申込み」として、こちらへ。
info@Liyn-an.com
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
=== 編 集 後 記 ===
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
人の感覚って、判らないものですね。
「圧倒的に常温の方が差がある。」って、思ったのですが、逆に感
じている人が半数だったなんて。これだから、飲んだだけでは判ら
ない。
本当に本当は、どれが何時間保存した紅茶なのか、そこまでブライ
ンドにして、一人一人衝立で仕切って隣りの人の意見が判らないよ
うにするくらいでないといけないんですけどね。
今日、容量100Lのアルミ貼り紙製のドラム缶が届きました。
これはこれから始まる紅茶の保存試験用の試験室。というか、保存
容器。
食品工業技術センターには24時間20℃に保たれた保存試験用の
部屋が有るのですが、そこに保存しても周囲の臭いなどを吸ってし
まうかもしれません。
そこでさらにその中に専用の空間を作ってしまい、その中にパック
詰めした紅茶を保存しようと、アルミ貼りの紙製ドラム缶を準備し
ました。
明日は温度と湿度のデータ記録器が届きます。保存試験に向けて、
準備が着々と進んでいます。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
責任編集:堀田信幸 有限会社リンアン
488-0837 愛知県 尾張旭 市庄中町 鳥居1820
TEL 0561-53-8403 FAX 0561-53-8405
http://www.Liyn-an.com/ info@Liyn-an.com
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
Copyright(c), 2007 Liyn-an co.,Ltd


![転職なら[en]社会人の転職情報!転職成功者続出 転職なら[en]社会人の転職情報!転職成功者続出](http://kamogawa.mag2.com/bn/recommend/sya.gif)
![派遣のお仕事探しなら[en]派遣のお仕事情報 派遣のお仕事探しなら[en]派遣のお仕事情報](http://kamogawa.mag2.com/bn/recommend/haken.gif)
![アルバイト探しは[en]本気のアルバイト アルバイト探しは[en]本気のアルバイト](http://kamogawa.mag2.com/bn/recommend/baito.gif)
![就職サイトは[en]学生の就職情報 就職サイトは[en]学生の就職情報](http://kamogawa.mag2.com/bn/recommend/gakusei.gif)
![転職なら[en]転職コンサルタントキャリアを活かした転職に! 転職なら[en]転職コンサルタントキャリアを活かした転職に!](http://kamogawa.mag2.com/bn/recommend/consul.gif)